第106回目(3/4) 竹村 亞希子 先生 易学研究家

「わからないことが素晴らしい」と伝えるようになりました。

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「執筆活動を始められたのはいつ頃からですか?」

講演を始めた頃から新聞の連載が始まったり、エッセイを書いたりしていました。

こちらから営業をかけなくても、口コミで誰かが紹介してくれることが続きました。まだ事務所がない頃に筮を立てたら「来年はラジオ番組の依頼が来る」と出ました。その翌年に事務所を出したのですが、直後に本当に依頼が来ました。

開業して2年目ぐらいからは、ラジオ番組半年やった後、エッセイを書いたり取材がたくさん入ってきました。でもほとんどが占いの取材なのです。だから外から見ると占い師になっちゃいますよね。

講演では、その頃に一番人気があったのは人相の講演でして、社長さんたちから選んだ人を全部前に並ばせて説明するっていうのが、大ヒットして、それで全国を回るのが15年以上続きました。そういう時に必ず最後の30分間に龍の話をするようにしていました。

ひと月に3回か4回はテレビとかラジオとか雑誌とか新聞の取材や連載がありましたが、やっぱり占いの話が圧倒的に多いので、スタッフを育てなきゃと思って「占いの玉手箱」というグループを2年目に作りました。

「どのような方がグループに入られたのですか?」

私が教えた人もいますし、以前から何十年もご自身で占いをされていた人もいました。すぐに20人ぐらいに増えて、占い師の派遣をしたり、イベントのスピーチをしてもらったりしていました。易経の講演ができる人はいませんでした。

多い時は40〜50人いました。ちょうど10周年の時に「ぎふ中部未来博」があって、その中で十六銀行さんが「世界占い館」を出されたのです。こちらからの営業は一切しなかったのですが、代理店から連絡が入りました。「世界占い館というパビリオンなので、占いの歴史や文化を紹介したいのだけれど、どうしたらいいか企画を探してるのです」とのこと。

うちに来る前に別の団体に依頼をしていたそうですが、団体上層部の派閥争いがあったそうで、そういった派閥に関係のないところを探していたそうです。これまでのイベントで作成した企画書のコピーをお渡ししたところ3ヶ月ぐらいして「岐阜に来て欲しい」という連絡が入りました。

「申し訳ないですが、忙しいので決まったら行きます」と返事をしたところ「決まりました」と言われてすぐに行きました。 伺ったところ、私の手書きの企画書がイラストも入ってキレイに製本されていて代理店の名前になっていました(笑)。パビリオンの時は、新たにプロデュースができる人、ディレクター、人前で話せる人などがグループに加わっていました。

開業して4年目頃から「占いの玉手箱は、いい仕事が出来る」と言われるようになっていました。一旦入った人は長く在籍する方も多くいました。一番長い人は30年以上いましたね。実は3年前に数年かけて全員独立してもらいました。独立した人は「以前は占いの玉手箱にいました」というと優遇してもらえたそうです。

「これまでずっと順調に来られたのですか?」

失敗はいろいろあります。すぐに忘れてしまいますが(笑)。例えば講演ということであれば、今でも思い出すことがあります。

11年前にある大手家電メーカーの本社で、役員以上と傘下の社長達が集まった講演会に呼ばれたことがあります。「易経とコンプライアンス」というテーマで、龍の話と易経に書かれている社会貢献の話を2時間しました。

私は講演慣れしているので、緊張することはあってもあがることはまずありません。しかしその時はものすごくあがってしまいました。なぜあがったのかというと「欲」です。

当時、本を2冊出していたのですが、その仕事を紹介してくれた人が私に言ったのです。「講演が成功したら、役員のみなさんが本を買ってくれるかもしれません。もしかしたら社員に配るかもしれません」社員が何万人もいる会社です。何万部も本が売れると思ったら・・・肩に力が入ってしまって「いい話をしないと!感心されるぐらいいい話をしないと!」と力みすぎてしまったのです。

そして話が始まった途端に、頭が真っ白になってしまいました。あれ、私、何を話すのだったっけ、というように。

いつもは相手のことを考えて「どうすれば伝わるかな?」と考えながら話しているのですが、その時は「感心させないと!」と必死でいました。1時間ぐらい話したところでやっと落ち着いてきて、自分であがっていることもよくわかりました。

そこで「今日はがらにもなくあがっています」と正直に言いました。理由はみっともなくて言えなかったですが、後で猛反省しました。普段は自分で「欲を出したら力が入ってロクなことにならないから、肩の力を抜きなさい」と皆に言ったり、講演で話しているのに、それができていませんでした。


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「講演は、どのようにブラッシュアップをしてきましたか?」

以前の私の講演は、理屈っぽかったと思います。伝えたい情報が多くありすぎて、あれこれ詰め込みすぎていました。それが正しいと思っていました。しかし情報は多ければ多いほど迷って消化しづらくなることがあります。ポイントだけの方がいい場合もあります。

4年前に大谷由里子さんが主催する「台本塾」という高額なセミナーを受講して、話すこと、伝えることはどういうことかを見直しました。その時に大谷さんに「竹村さんは、教えたがっている。教えることよりも伝えることが大切だよ」と指導を受けました。

それで目から鱗が落ちまして、教えたがっていた自分がいた!と。それから伝えることを重視するようにしたところ、今まで以上に「分かりやすくなった」と喜ばれるようになりました。大谷さんには感謝をしております。

