第82回目(2/4) 志東 顕勇 先生 リアリング・ワークス

音楽は共通の言葉。人と人とを繋ぐ力を持っている

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「サイコドラマを、どのように音楽と融合なさるのですか?」

サイコドラマは即興演劇をセラピーに応用したものです。普通のサイコドラマは音楽は使わないですが、ドラマによっては音楽が大きな力を発揮する場合が多々あります。

音楽というのは、記憶にものすごく強く結びついているので、既成の音楽を使うのは難しい部分があります。“昔、彼と別れた時に流れていた音楽を聴くと今でも悲しくて涙が流てくる”というように、個人の体験と結びつきがありますからね。

ある人にとってはいい曲でも、ある人にとっては辛い曲だったりしますね。ですから、僕は全てオリジナル曲でやるっていうのが基本的な考え方ですね。僕がこれまでいろんなジャンルの音楽を作ってきたキャリアが活きているなと思います。

即興でやる場合と、セッションの中で純粋な心の体験をした時の記憶となっているものを使います。

例えばセッションの「感謝」のシーンで作った“ありがとう♪ラララ”という曲があります。セッションルームの中で、「感謝」というテーマで歌って、湧き上がってきた純粋な体験は音楽と共に残っています。

それは、単なる個人的なものではなくて、その時の「感謝」という普遍的なエネルギーとも結びついています。ですのでサイコドラマの「感謝」のシーンで“ありがとう♪ラララ”という曲を使うことで共感も融合も生まれてくるのです。

例えば、小さい頃からお母さんとの確執があって、サイコドラマでそれを見ていったとしますね。全く初めての方は難しい場合もありますが、3か月の中でやる時は、ワークで歌った“ありがとう”の曲を覚えているので、効果的に使うことができます。

その曲を聴いた時に、なぜだか分からないけど涙が出る、理由は分からないけど心の中に湧き起こったことが、お母さんとのサイコドラマの中で、感謝という形で昇華していく時に大きな力になるんです。それは、音楽がとても大きな力を発揮します。

「感情を引き出す曲を使うのですね?」

そうとも言えますが、実は、いわゆる感情とは区別があります。一般的に感情とはサブパーソナリティレベルのものが多いのです。怒り、悲しみ、憐憫感、不安、後悔などですね。

SVW(シナジェティック・ボイスワーク)では、感情と区別されたその人の本質〜パーソナルセルフに音楽を使ってアプローチをしていきます。そういった曲がセッションでいっぱいあって、例えば命を感じてみましょうとか、大地を感じてみましょうとか。

自身の深いところに触れる体験っていうのは、間違いなく誰にとってもスピリチュアルな体験です。自分で自由に声を出していくと、殆どの人が深い体験、サイコシンセシスでいうセルフに触れる体験をします。それは時に涙が自然に流れる深い体験です。

「セルフに触れる体験・・・」

それは感情的な体験ではなくて、本当の自分に触れる体験なんです。セルフは更に自分の一番上のトランスパーソナルセルフと繋がっていて、半分は自分に繋がっていて半分は集合無意識(宇宙)に繋がっている。

トランスパーソナルセルフと繋がることによって、意識が宇宙と繋がったりとか、他の人とも繋がったりする体験です。「内なる自分に聴いてください」という言葉や「汝、自身に聴け」という言葉がありますが、それを説明できますね。

本当の自分であるセルフに意識を向けて、それから見えてくるものは、トランスパーソナルセルフと繋がって出て来るものなので、個人的なエリアのものだけではなくて、普遍的なものが見えてくるわけです。

それを音楽を使って、サイコドラマやゲシュタルトセラピーなどに応用して体験してもらいます。

「それは、同じメンバーで繰り返しやっていくのですか?」

ボイスワーク中心の誰でも参加できるレギュラーセッションと、全7回のメインセッションがあります。メインセッションは同じメンバーでやっていきます。
レコーディングがあったので今はお休みしていましたが、また再開します。

