第74回目(3/4) 衛藤 信之 先生 日本メンタルヘルス協会

もう一人の自分がスーパーカウンセラ―になるのが“セルフラブ”

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「御著書の中で“セルフラブ”というのが登場しますが、それについて教えていただけますか?」

カウンセリングされてお感じとは思いますが、「自分が嫌い」という人が多いんですよ。「何で嫌いなの?」と訊くと、「こうなってないから」「ああなってないから」と答えるんですよ。じゃあそうなったら、幸せになれるのか?

いつも、スキンシップが大切だという話をするんです。かまってくれたり、言葉のスキンシップだったり。そのスキンシップを外に求めようとすると、夫は仕事で忙しいとか、その都度ダッチロールみたいに、調子に乗ったり、最悪になったり。人に依存すると相手に支配されてしまいます。

友達も恋人も配偶者も、それも大事ではあるけれど、最高のパートナーは自分です。他人の言葉は無視できるし、布団被ればいいけれど、「もっと頑張れ。もっと有名になれ。もっと働かなきゃ」って、いつも自分を鞭打っている自分の言葉は、否定できない。

いつも鞭打ちながら、「走れ!」って。もう布団被りながらでも鞭打ってるじゃないですか、だから、僕は、まず自分が自分の味方にならないといけないと思います。

「自分を味方にするのですね?」

よく冗談で、「もう〜、今日はホテル帰ったら、“セルフラブ”しますよ」と言うんです。

「この白けたムードの中で、よく1人で頑張って喋ったな。普通あれだけ喋ったら泣くぞ! でも最後まで2時間よく喋り続けた。素晴らしい。もう完璧だよ!」
「でも、何人かボーっとしてた人がいたよ」
「いやあれは、あまりに感動しすぎて言葉が出なかったんだな」
「そうかな?」
「そうだよ!」
「何人か救われたかな?」
「救われたさ・・・」
「見ていてくれた?」
「あー見てたさー! 俺だもん!」 みたいな感じです。

僕には、「頑張れノブ!」と旗持っていつも応援してくれる『もう一人の僕』がいつもいてくれるから、2〜3人に嫌われたって何とも思わない。皆、応援してくれるもう一人の私を作って、「I LOVE ME」になることです。

だから、僕は、いつも奥様方には、こう言うんですよ。
「ご主人は、家に帰ってきてもお前のせいだと言うし、子どもはいつもやいのやいの言うのに、ハイハイって、あなた良く頑張ってるわね。まあ折檻もしないで、ハイハイって言って子どもの面倒見て、あなたって偉い!!」
「偉いかな? 普通だよ」
「普通ってすごいのよ!!そんなあなたを理解してくれないなんて、夫はどうかしてるわよ!!
 でも、あなたの努力が、いつかきっと夫にも子ども達にもわかるわよ」
「わかってくれるかな?」
「わかるわよ!!」 だから積極的に分裂した方がいいですよって。

自分でコントロールできない統合失調は困るけど、自分でコントロールできる分裂は、必要だと。
僕には、あまりカウンセラーは必要ないというんですよ。

なぜなら僕には、いつも、“スーパーノブ”がいて、
「どうする?」
「お前だって考えてるんだろ?」
「いや、俺は何にも考えてない。今考えてもしょうがないと思ってて。先のことはわからないし」
「そう! 先のことはわからないんだよ。でも、結論出た時、おまえだったら頑張るんじゃないの?」
「そうかな?」
「そうだよ! 今までそうやって頑張ってきたじゃないか。その時のお前は、きっと頑張るよ」
「そうかな?」
「そうだよ!」
「そう思う?」
「そう思うさ!!」 みたいなね。

もう一人の自分がいつもサポートしてくれる。その自分は、何の害もない。絶対誰にも言わないし、いつも自分の細かいところまで見てくれているので、何も説明がいらない。そしていつも元気なんですよ。「お前は、大丈夫。お前は完璧。お前はよくやっている」と。

上手くいかない時ほど、“スーパーノブ”が出てくる。それが“セルフラブ”です。だから、「I LOVE ME」してください。せめて今日帰ったら、「よく頑張った」って、自分でスキンシップしてください。たとえ夫がさすってくれなくても、自分でさすってあげてください。

「自分でスキンシップするのですね?」

小さな努力や小さな我慢、あなたの努力を一番知っているのは、自分ですよね。それを誰かにわかってもらいたいとか、「私がこんなにやってるのにどうして・・」とかやりだしたら、状況を間違えたら、うつになります。その時には、私だけは知っているって“セルフラブ”します。

