第77回目(4/4) 安保 徹 先生 新潟大学大学院

思い入れが強過ぎると危険。それぞれの役割がある

インタビュー写真

「先生は、病気をどのように捉えていらっしゃいますか?」

病気というのは、人類からは消えないのさ。先天性の病気とか、精神病もね。

先天的な難病とかは、一万人に一人とか千人に一人とか、ある人にはあるんですよ。それでも、この世に生まれて何とか生きてるからいい訳さ。だから、皆で大切にしてあげればいい。遺伝子まで踏み込んだら危険なんだ。

身体の不自由な人や能力の不自由な人が時々いないと、人間の優しさを維持できないんですよ。だから必要なんです。自然の摂理を人間の小賢しさで解決しようとするのはダメなんです。

私達は、この世に生まれて、五体満足でも不自由でも、大事に体を使って、できれば生き抜くというのが本当。リウマチになるのも癌になるのも、過酷な生きざまからなっているので、生き方を変えて、折り合いをつけるというのが、生命というものです。

「今、悩みを抱えていらっしゃる方に先生からのメッセージをお願いします」

悩みは、成長のためのステップだからね。死にたくなるほど悩まないと、成長しないから。ちょっとした悩みでは、そのままの生き方を続けるでしょう。のたうちまわって、もう生きてはいけないという悩みの中から、新しい生き方が見つかるんだよね。

例えば、心のケアをする仕事をした時に、いつも幸せな人生だった人が心のケアしてくれても、嬉しくともなんともないでしょう。悩むことは、すごく良い修業ですよ。死ぬほど悩んだら、優しくなれるじゃない。

「心の仕事をされる方へ、先生からのメッセージをお願いできますか?」

人間の能力には限界があるから、思い入れが強すぎたら、我が身が危険にさらされるということをよく覚えておいてほしい。

優しい人がいっぱいいるでしょう。看護師でも介護師でも心理士でも、優しい人っていっぱいいる。優し過ぎたら、のめりこんで我が身が危険。それは、知っておかなきゃダメだね。

いくら優しい人でも、我が身を守れない人では長続きはしないからね。看護師だと、ナイチンゲール症候群と言って、あまり思い入れが強いと危険なんだよ。

私もたった2年の内科医だったけれども、のたうちまわるほど優しいので、肺がんの患者を診ると、呼吸が苦しくなるし、リウマチの人の変形した手を診れば、一晩関節の夢を見て思い込むの。死にそうな人があれば、病院に泊まり込んでね。

優し過ぎて、思い入れが強過ぎて、生きていけないほどだった。治せない医者であることも辛いし、研究はそういうことから解放されて良かったですよ。

「それで、研究を選ばれたという部分もおありなのですね?」

そうですね。半分ぐらいはそういうことでもありますね。病気が治せないというのが半分と、母親譲りの神経質で、のたうちまわるんだね。困ってる人を見ると可哀想で可哀想で、一緒になって苦しむぐらい。だから、距離を置く工夫とか、完全に離れてしまうとかだね。

それで、そういう人には、別の役割があると思うんだよね。そのぐらい細やかでなかったら、いちいちいろんな事に気がつかないのよ。その細やかさを別の方向に使ったら、役に立つ可能性もあるからね。私の場合は研究だった。

心のケアの場合も、一緒に苦しんでいる人は、逆にその仕事が適切でない可能性があるんだ。そうしたら、離れてしまった方がいいかもしれない。離れたところで、また別な役割があるんだと思う。のめり込む人もいるし、さらっとした人もいるし、それぞれの役割があるんだよね。


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「先生にはリフレッシュ法はおありですか?」

スポーツかな。夏は海水浴。冬はスキー。以前は、近い山に登山もしていたけどね。

碁も好きだから、ストレス解消にはなるんだけど、碁自体がやれば疲れるからね。月一回に制限してるんだ。それでも強くなりたいから、毎日、問題集をやっていて、6段に挑戦してるんだよね。中学校時代からのライバルがいて、その彼が月に一回私の方に来てくれるんだ。

「先生の今後の展望や、夢を教えてください」

私は、本を沢山書いているので、途中で早死にしたらかっこ悪いから、健康に気をつけようと思ってます。お年寄りとは言え、楽したら衰えるからね。

日野原先生とか、100歳になっても元気な人がいるからね。だいたい歳を取っても元気な人っていうのは、いつも能力使い込んでる。あと、わがままな人が多い。人に気を使ってると死んじゃうんだね。生き延びるためには、人に気を使ってる場合じゃない。

