第96回目(2/4) 平本 あきお 先生 チームフロー

相手に関心を持つではなく、相手の関心に関心を持つ

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「問題を解決するためのアプローチについて、教えていただけますか?」

問題解決する場合に、大きく3つあると考えています。

変化を起こすには、『行動レベル』と『認知レベル』。「それに向けてこういう行動しようよ!」とか、もしくはポジションチェンジしたり、タイムラインを一緒に歩いて、「あなたの本当にやりたいことはこれかっ!」って気づかせる。

もう1つ『情動レベル』と言って、過去のあの時、自分の感情と向き合えない時があって、それが、前に進むのにもネックになることがある。その時、クライアントさんをコーチがサポートしながら、その感情を一緒に味わってみる。

要は、スキューバダイビングでヨコについて一緒に行く感じなんですね。「連れて行く」とか、上から見て、「行け、行け」じゃなく、過去を掘り下げるにもスキューバのバディみたいに「一緒に行く」。だから、本当に100パーセントヨコの関係なんです。

相手とラジオの周波数が合って、ピタッとヨコの関係じゃないと音が来ないイメージです。1,651ヘルツなのに1,500ヘルツにしちゃうと、もうラジオは聞けない。

「それは、具体的にはどのようになさるのですか?」

実はすごく簡単なことで、「こんにちは。最近、調子どうですか?」と話しながら、「ところで、最後にどういう風になったらいいですか?」と、相手の未来のイメージを聞いていく。

「なるほど、そんな風になりたいんですね」と、そこでパッと後ろ振り向いて、「ところで、今まででそんな風にできた最高の時ってどういう時ですか? それを活かしたらどうなるでしょう?」と聞けば、「こんな風に良かったな」と。1分もたたないうちに彼は、「忘れていたけれどもありありと思い出した」という体験をして、その体験自体がこの人との信頼関係になる。

つまり、ラポールを築くためのラポールは存在しないということ。この人の関心事って『困ってるのが良くなるか』か、『叶えたいものが叶うか』しかないんです。

「相手の関心事に、関心を持つのですね?」

アドラーが言うには『相手に関心を持つ』んじゃないんです。『相手の関心に関心を持つ』んです。相手そのものじゃないということです。この人に関心を持たない。この人に関心を持つと、持たれた側は分析されてコントロールされてしまうから。

『相手に関心を持つ』ということは、例えば、子どもがファミコンやってたら、「何でファミコンばっかりやるのかな?」「勉強しないのはどうしてなんだろう?」「どうしたらこの子、勉強するようになるのかな?」ってなる。

でも、『相手の関心に関心を持つ』ということは、例えば、一生懸命ドラクエをやっていたら、「なんていうゲーム?」って、ドラクエに興味を持つんです。「どこが面白いの?」と聞いた時に、「ここがこうで面白いんだよ」って相手が言うことが信頼になる。だから、『相手に関心を持つ』のでなく、『相手の関心に関心を持つ』。

「起業された経緯を教えていただけますか?」

13年前に帰国する時は、手元に10万円しかなかった。「手元に10万円しかないのにどうやって暮らすんだろう?」「みんな不景気だって言うのに、何でこの時日本に帰るんだろう?」と普通だったら、頭の中でそんな問いかけが流れるかもしれないけど、私はその問いかけを自分にしなかった。

その代わりに、「不景気だからこそ、自分にできることは何だろう?」、「お金だけじゃなく気持ちまで不景気だからこそ、自分にできることは何だろう?」って問い続けながら帰ってきた。

起業するかどうかよりも、「自分が学んだアドラーやコーチングで、日本を元気にするんだ」という想いで帰ってきた。最初、友達の家に寝袋で居候生活しながら、ホームレス。住所不定無職だった。

「コーチングで日本を元気にするために留学してきた。最悪の場合、渋谷のハチ公前で100円でコーチング料もらうことになってもコーチングしかしない!」「コーチングでここまでできるというのを証明しよう!」、そんな想いで最初は『有限会社エグゼクティブコーチ』という名前で始めて、その後に『株式会社ピークパフォーマンス』、そして『株式会社チームフロー』へ推移していった。

「今のチームフローの活動で、大切にしているものは?」

最初は、私自身がコーチング的にその人のやりたい事を引き出したり、ライフデザイン・キャリアデザインしたり、あとは自信をつけたり自分が好きになるセミナーをやってきました。

でも、「いつになったら1億3千万人に手が届くんだろう?」「100人セミナーやっても、300人セミナーやってもキリがない」ということで、じゃあ、「できるだけインパクトのある人をコーチングしよう」と決めた後に、石井慧に出会って、北京オリンピック金メダリストをサポートしたり、俳優さんや上場企業の社長をコーチングしたものの、金メダルは取ったけれども、彼らが金メダルを取っても一向に日本は元気にならない。

