第76回目(3/4) 金城 幸政 先生 円隣企画

僕のカウンセリングって、一回頭がフリーズするんですよね

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「先生のカウンセリングには、どんな特長がありますか?」

面白い話が沢山あるんですけど、僕の話を聴いてると、不快脳の堅苦しいまじめさがどうでもよくなるんですよね。

例えば、ある人が僕のもとに、「離婚の相談してください」と来ます。僕は「冗談よしてよ。メニューに離婚の相談はないので、離婚はしてきなさい」と言うと、「してからでは遅いから相談するんです」「離婚は相談するものじゃなくて、するものでしょう。サッサとしといで」と。

「先生、そんな風に言わずにちゃんと相談に乗ってくださいよ」って言ったら、「だって、離婚に相談ないもの。何で離婚しないの?」「だから、離婚してからでは後戻りできないので、相談させてくださいよ」ってこうなります。

「だって主人とまだやっていける道があるかもしれないじゃないですか」「もう一回!」「えっ? だから主人とやっていける道が残されているかもしれないじゃないですか」

「主人とうまくやっていける方法はないですかという相談ですか? 言葉と、伝えたい心と行動が一致してないと、人は誤解するよ。ご主人と路頭に迷うのはこういう説明するからだよ。自分の言葉をまっすぐ言葉に乗せる訓練するだけで、夫婦仲が戻りますよ」と言ってあげると、「頑張ります」と言う。

「頑張る前に一回だけトレーニングして帰ろうね。あまり考えずに感情反応でどんどん応えてね。そもそも何で離婚しようと考えるくらいきつかったの?」と訊くと、ご主人の欠点を10個くらい並べたんですね。

「そうなんだ。そんなにひどいんだ。コイツ、一回死んだ方がマシだな」って言ったんですよ。そうしたら、ムッとして、「死んだ方がマシなんて、そこまで言ってません。そんな彼でも、こんないいところもあんないいところも…」と、10個くらい良いところを挙げるんです。

「なんか、ごちそうさま」って(笑)。もう分かりますよね。つまりカウンセリングの前に、本人の勘違いをちょっと整理するだけのことなんです。

「勘違いを整理するのですね?」

その後ご主人が訪ねて来て「一度お会いしたかった。ありがとうございます」と握手してきて「妻がいい女になってるんですよ」って言うんです。「とても分かり易い言葉になったし、気持ちが伝わるんですよ。こっちもやってあげられることが分かる。今まで、自分達がすごく言葉で衝突していたことが分かりました」と。

「僕は、感情と言葉の整理をしただけです。奥さんの理解があったから、ご自身の力で夫婦仲を取り戻されたんですよ。僕が仲裁に入ったわけではないから、奥さんにお礼言ってね」と言いました。こんな風に、人って伝えたいことと言葉と目的がずれてるんですよ。

僕のカウンセリングって、一回頭がフリーズするんですよね。

「頭がフリーズですか?」

最近あったケースだと、僕が東京に来た時に、遠方から家族ぐるみでカウンセリングを受けに来た方がいたんです。スケジュールが取れないって言っているのに僕のセミナー会場に来てるんですよ。

お父さんが、30分でもいいから時間取れませんかと言うんです。相当切羽つまっていたんでしょうね。時間ないから無理なんですよって言うと、そこを何とか15分でもいいと。それなら、次の予定までの間の食事中なら話を聞くと言って、カウンセリングが始まったんです。

食事が出されてるところでカウンセリングですよ。本人の30代後半の男性が僕の正面に座り、その横に40歳ぐらいのお兄さん、お姉さん、そして両親の5人家族が並びます。

僕が飯食いながら「今日どうしたの?」と本人に聞くと「うつ病で5年間通院して、踏んだり蹴ったりで、ズタズタです。会社でも倒れたり、寝不足で眠れなくて、うつ病がひどくなって」と。僕は食べながら、また聞くんです。「何が原因でのカウンセリングでしたっけ?」

「え、だから、うつ病で5年間こんなであんなで」僕はまた一口食べて、「ところで何が原因でのカウンセリングでしたっけ?」と言うと「3度目ですよ。だから、こんなであんなで」

