第84回目(1/4) 江夏 亮 先生 江夏 心の健康相談室

リッキーの“夢のワークショップ”に参加して、深いところからの変化に惹かれた

今回のインタビューは、『自分でできる夢分析』の著者で、
「ドリームカウンセリング」の第一人者として、活躍なさっている
臨床心理士の江夏 亮(えなつ あきら)先生です。

江夏先生は、公認ゲシュタルトセラピストでもあり、
日本ゲシュタルト療法学会理事でもいらっしゃいます。

「夢を活かす事で、あなたはもっと素晴らしい人生の創造者になれます」と
おっしゃる江夏先生に、「夢分析の魅力・可能性」とともに、
イメージングの大切さ、今後の展望などのお話を伺いました。

インタビュー写真

「先生は、小さい頃はどのようなお子さんでしたか?」

遊ぶのが好きな子でした。楽しかった思い出は、小学校2年の時かな。丁度田んぼが、実る頃かな。9月か10月ぐらいに、友達の家に遊びに行って、その家の前に、田んぼが広がってたんです。何かの拍子にそこに入って、かくれんぼしようということになったんです。

こんな背の高い穂の田んぼの中に入って、わあわあとかくれんぼして、僕らが動いた後は稲が倒れているんです。田んぼを出てから、「やばいんじゃない?」ということになって、友達の家に逃げ帰ったのを覚えてますね。楽しかったです。

「大学で工学部に進まれたのは、どの様な方面にご興味がおありだったのですか?」

最初の人生の20数年間は、純粋の理系でした。小学校の頃から、どういうわけか国語が苦手でした。社会科は中学校に入って暗記中心になったら、つまらなくなりました。

理系科目の方が計算するとか予測するとかが、面白いというか、父が理系の人間で技術者だったので、日常会話の中でこれはこうだからこうなるんだよとか、計算をするのは良いことだよと、日常生活の中で教わっていたので好きでした。

化学とか物理は計算して、予測できるのですね。例えば、砲弾を撃つ時、計算すると正確に当てることができるというのは衝撃というか、すごいと思ったのを覚えてますね。

「心の世界に興味が湧き出したのは、いつ頃からだったのですか?」

大学に入って、何か燃え尽きちゃって、勉強に興味を持てなくなった時期がありました。やることはないし、本屋に入ってたまたま手に取って読み出した本が文学の文庫本で、それがすごく面白くて、はまりました。

それまで自分が興味を持ってなかった分野が、ぱっと開けて、狂ったように小説や文学を読みました。文学とか、芸術、演劇とかに急にはまっちゃって、新訳の現代語訳のシェークスピア全集が面白かったり、色々な本を読むとか、そういうことに興味が変わって、開いたんです。

すごく真面目な学生で、元々は環境問題がやりたかったんです。で、そういう方面の研究室に入って、修士まで行ったのですが、研究室もぱっとしない感じがして、そういう頃から、人として成長していくとか、成熟していくとかには何となく興味があったみたいです。

このまま博士課程に行ったら、人間として未熟になるなって感じがしました。それはやはりよろしくないと思って、社会に出た方が面白いだろうと思って企業に入ったんです。

その時には、自分の中に、理系で計算する部分と、大学に入ってから興味をもった演劇、文学、芸術全般に関する興味と、両方がありました。でも両方は全然繋がっていない感じで、理系で計算する仕事の世界が一旦終わると、オフは趣味の部分を狂ったようにやる・・・みたいな感じで。

そんな時にゲシュタルトに出会って衝撃を受けました。

「それは、本を読まれた? それともワークショップですか?」

ワークショップでした。リッキー・リビングストンさんの。

「ワークショップを最初に参加される時に、抵抗や不安はありませんでしたか?」

それよりも、好奇心の方が旺盛でした。日本に自己啓発セミナーが入ってきた頃で、最初はそれに友達から誘われたのです。

川崎のさらに奥の浜川崎という工場地帯に研究室があったのですが、すごく殺伐とした所に毎日通っていたので、友達から「若い身でそれは可哀想だろう。原宿で若い女の子が一杯いるから、ちょっと遊びにおいでよ」って感じで誘われて行ったのが、自己啓発セミナーのワークショップでした。

セミナーを受けて、自分を知るという心理学が世の中にあるんだというのが面白く、興味を持ちました。自分で自分の事を分かっているつもりで、こんなに知らない自分があるんだっていうのが驚きでした。聞いて回ったら、色々な心理学の寄せ集めだけど、1つのベースとしてゲシュタルトセラピーが使われているのが分かったんです。

そのゲシュタルトセラピーを日本で本格的にやっている所があるというのを聞きつけて、「じゃあ、自己啓発セミナーのオリジナルに触れてみよう」と。それで、その時は好奇心で一杯でしたね。

「ワークショップには、何度か通われたのですか?」

面白くて、ずっと興味を持って通って、“夢のワークショップ”をリッキーがやっていたりして、どんどんのめり込んでいきました。

そうすると、会社での自分がどんどん嘘臭くなってきて、まずは、自分の中の理系と文系と分けていたのが自分で居心地が悪くて、それを両方統合できるのがセラピーの世界なんだなと。当時会社でやっていた仕事が、本当は自分は好きじゃない、と感じ始めた。

