第106回目(1/4) 竹村 亞希子 先生 易学研究家

「龍の話」に出会ったとき、人生は全てここに書いてあると感激しました。

今回のインタビューは、易学研究家の竹村 亞希子(たけむら あきこ)先生です。
竹村先生は、中国古典「易経」を占いではなく、古代の叡智の書としてわかりやすく紹介されています。

NHK文化センター主催「現代に生きる易経入門講座」や、経営者・幹部向けの企業研修など多方面で活躍されています。

著書「リーダーの易経「兆し」を察知する力をきたえる」は、多くのビジネスパーソンの指南書として愛読されています。

一般的には「占い」や「古典」としてとらえられがちな「易経」を、どのようにして現代のリーダーシップ論として昇華することができたのか、その背景を伺いました。

インタビュー写真

「どのような子ども時代を過ごされましたか?」

小さい頃から活字中毒でした。親には、目が悪くなるから夜遅くまで本を読んでちゃいけない、11時くらいになったら「寝なさい」って言われていました。その時に寝ている振りをして、明かりを布団の中に隠していました。でもバレて叱られてというのを繰り返していました。

「当時どのような本を読んでいたのですか?」

その頃は片っ端から本を読んでいました。少年少女向けの本から、読むものが無くなると、家が商売をしていましたから、お店に出す週刊誌、月刊誌、小説本とか。当時は、貸本屋さんが貸し出しに出向いて持って来ていました。中学時代になると近くの本屋さんで毎月1冊だけ、好きな本をツケで買っても良いことになりました。でも3冊も買って叱られたりを繰り返していました。

だから、子どもの読みものはもちろん、大人の読みものも読みますし、それが無くなったら、わかってもわからなくても、父親の書斎から本を引っ張り出してきては読んでしました。中には今では発禁になっているような成人向けの小説もありました。

読み仮名が振ってあるのは分かりますが、分からない漢字は、勝手に自分で言葉を充てて読んでいました。だから間違った読み方もたくさんしていましたね。小学校時代には、文庫本を読んでいて「わかるわからないは関係なく、字があればいい」という状態でした。

昔は本屋さんが好きでした。昔はどんなに小さい本屋さんでも、店主の考えで並べてあるものが全然違っていたんです。興味のあるものもないものも、それなりに並んでいて、別の本屋さんに行けばまた違う本があって、本との出会いがあったんです。残念ながら最近はそういった本屋さんは減ってしまいましたが、そういう環境って大切です。

「易経は、どこで出会ったのですか?」

家に黄小娥さんの「易入門」という本が置いてあって、10代の頃に読んだことはあったのですが「占いの1つなのかな」という感じで、その時は特に興味は湧きませんでした。

21歳の頃、水道橋の古本屋さんに行ったときに、易の本があって、なんとなく手に取ってみると、その本は内容が本格的だと思って買いました。

そしたら古本屋の店主が「道具はいらないの?」と聞いてきて「道具って?」って聞き返すと「そりゃぁ筮竹(ぜいちく)でしょう。そこにあるよ。」って言うから、ちょっと高かったけど一緒に買いました。

読んで試してみたらこれが結構当たりまして、面白いなと思いました。それまでの私の読書は、寝転んで読む読書がほとんどでした。この本も最初から読んでいたわけではなくて筮の立て方や結果の解説ばかり読んでいたのです。

しかし、ある時にこの本を、ちゃんと最初から読み直してみようと思いました。最初に出てきたのが「龍の話」でした。


インタビュー写真


「龍の話は、どのような内容だったのですか?」

六十四卦の最初に出てくる「乾為天(けんいてん)」の所に書かれています。「潜龍(せんりゅう)用うることなかれ」という話から物語が始まります。まだ力のない段階で、焦って成果を上げようとしてはならない、潜んで実力をつけよという意味です。

続いて「見龍(けんりゅう)田に在り」、培った力を先見の明のある人に見いだされて修養の場に現れるという段階に進み、「君子終日乾乾(くんししゅうじつけんけん)、夕べにタ若(てきじゃく)たり」君子は昼に努力邁進し、夜は反省するという話になり、

「躍龍(やくりゅう)、或いは踊りて淵に在り」ある時は跳躍し、ある時は淵に沈み、「飛龍(ひりゅう)天に在り」好機をとらえ天に舞い、地に恵みの雨を降らし、最後は「亢龍(こうりゅう)悔い在り」驕り高ぶった者は地に落ちて後悔するというストーリーになっています。

「かっこいい―!何これー!」と思ったわけです。「人生って全部この通りじゃない!」と。最初から読み始めた瞬間にびっくりしちゃったんです。「すごいことが書いてあるなぁ、面白いし、スリリングだし、これは凄い!!」となりました。

それまで読んでいた守破離の話だったり、世阿弥の花鏡だったり、その他にもいろんな人が言っているコツの原点が描かれていたのです。

「その後は、どのように学んでいったのですか?」

その本は龍の話がとても面白かったのです。しかし他のところを読んでいくと、龍ほどは理解できませんでした。それから易の本を読みあさったのですが、どうも物足らなくて、最初に大きく広がったイメージを満たしてくれる解説書がなかったのです。

その後、26歳の時に高島嘉右衛門(たかしまかえもん)の「高島易断」という高価な本と出会いました。易者さんたちの間でも有名で「国会図書館に行かないと読めない」と言われている本で、当時は例え古本屋にあったとしても30万円はすると言われていました。その本と名古屋の古本屋で出会いました。この本は、既に再版されていて数万円で手に入りますが、今でもこれ以上の本には出合っていません。高島嘉右衛門は横浜の実業家でもありますが、「高島易断総本部」や「高島易断総本家」の発行する書籍とは全く関係がありません。

