第75回目(1/4) 守谷 京子 先生 パーソナルグロース研究所

ゲシュタルトセラピーで私が変わり、家族にも変化が起こった

今回のインタビューは、日本ゲシュタルト療法学会の常任理事で、
パーソナルグロース研究所所長としてもご活躍の
守谷 京子(もりや きょうこ)先生です。

セラピストとして、沢山の方を見守り、変化に立ち会ってこられた守谷先生。

ハワイの叡智であるカフナサイエンスや、ゲシュタルトセラピー、
ホロトロピック・ブレスワークなどを、独自の手法で展開される守谷先生の
セラピーのエッセンスを、インタビューでお伝えしていきます。

インタビュー写真

「小さい時はどんなお子さんでしたか?」

子どもの頃は細くて、色も黒くて「ゴボウ」というあだ名がついていました。病気がちで、自家中毒にしょっちゅうかかりました。小学校から大学を卒業するまでの間、1ヶ月まともに学校に行けたことがありませんでした。

何か刺激があるとすぐに熱を出したり、血を吐いたり、夢を見てうなされたりしていました。今から思うと、そういう敏感なところが仕事に役立っていますね。病気の方、家に閉じこもっている方の気持ちも体験を通して理解できるのだと思います。

幼い時は人には見えないものが見えたり聞こえたり、思い出したり、何度も同じ夢を見たりという経験があったので、ワークを続けていくうちにスピリチュアルなことが起きても、自分で納得できたのだと思います。

「スピリチュアルな世界に興味を持ち始めたのはいつ頃でしたか?」

ワークを提供するようになって、クライエントの不思議現象や精神世界を理解するようになり、そういう世界があるかもしれないと思うようになりました。

私は、ホロトロピック・ブレスワークの世界で初めての認定者ですが、それを提供するにあたって、思ってもいない世界観が浮上してきました。一番驚いたのは悪魔憑きが出てきた時。どう捉えていいのか、インドの悪魔憑きを研究したりして、段々理解を深めていきました。

ブレスワークを自分が受けた時に、無意識の世界の体験がどれも出てきませんでした。私の体験は、意識はある状態で、青と黄色の渦みたいなものが見えており、後になってそれは陰陽のマークだと分かりました。

また、色々なものを身に着けて踊っている様子が見えて、それを絵に描いたら、それはシバ神だと人から言われたこともありました。そのような体験を通して、段々スピリチュアルなものを探求するようになりました。

「ホロトロピック・ブレスワークについて説明していただけますか?」

かつて、LSDが発見された頃、どのような利用価値があるかを調査するために、世界中の精神科医、精神を扱ったドクターに、LSDが配られました。その中の一人にチェコスロバキアに住んでいた医師スタニスラフ・グロフ先生がおられました。

グロフ先生は、LSDを使うことでフロイトを超えた精神世界があるということに気付かれました。健常者も心を病んでいる方も同じように、精神世界が多岐にわたっていることに気付かれたのです。

先生は、インドの行者が何年も行を積んだ後に得られる世界観を、LSDによって普通の人が体験でき、自己発見のために使えると考えられ、人間を知るにあたりLSDを使ってさらなる研究をしたいと思っていらしたのですが、皆さんご存知のようにLSDを使っての事故が多発したため、世界的に使用が禁止されました。

そこで先生は、LSDに代わるものを模索され、激しい音楽を聴きながら呼吸を変えていき、歓喜的なトランス状態になることで同様の体験ができることに気付かれ、開発されたのがホロトロピック・ブレスワークです。

「ホロトロとは、どういう意味なのですか?」

「ホロトロ」とは、「自分を統合していく」という意のギリシャ語で、ホロトロピック・ブレスワークは、自分を統合していくための呼吸法のワークになっています。

また、「超個」と言って、自分を超えた体験の精神構造になっていくこともでき、トランスパーソナル心理学の枠組みの中で、世界で発展していきました。

ホロトロピック・ブレスワークでは、
1.自分が生まれてから今までの自伝的レベルの体験。特に無意識の方へ押しやられた、抑圧されている自分の問題が浮上してくる

2.精子が子宮に辿り着いてから、オギャーッと生まれてくるまでの間、子宮・産道の中での体験。無意識の中で未完了の問題が浮上してくる

3.超個の体験、民族的な意識、過去世と思しき体験。自分では分からないけれど自分として実感がもてるようなイメージが浮上してくる

以上3つのジャンルが、深くて速い、マラソンのような呼吸をすることによって現れます。

呼吸によって、血液中に流れているカルシウムイオンの結合が変わって、夜寝ている時に使われている部分の脳が刺激され、門が開いて無意識の方から未完了の問題が解決してほしいと出てくるのです。

意味が分からなくても完結するものもあるし、ゲシュタルトセラピーを使って図と地の関係を見て、背景になっている地の問題を浮上させて自分の理解を深めていきます。ホロトロピック・ブレスワークの延長線上にゲシュタルトセラピーがあるという位置付けです。

