第102回目(3/4) 石原 克己 先生 東京九鍼研究会

共感することで、その人の自然治癒力が強力に働き出す。それを陰から援助する

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「漢方の良さ、西洋医学との違いとして、特に先生が感じられることは何ですか?」

やっぱりね、西洋医学が捨てた一番根底の自然治癒力や自己治癒力を認めた上で、それを大事にしながら身体にさまざまなアプローチをしていく、そこですね。

そしてあともう一つは、不足していれば身体に力を与えればいいけれど、身体の中にいろんなエネルギーが十分あるんだけれど、それがうまく回らないように邪魔しているものがあれば、それを取ればいい。それが漢方や鍼灸につながる一番のベース。自然治癒力によってエネルギーが回ってるんです。

世界の伝統医学が一番大事にしているのは何かと言ったら、自然治癒力、あるいは自己治癒力。それが一番要にあって、命そのものがちゃんと生きるようにできているんだということ。

「自然治癒力、自己治癒力が要なのですね?」

ところが西洋医学の根幹というのは、ウィルヒョウが出てきて、細胞病理学説と言って、身体が悪い場所には細胞の異常が出るから、おかしなものがあればそれを切って取ればいいっていうこと。

顕微鏡の発明により、もう一つは、異常な場合には菌が発生しているので、その菌を叩く薬を出せばいいっていうこと。もう一つは、異常に対しては有機合成医薬品、石油から作った医薬品で対応すればいいっていうこと。この三本柱を出したんです。

そこで自然治癒力という言葉を、医学書から消しちゃったんです。ですから、病んだ患者さんは医者に掛かって手術するか、菌を殺してもらうか、有機合成医薬品をもらえばいいんだと、主体性が医者になった訳です。

でも、自然治癒力や自己治癒力をベースにするってことは、命の主体が患者さんにあるんです。だから、それをいかに診てサポートしていくか。時には漢方薬とか鍼が必要な時はそれらを利用していきますが、できれば食生活や運動、呼吸法などを活用し健康な心身をつくっていけばいい。

それで最近はね、自然治癒力って言葉も使うんですけど、面白い表現として「身体知性」って言葉も使うんです。

「身体が知っている、ですか?」

はい。自分の意識で、例えば、「こういう食べ方、食事内容だから胃腸もおかしいし、血液もこんな風になっている。だから食生活をこういう風に変えたら、胃腸も良くなるし血液もきれいになる」とかという知識で、そういう意識で変えていくのが一つあるんですけど、その意識が介在しなくても身体が全部勝手にやってくれている、ということ。

風邪で熱が出ることも、人の意識の介在なく自然治癒力発動、身体知性により熱を出すことによって血液がきれいになれば熱が下がるようにできている。

「必要なことが、自然に起きてくるのですね?」

よく例に出すのは消化器系のプロセスです。ここに食べ物がある。食べ物が腐敗しているとか、雑菌が繁殖している、そういう食べ物があった時に見てわかる人はそこでやめますけど、わからなければ近くに持ってきて香りや活きを見ておかしいとわかる人はやめる。それでわからなければ口の中に入れて噛む。噛んでおかしければそこで吐き出しますよね。そこまでが五感なんです。

五感だから、意識が少し介在しています。だけど、細菌感染したものなんかでわからなければ飲んじゃうでしょう。飲んだ後は、身体の知性の一つである自律神経の働きで胃に入って10分から30分くらい経つと、勝手に気持ち悪くなって吐きたくなる。

全て吐き出してしまえば良いけれど、吐き切れなければ腸に流れる。腸へ流れたら、今度は下痢をして出そうとする。そこまでが自律神経の働きです。 それでも全部出し切れなければ、腸管から吸収されて今度は蕁麻疹になります。免疫系の反応です。結果的に全部、身体知性が臓器に毒素を入れない様にするためにやってくれていることです。

それで、DNAもすごいんですよ。数万種類っていう病原体に対応するDNAレベルから働きかけがあるんです。でも、数百万種といった細菌に対して、私達の普通の知性じゃなくて、DNAの知性が勝手に新しい細菌、ウィルスに対応するDNAを作り出している。二重らせんを勝手に切って、新しくつないで、新しい病原体に対応するって事をやってくれているんです。

こういうのは、人間の意識の知性じゃなくて、身体の知性としてすごいなと思います。ですから、そういうもともとある治癒力を大事にして、その上に医療がどうするかということです。