それならば、「私のようにコーチングができる人を日本で1万人増やせばいいかな」という想いで、プロコーチ養成を始めた。うちでは“1万人コーチング”と言って、街を歩いてる人もみんなコーチングの対象だと考えている。「コーチングお願いします!」みたいなのだけが、コーチングじゃないんですね。

要は、おばあちゃんにニコっと笑うのもコーチングだし、ウェートレスに「ありがとう!」と言うのもコーチング、関わった人が私の周りを素通りしながら、0.001mmでもハッピーになるようにする。プロフェッショナルな技術を習得するのと同時に、小さなことでいいから、常に周りに貢献しようって活動も大切。


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「コーチの技術とあり方の両方を、大事にされているのですね?」

「1人1人が世界遺産、人生の主人公」だと思って、コーチはクライアントに対して、まるで、「ヒーローインタビュー」のように、話を聞いていきます。そして、その『あり方』だけでなく、コーチング・カウンセリング・NLP・アドラーなど、私が600種類学んで、コーチングを3万人以上にした経験を統合したスキルも学んで、その『あり方』と『スキル』を両立できるように、トレーニングしています。

『あり方』と『スキル』で実力をつけながら、『ビジネススキル』も教えるようにしています。というのも、他のスクール出身のコーチで、ビジネススキルがなくてコーチングを続けられなくなってしまう人がいるから。

「個人の幸せとビジネスでの成功は、両立しますか?」

実は、世の中の風潮で、他のコーチングスクールの多くが「個人の幸せ」優先か、「組織の利益」優先かどちらかに偏っている。

要は、「コーチングとは個人の幸せを満たすものである」と言うスクールもあれば、「コーチングとは組織の生産性を上げるためのものである」と言うスクールもあるように、対立している訳ではないけれども、それぞれに良いと言う人がいる。

私はそれに矛盾を感じていて、「なぜ組織の生産性上げるの?」って言ったら、それは個人が幸せになるためだし、「売上が上がることで何か問題があるの?」って言ったらそうじゃない。問題があるとしたら、「個人の幸せを犠牲にして売上を上げるか、もしくは、個人の幸せは充実するけれども売上が下がっていく」ことが問題。

そこで私は、「個人の幸せと会社の利益というのは両立するどころか、相乗効果がある」という発想で、両立ができることを前提に、スキルも理論も体系化しているんです。

例えば、金・暇・ポストは個人が欲しいもの。という事は、会社があげたくないものですよね。つまり、組織と個人は、産業革命以来、金・暇・ポストの取り合いだったんですね。だからこそ相反する捉え方が起こる。ここに風穴を開けようとする。

「それはどのように?」

例えば、部下が、「お金欲しい」と言ったら、上司は、「じゃあ給料上げよう」と言わず、

「(上司)じゃあ、何で欲しいの? 給料やボーナスいっぱいもらったら何が欲しいの?」「(部下)車欲しいです!」そこで、「(上司)まあ、そうは言うけど、もうちょっと頑張ってから言え」とは言わず、

「(上司)なるほど。車!何に乗りたい?日産GTR?どこを走りたいの?」「(部下)箱根の何とか峠を…」と、こんな感じでどんどん臨場感を出していくんですね。本人は給料が欲しいわけではなく、GTRが欲しいので一緒になってワーッと臨場感を出して、

「(上司)これの何がいいの?やっぱり自由がいいの?」「(上司)じゃあ、例えば会社の中でこれ自由にやりたいっていうプロジェクト何?」「(部下)X!」「(上司)なるほど!じゃあ、AとBとCをここまでこなしたら、是非お前、Xを自由にしろ!」だったり。

「ポストが欲しい」だったら、認められたいので、「(上司)何で?」「(部下)娘が8ヶ月で、もう少ししたら物心つくから、かっこいいパパだって言われたい」「(上司)すぐにポストはあげられないけれど、どうしたらかっこいいパパになれる?」「(部下)プロジェクトでこの部分をやると、『この吊り橋はパパが作った』と言えるから、大変だけど3ヶ月泊り込みで吊り橋作りに行きます!」っていう感じになる。

つまり、金・暇・ポストをあげない代わりに、本人の価値観を引き出して、その価値観を満たす場として会社が仕事を与えた時、これは本人は幸せでしょうね。『X』っていうプロジェクトができて。会社は、給料は上げないけど、自己実現をする場になる。すると、個人の幸せと会社の生産性が矛盾するどころか、自己実現することで利益を上げられる。これがチームフローのコーチングの特徴。

