第84回目(3/4) 江夏 亮 先生 江夏 心の健康相談室

使った方がいいと感じるものを入れていく“拡張されたゲシュタルトセラピー”

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「夢孵化について教えていただけますか?」

夢にお願いする。お願いした内容は忘れてしまうから、書いて証拠を残しておくっていうことと、返ってきた夢は、自分の質問と何か関係がある、そういう目で見ることでしょうね。どういう関係性があるんだろうって。自分がおそらく一番見たくないものが返ってくるだろうということ。

「ええ? そうなのですか?」

だってね、自分が見ることにあまり抵抗がないものを散々見て、散々やって、解決できない問題ですから、自分がこれまで見ていないところに答がある、そういう感じでしょう。だいたいそこから、夢がくるから、夢を見た人は全然関係ないと思っちゃう訳ですよ。

本当は関係があることの方が多い訳ですよ。そこをちょっと謙虚に、どんな関係があるのかな〜みたいな感じで訊くといいと思いますよ。あとは、あまり夢に多くを期待し過ぎないことでしょうね。

そんなドラマティックに「ああそうなんだ〜」っていうことなんか、人生でそうそう起こらないですからね。

「全部を説明してくれる夢はないですね?」

自分でやらなきゃいけない部分がすごく大きい訳だから、こっちの自分がやらなきゃいけない部分はやった時に、次のアドバイスがくるんでしょうね。

「先生の夢カウンセリングは、大体何回くらいやるものですか?」

その人の動機が強ければ結構続くし、1回や2回でいいよって方もいるし、その辺はクライエントさん次第です。

「ご自分でやってみるのも意味があることですか?」

そっちの方が多分意味があると思います。この本を読んで、自分なりにやってみるのが、一番いいかなと思います。自分一人でやっていて「これでいいのかな?」って不安になる時に来てもらって、コツとか色々と一緒に検討して、「ああそれでいいんですよ」っていうこともありますね。

「ハイヤーセルフからのメッセージについても教えていただけますか?」

男性的な説明なのかもしれないけど、人の中の無意識の部分にある叡智の部分って言ってもいいかもしれないし、もう一人のあなたって言った方がいいかもしれない。

もう一人のあなたは、あなた以上にあなたのことをよく分かっているし、あなたのことを大事に思っているし、多分あなたよりもちょっと賢い。もしくは、もっと見通しがきく。

それから、夢の世界をその人の個人的なものに収めるんじゃなくて、リアルなもう一つの世界なんだってことを考えられれば、もう一つの世界で過去世の輪廻転生を通じて、自分の先生みたいな立場の人とも会うことができるし、そういう人からポイントポイントで夢の中でアドバイスをもらうことが可能だと思います。

「先生が使っていらっしゃる手法は、ゲシュタルト以外にもあるかと思うのですが、どの辺りを使っていらっしゃるのですか?」

実際の臨床の場面では、基本は自分の中では“拡張されたゲシュタルトセラピー”と名付けているんです。ゲシュタルトセラピーの「今ここで」っていうのを基本にしていますけれども、実際に使うテクニックはゲシュタルトセラピー以外のものもあります。

“受容的なゲシュタルトセラピー”の方がピンと来るかもしれないし、もしくは、“来談者中心のゲシュタルトセラピー”って言ってもいいかもしれない。

ゲシュタルトセラピーっていうのは、大いなる誤解があって、『グロリアと3人のセラピスト』に出てきているフリッツ・パールズのあれがゲシュタルトセラピーだって、日本では他に資料がないので誤解されているんですけど、あの中でフリッツ・パールズがやっていることは、私から見るとやっちゃいけないことのオンパレードなんです。

それは私の個人的な見解だと思って、あまり言わなかったんだけど、実はアメリカの方のゲシュタルトセラピスト界でもそういう評価になりつつあるっていうのを聞いて、じゃあもっと大きな声で言いましょうって感じです。

「受容的なものに変わっていっているのですね?」

今、もっともっとゲシュタルトセラピー自体も変化して、特に日本でやっている人達はもっと受容的なゲシュタルトセラピーをやっているし、アメリカの方でもそうかもしれないし、まかり間違ってもフリッツ・パールズのああいう権威的な追い詰めるようなやり方はやっていない。

だけど、ゲシュタルトセラピストとして、「今ここで」っていうのはすごく大事にしているし、「今ここ」で起こっていることをどういう風に扱っていくかっていうのをゲシュタルト以降、いろんなトラウマの治療とか認知行動療法とか行動療法とか、最近はマインドフルネスっていうのも出てきているし、ユング、サイコシンセシス、片端から自分がいいと思うものは自分で学んで、「今ここ」でこれを使った方がいいよねっていうのを使っていく、という感じです。

だから、ベースは受容的なゲシュタルト的なんですけれど、実際にやっていくものっていうのは、ゲシュタルトの人が見ても、ちょっと違うよねってことは言われます。でも、私の中では「いやいや、ゲシュタルトですよ。ただ、拡張したゲシュタルトですよ」って説明しています。


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「“解釈をテーブルに載せる”とお書きでしたが、それも気づきにつながるということですか?」

そういう時もありますから、全てを言う訳じゃないですけども、「これは言っておこうかな」みたいな事は、夢と同じようにカウンセリングの中でも「自分はこう思うんだけど」と伝えます。

違ったらどんどん訂正して欲しいし、それが引き金になって、一つの刺激になって、またクライエントさんの中でいろんなことが思い出されていくプロセスが始まれば、それを大事にしていくっていう感じですね。