「共感することで何が起きるのか、先生のお考えを教えていただけますか?」

共感っていうのは、自然体に湧いてくるものです。自然体でいた時に、患者さんが本当に安心した状態で何か言いたい事があったら言えるようになる。その本当に自然な状態(ゼロポイントフィールド)が起こった時に、自然治癒力もかなり強力に働き出す。だから自然治癒力がベースにあって、私は陰から援助するんです。

心が病んでいる人の場合は、本人が安心した状態でいることができると、ゆらぎの中から自然に治癒力を命の方から出していく中で、自分で回答を見つけて、どんどん元気な状態に動いていくというプロセスがおのずと出てくる。まさにオートポイエーシス(自動創作)です。

「そういう力を人はもっているのですね?」

元々それがあるにも関わらず、心の問題は心療内科にかからなきゃならない、精神科に行った方がいい、とかいう思いが湧いた瞬間に、自分で解決できないという思い込みが入るんですね。だからその思い込みをいったん外して自然な状態におくと、中からいろんなものが発動されるんです。

心の病もそうだし、肉体的な病気も痛みが起こったり食欲が無くなったり、それが何かって言ったら、悪くなったんじゃない。例えば、胃の滞りがあった時にこの滞りを改善するためにここにエネルギーが注がれます。その時、改善する。この改善する時に食欲が無くなったり、胃が重苦しくなったりして、改善したらもうスッキリしちゃう。

だから、自然の営みの中に、改善をできるだけうまくできるような場を作ってあげる。肉体的な病も心の病も、自ずから出るエネルギーがうまく作用するような場を作ることが、一番根底として意義をもってくる。これも伝統医学の世界で培ったことです。


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「先生は病気というものを、どう捉えていらっしゃいますか?」

一つは、簡単な病の時は、警告です。その人のライフスタイルとか、個のありかたについて、命から見た時にちょっとはずれているよ、と。だから、食べ方とか、生活をちょっと変える。

病気の種類によっては、関係性の問題もあります。関係性っていうのは、親子関係とか、職場の上司と部下の関係とか、これは結構、今多いんです。

「関係性の問題ですか?」

小さい子どもが病気になった時にお母さんが連れてくる。治療して1〜2回で元気になる。でも、そこで関係性に気づかないと、また1〜2か月で来るんです。お腹をこわすパターンを持ってる子とか、風邪を引くパターンを持ってる子とか、弱いところに出ますので、お母さんにどのように子どもと出会ってるかって話と同時に、簡単な手当療法をお母さんに教えるんですよ。

今は大半の方がやってくれますけれど、前は「私はできません」とか言ったりね。基本的にお母さんが外を向いて自分のことや仕事のことばっかりやって、子どもの方を向かない場合は、子どもはどこかで必ず向いて欲しいというサインを出し続けて、限界になると症状を出します。

症状を出してから、寄り添ってくださいと言うと、ようやく納得してくれる。納得しないお母さんもいるんですよ。それはなぜかと聞くと、「私も小さい時は母親に愛情を受けていません。これでいいんです」と。

そういうお母さんには、「ちょっと目をつぶってください。あなたが小学校に上がる前、お母さんにそういう希望をもったけれどお母さんはあなたの方を向いてくれなかった。ちょっと辛いかもしれないけど、向いてくれない時のそのインナーチャイルドの自分に意識を向けて感じてみて」って言うんです。それをやった時に涙が出るんですよ。

その時にもう1回、「ほらやっぱり、見て欲しかったでしょう?」って言って、「じゃあ、自分の子どもに意識を向けましょうよ」と話して、向いてくれると子どもが元気になっちゃう。そういう関係性の問題が病気の蔭に隠れて出ている。

「職場の人間関係でも同じなのですか?」

職場でも、上司と部下の関係もいい場になってなければ、ストレスで自分の弱ったところに症状が出てきます。おもしろかったのは、部下と上司の関係で、同じところから部下が2人、3人と来ますでしょう? ある人は胃がおかしい、ある人は腰が痛いとか、皆それぞれ違う症状を出すんです。そして、そのうちに上司も来るんです。

上司が来た時も、お母さんと同じパターンです。「こんな場だったら大変でしょう。もっと皆が居心地のいい場所にしましょうよ。あなたも楽になって元気になりますよ」とアドバイスします。すぐ腑に落ちて「やります」と言って、場が変わると上司もストレスから解放されて来なくなる訳です。

それからもう一つ。どうやっても心が自分のエゴ的な形で行動するパターンを選んでいるためにそれが病に繋がってくる。自分のやってることはいったい何かっていうことをもっと深いところで見てもらう。そうすると心の在り方の観察ができます。