全ての人と死をもって分かつけれども、自分とは一緒に行くんですよね。最終的に自分と一緒に墓に入ってくれるのは、もう一人の僕なんですね。こいつとは一生付き合っていくし、ちっちゃい時からずっと一緒だったし。

僕は、母が亡くなって、ノブが可哀想って言われた時に、子どもながらに、「お前の泣き方ちょっとかっこいいよ」とか言っている冷めた自分も知っているんです。その時はそれがすごくいやだった。泣いてる時に、その泣き方がかっこいいかどうかなんて見ている自分が何でいるんだろうと。

でも、あの時はその自分を作るしかなかったんだろうと思うし、そして、最悪の悲しみにいる時も、「今は泣いてるけど、いつか泣いてない時が来るよ」と言ってくれる冷めた自分がいて、今そいつと友達になると、結果的に助けてもらったかと思う。

「それは、自己信頼クンですよね?」

そうですよね。自己信頼クンですよね。だからそうやるようになってから、僕は人に頼らなくなった。それは、人を信用していないのではなくて、「己こそ己の寄るべ」って言ったらお釈迦様の言葉ですが、究極は、自分が自分をサポートしてるということですね。

それがついた時に、「あの人が…、この人が…」というものから離れて、初めて、「I LOVE ME」で。僕はそれで、結構、うつの人を治してきました。

うつの人の特徴は、「自分が嫌い」。「何で?」って訊くと、「ああなってないから」、「こうなってないから」。でも、もう一人の自分を作って、「そうなってる時も大事なのよ」とか、「よくやってるよ。あれはすごい!!」とか言って、自分で自分をサポートするんです。

こういう人間を作った人は、本当に強い!! だから僕は、それでうつを治して、「衛藤のセルフラブ療法は、すごく効果あるからやったらどうですか?」って言われるようになったんですよ。

困った時には、“スーパーノブ”を引っ張りだして、自問自答して、ゲシュタルトのエンプティチェアーを自分で役割交換してやって、それで乗り越えてきたという、過去の実績もある訳でしょうね。

「だからきっと未来もお前は頑張るよ! そこまで背負込むことないんじゃない?」って、もう一人の自分がスーパーカウンセラ―になるのが、“セルフラブ”という概念ですね。皆さんがやってることを、ゲーム化するのが好きなので。


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「自分が自分のスーパーカウンセラーになるというのは、解決への第一歩になりますね?」

そうですね。それで助かったという人は、受講生でも多いんですよ。

批評は誰でもしてくれます。だから、自分まで批評家にまわる必要は全くない訳です。せめて自分だけは、自分を認めましょう。もちろん何も努力しないで「私は最高」と言っていたら、これはナルシストですよ。「あるがままではなくて、それは、ワガママですから」といつも言うんです。

努力してやったけれど結果が出なかった時、「頑張ったよね。こっちは違うんだということを、学べたことだけでもすごいよ」って言ってくれる人は、自分しかいない。これは、誰もコントロールできない。

自分で自分の自己信頼を拡張する。そのためには、積極的に統合失調を目指せ!と言っています。それができないから、自分でコントロールできない人が現れて、自分を翻弄させちゃう。だから、自分で捕まえておかないと。それが自我を強化する。

これを強くするためには、自分がこの二人のやり取りをコントロールして、ゲーム化をして楽しむ。そういうトレーニングをし始めると、絶対に統合失調症にならない。後は、どれだけ自分の中で、モデリングするかということです。

理論理屈はイメージしにくいけど、僕が「こうやってますよ」って話すと、「へー。そういうゲームか!」って感覚で、「じゃあやってみよう」となる。ただ、これをやるには、カウンセリングの技法を身につけていた方がいいですよね。すぐ、“スーパー私”がカウンセラーになってくれるから。

「それは、最強の味方ですね?」

そう。自分でベーシックトラストを獲得しちゃうと、他の人に依存しなくてもいい。

株でも一点買いはリスクが大きいので分散買いを勧めますよね。友達も分散。他の友達とか勉強会とか、いろんな世界をもつことですね。恋人ができると友達をみんな切っちゃって、恋人と別れたとたんに失速状態になる人がいますが、分散する。

そして最終的には、究極のサポーターは自分。そういうことをやっていけば結構楽しくなります。「あんな砂漠みたいなところで、インディアンと暮らすの不安じゃないですか?」って、アリゾナに行く前に訊かれたんですが、「ウッソー! 俺が行くのに。俺が付いているんだよ!」と。

