第77回目(3/4) 安保 徹 先生 新潟大学大学院

理不尽さに腹を立てない、心配し過ぎない

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「免疫力を高める生活について、教えていただけますか?」

日本人が、縄文時代からだいたい一万五千年くらい経っているんだけど、やっぱり、その中で一番生きてきた生き方に近いと生き易いのかね。

例えば、ヨーロッパの寒い国の人だったら、動物の肉とか牛乳とか乳製品を食べないと、寒くて身を守れない食生活があったり、裸で太陽の弱い光を十分受け止めるとか。独特の土地の生きざまで身を守る訳だ。

日本人の場合は、湿度が高くて、靴を長く履くと蒸れて水虫が暴れ出すとか。やたらと肉や牛乳を取ると、過剰カロリーになるしね。

日本人は、縄文時代から月に一回くらい、狩りが成功した時に肉を食べて、あとは雑穀類と栽培した野菜を食べていた。発酵させて栄養価を高めて食べるっていうのだね。やたらに牛乳を飲ませるっていうのは、子ども達にとっては過剰カロリーの心配があって、危険なんだね。

「生活習慣としてはいかがですか?」

面白いのは、ヨガとか太極拳とか外国の健康法が流行っているでしょう。

日本は四季の変化が厳しかったから、薪割したり、水汲みしたり、冬に備えて漬物をつけるとか、とにかく毎日が忙しくて、働くことで能力を維持して生きていたんだね。だから、日本には健康法が基本的にはないんだ。

今、暇になって、日本人はやることないから外国の健康法を取り入れてやっているんだ。だからこまめに働く、動くことかね。

私なんか4時起きだから、朝ごはんまでに3時間もあるでしょう。夏だったら海に出て、海水浴して、散歩して、冬だと暗くて寒くて散歩もできないから、腕立て伏せしたり、スクワットしたり、雑巾がけしたりして体を鍛えているんです。

「食生活と運動、他にはいかがでしょう?」

日中にすごく活躍して、十分眠り足りるっていうのが、自律神経のバランスで、そういう生き方をした時に免疫系が丁度良くなる。それに合わせればいい。日中はバリバリ仕事して、夜は、目覚ましを使わずに十分眠り足りるっていう、そういうバランスができればいいね。

「早寝早起きですね?」

日本人は夜更かしがひどくなったね、学生達に手を挙げさせたら、7割以上が12時過ぎてから寝ている。不自然な生き方になっちゃったんだ。だから何か「今一つ」なんだ。

医者になっても、そういう不自然な生き方していると、不自然な生き方が悪い事だと思えないから、患者の生きざまを聴きだす力はない訳なんだ。しようがないから、対症療法で薬を出すしかないという流れ。医療費は要って、病気は治らない。

病気は生きざまの偏りなのに、始めから生きざまの偏りをした子ども達が、医者になる訳だからね。そうなると、自分で本を読んで我が身を守らないと危険な時代に、これから突入していくんだ。


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「生きざまの偏りについて、詳しく教えていただけますか?」

日本人が、過去一万五千年、どういう生き方をしてきたか。殆どは、縄文時代だから、狩猟と採集だよね。だいたい五千年くらい前から稲作が始まって、計画的に物を作って、蓄えるって流れができた。そして、貧富の差ができたんだね。

そういう中でも、ここまで立派な家に住んで、暖かい洋服を着て、電気をこうこうと点けて夜更かしをするっていうのはなかった世界だったからね。だからそういう現代社会の生きざまを、縄文時代や弥生時代と比べてみればいいのさ。

私は竜飛岬のある村で生まれて、あそこは殆ど水田がない村なんだね。だから漁業と林業とマタギの世界。お米を作る人が殆どいない。つまり、弥生時代を経験していないから、こういう言い方ができたのでしょう。弥生時代は蓄える世界でしたから。

「そうなると、どうしても働き過ぎになりますね?」

さらにもっと進むと、奈良時代や平安時代には、貴族がでてきて、人が人を支配する世界になっていきます。支配されると、きついものです。

「心の持ち方については、どうお考えでしょうか?」

私達は、親から貰った心の持ち方で生きざるを得ないものです。皆、思い込みで生きていく。人と人とが身近に暮らすと、「そんなこと考えてるんだ」とか、「こういうことにこう反応するんだ」って、びっくりするようなことばかりです。

環境が違うと生きざまが違うし、思い込みで生きているから、ぶつかった時に怒りだすか、許容するか、諦めるか、そういうことを繰り返しながら、妥協して生きているんです。妥協しないというのは、生き辛いからね。怒れば、体を壊すでしょうし。

独特の思考や思想の中で、世の中が進んでいくもの。そこに合わせて体を壊す人も、いっぱい出てくるんですね。夜更かしはダメだと分かっていても、現実には、夜更かしせざるを得なかったりもしますよね。

やっぱり、使われている人が体を壊し易いですね。使う人でも、あまり責任感が強いと体を壊し易い。5時にパッと仕事を終えて帰れるという立場の人は、そんなに多くないから。朝4時に起きるためには、夜9時前には寝ないと起きられないですしね。

