第105回目(1/4) 笹氣 健治 先生 心理カウンセラー 一歩ナビ

悩んでいた時に、経営者向けのメンタルプログラムを紹介され・・・

今回のインタビューは、『「やる気」のある自分に出会える本』などの
多くの著書でおなじみの心理カウンセラー、笹氣 健治(ささき けんじ)先生です。
10年超のメルマガ『一歩ナビ』でも有名ですね。

笹氣先生は、現役のスポーツクラブ経営者という「顔」もお持ちで、
サラリーマンと企業経営を経験した数少ない心理カウンセラーとして、
がんばっている人が抱える悩みの解消をテーマに、執筆、講演、セミナー、
個別カウンセリングなど、幅広くご活躍です。

仙台在住で、メールカウンセリングにも力を入れていらっしゃる先生に、
仕事や経営に活かせる心理学とそのための感情コントロール、
メールカウンセリングのメリット、今後の展望などについてお話を伺いました。

インタビュー写真

「先生の活動の柱を、教えていただけますか?」

現在は、スポーツクラブの経営、企業や団体向けの講演、大学の非常勤講師、カウンセリングをやっています。大学を出てすぐに東京でNTTに就職し、6年間勤めた後、父のスポーツクラブを手伝うために1996年に仙台に戻りました。その後、2004年に社長になり、今に至ります。今の仕事量は、社長の仕事が2割、その他が8割といったところでしょうか。

「講演のテーマとしてはどういうものが多いのですか?」

仕事における人間関係ストレスへの対処法や、リーダーシップ、感情のコントロール方法などです。

「心理の分野ですね?」

心理であり、働いている多くの人が悩んでいるところだと思います。

「スポーツクラブの経営をしながら、心理学に興味が向かわれたのは、何かきっかけがおありだったのですか?」

社長になるちょっと前ですけれど、スポーツクラブのマネージャーとして、朝6時に会社に行って、夜11〜12時まで働いて、最後に戸締りして帰るのをほぼ毎日繰り返していた時期が、30代前半にありました。

その頃、長女が生まれましたが、私は相変わらず仕事に専念していて、子育てを妻一人に押し付けた形になっていました。妻は子育てに相当なストレスを抱えていましたが、私はまったく妻の精神的フォローをしませんでした。その結果、夫婦関係がギスギスしてきましたし、それと同時期に、会社では、部下との関係が悪くなっていました。私が次々といろいろな指示を出していたために、どんどん重荷を背負わせるだけになっていて、ある時、スタッフから「いろいろ指示されますが、実際にやるのは私達ですよ」と言われて、「ちょっとやばいな」と思いました。

「問題を感じていらしたのですね?」

そんな時、この悩みを、ある経営コンサルタントに相談したら、経営者向けのメンタルプログラムを紹介され、すぐに参加を決めました。そのプログラムでは、堀之内高久先生(当時は横浜国立大学保健管理センター准教授、現在は(有)メンタリング研究所スーパーバイザー)の下、グループセラピーの合宿をやったり、個別にカウンセリングをしていただきながら、自分自身の心理的課題の解消に取り組みました。

合宿では、参加者それぞれが自分の悩みを話して、それを解決する方法の指導を受けました。他の参加者も私と同じく経営者で、私と似たり寄ったりのことをやっていて、「家族を省みない」「社員との心の距離が開いている」とか、みんな同じような悩みを抱えていました。

そのプログラムを通じて、私は自分の問題点に気づき、これからどうすればいいか、やるべきことが見えてきました。そして、私なりに努力を重ねた結果、妻との関係も改善し、会社でも、社員との信頼関係を築けるようになりました。

今、私は、社長という肩書ではありますが、ほとんどすべてを社員に任せ切っています。社員達が自ら考えて行動できるような環境を作り上げることができた、ということです。そのおかげで、私は時間に余裕ができたので、堀之内先生から学んでいろいろ実践してきたことを、せっかくだから文章にまとめておこうと思って書いていたものが、出版社の目に止まったのです。