この手法を使うと会社の売上が上がるし、個人もハッピーになるので、会社にとっても有益で価値があるし、社員にとっても「ああ、コーチの人が来てくれた!」みたいに、「コーチングで、『幸せ』になってる実感が持てる」っていう感じに両立できる。ここが一番典型的な特徴ですね。

「会社と社員、お互いにとっていい状態にしていく、ということでしょうか?」

社員が気づいていなかった価値観を掘り出して、会社の生産性に落とす形でコーチングするんですよ。本人が気づいていた訳じゃないんですよ。「自由が大事」って、コーチが引き出すからこそ気づいた。自分達ではできないんですよ。なぜなら、この人は「給料が増えればいい」としか思っていないから。そこに付加価値があるので収入を得られるポイントになる訳です。


(次回につづく・・)

平本 あきお(ひらもと あきお)   メンタルコーチ 株式会社チームフロー代表取締役

1965年、神戸生まれ。東京大学大学院修士課程(専門は臨床心理)修了後、病院での心理カウンセラーや福祉系専門学校の心理学講師を務める。1995年の阪神淡路大震災で両親を亡くし、その後に渡米、心理学専門大学院(アドラー心理学)でカウンセリング心理学修士課程を修了する。アメリカでは、小学校や州立刑務所、精神科デイケアなどに、コーチングを初めて導入。
2001年に日本帰国。北京五輪・金メダリストを2年半サポートするほか、早稲田大学ラグビー部中竹竜二元監督(2年連続大学選手権優勝)、メジャーリーガーといったトップアスリートに限らず、有名俳優や著名人、経営者、ビジネスパーソン、学生へのコーチング&研修は3万人を超え、独自のコーチング手法を開発。世界最高水準の「プロコーチ養成スクール」主宰。「個人コーチング」は100人以上が予約待ち。講演や雑誌、TVなど、メディアにも数多く登場している。

<平本あきお先生のHP>
【株式会社チームフロー】

<平本あきお先生の著書>
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インタビュアー:鈴木明美(すずきあけみ)

鈴木明美

セラピールームChildren主宰、Team Oasis 代表
自分がなんだか分からない。何かやりたいけど、見つからない。
心の悩み、病を抱えた方、自己実現したい方のお手伝いをいたします。

心理カウンセラー、ゲシュタルトファシリテーター、NLPセラピスト、
交流分析士1級、レイキヒーラー
HP:江戸川区西葛西、セラピールームChildren
ブログ:セラピールームChildren


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川田史郎

マーケティングプロデューサー、コーチ。

現状を変えていきたい人、何かをはじめたい人の
コーチングをしながら、
解決策のプロデュースや事業化のお手伝いをしています。


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巻田裕司

長期うつ、引きこもり専門カウンセラー

12年に及ぶ長期うつを経験し、
35日でうつから抜けた方法を伝えるため、
講師としても活動中。


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星野恵実

社)日本心理療法協会 認定心理カウンセラー
子どもの頃から長年悩み続け、そこから抜け出した経験を活かし、
就労移行支援事業所などで、カウンセリングをさせていただいております。
毎回、クライアントさんからの気づきや学びがあり、尊敬と感謝の気持ちでいっぱいです。

悩んでいる多くの方の、「自分らしさ・輝き」を取り戻し、
笑顔でご自身の人生を歩むためのサポート中。


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山下達雅

どうして心が苦しくなるんだろうか?
どうして悩みの淵に落ち込んで抜けられなくなるのだろうか?
また 心の苦しさが抜ける瞬間・心が軽くなる瞬間・人が悩みから抜ける瞬間
人間の内界では、どんなことが起こっているんだろう?
心のことを本格的に探究しだして20年が経ちました。
自分自身で沢山体験して、心が自由になりました。
今度は人に提供しようとエネルギーワークを取り入れた
カウンセリングを始めて提供しています。


インタビュアー:脇坂奈央子(わきさかなおこ 日本メンタルサービス研究所 所長)

脇坂奈央子

『道開きの心理士』 ……本来のあなたの道を開く、お手伝いをします。
ブライアン・ワイス博士直伝の、プロフェッショナル・ヒプノセラピスト。
前世療法・催眠療法を中心に、ニーズに応じた各種心理セラピーを施療。

心理士、認定THP心理相談員、統合心理セラピスト、心理カウンセラー、
米国NGH認定ヒプノセラピスト、認定キャリアコンサルタント、
代替療法セラピスト(レイキティーチャー)
HP:ワイス博士直伝の前世療法・催眠療法・心理療法★ラポール
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