「先生はいつも9時前には寝られるのですか?」

8時ですね。皆に合わせていたら、そういう生き方はできないですね。

懇親会があっても、「7時半になれば失礼します」と言っています。「先生がいないと懇親会がうまく進まないんだけど」と言われても、「皆に気づかれないようにこっそり出るから、後ちゃんとやっておいて」。そういう風に自分のペースで生きなきゃダメなんです。

「自分のペースで生きるということですね?」

そう。でもあまり若いうちから、そうやって生きたら、爪弾きにされるから難しいね。

「せめて、心の持ち方で免疫力を高めていきたいですよね?」

悩み過ぎたら危険とか、そういうものを知っておいた方がいい。

「良くないこととしては、悩み過ぎることですか?」

これ以上悩んだら我が身がもたないって、それで病気になっている訳だからね。あとは、人を許せない時も病気になるね。理不尽さに腹を立てたら、病気になる。

例えば、職場でいつも会う人に理不尽で許せないと思ったら、いつもそういう心が湧いてくるでしょう。そういう心があると、だいたい病気になるね。

それぞれが思い込みで生きているから、他人をどう納得させるかなんて、そんなの始めから不可能だって思わないとダメだね。

部下をもっと頑張るように仕向けたり、もう少し活躍してもらおうなんて、始めから無理なんだと諦めないといけない。こういう考え方をしたって、誰もついて来ないからね。

地球のどこかで誰かが気がつく、そのくらいの特殊活動をすればするほど、理解者は少なくなってくる。特に後継ぎみたいな人は、なかなか出てこない。死んでからのお楽しみ、そういう心境になる。理不尽さに腹を立てるのも危険だからね。

結構いろんなところに、我が身を破滅に導く危険はいっぱいあるんだよ。

子どものことを心配しても危険だからね。だいたい人間というのは、自分のことしか基本的には、面倒見きれないようにできているんだ。子どもと言えども、ある程度は勝手に生きて貰わないと。

トキでもね、3カ月くらい経つと親から離れていくでしょう。それが基本なんだ。もし障害とかがあった場合、家庭で面倒見るのには限界がある。だから施設とかで面倒見て貰うようにしていく。

そのぐらい人間って自分1人分しか守れないんだ。大変なんだ。これをやたらに旦那さんの面倒見たりしたらダメさ。放っておけばいい。

「背負い込み過ぎないということですね?」

限界があるんですよ。介護なんかでも、いくら親と言えども、「三食食べさせないと」って、寝たきりの人に三食食べさせるのはおかしい、という基本に気がついて、我が身を守らないと。

(次回につづく・・)

安保 徹(あぼ とおる)  新潟大学大学院 医歯学総合研究科教授
                  医学博士 免疫学者

1947年、青森県生まれ。東北大学医学部卒業。
現在、新潟大学大学院医歯学総合研究科教授(国際感染医学講座 免疫学・医動物学分野)。
米国アラバマ大学 留学中の1980年に「ヒトNK細胞抗原CD57に対するモノクローナル抗体」を作製。89年、胸腺外分化T細胞の存在を発見。96年、白血球の自律神経支配のメカニズムを初めて解明するなど、免疫学の世界的権威として知られる。
国際的な場で精力的に研究結果を発表し続け、免疫学の最前線で活躍中。

<安保徹先生のHP>
【医学博士 安保徹オフィシャルサイト】

<安保徹先生の著書>
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免疫革命


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まじめをやめれば病気にならない


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免疫力が上がる生活 下がる生活


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病気は自分で治す―免疫学101の処方箋

インタビュアー:鈴木明美(すずきあけみ)

鈴木明美

セラピールームChildren主宰、Team Oasis 代表
自分がなんだか分からない。何かやりたいけど、見つからない。
心の悩み、病を抱えた方、自己実現したい方のお手伝いをいたします。

心理カウンセラー、NLPセラピスト、日本ゲシュタルト療法学会・GNJ会員
交流分析士1級、トランスパーソナル学会会員、レイキヒーラー
HP:江戸川区西葛西、セラピールームChildren
ブログ:セラピールームChildren


インタビュアー:前田みゆき(まえだみゆき)

前田みゆき

身も心も魂も輝やくように、いつも笑顔を心がけています。
人とのご縁で、気づかされることが喜びです。

自称 遅咲きさん

コーチングと心と体の健康について、もっか勉強中


インタビュアー:鈴木三千世(すずきみちよ)

鈴木三千世

現在、交流分析とゲシュタルト療法を勉強中。

将来的にはセラピストとして人と関わりを持ちながら、
社会に貢献して行ければと 思っております。



インタビュアー:脇坂奈央子(わきさかなおこ 日本メンタルサービス研究所 所長)

脇坂奈央子

『道開きの心理士』 ……本来のあなたの道を開く、お手伝いをします。
ブライアン・ワイス博士直伝の、プロフェッショナル・ヒプノセラピスト。
前世療法・催眠療法を中心に、ニーズに応じた各種心理セラピーを施療。

心理士、認定THP心理相談員、統合心理セラピスト、心理カウンセラー、
米国NGH認定ヒプノセラピスト、認定キャリアコンサルタント、
代替療法セラピスト(レイキティーチャー)
HP:ワイス博士直伝の前世療法・催眠療法・心理療法★ラポール
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