「最初は執筆から入られたのですか?」

堀之内先生のメンタルプログラムに参加する一方で、産業カウンセラーの資格も取りましたし、心理学の本もたくさん読みました。人間心理についての興味が高まったんです。いろいろ勉強していく中で、私自身の課題だった、やろうと思ったことがなかなか行動に移せないことの心理的原因がわかって、その心理メカニズムと対処法を、『「はじめの一歩が踏み出せない」には訳がある!』というメルマガにして発表しました。

その内容を直接お伝えするセミナーを開催したり、個別にメール相談も行いました。さらに、内容をレポートにまとめてサイトでも公開したところ、それを見た、秀和システムという出版社の編集者から出版オファーのメールが届き、最終的には『なぜあなたはその仕事を先送りしてしまうのか?』という本を出版することになったのです。

「現在、ご著書は何冊ですか?」

18冊です。

「どの本も、読んでいて癒される、セラピー的な効果がありますね?」

そういう風に書いているつもりです。具体的には、基本的なカウンセリングの流れの通り、ラポール形成から始めます。カウンセリングをする時と同じように、まずは共感して、自分のことがこの本には書かれていると思えるような出だしから入り、その上で、何が問題かという分析や、心理的な解説等も入れながら、「じゃあ、どうしたらいいか」という流れにしています。これは、どの本も一緒です。読んで癒されるように書くのが私の狙いなので、そういう印象を持っていただけたのかと思います。

「“今の私はこれだ”という要素が見つかって、それに対する対処法も書いてあるので、そこがいいですね?」

心理的に囚われている部分に対して視野を拡大することも必要ですが、やはりそれだけで終わりにせず、現実を変えるための行動も必要です。実際に生じている問題は、取り除けるものは取り除かなくてはなりません。本の中では、その両方を扱うようにしています。

読者の中には、心理的な部分で「仕方ない」と心から割り切って、現実を受け入れて生きていこう、といった気持ちになって心が軽くなる部分に反応する方と、具体的に問題を解消して前に進んでいこうというところまでお役立ていただける方がいると思います。


インタビュー写真


「一冊目の本を出した後、また次々出そうという風になられたのは、どんな経緯で?」

1冊目の本は、ビギナーズラックなのか、そこそこ売れたんです。この本を読んだ他の出版社の編集者の方が「うちでも書いてください」という感じでオファーが続き、気づいたら8年で18冊になっていました。

「会社経営と並行して執筆というのは、大変だったかと思いますが?」

さっきも言いましたが、私はあまり自社の運営にタッチしていないんです。肝心な部分は押さえていますが、スポーツクラブの現場でスタッフに指示を出したり、お客さま対応の指揮を執ったりとかは、当社のナンバー2に任せているので、私の出番はあまりないんです。プールサイドで監視しているみたいなものですね。何かあった時だけ出動する。普段はやることが少ないので、その間に本を書いているという感じですね。

「本では、モチベーションコントロールや感情のコントロールが中心テーマという印象を受けたのですが、そのあたりはいかがですか?」

心技体という言葉がありますが、いくら技と体を鍛えても、やはり心が大切です。知識や技術をいくら持っていても、それを支える心がないといけない。たとえば、邪な心だったり、わがままで自己中心的な心だったりすると、どうしても技がうまく機能しないんです。

何があっても、自分の感情をコントロールして冷静に対処することが必要であり、心をコントロールできて初めて、人とうまく関われるようになるので、小手先の、「こうすればいい」というテクニックを伝えても、たぶん役に立たない、使いこなせないので、まずは心の安定、そのための感情のコントロールについて中心に書かざるを得ないという感じです。

