第105回目(2/4) 笹氣 健治 先生 心理カウンセラー 一歩ナビ

“人はみんな違う”という意識を、常に持っておく

インタビュー写真

「リフレーミング(違う枠組みで見ること)を大切にしていらっしゃるのですか?」

そうですね。というより、私が著書で書いていることは、基本的に全部リフレーミングだと言ってもいいんだと思います。

「先生の心理学的な柱は?」

NLPにおけるリフレーミングより、もっと広い意味での捉え方をしていて、その人の思考を違う角度から見る、枠組みを変える、と言えます。

「ポジティブ心理学も入っていますよね?」

そうですね。それもリフレーミングの1つのツールであって、リフレーミングという大きな枠組みでの、平たく言うと「考え方を変える」ということです。そもそも本って思考を扱うものなので、それをやらないと気持ちは切り替わらないですよね。

「一番影響を受けたのは、海外の研究者だとマズローやロジャーズですか?」

一番最初に入ったのは、論理療法のエリスです。あとは認知療法のベックとか。私は思考タイプの人間で、論理的な思考を好むので、そこがしっくりきたんですよね。そこから交流分析、精神分析のフロイト、その流れでフロイトの後継者的な位置づけでのコフート、それからロジャーズ、トランスパーソナル心理学的な方面のアサジオリですね。

最終的にはマインドフルネス、仏教、道教の思想に向かっていき、本を読んだり、堀之内先生((有)メンタリング研究所スーパーバイザー)のところで学びました。別に系統立てて習っているわけじゃなくて、だんだん深めていくと、そういうのに出会っていく、という感じです。でもやっぱり、私の中で使いやすいのは論理療法や交流分析、認知療法ですね。

「先生自身は、お仕事上で活かしていらっしゃることなどはありますか?」

社員全員と年に2回面談をしているのですが、その中で仕事のパフォーマンスを上げていくためのコーチングや、社員のメンタルケアなどをやっていて、その際に役立っています。あとは、モンスタークレーマー的なお客様への対処についての指導などもしています。心理的なバックグラウンドがあるからこそ相手とうまく対応できるので、特に問題のあるお客様の対応について、学んできたコミュニケーション、または心理的な理論というものが役に立っています。

「経営者にはこれだけは知っておいてほしい、というものはありますか?」

やはり、“人はみんな違う”ということですね。「自分ができるから、部下もこれができるだろう」とか「自分はこう思っているから、部下もきっとこう思っているだろう」とか、日本人同士だからわかり合えるだろう、みたいな考え方は危険だと思います。

相手が外国人だったら「しようがないな」「カルチャーギャップだな」とか思うんでしょうけど、同じ日本人として、つい「これはやって当たり前だろう」という前提で相手と接してしまう。すると、部下はピンとこないんですよね。そうすると「上司はわかってくれない」みたいになっちゃいます。相手を理解する、相手から理解される、そのためのスタート地点は、人それぞれ違う考え方をしている、というところを見失わないことが大事だと思うんですよね。

自分が良かれと思っても、相手はそれが迷惑に感じる場合もあったり、もっと違うことをやってほしい、という思いがあるかもしれない。そういうすれ違いがないように、“人はみんな違う”という意識を、常に持っているといいんじゃないかと思います。

「人はみんな違うと、覚悟しておくという感じでしょうか」

そうです。あとは、なんと言っても、社長の意識が重要です。リーダーは影響力が強いので、全てはリーダー自身が原因だ、という意識を持つくらいがいいと思うんですよね。社員が遅刻するのはリーダーの責任、社員が不正を働くのもリーダーの責任、社員がお客様とトラブルを起こすのも最終的にはリーダーの責任です。部下を鍛えられてないとか、部下のレベル以上の仕事を与えてしまっているとか、全てはリーダーが自分自身に責任があると思うことで、対処の方法が見えてくるんです。

