第71回目(2/4) おのころ 心平 先生 自然治癒力学校

病気になる理由もあれば、治る理由もある

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「内弟子になって、どんなことから始められたのですか?」

最初はお手伝いをしながら仕事を覚えさせてもらいました。兄弟子と一緒に、師匠の運転手をしたりお付きをしたり。その合間に、朝早くや深夜に勉強していました。全くの素人だったから、3年間くらいは大げさでなく睡眠時間3時間でした。

当時、僕はカウンセリングに関して、知識も経験もありませんでしたが、そこは、「梁山泊」という感じで、色々な人材が集まっていたんです。外科のお医者さんの2階を間借りして代替医療を推進しているところで、鍼灸師がいたり、整体師がいたり。

当時まだそんなに流行っていなかったアロマテラピーも治療家がたくさんいました。機器を使った療法や、エネルギーセラピーもあり、病院ではなかなか病気が治らないという人達にいろんなアプローチで治療する、そういうところだったんです。

とにかく身体と心を勉強して、心理学的なアプローチとか、いろんな代替療法があること、基本となるのは生理学・解剖学で、これは本当にちゃんと勉強しなきゃと。

でも、師匠は「現場が大事だからまず現場に出ろ」と言う訳です。僕は現場に行くほど知識もないし、人生経験もないしとウダウダ言っていたら、「本当にやる気あるの?」「いろんなものを捨ててここに来たんでしょう。何で現場を見ないの?」と一喝されました。

「現場主義の方だったのですね?」

ごもっともですよね! 若いとか知識がないとかは理由にならない。知識が無ければ知識をつければいいんだと。重病な患者さんが多かったから、とにかく失礼がないようにと、糖尿病の仕組みや膠原病の仕組みを勉強しました。

最初のお客さんは全身性エリテマトーデスという膠原病でした。よく知らないから、「免疫を上げていきましょう」と言ってしまって。後になってみると、膠原病は自己免疫疾患だから免疫を上げてはいけなかったんですね。そういう恥ずかしい経験もしながら勉強を重ねていきました。

お客さんは師匠がいっぱい引っ張ってくれたから、すごく恵まれていましたね。勉強と実践とをやりながら、1年に1500人くらい診ました。

医学的・解剖学的・心理的アプローチ、いろんな方法で、心のアプローチや生活習慣改善プログラムを出しながらやっていたんですが、何だか結構人気者になって、指名が来たりして、歩合制だったけれど月100万くらい稼いだんですよ。

ところがうちの師匠が厳しくてね。給料制にするって言って25万になっちゃって。でも、師匠にはすごくお世話になりました。厳しかったし、いろいろむちゃくちゃする人だったけれど、すごく学びになりました。そして4〜5年後、結婚したのを機に大阪で独立開業することになったんです。

「その時はセラピーが中心ですか?」

そうですね。分析してカウンセリングする、という感じでやっていました。

その時に、庇護の下でやっていたと思い知りましたね。師匠の名の下で仕事をやっていたからお客さんが来ていた。指名されていたから開業できる、お客さんもついてきてくれるだろうと思っていたけれど、現実はそんなに甘くはなかったですね。その時期は経済的にも苦労しました。

「それは集客で苦労なさったのですか?」

開業後、半年間お客さんが来なかったんですよ。自分の実力をうぬぼれていたなと思って。自分のカウンセリングで難病も治ったし、心と身体のマッチングってすごいと思っていましたから。治療家としては天狗になっていた時期でした。

ビギナーズラックじゃないけれど、治る時期ってあるからたまたまそういう機会だっただけで、全てが全てうまくいく訳じゃないんですよね。それで開業後に、心と身体の関係をもっと深く知らなきゃいけないなと、ちょうどお客さんもいなかったので、いろんなところに勉強に行きました。

まず僕には思想とか哲学が足りないと思って、いろんな宗教団体に学びに行きました。入信の洗脳が掛かった時点でぱっと抜ける、ということをしながら、いろんな新興宗教に行った。

あとは右翼団体・左翼団体。右寄りはいけない!などと言われても、自分には何がいけないのか?わかっていない。だから自分が本当に行って確かめないと、ということで行って勉強したんです。右も左も経験しないと中庸というものがわからない。それは良くないなと思って。

カウンセリングしていると色々な思想の人が来る訳ですよ。宗教を大事にしている人も来るんです。それを自分の狭い価値観で判断してしまうと、その人の心が分からないんですよね。自分も経験してみて、「ああそうなんだ。だからそういう考え方になるんだ」と分かるんです。

当時は、そういうことをやりながら、経験を通じて色々な考え方があるんだというのを学ぶ時期にして、自分の思想固めをしていきました。その時収益は全くなかったですが、それで度胸がつきましたね。

色々なところに行って街宣活動もしたし、ビラまきや街頭演説もやったりして、いい経験でした。そういうことで学ばせてもらったのが、僕にとってはすごく財産になっています。

「先生は、病気をどのように捉えていらっしゃいますか?」

クライアントさんの身体に学んだのが18年間で2万件くらい。ケースも様々なクライアントさん一人一人の症状や心に向き合っていくうちに、僕は病気というものを否定できなくなってしまったんです。

病気は悪いものだと世間一般には言われているけれど、そうならざるを得ない過程を経て、今の病気というものがある。そう考えると病気も人生における貴重な体験ですよね。家族の病気でも本人の悩んでいる症状にしても、理由のない症状や病気は無いんですよね。

自分があの時なぜ病気になったのかということを振り返って考えてみても、そうだったと思ったんです。辻褄の合う説明ができるようになったんですね。あのタイミングで、釜本選手の励ましで治ったということは、帳尻が合うなと思ったんです。