古本屋で立ち読みしたときに震えが来ました。私の探していたのはまさにこの本だと。しかし30万円だと買えないなと思っていたら値札に18万円と書いてあったのです。しかも店主は「15万円にしてあげるよ」と言ってくれました。

「何でそんなに安くなるんですか?」って聞いたら「実はこれ20ページ近く落丁しているんだ」と言われまして、落丁でそんなに安くなるんだっと思いました。これを逃したら、いつまたこの本に出会えるか分からないから、その時にお財布にあったお金8千円を手付金に置いて「絶対に取りに来るから置いていてください。」と言って、数日後に取りに行って、夢中になって読み始めました。

「他に学ばれたことはありますか?」

高島嘉右衛門の本で「龍の話」に関しては、かなりの解説があったのですが、どうしてもイメージが合わない部分がありました。その後、名古屋の書店で空手家の南郷継正(なんごうつぐまさ)の「武道とは何か」という本と出合いました。

易経でなく、弁証法を駆使して空手の上達論として書かれていることが、龍の話と全く同じで、感動しました。私の易経の解説やリーダー論の元であり、易経を深読み出来るようになったのは、この武道論に書かれている弁証法が出発、原点です。

「学んだことをお仕事にするきっかけを教えてください」

社会人になって銀行を3年半で辞めて、結婚して子どもを育てて、バイトをしたりという生活をしていました。主婦として社会から離れてしまった気がして、本を読んでいても本だけの世界になってしまう感覚がありました。

「何かをやりたい」と思ったのですが、人に使われたくはありませんでした。家庭もあるから出来れば月25日も働かずに、3日から1週間くらい働くのがいいなと思ったのです。

当時、自然農法の福岡正信(ふくおかまさのぶ)さんの本を読んで「さぼり農法」にも惹かれていました。自ら耕さない、除草しないなど、自然農法でやると、働かなくても、自然が養ってくれるという考え方です。これは易経の「天雷无妄(てんらいむぼう)」という卦にある教えと同じです。

自然農法のようなスタイルだったら、そんなに稼がなくても、まわっていければいいじゃないかという発想があって「何がいいのかなぁ、自分にできることはなんだろう」と考えました。そこで筮を立てたところ、易で食べていけると出たのです。今は易占いはやっていませんが、はじめは占いをしながら少しずつ周りに「龍の話」を伝えていくことで易経の全体像を伝えていきたいと考えました。


(次回につづく・・)

竹村 亞希子(たけむら あきこ)   易経研究家
  東洋文化振興会相談役

1949年、名古屋市生まれ。
中国古典「易経」を占いではなく、古代の叡智の書としてわかりやすく紹介。
企業の社長や管理職にアドバイスを行っており、企業経営に携わる多くの人々から厚い信頼を得ている。

また、中国の古典"易経"をベースとした「龍が教える帝王学」「易経と経営」「易経とコンプライアンス」「リーダーの条件」「兆しを観る」「易経からみた成功と失敗の法則」などをテーマに、全国の企業、官庁で講演やセミナーを開催している。
易経全文を読むのに10年をかけるNHK文化センター(名古屋)「現代に生きる『易経』入門」講座の講師を担当している。

<竹村亞希子先生のHP>
【竹村亞希子 OFFICIAL WEBSITE】

<竹村亞希子先生のブログ>
【【亞】の玉手箱2 - 楽天ブログ】

<竹村亞希子先生の著書>
cover
超訳・易経  自分らしく生きるためのヒント


cover
リーダーの易経「兆し」を察知する力をきたえる


cover
「易経」一日一言 (致知一日一言シリーズ)



インタビュアー:荒川仁美(あらかわひとみ)

荒川仁美

株式会社サイドウェイズ顧問、コミュニケーションコンサルタント

ブレスプレゼンターとして、呼吸法を通じて「愛される豊かな人生」を
歩む人を育むことを使命とし、「人生を楽しむ自分になる」
「人と自分を比べない」「自分の成長を信じる」
この3点をモットーに、ココロとカラダが穏やかに健やかになる
「笑顔満杯の120分」のブレスプレゼント講座を開催している。
モットーは、人と人を笑顔でつなぐ架け橋になること!

HP:株式会社サイドウェイズ
ブログ:人生はいつだってハッピー


インタビュアー:倉橋竜哉(くらはしたつや 日本メンタルサービス研究所 代表理事)

倉橋竜哉

アイネスト株式会社、日本マイブレス協会の代表を務める。
日本マイブレス協会では、ブレスつまり息をコントロールする
「呼吸法」を通じてココロの穏やかさとカラダの健やかさを
お伝えする講師の養成を行っています。

HP:日本マイブレス協会
著書:「呼吸で心を整える」
発行メルマガ:毎朝1分☆天才のヒント


インタビュアー:鈴木明美(すずきあけみ)

鈴木明美

セラピールームChildren主宰、Team Oasis 代表
自分がなんだか分からない。何かやりたいけど、見つからない。
心の悩み、病を抱えた方、自己実現したい方のお手伝いをいたします。

心理カウンセラー、ゲシュタルトファシリテーター、NLPセラピスト、
交流分析士1級、レイキヒーラー
HP:江戸川区西葛西、セラピールームChildren
ブログ:セラピールームChildren

  • 呼吸法の日本マイブレス協会
  • 毎朝1分 天才のヒント

インタビュー集

  • 毎朝1分天才のヒント メールマガジンで30日間の無料レッスン
  • さぱりメント あなたのお悩みをさっぱり解決