もちろん実際は相手のミスではあるんですけど、部下のミスだった、で終わらせてしまうと、そこから先の改善の道が途切れちゃうので、リーダーは全部自分が引き起こしたことなんだと思う必要がある、ということです。自分の一言、一挙手一投足、それが全てに影響を与えると自覚するんです。

それができるためには、自分の感情をコントロールできなければいけません。あるいは、言いたいことがあっても、今それを言うべきか言わないべきか、常にその場その場での臨機応変さが求められます。それくらいリーダーは、影響力が強い代わりに非常に重責を担っているということを自覚しないと、グループ、組織は発展していかないだろうな、と思うんですよね。

人はどうしても「自分は悪くない」と思いたいので、部下のせいとか、社会のせいとか、お客様のせいとかにしちゃうんですよね。もちろん、それは当たっている部分もあるんですけど、でもそれで終わらせちゃうと、自分は変わらなくていい、となってしまうので、そうさせてしまっている自分、対応し切れてない自分がいると考えて、問題の原因を自分に持ってくることをリーダー、経営者はすべきだ、と思うんです。


インタビュー写真


「リーダー、経営者は孤独ですよね。その孤独に対しては?」

人の孤独って、人によってしか埋められないんですよね。高級車買ってみたりとか、一時的な満足は得られても、結局は虚しくなっていく。孤独ってまさに“一人ぼっち”ということですから、それを埋めるには人によって埋めるしかない。理想としては、配偶者やパートナーがその心の孤独を埋める存在だったらいいんですけどね。

「経営者同士のグループとか、そういうのはどうですか?」

経営者同士で傷を舐め合うってことになると、それも悪くはないんですけど、結局はその場しのぎになりかねません。理想は、良いパートナーがいることです。配偶者とかパートナーと心通わせる関係を作っておくことで孤独にはならないはずです。それがなかなか難しいという場合は、メンター、あるいは、自分のお抱えカウンセラーというのをもって、その人と対話する中で、自分を見つめて孤独をコントロールしていくのがいいでしょうね。

「そのメンターは、“尊敬する経営者”という人でなくてもいいわけですね?」

もちろんカウンセラーでも能力のあるカウンセラーでないとダメなわけですが、人間の心理をしっかりわかって指導できる、心理的なサポートができる人であれば誰でもいいと思います。

そういう専門家に定期的にお金を払ってでも、自分の心のメンテナンスは常にするべきだと思います。顧問弁護士料とかと同じように、顧問カウンセリング料のようなものを定期的に払って。アメリカでは経営者にはコーチングのコーチや精神科医が必ずついている、と言われています。日本では、月に10万円も払えばそれなりに一流の人と出会えますから、そういう意味では大した投資ではないと思うんですよね。

「心の深いレベルでの問題解決は?」

根本的な問題の解決ではなくて、表面的な感情について対処的なものでとりあえずはいいと思います。根本の原因を癒す、というところまではいけば、なおいいですけど。

「それには心理の専門家の方が確実なのですね?」

配偶者や経営者仲間だと、相手自身が自分の感情をコントロールできないと、うまく対応してもらえない、ということもありますからね。そう考えると、プロであるカウンセラーにお金をかける価値はあると思うんですよね。

私自身がカウンセラーなので、本音としては、心理的なプロにサポートを受ける、というのを再優先で挙げたいんですけど、あくまでも理想としては、自分の配偶者によるケアを一番に挙げたいです。でも、きっとそれが難しい人が多いと思うので、心理のプロに定期的にケアしてもらう、ということを考えてほしいと思います。


(次回につづく・・)

笹氣 健治(ささき けんじ)   心理カウンセラー
  産業カウンセラー、上級オンラインカウンセラー
  株式会社グラン・スポール代表取締役
  舞台役者(シェイクスピア・カンパニー所属)

