第72回目(2/4) 大杖 正信 先生 アチーブメント

家族は最小単位のチーム。ファミリーミッションを持つといい。

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「他者を変えることは可能でしょうか?」

ある意味可能です。脅すとか、責める、批判する、恐怖を与えることで、その瞬間は人を変えることができます。でも継続はできないんです。人を脅して言うことをきかせても、その後の関係は壊れますから、長い目で見たら、変えるのは難しいです。

自分は変えられるけれど、人を変えることは難しい。脅しや批判で人が変わって見えても、相手は振りをしているだけであって本心からではないので、関係が壊れたらそこで終わってしまう。本質的な解決にはなっていないと考えます。

「いい関係性を築くために大事なことは何だと感じてらっしゃいますか?」

まずお互いが、違いを超えていい関係を築くことができるという信念を持つことです。意見が違う、性格・個性が違うから無理と考えるのではなく、お互いの違いを尊重し合えることができたら、1+1が3以上になりますから。

自分の意見と異なった考えを、どこまで受け入れられるか、どこまで尊重できるか、どこまで感謝できるかによって変わると思うんです。誰に対しても否定・批判でなく、まず相手の考えを受け止める。そこから何か新しい発見があるかもしれない。

受け入れ方のレベルを上げていくことが、人間関係のひとつの突破口だと思うんです。

人はどうしても自分の考えを正しいと思いますから、意見が同じ時は「そうだ、そうだ」と盛り上がれるんですけれど、違ったら「それは違う!!」となってしまう。そうなると、違うことイコール間違っているとなってしまうので、相手は否定されるので気分が悪いですよね。

考え方が違っていてOKなんだ、という発想ができれば、意見が違っていても歓迎できるという考えでいられます。そうすると人間関係能力がかなり上がっていきます。

「人を信頼することについては、どのようにお考えですか?」

自分にとって一つの大きなテーマだと考えています。殆どの人が他人を信頼しないのは、自分を信じきれていない、自己信頼が弱い結果だと思うんです。


過去の裏切られた経験等に引っ張られていると、前が見えませんから、まず過去でなく未来を見る。

そして自己信頼をどうやって上げていくか。自分との関係が原点なので、自分との関係をもっと見つめて深めていく。自己承認・自己信頼を上げていくことができれば、その結果、他者信頼もついてきます。ここは相関関係があると思うんです。

小さいことからでも「私もできるんだな」という自己信頼が増えてくると、自己概念が上がってきますからね。

多くの人は、自己信頼が弱いのに他者からの信頼を求めていて、それは無理があるので、どうしても噛み合わなくなってしまうんです。いくら他者から承認されても、自分が自分を承認していない訳ですから、根底が弱いんです。

「自己信頼についても、信頼できないのではなく、信頼することを選択していないと言えますか?」

そうですね。過去に受けたネガティブなメッセージ、過去の情報からくる思い込みを一旦外して、自分を探求していく、そして自分の強みを発見していくことが大事だと思います。

弱点や欠点は事実でなくて解釈ですから、発想の転換ができるはずなんです。何歳からでも自分に対する概念を見つめ直して、自己承認・自己信頼を高めていく。ここがスタートラインという感じがします。

まず、自分のことを受け入れてあげる、認めてあげる。そこから始まっていくと思うんです。それも選択ですね。ただ、9割近くは無意識なので、自分で選んでいるという実感がないと思います。

それでも選んでいるんだという見方をすると、自分が選んできたし、選んでいるのだから、これからも選んでいける、じゃあ在り方や捉え方を変えればいいのかな、となります。

そのためには、自分は何を選んでいるのかに気づかないと。気づくと、人は変わるチャンスが生まれてきます。気づきは大事ですね。

「自分のこれまでの選択を振り返ることは必要でしょうか?」

セミナーの中でもやります。ワークの中で過去を振り返る。内なる会話、頭の中のつぶやきに注目していくと、自分のことをこんなにマイナスに見ているんだと気づきます。そこから、これからどうしていこうか、と考えるわけです。

私達は、普段ほとんど気づいていない。人は気づくと、それまであったことをやり続けるのか、変えるのかを自分で考え出すんです。

私は、受講者に気づきを与える責任があると思うんです。私が指摘したり批判するんじゃなくて、参加者が気づきを得られる場を提供するのが、私の役割と思っています。

人は気づいたら、放っておいても自分でどんどん行動しますから。私達は気づくと、やり続けるか、変えるかを自分で考えるので、自分が本当はどうしたいのか、そこで自分で再選択できる。それが変化につながっていくんです。