また一口食べて、「ところで何の相談なの?」と僕が言うと、本人とお父さんが同時にキレて、「いくら金城先生でも、いい加減にしてください。病気を抱えた息子に何回も同じことを言わせるな!」とお父さんが怒鳴ったんです。

「キレてしまったのですね?」

そこで僕は、お父さんの髪の毛がバーコードみたいになってたので、「ハゲは黙っとけ」と一言で釘を刺しました。そうしたら「ハゲだと。失礼だな、お前は! わざわざ遠くから来たのに、こんな失礼な奴とは知らなかった。俺はもう帰る!」とお父さんが席を立ったんです。

本人が、「いくらなんでも酷いんじゃないんですか?」と言うので「何のカウンセリングか僕、分かんないんだもん」と僕が言うと、「だから、うつ病だからですよ!」と苛立たしげに言います。

僕は、「ああ、そうなの? うつ病を治すためには、うつ病かどうか調べないと。うつ病でなかったら、うつ病を治せない。うつ病を治すためにはうつ病になる必要がある。だから、君がうつ病かどうか調べてるんだけど」と言いました。

彼はテーブルを叩いて怒りましたから、「うつ病の人は、普通怒らないんですよね」と言ったんですよ。すると本人が、「えっ? でも辛いんです」と下向いたんだけど、そんな振りしても今更遅いんだよって(笑)。


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「それから、どうされたのですか?」

次に、退席したお父さんをトイレで捕まえて、「今、親父として、自分のメンツが大事なのか、息子を救いたいのか決めなさい」と言うと、お父さんがハッと気付いたようでした。

「わざとやっていることぐらい目を見て分からんのか、お前のメンツなんてどうでもいい。息子を救いたいと思わんのか。救いたいなら、僕がけなす言葉を受け入れなさい。僕には動機がちゃんとある」とお父さんを叱ったんですよ。

お父さんは「そうだったんですか」と受け入れたので、「息子を救いたいなら一世一代の芝居を打ってください」とお願いしました。「僕が先に席に戻るので、お父さんは後からぷんぷん怒ったままのふりして戻ってください」と伝えました。

「そして、僕がカウンセリング中、お父さんをどんなにけなしても退席しないでください。意味があってやってますから」とも伝えました。

そして、お父さんが戻ってきてカウンセリングが始まりました。カウンセリング中、本人と話しながら、「どうしたんですか、そのハゲ」とか言って、時たま僕がお父さんに無意味に突っ込むんですよ。そうしたら、うつ病の彼が笑い始めたんです。

「笑いが出てきた?」

なぜかというと、お父さんに小さい時に散々「お前は何もできない」と言われ続けて、お父さんがトラウマになってるんです。

この原因が僕には見えていて、お父さんが、息子を心配するあまり言い過ぎたんだなということが分かるので、子どものトラウマの仕返しを僕がやって見せると、彼は気分が良くなってくるんですよ。まず彼の緊張感をほどかないと彼に次の言葉が入らないので、そういうことをするんです。

僕がお父さんにちょっかいを出すうちに、本人がゆるんで、笑い始めるんです。「ハゲなのになー。毛も少ないのに、気も短いし、足も短いし」といろんなことを言ってるうちに、お父さんもプッと笑い始め、そして、本人もつられて笑い出して。

そこで、「精神科で出されている薬を今すぐ全部ゴミ箱に捨てるなら助ける。捨てられないのなら病院を頼りなさい。どっちにするか?」と言いました。彼は、最初の1袋を捨てたけど、あと1つは睡眠薬だから怖くて捨てられないんですよ。

更に「今日でけりをつけるか、引きずるか決めてくれ。全部捨てるなら答を教える」と言うと、本人が残りも捨てたんです。

「本気になったのですね?」

「じゃあ、答を教えよう。お兄さん、お父さんの会社を手伝ってるでしょ。一番ハードなのはどんな仕事?」と聞きました。お兄さんは、「土建業者だから、現場があります」と言うので、「じゃあ、現場に連れてって」と言うと、「日常生活の中で倒れる人は現場に連れていけません」と。