この本に書いてあることと同じような雰囲気で、夢以外のゲシュタルトセラピーもやっていきます。

「先生のセラピーは、1対1でなさることが多いのですか?」

1対1と、グループに呼ばれてそこでゲシュタルトをやったりすることはあります。

「その時も夢は扱われるのですか?」

夢は扱うし、ゲシュタルト的なところから入っていく時もあります。

グループだと、イメージを使ってその人にとってピンポイントで心の癒しにつながるようなイメージとストーリーを作った時に、今度はグループでもう一回その人の為に演じることができるんですよ。これはもうパワフルに働きます。そういう意味では、グループはグループでこれから一つの大きな可能性があるような気がしています。

「先生がこのお仕事をされている上で、一番大事にされていることは何でしょうか?」

変に聞こえるかもしれませんが、”神様とつながる“ことですね。自分を無にして、そこと繋がって、絶えずそこに訊いてどうするか。返ってくる答どおりにやっていく。

「先生ご自身は、無になって繋がるお役目なのですね?」

そうですね、だけど私自身のパーソナリティもそこにあって、それもちゃんと使わなくてはいけない。

巫女さんみたいに意識を失ってっていうんじゃできないから、自分自身がちゃんといて自分自身のパーソナリティをちゃんと使っているけど、次にこうしようとかっていうのは、自分の意識を超えたところから受け取るものを受ける感じです。

それができればできるほど、多分いいんでしょうね。それって自分だけのことだと思っていたら、カール・ロジャーズも文献の中で同じようなことを書いているんですよね。

彼はキリスト教徒だったから、「神の命令に自分が従う時にセラピーが上手くいく」とか、別のところでは「一種の深い変性意識状態になって、頭で考えていない状態。次に何をしよう、何を言おうっていうのが深いところから降ってくる」という表現をしている時もあります。だけど、同じ感覚なんだろうと思います。

「降ってくる感じですか?」

訊かないと降ってこないから、自分を空け渡す。自分を空け渡して「お願いします」みたいな感じです。

(次回につづく・・)

江夏 亮(えなつ あきら)  江夏 心の健康相談室 代表、臨床心理士
                  カリフォルニア臨床心理大学院准教授
                  公認ゲシュタルトセラピスト、日本ゲシュタルト療法学会理事

東京大学卒業後、日本鋼管(現NKK)中央研究所へ入社。新製品の開発の功績により社長賞受賞。
退職後、東京ゲシュタルト研究所のチーフマネージャー・講師として夢のクラスや「夢とアートを使った創造性開発コース」等のプログラム開発に従事。
1990年春に渡米。トランスパーソナル心理学教育研究機関として世界最高峰の大学院大学、トランスパーソナル心理学研究所(ITP:Institute of Transpersonal Psychology)を始めとしてアメリカ西海岸を中心に様々なトレーニングを受ける。アメリカ留学中ITP新入生への短期集中ワークショップで夢のセッションを担当したり、Asian Social Assistance Center (米国)で夢について講演を行う。
1993年末に帰国。心の健康相談室の代表を務め、個人セッション、グループワークを行う。また心理学コンサルタントとしても幅広く講演、研修、雑誌の原稿執筆と活躍中。プロのカウンセラーや心理学の専門家のためのセラピストとして信頼を集めている。現在、ゲシュタルト療法、認知行動療法、ナラティブなアプローチを軸にした統合的な心理療法を研究中。メンタルヘルスの企業研修も積極的に行っている。
トランスパーソナル心理学修士(ITP)、化学工学修士

<江夏亮先生のHP>
【江夏 心の健康相談室】

<カリフォルニア臨床心理大学院の江夏亮先生のページ>
【カリフォルニア臨床心理大学院】

<江夏亮先生の著書>
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自分でできる夢分析


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友だちで悩む人の処方せん



インタビュアー:鈴木明美(すずきあけみ)

鈴木明美

セラピールームChildren主宰、Team Oasis 代表
自分がなんだか分からない。何かやりたいけど、見つからない。
心の悩み、病を抱えた方、自己実現したい方のお手伝いをいたします。

心理カウンセラー、ゲシュタルトファシリテーター、NLPセラピスト、
交流分析士1級、レイキヒーラー
HP:江戸川区西葛西、セラピールームChildren
ブログ:セラピールームChildren


インタビュアー:前田みゆき(まえだみゆき)

前田みゆき

身も心も魂も輝やくように、いつも笑顔を心がけています。
人とのご縁で、気づかされることが喜びです。

自称 遅咲きさん

コーチングと心と体の健康について、もっか勉強中


インタビュアー:塩野博雪(しおのひろゆき)

塩野博雪

2008年11月にボディケア・トレーナー資格
2011年9月に和みのヨーガインストラクター資格
2013年3月に介護のヘルパー2級資格取得。

現在、横須賀で整体の店『星のなごみ』を開業しています。
いつまでも皆様を健康で若々しくあり続けるようにするべく、頑張っています。
塩野博雪 54才


インタビュアー:脇坂奈央子(わきさかなおこ 日本メンタルサービス研究所 所長)

脇坂奈央子

『道開きの心理士』 ……本来のあなたの道を開く、お手伝いをします。
ブライアン・ワイス博士直伝の、プロフェッショナル・ヒプノセラピスト。
前世療法・催眠療法を中心に、ニーズに応じた各種心理セラピーを施療。

心理士、認定THP心理相談員、統合心理セラピスト、心理カウンセラー、
米国NGH認定ヒプノセラピスト、認定キャリアコンサルタント、
代替療法セラピスト(レイキティーチャー)
HP:ワイス博士直伝の前世療法・催眠療法・心理療法★ラポール
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