僕に対して“スーパー衛藤”はすごく優しいの。「きれいな景色だなー。今頃みんな仕事してるぞー。でも、一年ぐらいいいよ。たまにはこういうことも必要だ。帰ってから頑張ればいいよ」と。だから、帰ってから、死に物狂いで頑張りましたし。

そうやって“セルフラブ”を作ると、もう何がどうであっても大丈夫。そうしたら、「あなたはあなた。私は私」というのが、さらっと言えますし、きれいにグッバイできます。

GOOD BY というのはGOD BY:神のそばに、神が私についている。それは、統合された自分は神の一部ということ。それを物質やお金に分散するから、それがないと統合できないとなっている現代社会の人達を救わないといけない、というのが僕らが目指していることです。

「まず自分を満たしておかないと、他の方とのいい関係を作れないですよね?」

そうですね。ただ、ここではいいのですが、「僕には僕がついているんで」なんてことを言うと問題があるので、他ではあまりアピールしないようにとは言っています。心の底では、「私がいるから」と思っても、それはTPOに合わせて言うというのも自己管理ですよね。

外を見る眼は、二つ。第三の眼・悟りの眼は、自分を見つめる眼なんですよね。もう他人を見る目はずっとやってきたでしょうから、これからは自分を観る。自分の嫌な面やダメな面も観るかもしれないけど、それを一旦吐き出して統合させないと。そして、新たな自分に生まれ変わる。

そのための第一歩と思っていただければ。そのためのカウンセリング教室と思っていただければと、今、やっているんです。

(次回につづく・・)

衛藤 信之(えとう のぶゆき)    心理カウンセラー
                       日本メンタルヘルス協会代表

日本で従来行われていた理論中心の心理学に代わり、誰でも日常生活に役立つ実践的プログラムを開発。その軽快な語り口は心理カウンセラーの枠を越え、まるで役者のライブのような臨場感があると評判になり、現在、日本一企業顧問数の多い心理カウンセラーとして、多くの人がより自分を輝かせる心理テクニックを教えている。
2001年に約8ヶ月間ネィティブ・アメリカンと生活を共にし、その自然観や伝統儀式に参加し、日本社会が失ってきた人間本来の「心の豊かさ」の真髄を心理学的見地から会得。帰国後、さらに学歴・地位・名誉・権力にとらわれることのない人間関係の創生を目指し、現代の日本に一石を投じるべく新たなメッセージを伝え続けている。

<衛藤信之先生のHP>
【日本メンタルヘルス協会】

<衛藤信之先生のブログ>
【衛藤信之のつぶやき】

<衛藤信之先生の著書>
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今日は、心をみつめる日。


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幸せの引き出しを開ける こころのエステ 夢をかなえるカギはあなたの中にある


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イーグルに訊け―インディアンの人生哲学に学ぶ


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上司の心理学―部下の心をつかみ、能力を高める

インタビュアー:前田みゆき(まえだみゆき)

前田みゆき

身も心も魂も輝やくように、いつも笑顔を心がけています。
人とのご縁で、気づかされることが喜びです。

自称 遅咲きさん

コーチングと心と体の健康について、もっか勉強中


インタビュアー:高橋美智代(たかはしみちよ)

高橋美智代

不惑を過ぎてから、心理学を勉強中の身です。
一瞬一瞬を、共に過ごす人々と、大事にして生きていきたいと思う
今日この頃です。

好きな動物:猫
趣味:読書 ピラティス
レイキマスター


インタビュアー:古武家真美(こぶけまみ)

古武家真美

心理学とカウンセリングを勉強中。
自分らしさを探す旅の真っ最中です。

学生の悩みに手紙やメールで答えるVFM東京でも活動しています。


インタビュアー:脇坂奈央子(わきさかなおこ 日本メンタルサービス研究所 所長)

脇坂奈央子

『道開きの心理士』 ……本来のあなたの道を開く、お手伝いをします。
ブライアン・ワイス博士直伝の、プロフェッショナル・ヒプノセラピスト。
前世療法・催眠療法を中心に、ニーズに応じた各種心理セラピーを施療。

心理士、認定THP心理相談員、統合心理セラピスト、心理カウンセラー、
米国NGH認定ヒプノセラピスト、認定キャリアコンサルタント、
代替療法セラピスト(レイキティーチャー)
HP:ワイス博士直伝の前世療法・催眠療法・心理療法★ラポール
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