第97回目(2/4) 高濱 正伸 先生 花まる学習会

必要なのは、子どもの輝きをパッと見抜く力

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「先生は、元気のない子でも、相手が子どもであれば元気にできる、ということでしょうか?」

やっぱり10代くらいまでだと可愛いですよね。どう転んでいても可愛いというか。今思えば、昔は全然専門知識はなかったですけど、要するにちゃんとラポールから入っているんですよね。「この子は勉強じゃないな。とにかく笑わせよう」ということになって、「ワハハ」と笑えば、子どもの目がキラッと光るんですよね。「ウケている時に、相手の子どもの目がキラッと光るんだな」とかリサーチしながら仲良くなっていくわけです。

「輝きを見逃さないということですか?」

“輝きを見逃さない”というのは結構大事なキーワードです。教育で一番必要な素質って、子どもの輝きをパッと見抜く力なんですよね。授業はライブなので、例えば、「教室にいる30人の子どもの目は光っているかな」と注視して、もし光っていなければ直ちに修正をかける、みたいなことが大事なんです。

「先生はどうやって花まるの先生達を指導されているのですか?」

花まるは21年になるんですけど、初めの頃はメチャクチャでした(笑)。組織とかゼロで個人事業主に過ぎなかった。賞与も何もなくて、5人くらいで364日位働いていましたから。でも盛り上がるんですよ。とにかく想いだけで生きていて、それはそれで楽しかったんです。

結論からいうと、今はそういう体制は無理ですよ。普通のサラリーマンが、「ある程度の見込みがある企業だろう」ということで、生活の安定とか待遇を求めて来る訳なので。

そういう段階になった時の鍛え方をどうしているかというと、3か月間研修をやって、そこで色々と注入しますね。まさに、日記を書かせるとか、言葉のセンスを磨き、甘かったらそこで指摘する。「考えているフリをしているだけじゃないの?」とか根本的なところを鍛えていきます。

先生には、“サーチする力”と“考える力”そして、“言葉にする力”が必要です。自分で言葉にする力がなければもたない。先生って一番泥臭くて、本当に終わりがないんですよね。本当に24時間、「あの子、どうしてるかなぁ〜」って考えなければいけない仕事なので、本来、労働基準法といった枠にはまらない仕事なんですよね。でも、それを本当に楽しめる人であれば、日々天国な仕事ですよね。

という訳で、3か月間鍛えて大体8割方卒業できますね。それで外に出すと、「なぜこんなに優秀な先生方なんですか?」って言われるんですが、それは3か月徹底的に鍛えたからなんですよね。

「その他に、輝きを発見したりということにも力を入れているわけですよね?」

そこは相当強く言います。“輝きを発見する”のに何度もオン・ザ・ジョブ・トレーニングで画面を見せて、「今、何に気づいた?」みたいにやる。

あと、この仕事では「危険」も感じなきゃいけないんですよ。シャープペンを人に向けている子の写真があって、「次、何が危ないと思う?」みたいなこととかですね。「現場で何が危ないか?」を感じられないとダメで、安全管理はノウハウだけでは無理なんですよね。その2つは相当厳しくやりますね。


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「花まる学習会の特長、他の塾と何が違うと思われますか?」

生徒が集まってくるのは、会員のお母さん達が、紹介や口コミで広げてくださっているからこそなのですが、「お母さんを口説く今までにないものがあった」っていうことだと思っています。実はやりながら考え続けたんですけどね。

最初の10年ぐらいは、ずっと完全理系・勉強できる系のイヤな男っていうか、理屈ばっかり言っていて。相談されても「こうして、こうすればいいですよ」みたいに解決方法だけを言うような答え方をしていました。徒労感みたいな、心に響かない感じだけはいつも感じていたんですよね(笑)。

講演でも、みんな一応褒めてはくれるのですが、最後の方に、「でも、やっぱりあなたは女性がわかってない」とか、本当に何度も何度も言われていました。だけど見捨てずに来てくれるっていうことは、今思えば可愛げはあったと思うんですよね。

それで、お母さん達がすごく応援して言い続けてくれたおかげで、ある時、本当にまたポーン!と見えたんです。「あっ見えてないのは私だったんだ」と。「女の人って、子どもを産んだ途端に、毎日毎日心配が泉のようにコンコンとこみ上げるものなのだ!」みたいなことや、「理屈を聞きたいんじゃなくて、共感がほしいんだな」っていうのがわかったんです。

「理屈ではなくて、共感ですか?」

女性且つお母さんって、「日々こみ上げるものを、誰かに受け止め続けてもらうことだけが大事なんだなぁ」とか、「お父さん達って、本当にそれがわかってないなぁ。だって、俺だってわかってなかったもんなぁ」みたいなことを講演で言い始めたら、そのとたん毎回キャンセル待ちになるほど大盛況で。そうなると人が人を呼び、「あの人わかってるわ!」と、あっという間にすごいエネルギーでお母さん達が応援してくれる様になりました。

だから、うちの何かがとても素晴らしくて、他の塾よりこれがいいからっていうよりも、塾の中で、お母さんの心を一番最初に掴んだからだと思いますね。そこだけです。それも成功体験としてあちこち本に書いていますから、今後、いろんな塾も気づくとは思いますけどね。

でもね、話しててもそう簡単に変わりきれないですよね。男性は「理屈言いたい!」「俺は偉いって思われたい!」みたいな感じがにじみ出ますからね(笑)。

「先生がそのように大きく変わったきっかけは、何かあったのですか?」

ある時、ある瞬間ですよ。「俺の方が見えてなかった?!」っていうのにハッと気づいて。

今、取締役になっている、頭の回転が早く、人の10倍くらい仕事ができる人がいるんですが、何かの時に彼女をちょろっとからかうようなことを言ったら、「あっ、カチーンときた! 意地悪したくなってきました」って言ったんですよね。