「何人くらいのメンバーでやるのですか?」

5人〜10人くらいです。自分の人生のチャートも作っていくので、身体のこと、人間関係、家族のこととか、間違いなく大きな違いになっていきます。パニック症が治ったり、家庭内暴力が治った方もいますね。

日舞の先生が参加したことがあって、お稽古で「チントンシャン」と唄わなくてはいけないのですが、声が小さくてできない。その方は自分の声が嫌いだったんですが、セッションを受けて、電車の中で鼻歌まで歌うようになったと喜んでくれました。

また、子どもに体罰をしていたのがなくなって、子どもと愛情溢れるストレートな関わりができるようになった方もいます。3ヶ月やると相当変わりますね。


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「先生はグループの方に対して、どのように関わっていくのですか?」

いわゆるファシリテーターですね。サイコドラマの時にはディレクターになるし、サイコシンセンスではガイドとなります。その時には演奏しながら関わっていきます。演奏しながらガイドするのは最初はとても難しかったですね。

決まった曲で決まったセリフを言うことは可能ですし、決まった曲を弾きながら即興的に何か喋るのも可能ですが、即興の曲を弾きながら、即興で喋るのは不可能と言ってもいいですよね。かなり無理矢理なことをやっているので自分の脳がどのように働いているのかとても興味があります。どこかで、脳波を測ってみたいですね。

相当練習しましたけれど、その時に頭の中で二つに分かれているものが、融合しているような感覚がありましたね。運動野は左右交差しているじゃないですか。言語は左、音楽は右と言われていますよね。分析的に筋道立てて論理的に話していないといけない部分と交錯して、もう頭が混乱してしまいそうになりましたが、でもできるようになりましたね。まあ、今でも難しいですが。

「そしてドラマを進める上で、介入もなさるわけですよね?」

そうですね。基本的には主役にそってドラマを進めますが、その人が行きがちなクセみたいなものがあったら、それを見てもらい確認しながら進めます。「それはいつもそうですか?」「その人は本当は何と言ったのですか?」などと聞いていくと、本人の思い込みだったり、相手が実は自分のことを思っていてくれたとか、気づきがあるわけです。

サイコドラマの時はディレクターは動かないといけないので、ギターを背負って動いて、そろそろクライマックスだなって時に、ギターをスッと出して弾きます。

お客さんはサポートで一緒にメロディー(BGM)を少しずつ創ってもらって、イメージとしては、ちょっとミュージカルぽいでしょうか。でも無理矢理音楽をのせているというのではなく、自然に自然に出来上がっていく感じです。

本音や本当の自分というのは、社会の中では、なかなか出せないです。でもグループでやっていると段々お互いのことが分かってきて、それぞれが真実の部分で触れ合う体験をしていくので、実際に参加している人達は正直に自分をもちだしていきます。だから深い部分で感動し、変容が起こるわけです。

外の世界では、本当の人と人との関わりって危険なことが多いので、どうしても防御してしまうというか、安全にという関わりが多いと思います。人前で涙を流したら恥ずかしいとかね。でも、今、時代が変化してきているような気がします。

「それはどのような変化でしょう?」

例えば、スポーツで言えば、今年3月東京ドームでWBC台湾対日本戦がありましたよね。大接戦で良い試合でしたが、結果は日本が勝ちました。台湾は、震災時に国の経済規模からいうと途方も無い巨額の寄付をしてくれたんです。

観客席には、そのお礼のプラカードを持って来た人達が何人かいたようで、試合後、両チームを讃える拍手がものすごかったようです。台湾チームの選手達が試合後グラウンドに出てきて、お辞儀をした時、観客もスタンディングオベーションで迎えて、すごく1つになって、あれは感動でした。

