第84回目(4/4) 江夏 亮 先生 江夏 心の健康相談室

臨床家は、自分自身をしっかり知ること、知り続けること。

インタビュー写真

「特にこういう方に、夢カウンセリングを受けて欲しいというのはありますか?」

夢をよく見る人は、それを放っておくのはもったいないですからね。人生の羅針盤にすると随分とお得ですよみたいな・・・。もう既にあるから、自分の人生の中にうまく使った方がいいですよ、使えますよって感じです。

「夢を覚えていられない方へ、覚えておくコツがあったら教えてください」

ノートと鉛筆を枕元に用意しておくっていうのが鉄則でしょうね。

「だんだんと覚えておきやすくなっていくものですか?」

練習すればね。1に練習、2に練習かな。

どうしても悪夢みたいなのを見る時には、それなりの必然があるんだろうから、それを正面から受け止めて、ただの悪夢って言わない方が、それだけ自分の人生をいい方向に舵を切れるような気がします。

「悪夢と思えても、実はプレゼントなんですね?」

そうですね。

「それを丁寧にイメージでマイルドにしながら、見ていくという感じでしょうか?」

そうですね。どうしても上手くいかない時には、それをベースにして、とにかく自分にいい形で始末をつける。

「そのままにしておかないということですね?」

そうです。被害者のままで自分自身を放っておかない。能動的に自分で責任を取って、いい形で何らかの始末をつけるんです。

「今、悩みを抱えているという方へ、先生からメッセージをいただけますか?」

自分一人で抱え込まないということでしょうね。友達でもいいから話す。もしくは、評判のいいセラピストのところへ行って、一緒に考える。誰か傍にちょっといてくれるだけでも安心だし、自分が楽になれます。

「心の仕事に就く方にむけて、先生からのメッセージがあればお願いしたいのですが」

“いい先生につくこと”それに尽きます。

「いい先生とは、どういう方なのでしょう?」

決して境界線をずけずけと踏み越えてこない。本当に自分を尊重してくれる。つけば分かります。自分がいい方向に変化していきますから・・・。自分が成長するなり、見守られているなという感覚があります。それはもう探すしかないですね。

心理学のリーダーでもいいし、スピリチュアルのリーダーでもいいし、宗教のリーダーでもいい。自分にとっての師匠になる人は、人それぞれ違いますからね。

「他にはいかがでしょう?」

自分自身をちゃんと知ること。知り続けること、もしくは、自分自身をちゃんとワークし続けること。これは、夢とつながってもいいし、瞑想でもいいし、日記をつけるでもいいし、どんな形でもいいですが、自分自身をワークし続けるという作業は本当に大切です。

特に臨床家は、自分の中にクライエントさんと同じような問題があれば、クライエントさんに対して、共感できない受容できない。どんなワークをするにしても一番基本的な態度や心がけが取れなくなりますから、そういう意味でも臨床家は自分をしっかりとワークしておくことが必要です。

子どもをワークする時には、自分が大人になったというそれだけで子どもと違う経験値が有りますから、その経験値でワークできますが、大人をワークする時には、相手も一人のちゃんとした大人ですから、自分が大人であるというだけではワークできません。

ましてや同じような問題を自分の中に抱えていたら、肯定的な関心を寄せるとか、相手を受容するとか、理解しようとする心など絶対に持てませんから、そこのところがすごく大事になると思います。

人の心を扱うということは、今でもそうですが、自分の働く時間100%やると、たぶん燃え尽きるといいますか、自分の身が持たないですね。他の人は違うやり方をしているかもしれませんが、私は身が持たないところがあるので、カウンセリングをやっている時間というのは、一週間の中で限られた時間にして心身の健康を保っています。

そういう意味では今ある大学院の仕事というのは本当にありがたいですし、常に100%カウンセリングでやっていくというのはすごく大変なことだと思います。ですから、自分なりにバランスをとってやった方がいいと思います。


インタビュー写真


「先生ご自身のセルフケアとしては、何かなさっていますか?」

夢、瞑想、心の師匠を持つこと、そして家族にケアしてもらうこと。あとは気の置けない同僚や仲間がいる必要があるかもしれない。そんなところでしょうか。

家族に癒してもらうこと、家族に至らないところを教えてもらって、そしてそれを許してもらうこと。許してもらう体験があると、人も許せるようになるのだと自分の実生活で思いますね。許してもらうことがこんなに大事なことなのだと・・・。

「今後の夢や展望を、教えていただけますか?」

日本の臨床家で、正規のコースを進んできている人達というのは、実体験もしくは自分自身を振り返る経験がどうしても僕らの目からすると弱い気がしますし、クライエントさんのいろんな感情に対してちゃんと付き合うということも弱い気がします。

その辺を、ゲシュタルトを知ってもらうことで臨床家の人達にゲシュタルトを役立てて欲しいですね。怖いゲシュタルトではなく、本当に受容的だけど自分の問題もちゃんと扱うし、自分の問題を扱うことができればそれだけ他者の問題も扱えるようになるということなので、そこのところで、日本の臨床心理家達がゲシュタルトをもう少し経験できるといいかなという気持ちが1つあります。

夢に関しては、このやり方というのは、日本の分野ではユングなどの影響が強すぎるので、広まるにはもう少し時間がかかりそうなので、これは置いておいて・・・。

もう1つには、個人的にイメージとかストーリーを今までとは違った形で、うまく使うやり方を今、実践し始めています。まだ学会発表などはしていませんが、皆さんに対して戦力になりそうなカードなので、その辺ももう少しまとまってきたら学会発表して、皆さんが使えるようになるといいかなと思っています。