「えっ、意地悪!?」と思って。「意地悪したいって、あなたほどの頭脳の人がそんなことしたいの?」って思ったんです。男って、「人に意地悪したい」なんて感性はこれっぽっちもないから、衝撃が頭に残っていて、その時に、「あっ、あれもそうか!」と女性という生き物について、ガガガガって繋がっていきました。

だから今、お父さん達に講演でその話をすると、すごく納得されますね。だけど、本当の意味でなかなか自分は変えられないから、どうしても妻に理屈を言ってしまうんですよね。「こうすればいいって言ってんじゃん!」みたいな。

「お父さん達への取り組みもなさっているのですよね?」

お父さんが大きく変わってきたなと思いますね。イクメンとか出始めた辺りがひとつの信号で、男の人が、「妻をちゃんと支えないとまずいぞ!」ということがわかってきた。

今の30代はすごいですよ。「本当に勉強になりました!」と熱心です。「どうもこっちが変わらなきゃいけないなぁ」っていうことを、今の30代はわかってきています。

夫が変わらないと、やっぱり妻は幸せになれない。人間っていうのはお母さんが安定しているのが一番大きくて、「お母さんの安心をどう作っていくか?」が社会や夫の仕事なんです。労いとか気遣いをちゃんと発信しながら、「妻がニコニコになることだけに徹するのが夫の仕事ですよ」って言うと、お父さんがすごくよくわかってくれて。時代は変わって来ている感じですね。

「嬉しい兆しですね。他には、どんなところで時代の変化を感じますか?」

エストニアはすでに電子政府を実行しましたね。要するに、すべての人間がナンバリングされて、預金も何もかも全部把握されているから、税金も年金も自動的に払われるし、その手続きがすべてなくなったので、エストニアでは公認会計士と税理士が絶滅してしまった。

これが今後の未来なんですよね。コンピュータ革命ってそういう恐ろしさがある。「そういう中で生き残るのって大変だなぁ」と思いながらも、まぁ面白がってますけどね。


(次回につづく・・)

高濱 正伸(たかはま まさのぶ)   カリスマ塾講師 花まる学習会代表

1959年、熊本県生まれ。県立熊本高校卒業後、東京大学へ入学。同大学大学院修士課程修了。
1993年、小学校低学年向けの「作文」「読書」「思考力」「野外体験」を重視した学習教室「花まる学習会」を設立。同時に、ひきこもりや不登校児の教育も開始。
1995年には、小学4年生から中学3年生を対象に「本格的な学習方法」を伝授する学習塾「スクールFC」を設立。算数オリンピック委員会理事。

<高濱正伸先生のHP>
【花まる学習会】

<高濱正伸先生の著書>
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「自分のアタマで考える子」の育て方


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本当に頭がいい子の育て方


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伸び続ける子が育つ お母さんの習慣


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子どもを伸ばす父親、ダメにする父親



インタビュアー:鈴木明美(すずきあけみ)

鈴木明美

セラピールームChildren主宰、Team Oasis 代表
自分がなんだか分からない。何かやりたいけど、見つからない。
心の悩み、病を抱えた方、自己実現したい方のお手伝いをいたします。

心理カウンセラー、ゲシュタルトファシリテーター、NLPセラピスト、
交流分析士1級、レイキヒーラー
HP:江戸川区西葛西、セラピールームChildren
ブログ:セラピールームChildren


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マーケティングプロデューサー、コーチ。

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岸眞美

会社員生活を送るうちに、人が幸せになる、ってどういう事だろうという
素朴な疑問が生まれました。

社内教育に携わり、コーチングに出会い、資格を取得。
現在は、ほっとする「居心地の良い場所」を追究すべく、
自然療法フットケアサロンOPENに向け、日々研鑽中。


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星野恵実

社)日本心理療法協会 認定心理カウンセラー
子どもの頃から長年悩み続け、そこから抜け出した経験を活かし、
就労移行支援事業所などで、カウンセリングをさせていただいております。
毎回、クライアントさんからの気づきや学びがあり、尊敬と感謝の気持ちでいっぱいです。

悩んでいる多くの方の、「自分らしさ・輝き」を取り戻し、
笑顔でご自身の人生を歩むためのサポート中。


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荒井都

社)日本心理療法協会 1級認定カウンセラー有資格者
仕事や人間関係の悩みから数年程断続的にウツ状態に悩まされ、
合計2年程睡眠薬無しでは眠れなかった私でしたが、
心理学を学んでそれを自分に活用することでウツ状態を克服し、
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また、帰国子女でもなく海外の大学を卒業した訳でもない私ですが、
英語が好きで仕事で通訳や翻訳業務にも携わっています。
誰もが自分らしく凛として生きられる社会の一助になれたらと思います。


インタビュアー:脇坂奈央子(わきさかなおこ 日本メンタルサービス研究所 所長)

脇坂奈央子

『道開きの心理士』 ……本来のあなたの道を開く、お手伝いをします。
ブライアン・ワイス博士直伝の、プロフェッショナル・ヒプノセラピスト。
前世療法・催眠療法を中心に、ニーズに応じた各種心理セラピーを施療。

心理士、認定THP心理相談員、統合心理セラピスト、心理カウンセラー、
米国NGH認定ヒプノセラピスト、認定キャリアコンサルタント、
代替療法セラピスト(レイキティーチャー)
HP:ワイス博士直伝の前世療法・催眠療法・心理療法★ラポール
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