第96回目(3/4) 平本 あきお 先生 チームフロー

その“先の人”まで幸せにするコーチング

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「チームフローに学びに来る方への、平本先生の姿勢はどのようなものでしょうか?」

私達の基本的な姿勢は、『幸福の三条件』って言ってますけど、『自己受容、他者信頼、貢献感』の3つ。

要は、「今以上に自分が好き、今以上に関わる人を信頼できる、今以上に自分はこの人達に役に立てる感覚。この3つがある時のみ幸せ」とアドラーは言うんですね。

例えば、ボタン付けができない自閉症の子どもがいて、ボタンを付けてたとしたら、先生が褒めます。「よくできたね!」って。でも、この子は褒めてくれる先生がいるとやるけど、褒めてくれる先生がいなくなったらやらないんですよ。やっても褒めてくれないから。

つまり、できた自分は好きかもしれないし、先生のことは好きかもしれないけど、役に立っているかどうかではなく、褒めてもらうためにやる。

それを、自分でボタン付けしたら、「偉いね。よくできたね」と言わず、「あなたが自分でボタン付けしてくれたら先生助かる。その分、先生これできるから」と言う。

つまり、「褒められるかどうか?」ではなく、「人の役に立っている」という意味付けをした時、この先生がいなくなっても、「先生が替わっても、僕がボタン付けしたら、新しい先生もまたあれができるな」ということに認識がいって、役に立ちたい、役に立ってる感は続くんです。

「それが、3つめの貢献感ですね?」

その貢献は、社会貢献みたいな貢献ではなくて、「全ての行動1つ1つが、誰かの役に立ってる」という視点のもとであった時のみ幸せ、となる。

うちのスクールが合っているかどうかは、この3つに賛同するかどうか。また、クライアントさんが3つ上がるのは誰でも納得できるけど、クライアントのその先の人もこの3つが上がるっていうことも、私達チームフローのコーチングでは実現したいこと。

「その先の人?」

例えば、ある夫婦がいて、旦那さんが「(旦那)コーチング受けて、やりたいこと見つかった!会社辞めて、鹿児島で農業始める!」って言うとしますね。

よくコーチングや自己啓発で、「1000人が邪魔しても、やりたいビジョンを貫き通せ!」とか、「まわりはドリームキラーだらけだから、ドリームキラーに耳を貸さずにアクションを起こせ!」って言うところがあるんだけど、それには賛同しない。

この人が大手企業に勤めていて、子どが2人いたとして、それが帰ってきて突然、「(旦那)俺はやりたいこと見つかったぞ!農業やるんだ!来月辞める!」って言ったら、もう大変なことになるんです。「(奥さん)あなた、子どもの塾どうするの?家のローンどうするの?私どうしてくれるの?」という話なんですよね。

「確かに・・・」

その時、いったんこの人のやりたいこと引き出しました、と。
「(コーチ)ところで、奥さんが関わるとしたら、奥さんは何をやりたいと思いますか?」と言ったら、「(旦那)昔から体動かしたい。フラメンコやりたいと言ってた」と。

「(コーチ)なるほど。じゃあ、ちょっと奥さんの立場に立って、何を認めてくれたらあなたの意見もちょっと耳を貸そうと思いますか?」とポジションチェンジのワークをやる。

こちらに立ってみたら、「(旦那)そうか。『フラメンコやってくれ』とは言えるけど、『フラメンコやりたいけど、子どもの面倒どうするの?』とたぶん反論するでしょう」「(コーチ)こっちの人が何て言ったら、耳を貸す?」

「(旦那)わかった!月・水・金フラメンコに行かせる上に、月・水・金の送り迎えまで俺がやる!」「これだったらいける!」と、そこまで引き出すと、家に戻って奥さんに、「(旦那)お前フラメンコやりたいって言っただろ?是非やってこい!月・水・金行って来い!その間、子どものお守りと料理は俺がしておくから。お前もお前の好きなことをやれ」となる。

そして、「(旦那)俺もやりたいことがあって、いきなり会社辞めて農業やるとは言わないけど、できれば千葉にちょっと週末農園借りてやりたい。土、日、できれば毎週行くのを許してほしいし、できればお前にも、月1回くらいは子どもを連れて来てほしい」という感じで言う。

「それなら、奥さんも耳を貸せる話になりますね?」

自分がやりたいことを引き出したら、「どうドリームキラーを説得して打ち崩すか?」ではなく、ポジションチェンジして相手の立場に立って、「何て言われたら、あなたの価値観を認めてあげようと思うか?」を引き出して、それを言ってあげて、自分のも言ってみる。

旦那がコーチングを受けたら、何か変な団体にそそのかされたと、奥さんから、「うちの旦那を返してくれ!」みたいな話もあるけど、「ここのコーチングを受けたら、奥さんまで幸せになった!」。それがうちのコーチングの特徴。

