第94回目(2/4) 岩井 結美子 先生 メイクセラピストジャパン

あなたがそう見られるのは訳がある。印象分析で、印象を変えていく。

インタビュー写真

「メイクセラピーとして確立するために、どのようなことから学ばれたのでしょうか?」

私が目指す化粧療法というものを学べるところはありませんでした。いずれは起業するつもりでいましたから、臨床の現場で行うのではなく、健常な状態の女性達を対象にしたかったんです。

病院や心理カウンセリングに行くほど病んではいないけれども、何だか今の自分が気に入らなくて気持ちが落ちてしまう・・・そういう女性が世の中にはいっぱいいますよね。そういう方達に、もっと気軽に変われる方法があるということを広めたかったんですね。

心理カウンセラーとしては、心理カウンセリングが気軽に受けられるよう、もっと広まっていけば良いと感じていたんですが、なかなか敷居が高い。カウンセリングはもっと気軽に受けていいものなのに病んでからでないと受けない。日本という国のカウンセリングに対しての認識が、私が生きている間には変わらんかもしれん・・・と思ったんです。変われば本当に素晴らしいと思うのですが。

そういう中で、化粧療法に出会って、これだったら気軽に変わりたい人達の支援ができると確信したんです。美容院に髪型を変えに行く様な感覚で、自分が気に入らないから変えてみたいわ、という気持ちでメイクセラピーを受けに行くというイメージで広まっていったら、世の中の多くの女性達が、もっと自信を持てたり、前に進めようになるのではないかという思いでした。

「きっかけとして、ということですね?」

その通りなんです。化粧療法を受けて一回で人生が劇的に変わる訳ではないですけれども、う〜ん、変わった人はいましたけど(笑)、一歩を踏み出すきっかけにはなっているんですよね。それで本格的に化粧療法をやっていこうと思ったんですが、そもそも化粧療法を教えている機関はなかったので、どうしよう・・・と思いました。

心理カウンセリングはもうできるので、メイクですね。メイクスクールもいろいろ調べたのですが、舞台用や撮影用などの高度なテクニックを使ったアーティスティックなものがほとんど。私が行っている化粧療法は、一般の人が明日から自分でできることを一番大事にしているので、高度なテクニックで難しいものであったらメイクが面倒になってしまうのではないかと思いました。

困ったなと思った時に、たまたま偶然なんですが、私の友達にヘアメイクスタイリストのプロがいまして、お化粧の基本を教えてもらうことができたんです。メイクスクールは行っていないのですが、お化粧の基本は彼女から直々に伝授してもらいました。

あとは印象を変えるために、印象を分析した上でどうアイラインを入れるとか、どんな色を使うとか、パールやラメなどのコスメの質感による違いなどは独学です。いろいろなものを参考にさせてもらって自分で考えて生み出したという感じですね。印象を変えるためのメイク術として「印象分析メイク」という商標登録も取得しました。

「岩井式メイクセラピーの特徴を教えていただけますか?」

一番の特徴は、実はお化粧ではなくて、どうなりたいかをカウンセリングして描いていくというところです。実は私、メイクの先生という自覚はないんですね。やはり私の仕事のプライドは心理の専門にあるので、メイクはあくまで手段の一つという考え方なのです。

メイクセラピーを受けに来ているのにメイクをせずに帰られる人もいるんですね。どんな自分になって何をしたいか、どんな毎日を送れたら幸せか、これから何をしていきたいか、そんな事をカウンセリングしていく中で、「私、メイクなんかしなくても良いわ」と気づく人もいるんです。自分の事が理解でき、気持ちがスッキリするんでしょうね。

自分がどうなっていきたいか、自分らしさって何か、自分と向き合う作業です。そのカウンセリングをしっかりしてからメイクをする、というのが特徴の一つです。

自分が実際どうなりたいか、自分らしい自己表現がどういうものか分からないままでいる人は多いですね。その状態で、こちら側が勝手に、親しみやすくとか、色っぽくしましょうとメイクをしてみたとして、お顔は綺麗にはなるんだけれども、その顔で本当に自分が満足なのか、自分が好きになれるか、自信がつくかというと、ただされたメイクしただけでは腑に落ちない。だからそのメイクを自分でしようとはしない。こういう女性の心理も、メイクの練習を重ねるうちに分かるようになりました。