「大丈夫大丈夫。現場で倒れたら3日ぐらい寝るから。現場に連れてって動かしてくれ」と言うと、今度はお母さんが怒ったんですよ。「こんな危険なことをさせる先生だったんですね」と。それで僕は、お母さんを叱るんです。

「今度はお母さんなのですね?」

「人の脳には、いろんな仕組みがあって、人は身体を動かしながら深刻に悩むってことができないように作られている。身体を動かしている時に動く脳の中枢と、身体を止めている時に動く脳の中枢とは違う回路を持っているので、身体を動かしながら深刻な状況は続かないんですよ。僕は根拠があって言ってるんだから、言われた通りにしなさい。専門家に任せなさい」と。

帰る時に、僕はお父さんを陰に呼んで、無礼を謝りました。お父さんは、「自分のメンツを気にかけていた自分が恥ずかしい。金城先生の荒治療は、非常に面白かった。息子の命を助けてくれてありがとう」と言ってくれたので、握手して別れました。

4日後に本人から電話がかかってきて「現場で案の定倒れて、その後3日寝ちゃいました。不思議とあれ以来、身体を動かした分だけ寝られるんです。しばらく現場に入ろうと思います」と。その後、彼に症状はありません。

予想外の展開をするカウンセリングと言われます。予想外というのは、その人の状況を見てやるので、現場に来ないと分からない。やり方も手段も本人に会ってから決めます。

(次回につづく・・)

金城 幸政(きんじょう ゆきまさ)    人間学講師
                         「円隣企画」専任講師

1967年生まれ 那覇市出身
1995〜2003年 自ら会社を経営する傍ら、代替医療関連事業等にも参画し、人間のトータル的な健康アドバイザーを務める。
その後、会社相談役を歴任するが、人間の肉体的健康や精神的健康は、局部対処的な方法では解決できないことを確信し、人間のトータル的な健康を基本に、健全な社会創りにおける根本的改善を図り、創発する活動へと転換する。
2005年、「総合的な環境づくり」を理念とし、「環境教育」をテーマにして、「円隣企画」を立ち上げる。
これまでの講演実績は、1,600回を超え、個人カウンセリングにおいては、18,000件を超え、数々の実績を上げている。現在も、円隣企画専任講師として、人材育成や教育に携わる経営者、専門家に深く影響を与え続けている。

<金城幸政先生のHP>
【円隣企画】

インタビュアー:鈴木明美(すずきあけみ)

鈴木明美

セラピールームChildren主宰、Team Oasis 代表
自分がなんだか分からない。何かやりたいけど、見つからない。
心の悩み、病を抱えた方、自己実現したい方のお手伝いをいたします。

心理カウンセラー、NLPセラピスト、日本ゲシュタルト療法学会・GNJ会員
交流分析士1級、トランスパーソナル学会会員、レイキヒーラー
HP:江戸川区西葛西、セラピールームChildren
ブログ:セラピールームChildren


インタビュアー:前田みゆき(まえだみゆき)

前田みゆき

身も心も魂も輝やくように、いつも笑顔を心がけています。
人とのご縁で、気づかされることが喜びです。

自称 遅咲きさん

コーチングと心と体の健康について、もっか勉強中


インタビュアー:高橋美智代(たかはしみちよ)

高橋美智代

不惑を過ぎてから、心理学を勉強中の身です。
一瞬一瞬を、共に過ごす人々と、大事にして生きていきたいと思う
今日この頃です。

好きな動物:猫
趣味:読書 ピラティス
レイキマスター


インタビュアー:脇坂奈央子(わきさかなおこ 日本メンタルサービス研究所 所長)

脇坂奈央子

『道開きの心理士』 ……本来のあなたの道を開く、お手伝いをします。
ブライアン・ワイス博士直伝の、プロフェッショナル・ヒプノセラピスト。
前世療法・催眠療法を中心に、ニーズに応じた各種心理セラピーを施療。

心理士、認定THP心理相談員、統合心理セラピスト、心理カウンセラー、
米国NGH認定ヒプノセラピスト、認定キャリアコンサルタント、
代替療法セラピスト(レイキティーチャー)
HP:ワイス博士直伝の前世療法・催眠療法・心理療法★ラポール
発行メルマガ:こころの栄養@さぱりメント

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