「読者として意識していらっしゃるのは、ビジネスパーソンですか?」

はい。出版社からの執筆のオファーはビジネス書なので、ビジネスパーソンが読むという前提で書きます。

「一番最近の『仕事の悩みを引きずらない技術』では、感情を15種類に分けて説明していらっしゃいますが、これはオリジナルですね?」

そうです。「イラ立ち」「恨み」「自己正当化」「傷心」「落胆」「後悔」「自己嫌悪」「罪悪感」「恥ずかしさ」「嫉妬」「執心」「不安」「劣等感」「苦手意識」「無力感」の15種類ですが、これらは心を不安定にする心理です。こういった心理になっている時に、心を安定させる方法として、まずはそれぞれがどういう心理なのかを定義付けて説明しています。

「自分の心の中で何が起きているか・・・」

それがわかることで、解消につながる定義付けですよね。

例えば、「後悔」というのは、「今の自分が、過去の自分を批判している心理」です。こう定義付けをすることで、今の自分が過去の自分を批判することは無意味であり、理不尽だと気づく。失敗した当時は、それでいいと思っていた訳です。選択肢がそれしかなかったとか、その時はついそれをやってしまったとか、冷静ではない当時の自分を、結果がわかっていて冷静な今の自分が責めるのは、それはおかしいです。

過去は過去で、それなりに一生懸命やっていた。その時は、それでいいと思ったとか、それ以外選択肢が無かったとか、とにかく、それを選ぶしかなかったのです。その判断を今さら責める必要はない。大事なのは、当時の視野の狭さ、なんでそういうことをやってしまったか、という点です。

考え方が間違っていたのであれば、しっかり自分で検証して、繰り返さないようにすることが大事ですし、終わったことは、いかにリカバーするかが大事であって、現在できることに意識を向けて、過去へのそういう思いは断ち切る必要があります。断ち切るためにも、今の自分が自分を責めるのは意味が無いことに気づくことで、「そうだよな、くよくよしててもしょうがないな」と断ち切って、「じゃ、どうするか」という話の流れになるわけです。

こう考えるため入り口が、後悔という心理の定義付けです。同様に、「不安」とはどういうことか、「嫉妬」とはどういうことかとか、不安定な心の状態の時の心理を理解して、そこから解きほぐすことをして、心を安定させて、今、何をすべきなのかというところに目を向けてもらう、というのを15個書いたんです。

「“15の扉”という感じですよね。ワーッとなっている時は、今の辛さがどれかというのがわかりにくい?」

そういう人は本を読まないと思うんで(笑)。ある程度落ち着いている時にしか読めないですよね、本は。感情が昂ぶっている時、落ち込んだり、イライラしたり、そういう時に、落ち着いて「どうしよう?」なんて本を読みませんからね。そういう時はやっぱり対面のカウンセリングをする必要があって、本はその後に役立つものです。

「子育てしている時に前もって知っておく・・・というのも良いですよね」

そうそう。そういうのもありますよね。事前に知っておくという。

「そうすると冷静に“この子はここにハマっているからこれだな”という知恵袋的に使えますね?」

育児書なんて本当にそうでしょうね。自分のことじゃないから、困っている時に辞書を引くように、子どもがこういう状態だけど、どうすればいいだろう?”って探すことができるかもしれないですね。

自分のことになるとなかなか難しいでしょうね。その時に、予めそういう知識や情報に触れている、というのは、やはりないよりはあった方がいいでしょうね。

それと、職場のスタッフが混乱している時に、事前に知っていると、あの心理パターンだなって気づけたり。そういうことで、少し見守ってあげようかな、とか、心を広く持てる、というのはあるでしょうね。

(次回につづく・・)

笹氣 健治(ささき けんじ)   心理カウンセラー
  産業カウンセラー、上級オンラインカウンセラー
  株式会社グラン・スポール代表取締役
  舞台役者(シェイクスピア・カンパニー所属)