ところが、自分がどうなっていきたいかがはっきり分かって、そうなっていくためにどういう外見で表現していくかということをメイクで提供すると、自分に必要なメイクだと積極的にそのメイクをしたいという気持ちが湧きます。その顔を毎日メイクしながら、なりたい自分の方向に向かっていく訳ですよね。そういうプロセスを踏み、なりたい自分になっていくことを目的としています。

「日々、良い方向に強化されていくということになりますね?」

そうですね。お化粧する度に気持ちが前向きになる。やらなくちゃいけないからやるメイクではなくて、自分が周囲の人にどう見せたいか、どう見られたいかを意識したメイクなので、周囲への関わり方も積極的になりますね。

「自分の心に栄養を入れていくメイク、という感じでしょうか?」

そうですね! それ良い表現ですね。


インタビュー写真


「印象分析についても教えていただけますか?」

印象分析は、一言で言うと、あなたがそう見られるのは訳がありますよ、ということなんです。自分自身に訳があるって知っていましたか? 人からどういう印象に見られているかご興味ありませんか? 人から何故そんな反応されるんだろうとビックリする様なこと、ありませんか?

ちゃんと話を聞いているのに聞いてないと言われたり、元気なのに元気ないねと言われたり、おとなしくないのにおとなしいと言われたりとか、周囲から返って来る自分への反応に対して、「そんなつもりないのに」という人、結構いるんですよね。

そういう反応が返って来るのは、あなたに訳がありますよ、というところを分析するのが印象分析です。これは、例えば生まれ持ったお顔のパーツバランス、目鼻立ちですよね、それでだいぶ印象が決まってくるんですね。目が離れていたり、近づいていたり、パーツが全体的に顔の下の方にあったり。鼻や唇の丸みや目の形、お顔の輪郭なども関係あります。また、どのようなお化粧をしているかとか、ファッション、髪型でも印象は決まります。

それから、コミュニケーションの取り方。頷き方一つでも与える印象が変わりますね。表情、声の高さ、低さ、話すスピード、口調、こういった言葉以外のノンバーバルな部分でも印象が決まってきます。印象は受け手が感じ取るものです。要するに事実かどうかは別なんですよね。与えている印象と本来の自分が違う人は多いです。ちなみに、私はどんな印象に見えますか?

「明るいとか、元気とか・・・?」

という印象ですよね。でも本当は凄くおとなしくて消極的かもしれない。本当のパーソナリティが、そのまま印象として相手に伝わるかというのは別なんですよね。

そのまま伝わっていれば誤解がないので対人ストレスもそんなに味合わなくて済むんですが、本来のパーソナリティでない自分に受け取られた印象が“私”だと思って他人は反応している訳ですよね。

例えば、会話中にほとんどリアクションが無くてじっとこちらを見て固まっている人がいるとしましょうか。凄く威圧的な人に見えたりしますよね。でも、実は凄く緊張していたり、実はとても集中しているからその対応になっているかもしれないですよね。

「本来のパーソナリティとは違ったものが伝わってしまう・・・?」

これは、心療内科にいる時からずっとやっているサポートだったんですけれど、それで誤解を受けてしまって、他人とうまくやれなかったり、周囲から思ってもいない反応をされたりしてしまう人が結構いる訳です。それは、「あなたがそういう反応を引き出している」ということです。

もちろん、他人の受け止め方によるものもあるので、100%その人に原因があるという訳ではないんですけれど、ただ、あなたにも何か原因があるとしたら、という視点でノンバーバルな部分を修正していくことによって印象を変えられるので、そうすると不快な反応をもらわなくて済みます。

そういうトレーニングは化粧療法をやる前からやっていたんです。患者さんって印象が良くない人や誤解される人が多くて、それで周りの人からいい反応をもらえなくて悩んでいるんですね。そうすると、カウンセリングで心の状態が良くなっても、社会では人と接するので、ノンバーバルな部分ですごく損をしてしまって、結局いい反応をもらえなくてまた精神的に落ちてしまう、ということがあって。

「だったらトレーニングだ!」と、ノンバーバルなトレーニングをやっていました。これは結構効果があります。

「その印象というのは、ご本人は気づいていない訳ですよね?」

はい、そのケースが多いです。もしくは、「眉間にシワが寄りやすいんです」と自分で分かっている人がいるんですけど、でもどうしたら眉間にシワを寄せずに話ができるかは分からないので、そこをトレーニングしていました。