敵のチームでも讃えるといった、そういうことがオリンピック、サッカーなど頻繁に起こるようになってきていますね。

昔は敵の国のチームには、親の敵のような態度だったようにも思いますが、今は、そうじゃなくて、お互いを尊重し、讃えあって。これは新しい時代ですよね。インターネットなどで世界が小さくなってきた、密になってきたということも影響ありますよね。

「お互いを尊重し合う?」

昔はフェアプレーと言ったかもしれませんが、それを超えて愛に満ちた戦いになってきているように感じます。僕には、まるで神様が仕組んだ計画のようにも感じます。

そしてまた日本の漫画やアニメを通して、スピリッツが浸透しているようにも思います。代表的なのが、『キャプテン翼』ですね。サッカーを愛すること、敵もまた仲間であることなどが世界中の愛読者に浸透し、その漫画を読んだ少年達が現役のプレイヤーになっています。

これは本当に大げさではなく、メッシ、デルピエロ、ジダン、ロナウジーニョなど世界のスーパースターのほとんどがキャプテン翼の大ファンで小さい頃からの憧れだったいうのは有名な話です。

他のスポーツ漫画でも、スラムダンク辺りからか、今は敵のチームも丁寧に描かれ、敵だけども仲間であったり、また、黒子のバスケなど、脇役にまわってエースを引き立てる人が主人公になっていたりしますね。

いろんな人達がいて、その個性がそのまま受け入れられ、みんなが愛で繋がっていくという時代が来ているんだろうなという気がします。まさにサイコシンセシス的な世界観です。

「その中でも、音楽での強みというのは何だと思われますか?」

音楽というのは、やはり共通の言葉であるということですね。

僕達が音楽をやっていた時というのは、海外の音楽に憧れて、僕は特にイギリスの音楽ばかり聞いていましたけれど、自分が日本の音楽業界にいながら、「日本の音楽は・・」と思っていたけれども、ここ10年ぐらいで状況がものすごく変わりましたね。

イギリスは、ビートルズを始めポップスの発祥の地みたいなものですよね。70年代はビートルズやイギリスのロックなどを聞いてその影響を受けて作られた音楽(松任谷由美、オフコース、Chage&Asuka等)が国内でヒットして、それをカッコイイと思って聞いて育った次の世代に消化されて、新しいものを産みだしていたということを僕は気づかなかったんですね。

そういったものが、昔は海外に出て行くことなど絶対になかったのですが、今は海外に出て行ってるんですね。(きゃりーぱみゅぱみゅやアニメ音楽など)、今は海外のバンドで日本のポップスを真似たみたいなものがあるんですよ。これにはびっくり。

それは文化と密接に繋がっていて、アニメを通して海外に流れて行ったんですね。そして音楽的な文化や背景が伝わっていっているんですよ。文化の背景が伝わり始めたことがすごいですね。

日本で、震災の時に暴動が起きなかったとか、助け合って生きている姿だとか、そういったことが海外の人達にものすごく尊敬されましたよね。そしてその文化の背景にあるのは何かというのが漫画やアニメを通して既に伝わっていたので理解されやすかったということだと思います。・・・まあ話がいろいろ逸れましたが(苦笑)。

心理療法に音楽を使う強みというのは、音楽の普遍性というか、人と人とを繋ぐ力ですよね。セッションの中で、人と人とを繋ぐ時に、ものすごく大きな力になります。

僕がサイコドラマをずっと勉強していて、セリフだけでは、何か物足りなさや寂しさを感じていたんですね。日本では、佐藤豊さんと言ってiPodでBGMの曲を選んで使う人がいるんですよ。まだまだ発展途上なんですが、世界ではミシシッピ大学の教授でモレノの孫という人が音楽を使うらしいですね。他はあまりいないようですね。

「そうですか。では、最先端ですね?」

最先端と言えば最先端かもしれませんね。ただ簡単に真似できるものではないので、普遍的なテクニックになっていくかどうかはわからないですけれど。でも広がればいいですね。