「心理の道に進まれたきっかけは?」

私には心が痛んだ家族(A)がいます。思春期に、体型が太めでドッジボールに入れてもらえないとか、女子に人気がない、ということがあって、今で言う摂食障害になったんですね。

その後、大学に行く頃には、手が震え、ラーメン屋で丼を受け取る時につゆをこぼしてしまう、出席の時に自分の名前が書けないという、過度の精神不安定になりました。

当時、岡山では多くの人が、精神科にかかることは隠蔽するようなできごとという考えを持っていました。家族にそのような人がいるのは伏せる世の中でしたので、岡山で精神科を探す訳にはいかず、神戸まで足を運びました。2時間かけて神戸へ行き、病院で2時間待たされ、診察はわずか5分、そして症状を緩和する薬しか出してもらえませんでした。

家庭内では摂食障害だけでは収まらず、家庭内暴力を命がけで防ぐという、大変な状況になっていき、私の心の中では一家心中も考えました。

当時、父が早く亡くなったせいもあり、母が父親代わりをして、私が母代わりで家庭を切り盛りしているうちに、元々身体が弱かった私は病気になり、明日をも分からない状態で、一週間に1キロ痩せていくようになってしまいました。

ところが、私が病気になったら、意外なことにAは一人で神戸に診察を受けにいくようになり、母は母で精神的に安定するようになったんです。

一体どういうことかと思いました。私自身が頼りになる存在でいることが、二人の状態を悪化させていたんじゃないかという思いに至りました。

これはもう、親が怒ろうが、兄弟に人非人と言われようが、違う方向性を探さなきゃと、フラフラ状態だったのですが、ダンボール箱に荷を詰めて、自分自身でも状況を打破できるものはないかという思いで東京に出たのです。


インタビュー写真




「東京で学び始めたのですね?」

東京で最初に見つけたのはカルチャーセンターでした。カウンセリング、交流分析、フォーカシングなど様々な心理の講座がありましたが、その中でも、石川中(いしかわひとし)先生の講座に一番惹かれました。カウンセリング等に比べると、より自分に響くものがあり、問題解決も早いような気がしました。

その後、石川先生が教えてくださるところがあるかと門戸を叩きましたら、紹介されたのは石川先生でなく、リッキー・リビングストン、昔はリッキー・ウルフと呼ばれていた先生でした。実は石川先生もリッキー先生の生徒さんだったのです。それがゲシュタルトセラピーとの出会いでした。

「ゲシュタルトセラピーを受けられて、いかがでしたか?」

最初はAや家庭のことが問題だと思っていましたが、セラピーを受けるうちに、自分自身が悩みを抱えていることに気付きました。自分のことにして考えないと始まらない、おこがましいと考え、自分がセラピーを受ける側の人間であることに気付き、一週間に6.5日というスケジュールでセラピーを受けました。

それまでは、他者や親が与えた世界、社会がそうだからと思っている世界が自分の世界だと思い込んでいました。やがて、自分は自分に出会ったことがないことに気付き、自分を探したいと思うようになりました。

セラピーを受け始めて一年目は自分のことだけで、家族には何も関係ないと思っていましたが、そのうちに、私自身が自己に目覚めることで、Aや母の環境の一部として変化を来たしていくことで家族も変わってきたのが分かりました。

「どのような変化が起きたのですか?」

Aは自殺願望があったのですが、それも彼の意思ではないかと思えるようになりました。あなたが死んでしまうのは私は辛いし、願うことではないが、あなたがどうしてもその意思を貫きたいと思うのであれば、あなたの意思だということは認めると、伝えました。

今まで本人は「自殺する」と言うことで母と私を動かして、自分の方に向かせていたと思うのですが、私が変わることで「自殺」は役に立たなくなったのです。私の投影かもしれませんが、私にはそう感じられました。

他者とのコンタクトの境界線のところで人は変わると言います。境界線のそばにいる私が変化することで、家族に変化を与え、Aが操作をしていたり、色々なことを起こしていたのが通用しなくなり、自分が目覚めるしかないところに行き着いたのです。私はそう思っています。

今では、Aは小説を書いたりして、自分の専門世界を持って生活を送っていますが、セラピーを受けて2年目にそういう変化が起こりました。

「その後は、どうされたのですか?」

当時私は30歳前後で、トレーニングは30人ぐらいが受けていましたが、その中でセラピストを目指していなかったのは私だけでした。自分のことで精一杯で、自分がセラピストになるとは思ってもいませんでした。

その頃、東京ゲシュタルト研究所では、2年ごとにトレーニング生を募集していました。トレーニングは4月がスタートで、私がセラピーを受け始めたのは5月だったので、最初の2年はトレーニング生にはなれず、その他のクラスを全部とっていました。

2年待って、「やっと入れる!」と思ったら、リッキー先生の気が変わっていて、正式名は忘れましたが、「リビングクラス(生きているということを中心としたワーク)」をやりたいのでそちらに参加してくれと言われました。