起業してからはトレーニングの仕方も強化し、鏡を見せたりもしますし、動画にも撮ったりします。いろいろなやり方をしますけど、印象が変わっていかないと、周囲からの反応も変わっていかないケースは多いですね。

「どうやって変えていくのですか?」

動画に撮るのは一番分かりやすいですよね。動画に撮るのを嫌がる人もいますので、その場合は私がクライアントの動きを真似します。「そんな風に言うのは先生だけだ」と言われたことは一度もないです。そこは私との信頼関係があるので受け入れてくれるんですね。

「先生がそんな風に言うのなら私はそうなんだな」と。なかなかそういうサポートをする人がいないのかもしれないですね。私はちょっと独特かもしれません。

「表情のクセなどを変える、というのは難しくないですか?」

それほど難しくないですよ。本人次第ではありますけど、「今のままではマズいな」と思うと人は変わりますよ。

「日本人にありがちな問題点は、どんなところでしょうか?」

一番気になるのは口調ですね。例えば、「おにぎり握ってきたから食べて」と言われた時に、「(明るいトーンで)あー、おいしいー!」だったらいいじゃないですか。でも、ある人はおにぎりを食べた時に「(暗いトーンで)うん、おいしぃ・・・」って言うんですね。「おいしい」って言っているんだけども、おいしそうに聞こえない。このように口調と発している言葉にギャップがある人がとても多いんです。

「(明るいトーンで)あー、ありがとうー!」と言えば、お礼を言ってもらえている感じがすると思うんですけど、「(暗いトーンで)あぁ、ありがとぅ・・・」と、口調と言葉がうらはらだと、与える印象に悪影響してしまいます。それで損をしている人がいっぱいいます。

それで本人に、「全然おいしそうじゃないじゃない」と言っても、「え、おいしいって」というような感じなので、「それなら、もっとおいしそうにしてよ」と言うと、「そんなつもりはない」っていう。

あとは、「怒ってるの?」と聞いても、「怒ってない。そんなつもりない」というように、「そんなつもりない」って必ずおっしゃるんですよね。

でも、「そんなつもりない」では改善されないので、ちょっとショックですけど、まず、自分が「実はそういう印象を与えている」ということを受け入れてもらう必要があります。そこはショックを受けてでも知らないと改善できないんですね。

「あなたが何故そういう反応を受けているかというと、あなたにこういう部分があるからですよ」ということを、特にノンバーバルな部分をフィードバックして、本人に受け入れてもらった上で、「どうしますか? どうしたいですか?」ということを確認します。

「知ってそれでOK」という人もいるので、それはそれでいいですし、「このままの私だと会社での評価が上がっていかない」とか、「相手を傷つけてしまう」とか、「これはちょっとマズイぞ」と思ってトレーニングされる方もたくさんいます。

「トレーニングは1対1でなさるのですか?」

マンツーマンの方が1人1人をしっかり見られるので効果的ですね。企業研修でも、受講者全員にアドバイスする時間を組み込む場合があります。今まで無意識にやっていた振る舞いを意識的にやるって大変ですよね。ただ、コツを掴むと、他人からの反応が結構早く変わるんですね。そのため、他者から嬉しい反応がどんどん返ってきて、本人達のやる気も続きます。

ある男性で、上司から「生意気だ」と思われて、全然可愛がられない方がいたのです。彼はとっても熱くて、ガッツがあってがんばり屋なのに、ノンバーバルな部分が生意気な印象なので、その熱さと生意気さが絡み合って、上の人から「お前、暑苦しいよ」と言われちゃうんです。

周りは彼の話をしっかり聞こうとしないんですね。それが悩みだったので、表情や振る舞い方とか、声をかける時の言葉も全部トレーニングして、生意気な態度を取るのをやめて笑顔で爽やかなコミュニケーションをとるようになったら、上司から可愛がられるようになったんですよ。

しかもあまり時間もかからずに、「何か今日、お前ちょっと可愛げがあるな」とか、「お前ちょっと素直になったな」と言われるようになったりして、結局その後、上司からの引き立てもあって彼は出世しました。

性格は変えてなくて印象を変えているだけなんです。元々の性格が情熱的で誠実でがんばり屋なので、それがそのまま相手に伝わるような印象にトレーニングしただけなんですよね。

