第98回目(2/4) 吉田 エリ 先生 アトリエ ワイエス

全ての人に、本当の自分と繋がってほしい

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「ワークショップの特徴はおありですか?」

私のワークショップは、表現アートの手法は使うんですけど、ほとんど自分の感性を頼りに出来上がったプログラムです。15年間自分の思うようにやっているのですけど、自分で言うのもおこがましいのですが、すごく面白いです。

参加している人達が変わっていったり、自分と繋がっていくのを目の当たりにして、「これはすごい!」と単純に私自身が感動してしまいます。そのプロセスは、これまで他では体験したことのないスタイルで、私と参加者とのコラボレーションで確立したものだと言えます。

自分の感性に従い、表現していくことが、表現アートセラピーのプログラムなんですけれど、表現することやアートはひとつのツール、つまり道具なんですね。表現すること自体、解放される効果があるのですが、人間って解放に至るまでに丁寧に感じる時間が必要だったり、身体感覚や感情によって解放の仕方やタイミングが違ったり、そしてグループや人数によっても解放するタイミングが変わったりします。

また、解放したら終わりではなくて、それをグラウンディング(着地)していくプロセスが必要だったりします。そのために、プロセスワークや、箱庭メソッド、パーソンセンタード・イクスプレッシブ・アートの技法を使いながら、プログラムを構成しています。

そしてプログラム全体はナラティブセラピー(物語療法)のように、自分自身がロールプレイをしているような感覚で自分というロールに出会う、自分と繋がるというストーリー構成になっています。それが、短かったら1日、長丁場だと4〜5日間続くんですからとてもパワフルです。

「いつもストーリー構成を考えて、導入からプランニングなさるのですか?」

テーマは、今興味を持っているものや、自分の人生で起こっているものがベースにして構成します。「今、ここ」がテーマなので、全て流れに従っている感じです。だから、テーマは常に変わります。これまでワークショップは年間多い時には100日以上、15年に渡ってやって来ています。中でもインナーチャイルドワークのコースは、何十回目になりますが、毎回テーマもプログラムも変えています。

嬉しいことに、うちのワークはリピーターの人が多いので、「また同じワークだった」っていうのじゃ申し訳ないでしょう? ワークプログラマーとしての一人よがりのこだわりなんですけど。だから毎回構成もがらっと変えるんです。皆さんが満足してくれることが、今の私の楽しみだったりするんですね。

「自分は変化しているから、ワークショップも変化し続けているのですね?」

ワークショップでは、参加した人達の状態を見て、急にやることが変わることもあります。先日のインナーチャイルドワークでも、蓋を開けてみたら参加者のニーズとプログラムがフィットしていなかったということがありました。

元々のテーマとしては、2日目に自分をケアするワークが入る予定だったんですけれど、自分をケアするよりも、自分のインナーチャイルドについて深く知りたいという欲求があったのです。そのプログラム通りにやったら消化不良になりそうな予感がしたので、参加者の方に理由を伝えて内容を変えたんです。そうしたら、皆さん納得してくれて、最終的にはすごくいい形で着地できました。

ワークショップは自分の思いだけでは成り立っているのではなく、来てくださる参加者達が協力して出来上がるのが面白いのです。まるで、私が大ざっぱなシナリオと舞台だけ用意し、演出はしないで見守っていると、参加者の人達が即興で演じることで物語が創造されていくような感じです。

「舞台に上がるのは参加者で、ファシリテーターは影から見ている感じですか?」

ファシリテーターは全ての参加者と一体の存在なのでしょうね。ワークの目当てのような、私なりの青写真はあるんですれども、皆さん絶対その通りに演じてくれません。参加者自身がどういうふうに辿っていったらいいか無意識で知っているので、それを表現していきます。

各自の意識の中でいろんな調整が行われて、「このワークはこんなふうになるんだ!」「こんな表現があるんだ!」って勝手に思い出して動き出すんです。「プログラムの意図とはかけ離れたことをやっているけど、あれはあれですごく面白いな」って思えるので、毎回、私自身が楽しんでいますね。

「こんな人に来てほしい、というのはありますか?」

本当の自分と繋がりたいと願っている人。私は、全ての人に自分の軸とちゃんと繋がってほしいなって思います。繋がれたらたいていの不安はなくなりますから。現代の人達って、食べたり、生きていくことがすごく重要だと思っているでしょう? でも、ここはサバンナや北極じゃないんだから、自分と繋がってさえすれば、何をやっても生きていけないことなんてないはずです。

自分の本質を思い出し、本来の「在りたい自分」になっていけたらいいと思います。本当の自分と調和できたら、他者とも調和することがすごく楽になるんですね。そうすると自然とも調和していけます。全ての人が自分と繋がったら、世界は今のようにはなってないと思います。


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「ご自身が調和したり、自分と繋がったりした体験がありますか?」