意識していないかもしれませんが、人生は選択の連続です。未来も今からの選択で変わるので、自分の選択の基準や拠り所を見ていただいて、何を優先してきているのか、気づいてもらう。

「先生の現在の講座は?」

殆どがビジネスマン、経営者対象のマネジメント研修。リーダーシップ関連研修、チームビルディングが多いです。企業向けの研修が7〜8割を占めます。その他に一般公開コースもあります。

最近の傾向で一番感じるのは、女性の意識が高い。男性は元気がない。男性は疲れてるんですかね。いろいろな原因が考えられますが、思うようにいかなかったり、自信をなくしていたり、どこかで限界を感じているのかもしれません。

女性の向上心は強い。求める心が強いです。本当に自分を変えていこう、もっと良くなっていこうというエネルギーは女性がより高いですね。一般公開コースは、今は女性が多いです。


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「家族を、チームとして捉えることはできますか?」

できますね。家族は最小単位のチームです。

チームビルディングの研修で、私が「あなたの家族はチームになっていますか?」と聞くと、グサッとくる人が多いようです。会社では「チームだ!」と言っていても、お父さんとして自分の家族をチームにすることにあまり関心のない人が多いです。

家族が自分のチームという発想になっていない。でも考えたら、皆そうだな、と納得するんです。自分が長として、奥さんがいてお子さんがいて、家族があって、どのぐらい目的を共有できているか、どのぐらいお互いに信頼し合っているか、どのぐらいビジョンがあるのかと。

私が尊敬するのは、仕事だけでなく家族も両方いい関係性を持っている人です。研修で私がよく言うのは、「いかなる社会的成功も家庭の失敗を償えない」という言葉です。「どんなに会社で偉くなっても、あなたの家族を幸せにできなかったらどういう人生ですか?」と言うんです。

口では家族が大事だと言いながら、結構大事にしていないことが多いですから。「大事にしています」と言う人でも、家族との時間を取っていなかったり、会話がなかったり、一緒に楽しんでいなかったり、ワーッと怒鳴ってしまったり。

私の研修を受けた方は、仕事だけでなく自分のプライベートにも価値を認められます。「これは家で使えます」と言う人が多いんです。「仕事だけではなく、家庭と両方を成功させてください」という私のメッセージが込められているので、これは響きますよ。

「家族というチームを良くするために、大切なことは何だと思いますか?」

同じ考え方で、家族としての共通の価値観を持った方がいいんです。どういう家族にしたいかという理想やビジョンをお互いに作っていったり、そのことを常に分かち合ったりです。

そういう、全員が納得・同意するような理念を持つことで、皆がそういう家族になりたいと合意しますから、そこから常に出ると思います。

気分や感情でやるのではなくて、自分達が作った理念から見たらどうだろうかという、共通のファミリーミッションを持った方がいいと思います。

そうすると、例えば子どもが理念に反したことをやった時に、「理念に合ってないよね」って言えますから。本人も自分で作ったミッションに合っていない訳ですから、自ずと自己評価が起きてくるんです。


一方的に親が評価するのではなくて、本人が自分で評価できるような基盤ができるので、いいと思います。

それプラス、一方的にならないで話を聴くとか、家族の関係が良くなるようなコミュニケーションを取ることです。逆に、やったら家族のコミュニケーションが悪くなるような態度は取らない。

「良いコミュニケーションのポイントは何でしょうか?」

単純に言えば二つです。「自分がされて嫌なことはしない」「自分がして欲しいことを人にしてあげる」黄金律です。これができれば、本当にうまくいくんです。

現実には中々そうはいかないですが、そこは常に学びです。それを知っていると振り返ることができて、自分で気づくと思うんです。何度も「あーあ。しまったな」と気づいて、また変えようとする。お互いが、そうやって自分を変えようとする姿勢を出すことが大切です。

親も自分を変えようとしている、もっともっと良くなろうとしている、ということを見せていくことがいいと思うんです。

「親自身が成長していこうとしている姿勢を見せるということですね?」

そうですね。謝るとか、ちゃんと説明して。こうなっていきたいんだけど、こうなってごめんねとかね。

親も1人の人間として、「いい親になっていきたい。そういう家族を作っていきたいと自分は努力しているんだよ」ということを行動によって見せていかないと、「なんだ。やってないじゃん」ってことになってしまいますから。

中学校に行ったら、子どもであっても子どもではないので、人間と人間の関わりになってきます。誰に対しても同じです。親だから子どもだからと枠をつけないで、誰に対しても一貫性を持った方がいいですよね。