「では、先生の夢は元気で長生きですか?」

いや、元気で長生きは、私の目標ではなくて、こういう自然の中の医学みたいなものを、きちんと書き留めて、50年後100年後に人類が立ち直れるように残すということ。

だから、英語とかにも翻訳して、出版するようにしてる。ポルトガル語、韓国語、中国語と、同時進行で翻訳してるの。日本人だけに書いているのではつまらないから。

「先生が影響を受けた方は、どんな方でしょうか?」

私は本を読むのが好きで、気に入った著者のものは全て読み尽くす。夏目漱石も全部読んだし、三島由紀夫、吉村昭、新田次郎、梅原猛、有吉佐和子。すごく読書したら、だんだん自分でも書いてみたくなって、それで書くようになったのさ。

今挙げた人達は、すごい生きざましてるからね。微動だにしない人生観、思い込みに生きてるからさ。

「日常生活の中で、体温を上げるために良いことを教えていただけますか?」

体温を上げるためには、やはり筋肉をつけることだね。なで肩で柳腰の女性は、見た感じも弱々しいけど、筋肉が足りないんだ。筋肉があると歩き方も早くなるし、決断も早くなるし、メリットが沢山ある。

皆が運動すれば良いと言うほど、生きざまは単純ではないから、やり方はそれぞれ成り行き任せでいいと思うよ。


<編集後記>

少年のように、無邪気な笑顔が印象的な安保徹先生でした。

少年の頃と同じように、大人になってもすべての疑問の中に生きていらしたことが
免疫学の研究に大きな成果を果たされたのだなあと、
お話しを伺いながら感じました。

与えられた情報に疑問を持つということ、自分で確かめるということ。
生きるうえで、もっとも大切なことの一つなのかもしれませんね。

わくわくと好奇心を持って、目の前の出来事を楽しんで生きていると
心も体も元気に長生きできそうです。
休息と活動のバランスが、健康に生きるヒントを与えてくれるようです。

安保徹先生には、沢山の著書がありますので、
そちらもぜひ読んでみてくださいね。(A)

安保 徹(あぼ とおる)  新潟大学大学院 医歯学総合研究科教授
                  医学博士 免疫学者

1947年、青森県生まれ。東北大学医学部卒業。
現在、新潟大学大学院医歯学総合研究科教授(国際感染医学講座 免疫学・医動物学分野)。
米国アラバマ大学 留学中の1980年に「ヒトNK細胞抗原CD57に対するモノクローナル抗体」を作製。89年、胸腺外分化T細胞の存在を発見。96年、白血球の自律神経支配のメカニズムを初めて解明するなど、免疫学の世界的権威として知られる。
国際的な場で精力的に研究結果を発表し続け、免疫学の最前線で活躍中。

<安保徹先生のHP>
【医学博士 安保徹オフィシャルサイト】

<安保徹先生の著書>
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免疫革命


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まじめをやめれば病気にならない


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免疫力が上がる生活 下がる生活


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病気は自分で治す―免疫学101の処方箋

インタビュアー:鈴木明美(すずきあけみ)

鈴木明美

セラピールームChildren主宰、Team Oasis 代表
自分がなんだか分からない。何かやりたいけど、見つからない。
心の悩み、病を抱えた方、自己実現したい方のお手伝いをいたします。

心理カウンセラー、NLPセラピスト、日本ゲシュタルト療法学会・GNJ会員
交流分析士1級、トランスパーソナル学会会員、レイキヒーラー
HP:江戸川区西葛西、セラピールームChildren
ブログ:セラピールームChildren


インタビュアー:前田みゆき(まえだみゆき)

前田みゆき

身も心も魂も輝やくように、いつも笑顔を心がけています。
人とのご縁で、気づかされることが喜びです。

自称 遅咲きさん

コーチングと心と体の健康について、もっか勉強中


インタビュアー:鈴木三千世(すずきみちよ)

鈴木三千世

現在、交流分析とゲシュタルト療法を勉強中。

将来的にはセラピストとして人と関わりを持ちながら、
社会に貢献して行ければと 思っております。



インタビュアー:脇坂奈央子(わきさかなおこ 日本メンタルサービス研究所 所長)

脇坂奈央子

『道開きの心理士』 ……本来のあなたの道を開く、お手伝いをします。
ブライアン・ワイス博士直伝の、プロフェッショナル・ヒプノセラピスト。
前世療法・催眠療法を中心に、ニーズに応じた各種心理セラピーを施療。

心理士、認定THP心理相談員、統合心理セラピスト、心理カウンセラー、
米国NGH認定ヒプノセラピスト、認定キャリアコンサルタント、
代替療法セラピスト(レイキティーチャー)
HP:ワイス博士直伝の前世療法・催眠療法・心理療法★ラポール
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