この2つですね。「ゲシュタルト」と、夢カウンセリングから出てきたものですが、夢というよりも「イメージを上手に使っていく、クライエントさんのクリエイティビティを癒しの方向に使っていくというやり方」ですね。この辺が自分なりにもう少ししっかりしてくると、これは結構社会貢献になってくると思っています。

「それは、物語を作っていくという感じでしょうか?」

そういう要素も含まれていますね。

「それは、ナラティブセラピーに近いものなのでしょうか?」

そうですね。ホームページにもある「ナラティブ・ジャーナリング・セラピー」をもう少しリファインしています。自分だけでなく、縁ある方にやり方を教えてやってもらうと、ずいぶん今までのセラピーと違うところで救えるという感触があります。

「最後にこれだけは伝えたいということは、ありますでしょうか?」

日常生活、自分が自分の生活をいかにちゃんと送るか、ということに尽きます。何をするにしても自分なりに真剣に生きていくということが大事だと思います。何か回避するとか調子に乗るとか図に乗ったりすれば、必ずそれはまた自分に戻ってきますので、地道に生きていくしかないですね。


<編集後記>

今回は、優しい笑顔、ダンディなお髭の江夏先生にお話しを伺いました。
夢やイメージの世界を大事にされている江夏先生。
先生にとっての夢は人生の羅針盤だそうです。

“夢をそのままにしておくのはもったいない。
何か大事なことに関して、夢が自分に何かを教えてくれているのです。”

誰もが一度は見たことがある夢。
みなさんの夢は、人生に対してどんな光を投げかけてくれているのでしょうね。

拡張された、とても受容的な江夏先生のゲシュタルトセラピーを
みなさんもぜひ体験してみてください。
今日から“夢日記”をつけて準備しておくのもよいかもしれませんね。

江夏 亮(えなつ あきら)  江夏 心の健康相談室 代表、臨床心理士
                  カリフォルニア臨床心理大学院准教授
                  公認ゲシュタルトセラピスト、日本ゲシュタルト療法学会理事

東京大学卒業後、日本鋼管(現NKK)中央研究所へ入社。新製品の開発の功績により社長賞受賞。
退職後、東京ゲシュタルト研究所のチーフマネージャー・講師として夢のクラスや「夢とアートを使った創造性開発コース」等のプログラム開発に従事。
1990年春に渡米。トランスパーソナル心理学教育研究機関として世界最高峰の大学院大学、トランスパーソナル心理学研究所(ITP:Institute of Transpersonal Psychology)を始めとしてアメリカ西海岸を中心に様々なトレーニングを受ける。アメリカ留学中ITP新入生への短期集中ワークショップで夢のセッションを担当したり、Asian Social Assistance Center (米国)で夢について講演を行う。
1993年末に帰国。心の健康相談室の代表を務め、個人セッション、グループワークを行う。また心理学コンサルタントとしても幅広く講演、研修、雑誌の原稿執筆と活躍中。プロのカウンセラーや心理学の専門家のためのセラピストとして信頼を集めている。現在、ゲシュタルト療法、認知行動療法、ナラティブなアプローチを軸にした統合的な心理療法を研究中。メンタルヘルスの企業研修も積極的に行っている。
トランスパーソナル心理学修士(ITP)、化学工学修士

<江夏亮先生のHP>
【江夏 心の健康相談室】

<カリフォルニア臨床心理大学院の江夏亮先生のページ>
【カリフォルニア臨床心理大学院】

<江夏亮先生の著書>
cover
自分でできる夢分析


cover
友だちで悩む人の処方せん



インタビュアー:鈴木明美(すずきあけみ)

鈴木明美

セラピールームChildren主宰、Team Oasis 代表
自分がなんだか分からない。何かやりたいけど、見つからない。
心の悩み、病を抱えた方、自己実現したい方のお手伝いをいたします。

心理カウンセラー、ゲシュタルトファシリテーター、NLPセラピスト、
交流分析士1級、レイキヒーラー
HP:江戸川区西葛西、セラピールームChildren
ブログ:セラピールームChildren


インタビュアー:前田みゆき(まえだみゆき)

前田みゆき

身も心も魂も輝やくように、いつも笑顔を心がけています。
人とのご縁で、気づかされることが喜びです。

自称 遅咲きさん

コーチングと心と体の健康について、もっか勉強中


インタビュアー:塩野博雪(しおのひろゆき)

塩野博雪

2008年11月にボディケア・トレーナー資格
2011年9月に和みのヨーガインストラクター資格
2013年3月に介護のヘルパー2級資格取得。

現在、横須賀で整体の店『星のなごみ』を開業しています。
いつまでも皆様を健康で若々しくあり続けるようにするべく、頑張っています。
塩野博雪 54才


インタビュアー:脇坂奈央子(わきさかなおこ 日本メンタルサービス研究所 所長)

脇坂奈央子

『道開きの心理士』 ……本来のあなたの道を開く、お手伝いをします。
ブライアン・ワイス博士直伝の、プロフェッショナル・ヒプノセラピスト。
前世療法・催眠療法を中心に、ニーズに応じた各種心理セラピーを施療。

心理士、認定THP心理相談員、統合心理セラピスト、心理カウンセラー、
米国NGH認定ヒプノセラピスト、認定キャリアコンサルタント、
代替療法セラピスト(レイキティーチャー)
HP:ワイス博士直伝の前世療法・催眠療法・心理療法★ラポール
発行メルマガ:こころの栄養@さぱりメント

  • 呼吸法の日本マイブレス協会
  • 毎朝1分 天才のヒント

インタビュー集

  • 毎朝1分天才のヒント メールマガジンで30日間の無料レッスン
  • さぱりメント あなたのお悩みをさっぱり解決