第104回目(3/4) 渡邊 奈都子 先生 メンタルオーガナイズ

メンタルオーガナイザー自身の人生の充実度や幸福感が上がること!

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「心の片づけという言葉が、響く方も多いでしょうね?」

カウンセリングをしている時、そのクライアントさんの状況をいろいろ伺いながら、私の頭の中では、整理して選別して、ある意味「片づけていく」ことをしてるんです。でもクライアントさん自身が片づけができないと、ダメですよね。私がいつもいつも片づけてあげていたら、困ったら常に来ることになっちゃいますから。

「依存になってしまいますね?」

そうですね。それに、クライアントさんは理論を学びたいと思っている訳ではなくて、自分の生活に役に立って、簡単に使えるものを求めています。だから、いわゆる食べやすい形にデザインして提供するっていうことを考えた時に、ワークシートやフレームワークがいいかなぁと思ったんですね。

「ワークシートは何種類くらいあるのですか?」

願望と感情と見方、それに習慣化のためのものを合わせて、トータルで10枚くらいです。

「それに、ご本人が書き込んだり、付箋紙を貼っていったりなさるのですね?」

そうです。それらのワークシートの使い方と手順、クライエントさんをガイドできるための知識を学ぶプログラムが、メンタルオーガナイザー認定講座です。ライフオーガナイザーの資格を取った方で、さらに頭や心の整理に特化してサービスを行いたいという方々が講座を受講されます。そこで学んでいただいて、定期的にスキルアップのための学習会もしています。

カウンセリングや個人のメンタルを扱うものって、密室で行われますよね。空間の片づけは、ケースにもよりますけど、Before & Afterを見ることが可能です。でも、メンタル領域のものは、Before & Afterを並べて見るようなことはないですよね。しかも他者がどんな風に行っているかも見ることはできない。ですから、やっているうちにどんどん我流になっていく可能性が高いのです。

良い面としては、自分のやりやすいようにカスタマイズされていくという部分もあるんですけれど、メンタルオーガナイズの基本はこれだったよねと思い出してもらう為に、定期的に勉強会をやっています。ついこの間も、スキルアップのための合宿勉強会がありました。

「フォローアップの合宿があるのですね?」

参加者は主婦ばっかりですよ。家を離れると皆さんすごく弾けるんですよね(笑)。

メンタルオーガナイズは個人セッションなので、メンタルオーガナイズでどんなことをするのか、何を扱っているのかを知ってもらう為の入門講座のような感じで「メンタルオーガナイズ・エッセンスセミナー」というコンテンツを作りました。メンタルオーガナイザーになるとこのセミナーを開催する権利が得られるんです。

合宿では、そのセミナーの教え方について協同学習をしたり、もっとこんな風にした方がわかりやすくなるというフィードバックやリクエストを私自身がもらったり、個人セッションの効果を上げるために改良しようかと思っているものを試しにやってもらったりと、結構パンパンなスケジュールなんですけど、それでも楽しむ時は楽しむという感じです。

この間の合宿は、晩御飯がバーベキューだったんですが、大人のバーベキューって楽しいですね。宿から提供される食材以外のものが買い足されてその場でオシャレな一品をパパッと作ってくれる人達がいたり、名古屋からの参加者チームが天むすを差し入れてくれたり、シャンパンやワインがあったり。あらかじめ役割を振っていたわけじゃないのに、焼く人、並べる人、片づける人、写真を撮ってくれる人、等々、みんな自ら仕事を見つけて「楽しもう!」っていう様子がすごく印象的で、何がメインだったかわからないほど楽しい合宿でした。

よく「カウンセラーにはどういう人が向いていますか?」と訊かれますけれど、そういう時はこんな話をします。“もしお金を借りに行くんだったら、お金を持っている人と持っていない人のどっちに行く?”。当然、お金を持っている人に行きますよね。“じゃあ、幸せになりたいんだったら、幸せそうな人と不幸せそうな人のどっちに行く?”。幸せそうな人ですよね。