あとライフスタイルね。普段ずっと食べている食べ物だとか、身体をどれくらい動かしているかとか。身体を動かすとはどういうことなのか、呼吸っていったいなんなのか、そういう話をした上で、自分の生活を振り返っていただいて、生活が変わることによって初めて心身の健康度が変わります。

「生活を自分で振り返ることが必要なのですね?」

当院で一番典型的なのが、学校の教師です。更年期の時にいろんな役職を結構持ちますでしょう。女性であれば更年期って女性ホルモンがアンバランスになってきます。次のステージに入る時にできるだけ心身ともにリラックス感が必要なんです。だけど、その時に多忙でしょう? やっぱりいろんな症状が出てきます。

週1度、金曜日あるいは土曜日に来る方が多かったんですけど、治療によりどうにか1週間近く安定していても、週末にはストレスからくる症状が出てきます。こういう患者さんが結構いたんです。その時に、「こういう生活をしていたらしまいには、週2回来ないとダメになっちゃいますよ。変えましょうよ」って言っても変えないんです。そして、週に2回治療に来るようになる訳です。そうすると、さすがに週2回だとお金もかかるし、この延長は大変だとわかる訳ですね。

週2回になって、何回か来た時に「生活変えてみませんか」と、もう一度切り出すんです。ようやくそこで動くんです。生活を変えた人は週1回になり、2週間に1回になり、やがては自立して来なくてもよくなる。

また癌だとか重い病気の場合は、もっとスピリチュアルな領域、自分の内なる神と出会うとか、魂の成長とか人間の本質につながってくる場合もあります。病の種類によってどこに気づくかは違いますね。

「先生はイメージで鍼を打てるそうですが?」

意志の発動により意識が現実を作るということは、量子科学の世界で説明されています。鍼はいろんな長さとか太さとか役割があります。金属も金とか銀とかあります。意識、イメージで鍼、灸を創造します。例えばイメージで金の鍼を刺した時に、金の鍼を刺されている感覚が来る。場が転換し楽になっちゃうんです。

それを一番最初に紹介したのは、30数年前なんですけど、早過ぎたのでやめて、8年くらい前に再紹介して皆がびっくりしたんだけどね。鍼灸学校の学生に、毎年90分1コマだけイメージ鍼灸の時間を取るんです。

この時間は相手の症状を訊いて、脈を診てもいいけど、相手はベッドに寝ている。相手を想像してどのツボにどういう鍼を刺す、どのツボにどういうお灸をするとか、全部自分のイメージでやっていたら伝わるよと。

最初、学生に紹介した時に、できる人が1〜2割だったらもうそれでやめようと思ったんです。そうしたら9割できたんです。だいたい9割から一番低くて8割くらい。地方の鍼灸関連団体でも紹介した時、お互いにやって短時間(8~12分位)で良い効果が出てしまった。ですから、その体験以後、イメージ鍼灸を利用している人も結構出ているんですよ。

「どういうことなのですか?」

いや、これね、人間の意志、想いのエネルギーというのは、光よりも早く伝達すると考えています。思った、イメージした瞬間に行くべきところに行っちゃう。それはレイキとか他のヒーリングも同じ。ここにいて、北海道にいる人でも外国にいる人でも、遠隔ヒーリングやイメージの鍼灸でも同じく通ずるはずなんです。実際にやってみたら即理解できることです。イメージ通りの現象がすぐ現れますから。

意識っていうのは瞬間的にどこでも通じるっていうことが腑に落ちると、簡単にできる。ただその時に、私は、イメージでやったら相手に本当に効果が出るか出ないかは脇に置いておいてくれと言います。ただ純粋に体験だけしてくださいと言う。実際体験した中でいったい何が起こるか。ただそれだけなんだと。すると、8〜9割の方に効果が出る場合が多いです。時には10割のこともあります。純粋に体験したから効果が出るんです。

ただ、イメージの力の問題があって、イメージ力が弱いと効果が弱い。ベースに意志力、自分がどういう意志を発動するか、地球の平和とか病からの解放・・・、それにおいてどういうことをやっていったらいいか。意識エネルギーは地球に充満していると思っているんです。そこに意志と意識が結合にすることによって現実化が起こると考えると、良いと思います。

3年生になった学生によく話すのが、思いのエネルギーというのは強力だということ。例えば、卒業して半年後には開業すると決めた時に「開業する」という言葉の力が強いんです。「開業する」というのは情報なんです。情報にくっついているエネルギーが「開業する」だと力強い。ところが、「開業できればいいな」「開業したいな」という思いだとエネルギーが弱いんです。