これまで30年以上講演をしていましたが、それでも驚くぐらい頭が切り替わりました。伝え方があきらかに変わってきていると思います。

「具体的にどんな変化がありましたか?」

講演の時に、易経の詳しい話になって「ここはわからなくても大丈夫」というのは、前から言ってましたが、最近は「わからないことが素晴らしい」ということを強調するようになりました。

以前は「今はわからなくても後でわかるから」という意味で言っていたのですが、最近は「わからない方が素晴らしい」という言い方をするようになりました。その方が伝わるのです。

これは、講師の逃げ口上ではありません。この世の中のことってほとんどわからないことだらけですよね。何か1つ腑に落ちた瞬間にまたわからなくなるんですよ。「わからないからいけない」と思うと圧迫感、拒否反応が出てしまいます。

しかし「わからなくてもいい」となると、そのまま受け入れることができるわけです。赤ちゃんは、わからないことだらけの洪水の中ででわかっていくわけじゃないですか。ずっと受け入れているといつの間にか化すのです。変化の化です。化すのです。ものになるのです。

それと短時間で得たものは残らないのです。長時間かかって得たものは、全部力になるし残るのです。易経の中に「山水蒙(さんすいもう)」という教育に関する卦があります。蒙昧や啓蒙の「蒙」の出典がこの「山水蒙」と言われています。

山がもともとあるのだけれど、霧で消されて見えない、墨画の世界、山水画の世界のことです。その霧が晴れればもともとあるものが見えるわけです。しかし「わからないといけない」と思ってしまうと、難しいってことで嫌になり、拒否反応が出て自分の心が塞がります。

「わからなくていい」ということで話を進めていくと聞く人が楽になります。ちょうど私が小さい頃に難しい本を読んでいた時に、わからなくていいから読み進めていったら大人の文庫本が読めるようになったのと同じです。「山水蒙」では、こんな言葉が書かれています。

「我(師の側、先生の側)より童蒙(学ぶ側)を求むるにあらず、童蒙より我に求む」

こっちから教えようとしてもそれは教育にならない、学ぶものが教えて欲しいという気持ちがおきた時、学びたいという気持ちがおきた時に初めて学びになるという意味です。先生は霧が自然に晴れるのをお手伝いする。生徒が元々持ってるものを発すれば本来の力が引き出され、自分で考えるようになります。

時間がもったいないからと言って「要するに」とポイントだけ聞いても、土台ができていなければ何にもならないのです。学びたいという気持ちを持った時に、すべて学びは開けると易経は教えてくれています。それが「啓蒙」だと。


(次回につづく・・)

竹村 亞希子(たけむら あきこ)   易経研究家
  東洋文化振興会相談役

1949年、名古屋市生まれ。
中国古典「易経」を占いではなく、古代の叡智の書としてわかりやすく紹介。
企業の社長や管理職にアドバイスを行っており、企業経営に携わる多くの人々から厚い信頼を得ている。

また、中国の古典"易経"をベースとした「龍が教える帝王学」「易経と経営」「易経とコンプライアンス」「リーダーの条件」「兆しを観る」「易経からみた成功と失敗の法則」などをテーマに、全国の企業、官庁で講演やセミナーを開催している。
易経全文を読むのに10年をかけるNHK文化センター(名古屋)「現代に生きる『易経』入門」講座の講師を担当している。

<竹村亞希子先生のHP>
【竹村亞希子 OFFICIAL WEBSITE】

<竹村亞希子先生のブログ>
【【亞】の玉手箱2 - 楽天ブログ】

<竹村亞希子先生の著書>
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超訳・易経  自分らしく生きるためのヒント


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リーダーの易経「兆し」を察知する力をきたえる


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「易経」一日一言 (致知一日一言シリーズ)



インタビュアー:荒川仁美(あらかわひとみ)

荒川仁美

株式会社サイドウェイズ顧問、コミュニケーションコンサルタント

ブレスプレゼンターとして、呼吸法を通じて「愛される豊かな人生」を
歩む人を育むことを使命とし、「人生を楽しむ自分になる」
「人と自分を比べない」「自分の成長を信じる」
この3点をモットーに、ココロとカラダが穏やかに健やかになる
「笑顔満杯の120分」のブレスプレゼント講座を開催している。
モットーは、人と人を笑顔でつなぐ架け橋になること!

HP:株式会社サイドウェイズ
ブログ:人生はいつだってハッピー


インタビュアー:倉橋竜哉(くらはしたつや 日本メンタルサービス研究所 代表理事)

倉橋竜哉

アイネスト株式会社、日本マイブレス協会の代表を務める。
日本マイブレス協会では、ブレスつまり息をコントロールする
「呼吸法」を通じてココロの穏やかさとカラダの健やかさを
お伝えする講師の養成を行っています。

HP:日本マイブレス協会
著書:「呼吸で心を整える」
発行メルマガ:毎朝1分☆天才のヒント


インタビュアー:鈴木明美(すずきあけみ)

鈴木明美

セラピールームChildren主宰、Team Oasis 代表
自分がなんだか分からない。何かやりたいけど、見つからない。
心の悩み、病を抱えた方、自己実現したい方のお手伝いをいたします。

心理カウンセラー、ゲシュタルトファシリテーター、NLPセラピスト、
交流分析士1級、レイキヒーラー
HP:江戸川区西葛西、セラピールームChildren
ブログ:セラピールームChildren

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