私は、他者の幸せのお手伝いをするなら、自分自身が幸せになることを諦めていない人、前向きに取り組んでいる人でいることが必要だろうなぁと思います。

メンタルオーガナイザーはカウンセラーではないにしても、人の心の整理をサポートして、生きやすさを手に入れるお手伝いをする人。そうであるなら、自分達が人生を楽しみ、日々の暮らしの中で満足感や充足感を得ていく必要があるでしょう。だから、合宿でも勉強会でも、とにかく皆さんが積極的に楽しめるようなことを仕掛けています。メンタルオーガナイザーになっている人達は、意識的か無意識的か、それにどんどん自発的に乗ってくる訳ですよ。

メンタルオーガナイザー自身の人生の充実度や幸福感が上がり、そういう人達が周りの人達をサポートでき、そんな出会いから私もやってみたいと思ってライフオーガナイザー協会にたどり着いて、またメンタルオーガナイザーが増えたら、ひとつの社会貢献の形としていいかなと私は思っています。


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「ご著書の中で保留ボックスというのがありましたが、それについて教えていただけますか?」

空間を片付ける時に、保留ボックスとか保留ファイルって使うんですよ。捨てるか捨てないかを悩んでいる時間が一番もったいないので、まだ決められないなと思ったらとりあえず保留ボックスに入れてしまう。蓋をした日付を書いておいて1年開けてなかったら1年はこれが無くても暮せたってことですよね。

カウンセリングの場面では、クライアントさんが他のことを話したいのについつい過去のことや本題に関係のない話に逸れてしまう時に、“それは今日ここで話したいことでしたっけ?”“いやそうじゃなかったです”となったら、箱を設定して“じゃあそれは一旦ここに入れましょうか”といって保留にするという方法を使っていました。実際の箱は無くても、ホワイトボードに箱の絵を描いたりして、保留ボックスと表現しました。

一旦隅におく、いまは別のことにエネルギーを使う。保留ボックスを持っているというのは、そうやって本当に必要なものを見つけたり、大切なことに集中したりするための交通整理グッズみたいなものです。そうしていくうちに、手放せるものが段々増えていったり、今それに意識を向けなくていいものがわかったりするかなと。何かのはずみで目の前にふと出てきたことを無くすことはできないけれど、“今じゃないね”ってスルーする選択ができたらいいですよね。

「“トラウマ磨き”という言葉はインパクトがありましたが?」

トラウマ磨きっていうのは、講演かカウンセリングセッションで実際に言ったんですよ。それがすごくウケて。

毎日使っているものって錆びないんですよね。そしてピッカピカに手入れされているものは捨てられませんよね。なので、まずは手に取らない。手に取らないうちに錆びたりホコリを被ったりするので捨てやすくなる。整理収納で言ったらそういうことですよね。

トラウマを手放したいってクライアントさんは言うけれど、実際に日々やってることは捨てたくないってことですよね。手元にわざわざ引き寄せて、いつも手に取ってるから、見ないでも手が伸びるくらい(笑)。すぐそこに戻っていってしまうので、まずは“自分が手に取っている(選択している)”と自覚してもらった方がいいのかなと思って。

本当はどうなりたいのか、でもいま自分がしていることは何なのか、それは役に立っているのか、じゃあもし今度手に取ろうとした時にどうするのか。代わりに出来る代替行動は必要ですが、そのためにもまずは自分が選んでいることを自覚していただく。“トラウマを磨いている”という言葉が、自分の行為としてビジュアル化しやすいのかなと思います。

「ちょっとコミカルですよね?」

ですね(笑)。過去に対する片付けは、きっと必要としている方が多いだろうと思って、本の中にそういう章をひとつ作っています。

「代替行動としては、どのようなものがあるのでしょう?」

一番手っ取り早いのが行動を変えることなんですよね。だから立ち上がってどこかに行ってしまう。

散歩するでもいいですし、外を歩いている時にふと思い出して腹が立った時は1.5倍速で歩いてみる。ショーウィンドウに映っている自分の姿勢をチェックするのもいいです。大体、早歩きで落ち込むことってできないですよね。思考としては何歩か数えるとトラウマに浸ってはいられなくなりますよね。タイムトライアルとして駅からの道を何分で歩けるかっていうのも思考を方向付けます。