結局何が起こるかというと、半年後に開業すると決めた人は一日一日、自分ができることを努力したり、不足なエネルギーがあったらそれを本で勉強したり、技を磨いたりということをしますから、本当に半年後には開業して患者さんを治療している自分が現実的にそこに引き寄せられてくる訳です。

「開業できればいいな」という人は、「開業できればいいな」というエネルギーですから、今日は気分が乗ったから少しはやるかなって言って、結局半年後にも、「開業できればいいな」というイメージが来るだけだから開業していないという現実を引き寄せることになる。

遠隔的に見えないものを使うというのも一つなんですけれど、現実を自分の目の前に引き寄せる力も言霊で、どういう言霊を発するかということもすごく大きいんです。ただ言霊にもエゴの場合と真我、公の立場からではエネルギーの差は歴然として異なります。


(次回につづく・・)

石原 克己(いしはら かつみ)   東京九鍼研究会会長 日本伝統鍼灸学会評議員
  (有)東明堂 石原鍼灸院・漢方薬局代表取締役
  東洋鍼灸専門学校・東京衛生学園専門学校講師

1950年千葉県生まれ。1974年東京理科大学薬学部卒業。1975年東洋鍼灸専門学校2部卒業。
仁仙洞医院勤務(漢方、鍼灸担当)。1979年(有)東明堂石原鍼灸院漢方薬局開業。
鍼灸、漢方、ハンドヒーリング、気功、心へのアプローチなどを行う。
現在、(有)東明堂石原鍼灸院・漢方薬局代表取締役のほか、東京九鍼研究会会長、日本伝統鍼灸学会評議員、日本中医学会評議員、日本刺絡学会副会長、東洋鍼灸専門学校・東京衛生学園専門学校講師などの役職にある。

<石原克己先生のHP>
【東明堂】

<石原克己先生のHP>
【東明堂(とうめいどう)石原鍼灸院 漢方薬局】

<石原克己先生の著書>
cover
伝統医学のこれから 第1巻 人・心と生活の在り方


cover
伝統医学のこれから 第2巻 ハンドヒーリングの世界



インタビュアー:鈴木明美(すずきあけみ)

鈴木明美

セラピールームChildren主宰、Team Oasis 代表
自分がなんだか分からない。何かやりたいけど、見つからない。
心の悩み、病を抱えた方、自己実現したい方のお手伝いをいたします。

心理カウンセラー、ゲシュタルトファシリテーター、NLPセラピスト、
交流分析士1級、レイキヒーラー
HP:江戸川区西葛西、セラピールームChildren
ブログ:セラピールームChildren


インタビュアー:比屋根章仁(ひやねあきひと)

比屋根章仁

呼吸を調え、自分を調える。毎日の生活をより豊かにしてくれる呼吸法を
お伝えしています。呼吸法を生活に取り入れると
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アタマの中を「見える化」するメソッド、マインドマップもお伝えしています。

日本マイブレス協会ブレスプレゼンター、マインドマップ講師
HP:まなびの寺子屋
発行メルマガ:毎朝の習慣!自分道〜Making The Road〜


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荒川仁美

株式会社サイドウェイズ顧問、コミュニケーションコンサルタント

ブレスプレゼンターとして、呼吸法を通じて「愛される豊かな人生」を
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「人と自分を比べない」「自分の成長を信じる」
この3点をモットーに、ココロとカラダが穏やかに健やかになる
「笑顔満杯の120分」のブレスプレゼント講座を開催している。
モットーは、人と人を笑顔でつなぐ架け橋になること!

HP:株式会社サイドウェイズ


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あなたのいる空間は、あなたにとって心地よい空間ですか?
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おもちゃ箱のようにモノがあふれた空間を心地よいと感じる人もいます。
「部屋は心の鏡」と言います。
呼吸法で心を整え、思考の癖を知ることから、
あなたにとって心地よい空間を手に入れてみませんか。

ライフオーガナイザー(思考と空間の整理)、ブレスプレゼンター(呼吸法)
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脇坂奈央子

『道開きの心理士』 ……本来のあなたの道を開く、お手伝いをします。
ブライアン・ワイス博士直伝の、プロフェッショナル・ヒプノセラピスト。
前世療法・催眠療法を中心に、ニーズに応じた各種心理セラピーを施療。

心理士、精神保健福祉士、認定THP心理相談員、統合心理カウンセラー、
米国NGH&ABH認定ヒプノセラピスト、認定キャリアコンサルタント、
代替療法セラピスト(レイキティーチャー)
HP:ワイス博士直伝の前世療法・催眠療法・心理療法★ラポール
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