「弱い部分や未熟な部分を子どもに見せてはいけないと、繕おうとするのは逆効果なのでしょうか?」

僕はできるだけ、子ども達に「正直になっていいんだよ。本音を語っていいよ。弱いところを見せても全然問題ないよ」と、言ってるつもりですし、そういう家族を作っていこうとしているんです。

時々、言えなかったりすることもあるようですけれど、そうするとまだまだオープンになり切れていないのかなという親としての反省点もあります。自分の関わり方がそういうことを作りだしている訳ですから、何を変えればいいのかとか考えます。

子どもを通して親自身が学べるということです。

「弱さは出してもいい?」

OKですね。家庭で出せなかったら、どこに行っても出せないでしょう。家庭の中で自分をオープンにしていいという機会を作ってあげないと、休まらないですよね。それは、もう基本です。

親自身が、家庭ではオープンにしている事を見せると、子どもにとってもオープンにしていい場所だとなるんです。

子どもがオープンにしてきた時に、「ダメだ!」と頭ごなしに叱らずに、受け入れるとか、聴いてあげるとか、表現していいんだということを表してやると、子どもも安心します。僕自身子どもにも、「完璧じゃないからごめんね」と言ったりします。僕は正直でオープンが好きなんです。

打ち明けますと、私の実の4人の子ども達は成人して独立していますが、再婚して、人生50過ぎにして新たに2人の子ども達を授りました。4人とは全く違うタイプの2人の子どもを通して、日々訓練というか、成長のチャンスをいただいているということで、感謝しているんです。

私自身は、子育ては究極の人材育成だと思っています。どうしても、「親だから」となるじゃないですか。それをどこまで脇に置いて、人間としてコーチになれるか、これは深いテーマです。

(次回につづく・・)

大杖 正信(おおつえ まさのぶ)  アチーブメント株式会社 エグゼクティブトレーナー
                       米国インスケープパブリシング社認定DiSCトレーナー

1951年生まれ。大阪府出身。
1976年から外国語教育機関に勤務。スクールマネージャーとして、マネジメントおよび営業管理全般に携わる。1987年から米国系教育機関に勤務。国内、米国、香港で研鑽を積み、大阪センター・マネージャーの他、シニアトレーナー、トレーニング部門マネージャー等を歴任する。
1993年、プロ教育訓練コンサルタントとして独立。1994年から販売・マーケティング企業に於いて組織開発および営業プロジェクト・コンサルタントとして、また代理店・販売店のコーチとして、現場の指導、育成に取り組み、業績向上に大きく貢献する。
現在、アチーブメントのエグゼクティブトレーナーとして、プログラムの開発をはじめ、製造業、通信、保険、外食、通販、商社、燃料、化粧品、製薬、IT等の大手企業、大学を対象に、管理者研修、マネジメント研修、コーチング研修等を行い、2011年の研修日程は206日、リピート率100%。これまでに研修を提供した受講生は延べ14万名を超える。

<大杖正信先生のページ>
【大杖正信 アチーブメント株式会社】

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もうひとりの自分と出会う50のエンパワーメントメッセージ

インタビュアー:鈴木明美(すずきあけみ)

鈴木明美

セラピールームChildren主宰、Team Oasis 代表
自分がなんだか分からない。何かやりたいけど、見つからない。
心の悩み、病を抱えた方、自己実現したい方のお手伝いをいたします。

心理カウンセラー、NLPセラピスト、日本ゲシュタルト療法学会・GNJ会員
交流分析士1級、トランスパーソナル学会会員、レイキヒーラー
HP:江戸川区西葛西、セラピールームChildren
ブログ:セラピールームChildren


インタビュアー:前田みゆき(まえだみゆき)

前田みゆき

身も心も魂も輝やくように、いつも笑顔を心がけています。
人とのご縁で、気づかされることが喜びです。

自称 遅咲きさん

コーチングと心と体の健康について、もっか勉強中


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高橋美智代

不惑を過ぎてから、心理学を勉強中の身です。
一瞬一瞬を、共に過ごす人々と、大事にして生きていきたいと思う
今日この頃です。

好きな動物:猫
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古武家真美

心理学とカウンセリングを勉強中。
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脇坂奈央子

『道開きの心理士』 ……本来のあなたの道を開く、お手伝いをします。
ブライアン・ワイス博士直伝の、プロフェッショナル・ヒプノセラピスト。
前世療法・催眠療法を中心に、ニーズに応じた各種心理セラピーを施療。

心理士、認定THP心理相談員、統合心理セラピスト、心理カウンセラー、
米国NGH認定ヒプノセラピスト、認定キャリアコンサルタント、
代替療法セラピスト(レイキティーチャー)
HP:ワイス博士直伝の前世療法・催眠療法・心理療法★ラポール
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