1967年、仙台市生まれ。国際基督教大学教養学部卒業。
NTTで法人営業と広告企画を経験した後、仙台に戻ってスポーツクラブ「グラン・スポール」の経営に携わる。業績アップによって黒字化に成功したが、企業経営者として人間心理を理解する必要性を痛感し、元横浜国立大学保健管理センター准教授・堀之内高久氏に師事し、心理療法・心理学の研究と実践に取り組み始める。
2010年5月、自身が経営するスポーツクラブ「グラン・スポール」にて、業界初となる心理カウンセリングを導入。
現在は、サラリーマンと企業経営を経験した数少ない心理カウンセラーとして、がんばっている人が抱える悩みの解消をテーマに、執筆、講演、セミナー、個別カウンセリングなどを行う。
2014年4月より東北学院大学非常勤講師。
頑張っている人が行き詰まる様々な心理的問題の解消をテーマに、執筆、講演、セミナーを行い、そのわかりやすさには定評がある。
仙台市在住。

<笹氣健治先生のHP>
【一歩ナビ 笹氣健治 公式サイト】

<笹氣健治先生の著書>
cover
仕事の悩みを引きずらない技術


cover
「やる気」のある自分に出会える本


cover
「クヨクヨしない」技術 (PHP文庫)


cover
なぜあなたはその仕事を先送りしてしまうのか? 行動のための自己変革トレーニング



インタビュアー:下平沙千代(しもひらさちよ)

下平沙千代

日本一やさしい女性ケアドライバーです。
タクシー車内がセラピールームになることも・・・、
アロマハンドマッサージや、ソース・ワークショップも開催しています。

ソース公認トレーナー、アロマハンドセラピスト、NLPセラピスト
レイキヒーラー、トラベルヘルパー、NPO法人東京シティガイドクラブ会員
ブログ:『幸せを運ぶワクワクセラピー ソース』


インタビュアー:川田史郎(かわだしろう)

川田史郎

マーケティングプロデューサー、コーチ。

現状を変えていきたい人、何かをはじめたい人の
コーチングをしながら、
解決策のプロデュースや事業化のお手伝いをしています。


インタビュアー:比屋根章仁(ひやねあきひと)

比屋根章仁

呼吸を調え、自分を調える。毎日の生活をより豊かにしてくれる呼吸法を
お伝えしています。呼吸法を生活に取り入れると
日々のイライラから解放され、心も体もスッキリとしますよ!
アタマの中を「見える化」するメソッド、マインドマップもお伝えしています。

日本マイブレス協会ブレスプレゼンター、マインドマップ講師
HP:まなびの寺子屋
発行メルマガ:毎朝の習慣!自分道〜Making The Road〜


インタビュアー:八木橋寿美子(やぎはしすみこ)

八木橋寿美子

あなたのいる空間は、あなたにとって心地よい空間ですか?
ピカピカに片付いた部屋が心地よいと感じる人もいれば、
おもちゃ箱のようにモノがあふれた空間を心地よいと感じる人もいます。
「部屋は心の鏡」と言います。
呼吸法で心を整え、思考の癖を知ることから、
あなたにとって心地よい空間を手に入れてみませんか。

ライフオーガナイザー(思考と空間の整理)、ブレスプレゼンター(呼吸法)
HP:つながるいえ


インタビュアー:脇坂奈央子(わきさかなおこ 日本メンタルサービス研究所 所長)

脇坂奈央子

『道開きの心理士』 ……本来のあなたの道を開く、お手伝いをします。
ブライアン・ワイス博士直伝の、プロフェッショナル・ヒプノセラピスト。
前世療法・催眠療法を中心に、ニーズに応じた各種心理セラピーを施療。

心理士、精神保健福祉士、認定THP心理相談員、統合心理カウンセラー、
米国NGH&ABH認定ヒプノセラピスト、認定キャリアコンサルタント、
代替療法セラピスト(レイキティーチャー)
HP:ワイス博士直伝の前世療法・催眠療法・心理療法★ラポール
発行メルマガ:こころの栄養@さぱりメント

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