第97回目(3/4) 高濱 正伸 先生 花まる学習会

得意技を一つ、作っておいてください!

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「生き抜く力、メシが食える力として、今後何が必要になってきますか?」

それは割とシンプルで、計算や記憶は全部コンピュータがやってくれる時代になってきましたから、記憶のテストで1位になるとかほとんど意味がありません。

むしろ、本質は何かと考えたり、人に魅力的に伝えたりするような力、ついていきたいなと思わせる魅力や、リーダーシップ、コミュニケーション力、編集力など、「人間にしかできないところで力をつけておけば、仕事はいくらでもある」っていうことなんですよね。

そういう意味じゃ、まさに夫もそうですよね。たった1人の妻に見捨てられたらもう居場所がないっていう(笑)。人間同士信頼し合える家族になるってことが、すごく重要だと思います。

「お母さん達はどうでしょうか?」

お母さんは、20年前の方が深刻度が高かった。みんな極端にこだわってるというか、すごく根深くて、悩みを抱えている人が多かったですね。お受験なんか落ちた日には、絶望して1週間、塾の前で泣き腫らす、みたいな人もいるほどです。

でも、それは、「夫に話してもしょうがない」と、どこかで諦めている人でしたからね。孤独が病ませていたっていうか、「なんでこんなことになっちゃったのだろう」と思いながら、「でも、子育て頑張らなきゃ!」という、頑張り精神だけでやっている妻だらけだった。

それが、今まさに“イクメン”って言葉が出て「あぁ、わかってくれている人が私にはいる!」という良い流れに変わってきている。本を読んだだけで「スッキリしました!」と言ってくれる人もいて、完全に晴れているわけではないですが、「前に比べたらだいぶ良いな」っていう感じには思っています。

「不登校の子が増えていますが、そういうお子さんを持つお母さんには?」

いろいろな子どもを見ている中で、「ちょっとくらい嫌なことがあっても、明日になったらピンって戻ってる、みたいなものは何だろう?」と研究したら、どうも「幼児期だな」「お母さんが関係しているな」と発見した。お母さんが、「晴れやか、ニコニコ、安心」という子は、嫌なことがあっても逞しくはねのけられるということに気づいて、そこに今注力しているんです。

やっぱり、社会的自信を取り戻す成功体験みたいな、認められて人の役に立つという時が一番嬉しいから、「役に立てた!」みたいなことが、すごく力になってスタートしていることが多い。

お母さんにアドバイスをするなら、「得意技を一つ作っておいてください」ということ。それは心の支えの面でも大事で、「学校はまだ行きにくいけれど、プールなら行こうかな?」とか、戻る時の自信にもなりますし、一個成功体験があると、「他のことでも自分はやれるんじゃないかな?」と自信が転移するのがあるからです。

「子ども達にもネットが広がってきていますが、それに対してはどうお考えでしょうか?」

私も、「子どもにはゲームを触らせないでください!」と2〜3年前にはっきりと言いました。ゲームの時間ってもったいないですよね。特に男子がはまってしまう。女子はおしゃべり好きだし、それに夢中になれますから。スティーブ・ジョブズやビル・ゲイツも、「我が子には触らせない」とかやってるわけですよね。はっきりしているんですよ。

幼児期っていうのは本当に短い期間で、「友達が笑うと、俺も嬉しい!」とか、「喧嘩しても、明日になったら好きになってる」というような人間関係の基礎をとにかく学ばなきゃいけない時期なのに、有限な時間が台無しになるんですよね。そういう意味で、「やめてくれ!」って言い切ってきました。


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「学校の先生へのメッセージはありますか?」

学校の先生に言いたいのは、「教育って素晴らしいし、自信を持ってほしい」って事です。志高く持って入った先で、仕組みのせいで折れてしまい、潰れてしまう人もいる。「熱かった君はどこへ行ったんだ」と思う。

そういう組織的なエネルギーに負けないで欲しいっていうのはあるし、一人一人話せば本当に良い先生が一杯いるし、熱い先生も一杯いる。ただ、出さなきゃいけない書類が多かったり、会議や研修がたくさんあったりして、システムとして動けなくなってしまっていて、子どもとの時間が取れていない。

世界がそっちに動いているので、いずれ必ずそうなると思いますが、結果責任にしてしまえば変わるはずです。オランダはその典型で、200人集めれば誰でも公立小学校が作れるんです。

スティーブ・ジョブズスクールとか、色々な学校がバンバン増えているんですよ。お金はすべて国家から出ている。ただし、3年目で結果が出ていなかったらアウト。参入は簡単ですが結果責任を問われる。先生が結果を問われながら生きているということです。

今の学校は仕組みにとらわれていて、つつがなくこれをやらなくてはいけない。指導主事がきてどうのこうのではなくて、それぞれのやり方で活き活きと教え、「とにかく結果さえ出せばいいよ」という仕組みになったら、絶対先生も学びに行くはずなんです。