瞑想中などに、至高体験みたいな変性意識を体験をしたことは数回あるんですけれども、ただ、「ミラクルな経験が全て」「自分の神聖と繋がることは奇跡」だと思い込んでしまうとちょっと危険だと思っています。私達の中心と繋がることは、日常的に自然にできるはずなんです。私自身、それに気づいてからは、毎日自分自身と対話して、瞑想することで常に繋がるようになりました。そして、それは特別な事ではないし、自然な成り行きなのです。

自分の求めている答えは全部自分の中にある、ということを経験すると、本当の安心感が生まれます。問題と思われるような出来事はなくならないけれども、でも、それは問題ではなくて、ただ1つの布石みたいなものだ、と捉えられるようになってきます。

「日常的に自分と繋がるために、大事なことは何でしょうか?」

静かに自分と対話する時間を持つこともその一つです。私達はすぐ外側に向けて、「なんとかしよう」と、いろいろ働きかけるじゃないですか。朝起きるとまっさきに一日の問題や、予定を考えたりとかね。でも、その予定って、ほとんど自分を守ることなんですよ。何かをうまくいかせるために自分を守ること。エゴからなんですけれど、ほとんどがそうです。

大人になると、「今日楽しむために何かしよう」ってあまり考えなくなります。食べること、生きることで忙しいんですね。だからこそ「楽しむためにどうしたらいいか」について考えると良いでしょう。もしくは、自分の中で心配がある時は、何かアドバイスをもらうように待っていると、それに対して何かヒントがやって来ます。それまでゆっくり時間を取ってあげればいいんですよ。

あと、身体のケア。エクササイズ、ヨガとか、身体と向き合うことと心と向き合うこと。心というか、スピリットと向き合うこと。私自身は、この両方をすごく大切にしています。言ってみればそれが仕事かもしれませんね。私はプログラムを作るのに時間をかけないんですけれど、これにほとんどの時間を費やしています。

「自分と調和する時間を持つということですね?」

そう。それが私にとっての仕事なんです。自分と調和することが仕事だなんて、本当に幸せですよね。それは生き甲斐ですから。あらためて思うのですが、生き甲斐のある仕事ができるのは、幸せなことです。

90歳になる母を見舞うために度々施設に行くのですが、動けなくなり覇気を失っている人をたくさん見かけます。時間もあり、お世話もされて、自分では何もしなくていい状態は、果たして幸せなのか?とわからなくなります。母にしても、だんだんと家事をしなくなり、好きだったことさえ、興味を失っていきました。

人間って、幸せで働けるっていうことが幸せであって、ちゃんと自分の意識を持って自分の大切な人達と繋がるってことが幸せなんだな、ということに気づかされました。

そんな意味で、好きな仕事をやれているということは私にとってはすごい感謝で、この仕事がすごく好きなんです。この間も、ワークが終わったらみんなが本当にキラキラしてて、「こういう人達の表情を見たり、いつも会えたりして、本当にいい仕事だな。本当に嬉しいし幸せだな」と思えます。

仕事というのはすごく楽しいものなんだという意識。大変な仕事だからお金が儲かるとか、好きな仕事をするとお金にならないとか、それは1つの観念にすぎません。ちゃんと好きな仕事をして、経済もまわって、豊かになって、それをまたどこかに還元していく、という流れが作れたらいいなって思っています。自分と調和していれば、次第にそんな流れに乗って行けると思います。

「それができなくて悩んでいる人がいると思うのですが、そういう方にメッセージは?」

ドリームワークショップの時によく伝えるんですけれど、自分の世界は自分で創っている宇宙のシステムを理解することが大切です。これは私が言った言葉ではなくて、もう既に世界の賢者やマスター達が言い尽くしていることなんですけど…。自分が信じている世界を自分が創っているのに、どうして皆さんは好きではないことを信じて、それを創造し続けるのでしょうか?

そのことに対しておかしいと思わないといけないんですね。実際、おかしなことをやってるんです。嫌な仕事を辞めなかったりとか、自分の心をコントロールしないで他の人をコントロールしようとしたりとかね。宇宙のエネルギーに逆らったことをしていると物事がうまく運ばないのは当たり前なんです。

身体って物質的なので、押せばつっぱるとかエネルギーの作用を感じやすいでしょう。だからワークショップでは身体を使ったり感覚を使ったりして、エネルギーがどういうふうに動くかってことを体験的に学んだ後に、心がどう作用して何が起こるのかということを実体験で学んでもらうんです。その時に、自分がやってることに気づくんです。

そして、それをやってることに気づいたなら、やめる方法も見つかるんです。普遍的な宇宙の原理とかね。そういうものをプログラムに組み込んでいます。そして、参加者の人達はワークを楽しみながら意識的にではなく、無意識的に経験していった時にふと、出口を見つけるんです。 出口は自分でしか見つけられないのですけれども、みんなそれぞれ「あっ!」って気づいて解除していくような場面は、傍で見ていてすごく面白いんです。

「出口を見つけるために何が一番大事でしょう?」

「意識的になって観察をする」ということです。多くの人が客観的に見ることができずにいます。ニュートラルに見るのではなくて、今までの古いパターンで物事を見ていたり、雑に片付けようとしたりするので、見ているつもりでも見てはいないんです。