ずっと抱えてきたトラウマを、いきなりそこでポジティブな意味付けに変換するのは難しいので、まずはそれから離れることの方がしやすいですよね。関係のないことをそこにセットしてしまうんです。「●●を考えない」という思考は脳にとっては高度なので、単純に行動を変えてしまう方が簡単ですね。


(次回につづく・・)

渡邊 奈都子(わたなべ なつこ)   心理カウンセラー メンタルオーガナイザー(R)
  SmartBeing合同会社COO
  一般社団法人日本ライフオーガナイザー協会認定本部講師

1968年、東京都生まれ。日本女子大学文学部教育学科卒業。
1993年よりリアリティセラピーを学び、複数の専門学校で心理学講師およびスクールカウンセラーを担当。
女性のクライアントを中心に、恋愛、結婚、子育て、家庭と仕事の両立などの悩みに向き合うと共に、メンタルヘルスやストレスマネジメントなどのセミナーを展開。 2010年より、一般社団法人日本ライフオーガナイザー協会の認定本部講師として、講師育成やスキルアップのための研修に携わり、2014年には空間の片づけを心の片づけに応用した「メンタルオーガナイズ」のコンテンツをSmartBeing合同会社として開発。現在はその育成と啓発に力を注いでいる。

<渡辺奈都子先生のブログ>
【メンタルオーガナイザー渡辺奈都子のブログ「SmartBeing」】

<一般社団法人日本ライフオーガナイザー協会のHP>
【一般社団法人日本ライフオーガナイザー協会】

<渡辺奈都子先生の著書>
cover
しなやかに生きる心の片づけ


cover
人間関係をしなやかにする たったひとつのルール はじめての選択理論



インタビュアー:大島まさあき(おおしままさあき)

大島まさあき

大島まさあきと申します。年齢は木村拓哉さんと同級生になります。

現在、働く悩み専門カウンセリングを行っています。
小田急 新百合ヶ丘で活動しています。
働くことに苦痛、違和感を持ったまま働き続けると
人生の大きな舵取りを誤る可能性があります。
自分を見つめ直す機会を持ってみませんか? お気軽にご相談下さい。
HP:働く悩み専門カウンセリング


インタビュアー:八木橋寿美子(やぎはしすみこ)

八木橋寿美子

あなたのいる空間は、あなたにとって心地よい空間ですか?
ピカピカに片付いた部屋が心地よいと感じる人もいれば、
おもちゃ箱のようにモノがあふれた空間を心地よいと感じる人もいます。
「部屋は心の鏡」と言います。
呼吸法で心を整え、思考の癖を知ることから、
あなたにとって心地よい空間を手に入れてみませんか。

ライフオーガナイザー(思考と空間の整理)、ブレスプレゼンター(呼吸法)
HP:つながるいえ


インタビュアー:鈴木明美(すずきあけみ)

鈴木明美

セラピールームChildren主宰、Team Oasis 代表
自分がなんだか分からない。何かやりたいけど、見つからない。
心の悩み、病を抱えた方、自己実現したい方のお手伝いをいたします。

心理カウンセラー、ゲシュタルトファシリテーター、NLPセラピスト、
交流分析士1級、レイキヒーラー
HP:江戸川区西葛西、セラピールームChildren
ブログ:セラピールームChildren


インタビュアー:川田史郎(かわだしろう)

川田史郎

マーケティングプロデューサー、コーチ。

現状を変えていきたい人、何かをはじめたい人の
コーチングをしながら、
解決策のプロデュースや事業化のお手伝いをしています。


インタビュアー:脇坂奈央子(わきさかなおこ 日本メンタルサービス研究所 所長)

脇坂奈央子

『道開きの心理士』 ……本来のあなたの道を開く、お手伝いをします。
ブライアン・ワイス博士直伝の、プロフェッショナル・ヒプノセラピスト。
前世療法・催眠療法を中心に、ニーズに応じた各種心理セラピーを施療。

心理士、精神保健福祉士、認定THP心理相談員、統合心理カウンセラー、
米国NGH&ABH認定ヒプノセラピスト、認定キャリアコンサルタント、
代替療法セラピスト(レイキティーチャー)
HP:ワイス博士直伝の前世療法・催眠療法・心理療法★ラポール
発行メルマガ:こころの栄養@さぱりメント

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