大学ではエンジニアリングが専門の学科で、石油プラントを作るとか、設計をするとか、そういう学科でした。だから、エンジニアリング部門があったので「そっちに回してくだい」って入社前に人事の人に話して、「分かりました」と言われていたんです。

でも、ウブな学生は、簡単に騙せるわけでしょう。そんな口約束、簡単に反故にされて、自分が「一番嫌です」と言っていた化学処理をする研究室に配属されたんです。もしエンジニア部門に配属されていたら、間違いなく今もそういう現場にいると思います。


インタビュー写真


「もしかして、それはある意味、ラッキーだったのでしょうか?」

そうです。不幸の始まりだったけど、そのわだかまりがずーっとあったから、どこか自分で自分をごまかして見ないようにしていたけど、仕事に対する失望感、嫌悪感にゲシュタルトセラピーで気づいた時に、辞めようかなみたいな感じになったんです。

その時、セラピストがアメリカ人だったから、アメリカ人の気楽さで、「嫌いだったら何で辞めないの」みたいな、そういう軽いノリで言われて。それも幸いしたでしょうね。たぶん、日本人の思慮深いセラピストだったら、「辞めろ」なんて言わなかったでしょうね。

「お仕事と並行して、ご自分でもファシリテーションされていた?」

いいえ。仕事は辞めて、リッキーがやっている東京ゲシュタルト研究所で、チーフマネージャーとして切り盛りする側に回りました。ほとんど内弟子状態になりますから、最初の原点としては、ラッキーでした。いろんな事を学べて良かったです。

「ゲシュタルト以外には?」

サイコシンセシス、それからちょっとしたボディワーク、スピリチュアルな事に関する関心、そういったものを全部吸収しました。まあ内弟子状態だから、自然と入ってきたという感じかなあ。

「リッキーさんがアメリカに戻られた時、ゲシュタルト研究所を任されそうになったとか?」

いやぁ、アメリカ人ですから突然ですよ。山中湖の湖畔で、夏のセミナーを3泊4日でやって、その帰りのバスの中で、突然、「やりたいことが見つかったから、来年の春か夏ぐらいにはアメリカに帰る。東京ゲシュタルト研究所はお前に渡すからやってくれないか?」と言われたんです。

本当に藪から棒ですよ。自分の夢と繋がったりしながら、いろいろ考えて、「ゲシュタルトだけでは、たぶん食っていけないし、私は心理学の単位は何もないから、学部なり修士を取っておかないと、生計を立てていくのは難しいだろう」と思いました。

当時は、臨床心理学を自分のベースにしようと思ってなかったんです。どうせ学ぶなら、第4の心理学と言われる最先端のトランスパーソナル心理学にしようと考えてアメリカの大学院に進みました。その辺の決め方はどっちかと言うと、ミーハーですね。深く考えているところと、あまり考えていないところとありますね。

「実際に留学されて、いかがでしたか?」

楽しかったです。行った大学院がITPという所で、トランスパーソナル心理学を起こした人達がそのトランスパーソナル心理学をどうやって教育していくかって事で1975年に作った大学院だったので、非常に実践を重んじるということで、ほぼ実践だらけみたいな感じで、楽しかったですね。

その中で、合気道とか座禅とか、青い目の先生が袈裟を着て禅をレクチャーするなんて馬鹿げてるって、「禅はとにかく、座禅するに尽きる」みたいな感じで座禅するんです。そういうクラスとか、色々なものに幅広く触れる事が出来たのが楽しかったし、良かったですよね。すごくそこで夢が広がるっていうのかな。

すごく新し物好きなんですが、それって自分のパーソナリティの部分もあるけれど、鹿児島の県民性も結構、新し物好きなんです。鹿児島の薩摩藩というのは、日本の端に有るでしょう。だから中央の監視が効かないんです。だから、昔から好き勝手やっていて。

「鹿児島の県民性ですか?」

薩摩藩は、中央から離れているからもう好き勝手してて。特に、当時文明が一番進んでいた中国に地理的に近かったから、そこと繋がりがあったり、密貿易をしたりしてたんです。そういう意味では、非常に自由闊達でした。その辺は、自分の中にも気質としてあるなあと思います。

海の向こうのものとか、新しいものにまずはすぐに飛びついてみるというところは、鹿児島の県民性が自分の中にあるんだなあ、と感じます。

それと、中央から離れているから、自分達で自主独立で好きな事をやっていくという、その辺は、ゲシュタルトみたいな日本の臨床心理の中で、当時は本当にマイナーにもならないような、そういうことを自分でやっていても、平気なメンタリティだった訳です。

俺らは俺らで好き勝手やるよ、みたいなそういうメンタリティ、鹿児島の文化風土の様なものは、自分の中にすごくあるんだな、と感じます。

私が関わっているゲシュタルトの学会が出来て、全国各地にゲシュタルトのグループがあるんですけれど、やっぱり鹿児島のグループはすごく元気があって、自分達で好き勝手しているのです。それがいい方向に行って、実力のある優れた心理療法家がいるんです。そういう風土に感謝します。