1967年、仙台市生まれ。国際基督教大学教養学部卒業。
NTTで法人営業と広告企画を経験した後、仙台に戻ってスポーツクラブ「グラン・スポール」の経営に携わる。業績アップによって黒字化に成功したが、企業経営者として人間心理を理解する必要性を痛感し、元横浜国立大学保健管理センター准教授・堀之内高久氏に師事し、心理療法・心理学の研究と実践に取り組み始める。
2010年5月、自身が経営するスポーツクラブ「グラン・スポール」にて、業界初となる心理カウンセリングを導入。
現在は、サラリーマンと企業経営を経験した数少ない心理カウンセラーとして、がんばっている人が抱える悩みの解消をテーマに、執筆、講演、セミナー、個別カウンセリングなどを行う。
2014年4月より東北学院大学非常勤講師。
頑張っている人が行き詰まる様々な心理的問題の解消をテーマに、執筆、講演、セミナーを行い、そのわかりやすさには定評がある。
仙台市在住。

<笹氣健治先生のHP>
【一歩ナビ 笹氣健治 公式サイト】

<笹氣健治先生の著書>
cover
仕事の悩みを引きずらない技術


cover
「やる気」のある自分に出会える本


cover
「クヨクヨしない」技術 (PHP文庫)


cover
なぜあなたはその仕事を先送りしてしまうのか? 行動のための自己変革トレーニング



インタビュアー:下平沙千代(しもひらさちよ)

下平沙千代

日本一やさしい女性ケアドライバーです。
タクシー車内がセラピールームになることも・・・、
アロマハンドマッサージや、ソース・ワークショップも開催しています。

ソース公認トレーナー、アロマハンドセラピスト、NLPセラピスト
レイキヒーラー、トラベルヘルパー、NPO法人東京シティガイドクラブ会員
ブログ:『幸せを運ぶワクワクセラピー ソース』


インタビュアー:川田史郎(かわだしろう)

川田史郎

マーケティングプロデューサー、コーチ。

現状を変えていきたい人、何かをはじめたい人の
コーチングをしながら、
解決策のプロデュースや事業化のお手伝いをしています。


インタビュアー:比屋根章仁(ひやねあきひと)

比屋根章仁

呼吸を調え、自分を調える。毎日の生活をより豊かにしてくれる呼吸法を
お伝えしています。呼吸法を生活に取り入れると
日々のイライラから解放され、心も体もスッキリとしますよ!
アタマの中を「見える化」するメソッド、マインドマップもお伝えしています。

日本マイブレス協会ブレスプレゼンター、マインドマップ講師
HP:まなびの寺子屋
発行メルマガ:毎朝の習慣!自分道〜Making The Road〜


インタビュアー:八木橋寿美子(やぎはしすみこ)

八木橋寿美子

あなたのいる空間は、あなたにとって心地よい空間ですか?
ピカピカに片付いた部屋が心地よいと感じる人もいれば、
おもちゃ箱のようにモノがあふれた空間を心地よいと感じる人もいます。
「部屋は心の鏡」と言います。
呼吸法で心を整え、思考の癖を知ることから、
あなたにとって心地よい空間を手に入れてみませんか。

ライフオーガナイザー(思考と空間の整理)、ブレスプレゼンター(呼吸法)
HP:つながるいえ


インタビュアー:脇坂奈央子(わきさかなおこ 日本メンタルサービス研究所 所長)

脇坂奈央子

『道開きの心理士』 ……本来のあなたの道を開く、お手伝いをします。
ブライアン・ワイス博士直伝の、プロフェッショナル・ヒプノセラピスト。
前世療法・催眠療法を中心に、ニーズに応じた各種心理セラピーを施療。

心理士、精神保健福祉士、認定THP心理相談員、統合心理カウンセラー、
米国NGH&ABH認定ヒプノセラピスト、認定キャリアコンサルタント、
代替療法セラピスト(レイキティーチャー)
HP:ワイス博士直伝の前世療法・催眠療法・心理療法★ラポール
発行メルマガ:こころの栄養@さぱりメント

  • 呼吸法の日本マイブレス協会
  • 毎朝1分 天才のヒント

インタビュー集

  • 毎朝1分天才のヒント メールマガジンで30日間の無料レッスン
  • さぱりメント あなたのお悩みをさっぱり解決