公立高校の先生は、みんな予備校に勉強しに行っている。まだ小中はガチーンとコールタールの海みたいな感じですが、でも、私は今後そこを変えて行こうと考えています。

「佐賀県での官民一体の小学校というのは、どんな取り組みなのですか?」

公立を変えていかなくてはいけないことは、みんな分かっているのですが、何にも変えられなかった。でも、本質的なところを変えていなかったことを、民が入ることによって、根本的に変えられないかなぁ、みたいな実験的取り組みなんです。

一体であることは本当で、「花まるの手法を全員飲み込んで黙ってやってください」ではなく、半分以上、「こういうアイデアがあるんですけれども」って言ったら、「じゃあ、こうやったら、もっと面白いですよね」って先生も言ってくれる形で実際動き出しているんですよ。

民の実力主義、毎日が戦いみたいなところで鍛えたスキルと、新鮮で、学校という仕組みが分かっている先生達の目で、「もうちょっとアレンジしたら、今後やりやすいですよね」みたいな事を一杯入れながらやっていこうと思っています。

「授業では、五感を使うことを取り入れたりしているのですか?」

授業も全部、基本的にはそれを入れています。テレビが来ると、いつも子ども達が大声を出しているところを撮るのですが、あれは何かというと、子どもはダーッと一回発散する場を作ると、その後シーンとしてやれるんですよ。そのリズムを作ってるだけなんです。

テレビは「ワーッ!」のところしかやらないので、「あれはうちの子にはちょっと…」とか言う人がいるのですが、「授業を全部見てください」と言っています。

特に小さい子どもっていうのは、耳を使ったあとに勉強、目を使ったあとに勉強、手を使ったあとに勉強、とやっているとずっと休憩しなくてすむんですよね。それが繰り返し続くので、1年生でも90分間、まったく飽きずにもれなく全員が集中してやれるんです。それは五感システムですね。それは授業の中で取り入れています。

「それによって、子どもも飽きることなく、気づいたら夢中になっているんですね?」

そうですね。ただ、外の遊びに比べれば劣りますが。外遊びは輝いていますからね。


(次回につづく・・)

高濱 正伸(たかはま まさのぶ)   カリスマ塾講師 花まる学習会代表

1959年、熊本県生まれ。県立熊本高校卒業後、東京大学へ入学。同大学大学院修士課程修了。
1993年、小学校低学年向けの「作文」「読書」「思考力」「野外体験」を重視した学習教室「花まる学習会」を設立。同時に、ひきこもりや不登校児の教育も開始。
1995年には、小学4年生から中学3年生を対象に「本格的な学習方法」を伝授する学習塾「スクールFC」を設立。算数オリンピック委員会理事。

<高濱正伸先生のHP>
【花まる学習会】

<高濱正伸先生の著書>
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「自分のアタマで考える子」の育て方


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本当に頭がいい子の育て方


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伸び続ける子が育つ お母さんの習慣


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子どもを伸ばす父親、ダメにする父親



インタビュアー:鈴木明美(すずきあけみ)

鈴木明美

セラピールームChildren主宰、Team Oasis 代表
自分がなんだか分からない。何かやりたいけど、見つからない。
心の悩み、病を抱えた方、自己実現したい方のお手伝いをいたします。

心理カウンセラー、ゲシュタルトファシリテーター、NLPセラピスト、
交流分析士1級、レイキヒーラー
HP:江戸川区西葛西、セラピールームChildren
ブログ:セラピールームChildren


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岸眞美

会社員生活を送るうちに、人が幸せになる、ってどういう事だろうという
素朴な疑問が生まれました。

社内教育に携わり、コーチングに出会い、資格を取得。
現在は、ほっとする「居心地の良い場所」を追究すべく、
自然療法フットケアサロンOPENに向け、日々研鑽中。


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毎回、クライアントさんからの気づきや学びがあり、尊敬と感謝の気持ちでいっぱいです。

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荒井都

社)日本心理療法協会 1級認定カウンセラー有資格者
仕事や人間関係の悩みから数年程断続的にウツ状態に悩まされ、
合計2年程睡眠薬無しでは眠れなかった私でしたが、
心理学を学んでそれを自分に活用することでウツ状態を克服し、
今や相談に乗る立場になりました。

また、帰国子女でもなく海外の大学を卒業した訳でもない私ですが、
英語が好きで仕事で通訳や翻訳業務にも携わっています。
誰もが自分らしく凛として生きられる社会の一助になれたらと思います。


インタビュアー:脇坂奈央子(わきさかなおこ 日本メンタルサービス研究所 所長)

脇坂奈央子

『道開きの心理士』 ……本来のあなたの道を開く、お手伝いをします。
ブライアン・ワイス博士直伝の、プロフェッショナル・ヒプノセラピスト。
前世療法・催眠療法を中心に、ニーズに応じた各種心理セラピーを施療。

心理士、認定THP心理相談員、統合心理セラピスト、心理カウンセラー、
米国NGH認定ヒプノセラピスト、認定キャリアコンサルタント、
代替療法セラピスト(レイキティーチャー)
HP:ワイス博士直伝の前世療法・催眠療法・心理療法★ラポール
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