「本来の良さが相手に伝わるようになったのですね?」

その通りです! 印象のトレーニングは達成感が早く味わえます。変えているのは外見などの印象なんですけれど、相手との対人関係の取り方が上手くいくようになると自信が持てるので、メンタルにもいい影響があって生きやすくなります。

“外見から入って気持ちに作用する”と“精神面から入って外見に作用する”、両方の援助のアプローチがありますよね。ここまでは、外見から入って気持ちに作用するお話しをさせていただきましたが、気持ちが変わると、肌がツヤツヤしたり、表情がイキイキしたりと外見に出てくるので、私はクライアントに効果があればどちらからでもいいと思っています。

おかげ様で、私はその両方の援助ができるので、それをサービスの主軸としてビジネスを展開させていただいています。


(次回につづく・・)

岩井 結美子(いわい ゆみこ)   一般社団法人メイクセラピストジャパン 代表理事
                     (株)コンシャスインターナショナル代表取締役
                     メイクセラピスト、心理カウンセラー、印象アナリスト

2003年8月オフィスグレイスを開設。2006年2月に有限会社に法人化し、代表取締役に就任。心理カウンセリング技法を取り入れた独自の『メイクセラピー(化粧療法)』手法を開発し、女性支援を精力的に行う。
2005年12月にPHP研究所より「美人セラピー」を出版。女性雑誌等、メディアでも取り上げられるようになる。
メイクセラピストとしての「顔」のほか、人材育成の社員研修や講演の講師としても精力的に活動。
驚異的なリピート率(90%以上)で、1年の3分の2は講師として全国を飛び回っている。
2011年8月、「株式会社コンシャスインターナショナル」に社名を変更。

<一般社団法人メイクセラピストジャパンのHP>
【一般社団法人メイクセラピストジャパン】

<(株)コンシャスインターナショナルのHP>
【(株)コンシャスインターナショナル】

<岩井結美子先生のブログ>
【美人セラピー】

<岩井結美子先生の著書>
cover
美意識は、過剰すぎるぐらいがちょうどいい。 〜女性がもっと素敵に輝く習慣〜


cover
どうしたら「デキる男」に見えますか? - 印象戦略30のノウハウ


cover
美人セラピー



インタビュアー:下平沙千代(しもひらさちよ)

下平沙千代

日本一やさしい女性ケアドライバーです。
タクシー車内がセラピールームになることも・・・、
アロマハンドマッサージや、ソース・ワークショップも開催しています。

ソース公認トレーナー、アロマハンドセラピスト、NLPセラピスト
レイキヒーラー、トラベルヘルパー、NPO法人東京シティガイドクラブ会員
ブログ:『幸せを運ぶワクワクセラピー ソース』


インタビュアー:福田りこ(ふくだりこ)

福田りこ

あなたの中に隠された宝の箱を開けてみませんか。

潜在意識に直接アプローチする心理療法を中心に、
自己受容と自己変容のプロセスに寄り添って行きます。

心理カウンセラー
米国催眠士協会認定ヒプノセラピスト
HP:セラピールーム・サンクチュアリ


インタビュアー:川田史郎(かわだしろう)

川田史郎

マーケティングプロデューサー、コーチ。

現状を変えていきたい人、何かをはじめたい人の
コーチングをしながら、
解決策のプロデュースや事業化のお手伝いをしています。


インタビュアー:脇坂奈央子(わきさかなおこ 日本メンタルサービス研究所 所長)

脇坂奈央子

『道開きの心理士』 ……本来のあなたの道を開く、お手伝いをします。
ブライアン・ワイス博士直伝の、プロフェッショナル・ヒプノセラピスト。
前世療法・催眠療法を中心に、ニーズに応じた各種心理セラピーを施療。

心理士、認定THP心理相談員、統合心理セラピスト、心理カウンセラー、
米国NGH認定ヒプノセラピスト、認定キャリアコンサルタント、
代替療法セラピスト(レイキティーチャー)
HP:ワイス博士直伝の前世療法・催眠療法・心理療法★ラポール
発行メルマガ:こころの栄養@さぱりメント

  • 呼吸法の日本マイブレス協会
  • 毎朝1分 天才のヒント

インタビュー集

  • 毎朝1分天才のヒント メールマガジンで30日間の無料レッスン
  • さぱりメント あなたのお悩みをさっぱり解決