(次回につづく・・)

志東 顕勇(しどう けんゆう)  リアリング・ワークス代表 作曲家
                    「SVW(シナジェティック・ボイスワーク)」主催
                    日本芸術療法学会会員 心理学講師 音楽療法講師

信州大学人文学部(心理学専攻)卒。ルーテル大学大学院にてサイコドラマ(心理療法)を履修。
母親がキリスト教会でオルガンを弾いていたこともあり、幼児洗礼を受け、幼児期を教会で過ごす。5歳より音楽教育を受ける。
大学卒業後レコード会社に就職。ステージ制作を経てレコーディングディレクター として活躍。アニメ「うる星やつら」のテーマ曲を演奏した ヴァージンVSなどを担当。その後独立、作曲家として活動をスタートする。
現在はヒーリング系を中心に活動。その楽曲は様々なワークショップやスポーツ選手の イメージトレーニングなどに使用されている。山川夫妻 監修「ワイス博士の過去生退行瞑想」(PHP)の音楽担当。
音楽活動と平行し、大学や専門学校で心理学の教鞭をとり、企業研修のファシリテーターとしても活躍。
音楽と心理学 を30年の歳月をかけて融合させた、個人成長のプログラム、SVW(シナジェティック・ボイスワーク)を主催。
近畿大学、(学法)清水学園などで10年間心理学を、また(学法)尚美学園などで20数年間、作曲編曲を教える。

<志東顕勇先生のHP>
【REALING WORKS】

<志東顕勇先生のブログ>
【音楽と心理学の融合by志東顕勇(KENYU/ケンユー)】

<志東顕勇先生が音楽を担当したCDブック>
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ゆほびかGOLD Vol.12 幸せなお金持ちになる本


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医師もすすめる「前世療法CD」つき!前世を知って幸せになる本


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渡部昇一「マーフィーの成功法則」CDブック



インタビュアー:鈴木明美(すずきあけみ)

鈴木明美

セラピールームChildren主宰、Team Oasis 代表
自分がなんだか分からない。何かやりたいけど、見つからない。
心の悩み、病を抱えた方、自己実現したい方のお手伝いをいたします。

心理カウンセラー、ゲシュタルトファシリテーター、NLPセラピスト、
交流分析士1級、レイキヒーラー
HP:江戸川区西葛西、セラピールームChildren
ブログ:セラピールームChildren


インタビュアー:下平沙千代(しもひらさちよ)

下平沙千代

ワクワクセラピー☆ソース・ワークショップほぼ毎月開催!
日本一やさしい介護タクシーのドライブ旅行受付中!

ワクワクセラピー ソーストレーナー、NLPセラピスト
レイキヒーラー、導引養生功指導員、成年後見人講座履修
トラベルヘルパー、ホームヘルパー2級、女性タクシードライバー
ブログ:『幸せを運ぶワクワクセラピー ソース』


インタビュアー:前田みゆき(まえだみゆき)

前田みゆき

身も心も魂も輝やくように、いつも笑顔を心がけています。
人とのご縁で、気づかされることが喜びです。

自称 遅咲きさん

コーチングと心と体の健康について、もっか勉強中


インタビュアー:脇坂奈央子(わきさかなおこ 日本メンタルサービス研究所 所長)

脇坂奈央子

『道開きの心理士』 ……本来のあなたの道を開く、お手伝いをします。
ブライアン・ワイス博士直伝の、プロフェッショナル・ヒプノセラピスト。
前世療法・催眠療法を中心に、ニーズに応じた各種心理セラピーを施療。

心理士、認定THP心理相談員、統合心理セラピスト、心理カウンセラー、
米国NGH認定ヒプノセラピスト、認定キャリアコンサルタント、
代替療法セラピスト(レイキティーチャー)
HP:ワイス博士直伝の前世療法・催眠療法・心理療法★ラポール
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