「その先の人まで幸せに・・・ですね?」

自分がハッピーだから、「お前もセミナー来い!」じゃなくて、相手の立場に立って満たしてあげるという前提が必要だし、コーチになった時、コーチとして関わった人と、その先の人も、その先の先の人も、『その人が変わることで、みんながハッピーになる』ということが前提だし、そういうトレーニングをしている。


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「押し付けでなく、波長合わせですね?」

そうなんですよね。それも、「相手を操作しよう」という意図じゃなく、「本当に相手の立場に入ってわかったからこそ、それができる」というのは、やっぱりすごく違う。

「『フラメンコ』と言っておけば、やらせてくれるだろう」ではなくて、「奥さんの席に座って奥さんの気持ちを感じてみるとどんな想いですか?」って聞いたら、「(旦那)あぁ、なんか旦那は羨ましいと思います。コーチングか何かやって、好きなことばっかりやって、私は家事で子ども二人で…」「(旦那)そうか、奥さんはこんな気持ちだったんですね」というのを、ありありとこの人に臨場感をもって実感してもらいたい。

それがなくて単に、「(旦那)フラメンコやりなよ」と言ってしまうと、「(奥さん)あっ、また旦那が操作しようとしてる!」となってしまう。

相手の立場に立って、「何て言われたらすごく理解されたと思うか?」が最優先なので。「最近あなたといると本当にすごくホッとするけど、どうしたの?」と言われたら、コーチングをやっていると言う。

「そこでも相手の関心に関心を持つ、というヨコの関係なのですね?」

そうなんですね。旦那さんは、奥さんの関心に関心を持つ。一見すると、「そんなの無視して行けばいいじゃん!」っていう話なんだけど、今までにないくらい妻に感謝されるようになるんですよね。「あなた、本当にありがとう!」とか「大好き!」って言われるようになった方が、長い目で見て、絶対に夢に向かっていいエネルギーになる。そういうのを体系的にみんなが習得できるようにした。

「子どものコーチングにも力を入れていらっしゃいますが、そこをお聞かせいただけますか?」

私はずっと昔から、「必ず自分より年齢が若い人の方が正しい」というビリーフを強烈に持っているんですね。私よりも30代、30代よりも20代、20代よりも10代、10代よりも中学生、中学生よりも小学生、小学生よりも保育園児の方が正しい。

ただ、小学生・保育園児は、参照体験がないからうまくいかない。だから、小学生が「フン!」としていたとしたら、それはやっている側が間違っているんですね。

だから、「子どもが大人をコーチングすべき」だという信念があって、大人がどれだけ頭ひねっても盲点があるし、どうしても長い経験の中で「これが正しい!」「それはこうでしょ!」みたいな固定観念がある。答えが、「もうこれじゃない!」という時に、大人が雁首揃えて考えるよりも、子どもに聞いた方が早い。

「固定観念のない、子どもに聞く! ですね?」

「子どものする質問が、多分、一番大人を正しいところに導ける」という前提があるので、小学生が大人をコーチする。いつの日か、小学生が政治家をコーチしたり、小学生が上場企業の社長をコーチしたり、小学生が校長先生をコーチしたり。小学生が大人をコーチしたらうまくいく。

先日、小学校4〜5年のウミちゃんという女の子が、『子どもコーチ』のトレーニングに来ました。トレーニングを受けて帰って、何週間かして、現場で使った感想を聞いたら、「先生が元気なさそうだったから、コーチングしたら先生が元気になった!」とか。

「いじめられている子がいて、『どうしたいの?』って聞いていったら、『本当はこんな風にしたい!』、『じゃあ、何ができる?』みたいにコーチングしていったら、いじめられてた子なのに、どんどん発言して、みんなを引っ張っていって、いつの間にかリーダーになった」と言ってました。

コーチングスキルのある子がクラスに入って、いじめられっ子に対して「どうしたい?何ができる?」って言ったら、もう大人の見ていないところでいじめがなくなるんですよね。

私の夢は、『20歳になったら退職のショッピングストア』を作りたいんです。つまり、19歳までの子たちでやってる会社。「それはそうやけど、そう簡単にはいかない」って大人は言うけど、子どもだったら、「だったらココとココ分けたら?」みたいに子ども同士で決めてしまえば、「やろうよ!」と言ったら、多分やるんです。そういう発想の夢があって、それを今具現化しているのが『子どもコーチ』です。

「アスリートのコーチングについてはいかがですか?」

iPhoneとかだったら、スピードが早いとか目に見えるので、「やっぱりiPhoneは使いやすい」とわかるけど、コーチングやカウンセリングの効果って、ともすると主観的で、よくわからなかったり、周りに理解してもらいにくかったりする。あと、何が効果があるのかないのか、差を測りにくい。