もっと観察することや、感覚を信頼して次のモーションをどうするか考える。それをファシリテーターが誘導してあげると、「なるほどね」となります。一人ではなかなか気づけないので、最初の一歩をお手伝いをしていきます。ファシリテーターとは、究極の観察者なんですね。

それは、私が何でも知っているという意味ではなく、その人の姿勢がどこで曲がっているか、本人が気づけない部分を客観的に見ることができる立ち位置に在るということです。ですから、「もっと顎をあげてみてください」とか、「もっと背中をまっすぐにしてみませんか」って言うことで、「あーっ!」って気づいて変わっていくんです。

ただ、何かを感じて、「解放する気持ちよさがいいな」と思っても、心地悪いけれども蓋をする方がやりなれているので戻るんですね。でもまた解放する気持ちよさを想い出して行ったり来たりなんですけれども、何度もエクササイズをして自分自身を創っていく筋力をつけていく。やれる人はラッキーだと思います。本当の意味で変わっていくので。

「続けることが大事なのでしょうか?」

そうです。その人がどの程度握りしめているかにもよるんですけれども、1回で大きくがらっと変わって、人生も変わって、変化していくケースもあるし、何年やっても同じ所で握りしめていて解放できない人もいます。そういうテーマなんでしょうけれどもね。ただ、早くできればいいというのも単なる観念なのですけどね。


(次回につづく・・)

吉田 エリ(よしだ えり)   表現アートセラピスト アトリエワイエス主宰
                  イラストレーター

多摩美術大学グラフィックデザイン科卒業後、デザインの仕事を経て独立。絵本や雑誌の他、書籍装丁のイラストレーターとして活躍する傍ら、国内外のアートプロジェクトのセミナーやワークショップに参加。
米国カリフォルニアのパーソンセンタード・イクスプレッシブ・アートセラピー研究所にて、表現アートセラピーを学ぶ。B・エドワーズ博士の「脳の右側で描け」ワークショップの経験を基に、独自のドローイング・メッゾトの研究を経て、ファースト・ドローイングのトレーニング法を開発・実践する。
ドローイングのワークショップの他、自由なアート表現を追求する「表現アートセラピー」のセラピストとしてオリジナルのワークショップ開催する。
既存の芸術教育にはとらわれないアプローチを実践し、従来のアートセラピーの枠からも離れたアート表現の可能性を追求している。

<吉田エリ先生のHP>
【アトリエ ワイエス】

<吉田エリ先生の著書>
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はじめてのアートセラピー 自分を知りたいあなたへ


cover
7日間で完全マスター 絵が描ける脳をつくる


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もう落ち込みたくないと思ったら読む本 悩みを手放す「マインド・デトックス」メソッド


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アートセラピーで知るこころのかたち



インタビュアー:鈴木明美(すずきあけみ)

鈴木明美

セラピールームChildren主宰、Team Oasis 代表
自分がなんだか分からない。何かやりたいけど、見つからない。
心の悩み、病を抱えた方、自己実現したい方のお手伝いをいたします。

心理カウンセラー、ゲシュタルトファシリテーター、NLPセラピスト、
交流分析士1級、レイキヒーラー
HP:江戸川区西葛西、セラピールームChildren
ブログ:セラピールームChildren


インタビュアー:大島まさあき(おおしままさあき)

大島まさあき

大島まさあきと申します。年齢は木村拓哉さんと同級生になります。

現在、働く悩み専門カウンセリングを行っています。
小田急 新百合ヶ丘で活動しています。
働くことに苦痛、違和感を持ったまま働き続けると
人生の大きな舵取りを誤る可能性があります。
自分を見つめ直す機会を持ってみませんか? お気軽にご相談下さい。
HP:働く悩み専門カウンセリング


インタビュアー:川田史郎(かわだしろう)

川田史郎

マーケティングプロデューサー、コーチ。

現状を変えていきたい人、何かをはじめたい人の
コーチングをしながら、
解決策のプロデュースや事業化のお手伝いをしています。


インタビュアー:岸眞美(きしまみ)

岸眞美

会社員生活を送るうちに、人が幸せになる、ってどういう事だろうという
素朴な疑問が生まれました。

社内教育に携わり、コーチングに出会い、資格を取得。
現在は、ほっとする「居心地の良い場所」を追究すべく、
自然療法フットケアサロンOPENに向け、日々研鑽中。


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脇坂奈央子

『道開きの心理士』 ……本来のあなたの道を開く、お手伝いをします。
ブライアン・ワイス博士直伝の、プロフェッショナル・ヒプノセラピスト。
前世療法・催眠療法を中心に、ニーズに応じた各種心理セラピーを施療。

心理士、認定THP心理相談員、統合心理セラピスト、心理カウンセラー、
米国NGH認定ヒプノセラピスト、認定キャリアコンサルタント、
代替療法セラピスト(レイキティーチャー)
HP:ワイス博士直伝の前世療法・催眠療法・心理療法★ラポール
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