「“夢”に惹かれたのは、いつ頃からですか?」

リッキーの夢のワークショップに参加した時からです。自分で自分の実体験から、本当に深いところから自分が変わっていける。それこそ、今の人生だけではなくて、たぶん昔も夢を学んでたんだろうなっていう積み重ねがあったんだと思います。

だから、最初から夢に関する感性というものは、他の参加者より高かったし、理解が早かったです。理解が早いというか、相当前から自分の中にあったものが、どんどん出てきたんでしょうね。

そういう見方をすると、結局才能を持って生まれてる人達というのは、それは過去生でそれに見合う努力をしてるんだと思います。才能を持って生まれた、生まれてないというのは、今の人生だけだとそうです。

しかし過去生を含めるとそういう人達は、たぶん努力して身に付けたものが、今の人生で生まれた時からある程度繋がっているんだなっていうのが実感としてあります。そういう意味では、長い目で見ると人生は本当に公平なんだろうと思います。

(次回につづく・・)

江夏 亮(えなつ あきら)  江夏 心の健康相談室 代表、臨床心理士
                  カリフォルニア臨床心理大学院准教授
                  公認ゲシュタルトセラピスト、日本ゲシュタルト療法学会理事

東京大学卒業後、日本鋼管(現NKK)中央研究所へ入社。新製品の開発の功績により社長賞受賞。
退職後、東京ゲシュタルト研究所のチーフマネージャー・講師として夢のクラスや「夢とアートを使った創造性開発コース」等のプログラム開発に従事。
1990年春に渡米。トランスパーソナル心理学教育研究機関として世界最高峰の大学院大学、トランスパーソナル心理学研究所(ITP:Institute of Transpersonal Psychology)を始めとしてアメリカ西海岸を中心に様々なトレーニングを受ける。アメリカ留学中ITP新入生への短期集中ワークショップで夢のセッションを担当したり、Asian Social Assistance Center (米国)で夢について講演を行う。
1993年末に帰国。心の健康相談室の代表を務め、個人セッション、グループワークを行う。また心理学コンサルタントとしても幅広く講演、研修、雑誌の原稿執筆と活躍中。プロのカウンセラーや心理学の専門家のためのセラピストとして信頼を集めている。現在、ゲシュタルト療法、認知行動療法、ナラティブなアプローチを軸にした統合的な心理療法を研究中。メンタルヘルスの企業研修も積極的に行っている。
トランスパーソナル心理学修士(ITP)、化学工学修士

<江夏亮先生のHP>
【江夏 心の健康相談室】

<カリフォルニア臨床心理大学院の江夏亮先生のページ>
【カリフォルニア臨床心理大学院】

<江夏亮先生の著書>
cover
自分でできる夢分析


cover
友だちで悩む人の処方せん



インタビュアー:鈴木明美(すずきあけみ)

鈴木明美

セラピールームChildren主宰、Team Oasis 代表
自分がなんだか分からない。何かやりたいけど、見つからない。
心の悩み、病を抱えた方、自己実現したい方のお手伝いをいたします。

心理カウンセラー、ゲシュタルトファシリテーター、NLPセラピスト、
交流分析士1級、レイキヒーラー
HP:江戸川区西葛西、セラピールームChildren
ブログ:セラピールームChildren


インタビュアー:前田みゆき(まえだみゆき)

前田みゆき

身も心も魂も輝やくように、いつも笑顔を心がけています。
人とのご縁で、気づかされることが喜びです。

自称 遅咲きさん

コーチングと心と体の健康について、もっか勉強中


インタビュアー:塩野博雪(しおのひろゆき)

塩野博雪

2008年11月にボディケア・トレーナー資格
2011年9月に和みのヨーガインストラクター資格
2013年3月に介護のヘルパー2級資格取得。

現在、横須賀で整体の店『星のなごみ』を開業しています。
いつまでも皆様を健康で若々しくあり続けるようにするべく、頑張っています。
塩野博雪 54才


インタビュアー:脇坂奈央子(わきさかなおこ 日本メンタルサービス研究所 所長)

脇坂奈央子

『道開きの心理士』 ……本来のあなたの道を開く、お手伝いをします。
ブライアン・ワイス博士直伝の、プロフェッショナル・ヒプノセラピスト。
前世療法・催眠療法を中心に、ニーズに応じた各種心理セラピーを施療。

心理士、認定THP心理相談員、統合心理セラピスト、心理カウンセラー、
米国NGH認定ヒプノセラピスト、認定キャリアコンサルタント、
代替療法セラピスト(レイキティーチャー)
HP:ワイス博士直伝の前世療法・催眠療法・心理療法★ラポール
発行メルマガ:こころの栄養@さぱりメント

  • 呼吸法の日本マイブレス協会
  • 毎朝1分 天才のヒント

インタビュー集

  • 毎朝1分天才のヒント メールマガジンで30日間の無料レッスン
  • さぱりメント あなたのお悩みをさっぱり解決