それで、「誰が見ても、わかりやすい結果を出す方が、私達のやってるスキルやあり方について、理解が広まるかな?」という意図で、最初、アスリートに関わりだしました。オリンピック金メダリストの石井慧をはじめ、いろいろな人が私のコーチングを絶賛してくれ、同時に、優勝やメダルなどの結果も出してきました。

うちの会社には、スポーツが大好きなスタッフがいるので、彼が後を引き継いで、「ロンドン五輪で38個のメダルサポートする!」と決めたら38個だったし、ソチでも、数少ないメダル獲得のために貢献できた。今度2020年の東京オリンピックでも、起爆剤になれるように貢献します。

また、運動とかスポーツって、子どもの教育に良いにも関わらず、先生が体罰をしたり、一方で、放任になっていたり。その時に、メンタルコーチがヨコからガッツリ関わることで、先生も救われるし、子ども達も良くなる。だから彼は、1つはトップアスリート向け、もう1つは、小・中・高の部活やクラブチームの指導者向けにやっている。


(次回につづく・・)

平本 あきお(ひらもと あきお)   メンタルコーチ 株式会社チームフロー代表取締役

1965年、神戸生まれ。東京大学大学院修士課程(専門は臨床心理)修了後、病院での心理カウンセラーや福祉系専門学校の心理学講師を務める。1995年の阪神淡路大震災で両親を亡くし、その後に渡米、心理学専門大学院(アドラー心理学)でカウンセリング心理学修士課程を修了する。アメリカでは、小学校や州立刑務所、精神科デイケアなどに、コーチングを初めて導入。
2001年に日本帰国。北京五輪・金メダリストを2年半サポートするほか、早稲田大学ラグビー部中竹竜二元監督(2年連続大学選手権優勝)、メジャーリーガーといったトップアスリートに限らず、有名俳優や著名人、経営者、ビジネスパーソン、学生へのコーチング&研修は3万人を超え、独自のコーチング手法を開発。世界最高水準の「プロコーチ養成スクール」主宰。「個人コーチング」は100人以上が予約待ち。講演や雑誌、TVなど、メディアにも数多く登場している。

<平本あきお先生のHP>
【株式会社チームフロー】

<平本あきお先生の著書>
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インタビュアー:鈴木明美(すずきあけみ)

鈴木明美

セラピールームChildren主宰、Team Oasis 代表
自分がなんだか分からない。何かやりたいけど、見つからない。
心の悩み、病を抱えた方、自己実現したい方のお手伝いをいたします。

心理カウンセラー、ゲシュタルトファシリテーター、NLPセラピスト、
交流分析士1級、レイキヒーラー
HP:江戸川区西葛西、セラピールームChildren
ブログ:セラピールームChildren


インタビュアー:川田史郎(かわだしろう)

川田史郎

マーケティングプロデューサー、コーチ。

現状を変えていきたい人、何かをはじめたい人の
コーチングをしながら、
解決策のプロデュースや事業化のお手伝いをしています。


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巻田裕司

長期うつ、引きこもり専門カウンセラー

12年に及ぶ長期うつを経験し、
35日でうつから抜けた方法を伝えるため、
講師としても活動中。


インタビュアー:星野恵実(ほしのめぐみ)

星野恵実

社)日本心理療法協会 認定心理カウンセラー
子どもの頃から長年悩み続け、そこから抜け出した経験を活かし、
就労移行支援事業所などで、カウンセリングをさせていただいております。
毎回、クライアントさんからの気づきや学びがあり、尊敬と感謝の気持ちでいっぱいです。

悩んでいる多くの方の、「自分らしさ・輝き」を取り戻し、
笑顔でご自身の人生を歩むためのサポート中。


インタビュアー:山下達雅(やましたたつまさ)

山下達雅

どうして心が苦しくなるんだろうか?
どうして悩みの淵に落ち込んで抜けられなくなるのだろうか?
また 心の苦しさが抜ける瞬間・心が軽くなる瞬間・人が悩みから抜ける瞬間
人間の内界では、どんなことが起こっているんだろう?
心のことを本格的に探究しだして20年が経ちました。
自分自身で沢山体験して、心が自由になりました。
今度は人に提供しようとエネルギーワークを取り入れた
カウンセリングを始めて提供しています。


インタビュアー:脇坂奈央子(わきさかなおこ 日本メンタルサービス研究所 所長)

脇坂奈央子

『道開きの心理士』 ……本来のあなたの道を開く、お手伝いをします。
ブライアン・ワイス博士直伝の、プロフェッショナル・ヒプノセラピスト。
前世療法・催眠療法を中心に、ニーズに応じた各種心理セラピーを施療。

心理士、認定THP心理相談員、統合心理セラピスト、心理カウンセラー、
米国NGH認定ヒプノセラピスト、認定キャリアコンサルタント、
代替療法セラピスト(レイキティーチャー)
HP:ワイス博士直伝の前世療法・催眠療法・心理療法★ラポール
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