「リビングクラス」では、「クラウニング」というワークや、ギリシャ語でセラピーの語源になったアスクレピオスという神殿で行われているようなことをやりました。

結局、4年後にやっと念願のトレーニングに入ることができました。そうして7年間のトレーニングを終えた頃に、リッキー先生は日本から出たいと思われていて、岡田法悦先生・百武正嗣先生の先生であるポーラ・バトム先生を呼ばれたのです。

ところが、多くの方がポーラ先生を慕うのを見て、リッキー先生はやはり日本に残りたいと思うようになり、ポーラ先生に別のところに行ってもらうことになりました。こうしてゲシュタルトの2つの流れができたのです。

最近になって、日本ゲシュタルト療法学会ができて、百武先生、岡田先生、江夏亮先生と私ら皆で日本を代表する学会ができました。

「リッキー先生のアプローチの特徴を教えてください」

ポーラ先生は受容的なのに対し、リッキー先生は陰と陽ぐらい違うタイプで、とても創造的です。

ポーラ先生は、クライエントの後ろからゆっくり受容的について行く、一緒に寄り添って歩いていく感じですが、リッキー先生は、前から創造的なものを提供、提案、関わっていきます。私はどちらからの先生からも学びましたが、リッキー先生からの影響を濃く受けています。

例えば、私は「クラウニング」、ハワイのメソッドを入れた「カフナ・サイエンス」、「男性性・女性性」など、身体を使い、踊りを使い、テーマ性のあるようなものを提供しています。

ゲシュタルトセラピーは、フリッツ・パールズ、ローラ・パールズ夫妻が作り上げたものですが、ローラ・パールズの方が、演劇的、創造的なものを提供される先生で、その流れを汲んだのがリッキー先生です。

ヨーロッパではサージ・ジンジャー先生(昨年没)がゲシュタルトセラピーを大きく動かしている先生ですが、やはりローラ・パールズの流れを汲んでいて、ヨーロッパならではの、オペラを使ったワーク、水を使ったセラピーなどユニークなワークを提供しています。

座って話をするだけではない、全身を使ったワークが特徴になっています。

(次回につづく・・)

守谷 京子(もりや きょうこ)    パーソナルグロース研究所所長
                       日本ゲシュタルト療法学会常任理事

上智大学文学部を卒業後、教育の仕事に携わる。鈴之助ヒューマンポテンシャル研究所を設立し、登校拒否等様々な問題を抱えた小学校から高校までの学生に、学習とカウンセリング、セラピーの同時平行を試み成果を得る。瀬戸内寂聴とラジオで対談。慈恵医大産科、目黒区立中根小学校(P.T.A.)、トランスパーソナル国際会議 (アメリカ) でのセラピー活動等行う。
1989年、セラピーに専念すべく、新たにI.P.G.(パーソナルグロース研究所)を設立する。毎日新聞、サンデー毎日、朝日新聞、関西テレビ、テレビ朝日等から、セラピーについての取材を受ける。2000年、板橋区志村警察署にて、“心理療法による心のケア”を講演。2002年より、企業変革のプロジェクトに講師として参加。現在も各方面にて活躍中。

<守谷京子先生のHP>
【I.P.G.】

<日本ゲシュタルト療法学会のHP>
【日本ゲシュタルト療法学会】

インタビュアー:鈴木明美(すずきあけみ)

鈴木明美

セラピールームChildren主宰、Team Oasis 代表
自分がなんだか分からない。何かやりたいけど、見つからない。
心の悩み、病を抱えた方、自己実現したい方のお手伝いをいたします。

心理カウンセラー、NLPセラピスト、日本ゲシュタルト療法学会・GNJ会員
交流分析士1級、トランスパーソナル学会会員、レイキヒーラー
HP:江戸川区西葛西、セラピールームChildren
ブログ:セラピールームChildren


インタビュアー:前田みゆき(まえだみゆき)

前田みゆき

身も心も魂も輝やくように、いつも笑顔を心がけています。
人とのご縁で、気づかされることが喜びです。

自称 遅咲きさん

コーチングと心と体の健康について、もっか勉強中


インタビュアー:高橋美智代(たかはしみちよ)

高橋美智代

不惑を過ぎてから、心理学を勉強中の身です。
一瞬一瞬を、共に過ごす人々と、大事にして生きていきたいと思う
今日この頃です。

好きな動物:猫
趣味:読書 ピラティス
レイキマスター


インタビュアー:脇坂奈央子(わきさかなおこ 日本メンタルサービス研究所 所長)

脇坂奈央子

『道開きの心理士』 ……本来のあなたの道を開く、お手伝いをします。
ブライアン・ワイス博士直伝の、プロフェッショナル・ヒプノセラピスト。
前世療法・催眠療法を中心に、ニーズに応じた各種心理セラピーを施療。

心理士、認定THP心理相談員、統合心理セラピスト、心理カウンセラー、
米国NGH認定ヒプノセラピスト、認定キャリアコンサルタント、
代替療法セラピスト(レイキティーチャー)
HP:ワイス博士直伝の前世療法・催眠療法・心理療法★ラポール
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