つまり病気になる理由もあれば、治る理由もあるんですよ。その理由に本人が深く気づいて、自分の力で治すと、再発しない治り方をするんですよ。だからその治る理由を一緒に考えようというカウンセリングを始めるようになって、今に至るんです。


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「心理療法としては、どんなものを学ばれたのですか?」

ゲシュタルトセラピーや、アーノルド・ミンデルという元々物理学者だった人のワークショップを中心に学びました。視点を切り替えるというのがあって、ミンデルは特に身体の気持ちになるんです。「膝の気持ちになって発言してみて」とか。

あと実践心理学で、チャック・スペザーノのビジョン心理学を学びました。チャックのお弟子さんから、心の三角形のサイクルを学びました。

病気にも治るタイミングがあります。三角形のデッドゾーンにある場合には、なかなか治癒が進まない事もある。その人が今治る時期なのかどうか、どういうサイクルにいるのか・・・ということを知ることは、とても実践的な学びになりましたね。

「先生のカウンセリングの特徴はどのようなところにあるのでしょうか?」

「現場に通用する」ということ!


治療家としては、ある程度確固たる自分の考えを持つのは大切だと思っています。しかし、時に陥りがちで気をつけなくてはいけないのは、自分の論理に個別のケースを当てはめようとすること。そうなると、自分の論理の正当性を、クライアントさんで確認しようとするんですね。ですが、自分の論理が正しいとは限らないんですよ。みんな違うんです。

思いがけずうまくいくケースもありますが、今日はイケる!と自信があったのに、全然イケてなかったり。その時その時で違うし、クライアントさんとの相性もあるんですね。全てにおいて100パーセントの治療法、絶対の治療法というのは無いと思っています。

僕には、治療家として積み重ねてきた知識・経験がありますが、「僕」という個性もあります。それがクライアントさんの個性とうまくマッチしたときに、初めて癒しというものが起こってきます。

無理やり頭で理解しようとする治療法では、どこかに無理が生じる。たとえ治ったように見えても、根本的な部分は未解決だったりするんですね。

柳生新陰流というものを習ったことがあります。間合いを取り、全体の中に個を見るということをするんですね。カウンセリングも同じで、クライアントさんの全体を見ながら、色々な要素でその人に見合った情報提供をしたり、間合いをチョイスしたり、相手に一番合うセラピーをしています。

「治す、ということについてはいかがですか?」

僕は、「治す」ということの意味がわからなくなった事がありました。治すということに意味があるのか、判断がつかなくなってしまったんです。最初は「治さないといけない、僕の治療で治らないといけない」というぐらいのつもりでやっていたんですが。

ある時、白血病のクライアントさんいて、2年後の生存率がほとんどないと言われる程難しいと言われていたにもかかわらず、カウンセリングしているうちに治ってしまったのです。でもね、せっかく治ったその2年後に交通事故で亡くなってしまったんですね。あの時は、もう自分が何をやっているのかわからなくなってしまった。

何かアプローチすれば治ったように見えますよね。癌だって退縮する可能性があるし、僕が何もしなくてもその人のタイミングで治ったりするケースもある。僕はそれを少し早めることは可能だけれども、最終的に治るか治らないかは本人が決めることだから。治すということの意味があまりわからなくなってしまったんです。

「では、先生が大切になさっていることは何でしょう?」

治る治らない以上に大切なのは、その人が幸せかどうか、自分の人生はこれでOKだと思えているか・・・ということなのではないかと思うようになったんです。それからは、クライアントさんが、僕と出会えて「自分の人生をちゃんと見ることができた」と言ってもらえるかどうかを基準に置こうと思ったんです。

それでそういうカウンセリングをやり出したら、その方が治る確率が上がりました。治すことを目的としたら欲も出るし、緊張感が生まれますね。その緊張感は、残念ながら免疫力をダウンさせてしまう。

たとえ癌だって幸せになれるんです。末期癌だってその瞬間は幸せになれる。それを優先するようになっていくと、だんだん「そういうカウンセリングがいいね」と言ってくれて全国から人が集まるようになって、月に200人くらい診ましたね。

そんな感じで果敢にがんばってきましたが、20代30代は体力的な問題も出始めました。癌の人のカウンセリングをする時に、身体を通すから・・・。

「身体を通すというのはどういうことでしょうか?」

表現が難しいんだけど、リーディングという手法を使っているんです。「相手の身体の情報と共感する」ということをやっているうちに、相手の情報が僕の身体に入ってくるようになりました。トランスパーソナル心理学を勉強した時にそれに気づいたんですけれど。

だから癌も情報としては経験しているんです。僕の身体はそんなにたくさんの病気を経験したかったのか、という感じなんですね!

身体を通した上でクライアントさんが持っている抵抗がどういうものかを心理的に観ていく、ということを自分の身体でやっていた。体調を崩すまではいかないけれど、何だかこれは無理だなあと思って、一回絞っていったんです。

「そこで方向転換されたのですね?」

ロシア・東欧の医療器械や分析装置を輸入して、医療機関や大学に販売するというような仕事もしていたんです。そのうちにこの医療の在り方ってどうなんだろうと疑問が出てきました。

カウンセリングやセラピーを使った治療家として、優れた先生方と全国で出会ってきましたが、そういう方は、大抵日陰者だったんです。一方、医療機関で適当にやっているドクター達が成功者って、おかしいんじゃないかという思いが強くなって。

医療に取って代わろうという思いではなく、本当に心ある治療者が、選択肢として適切に治療を施せる環境作りをやりたいと思ったんです。

その際に「代替医療」と言ってしまうと「今の医療はダメですから取って代わりますよ」と受け取られる可能性もあり、それはあまり解決策にならない。そこで、キーワードにしたのは「自然治癒力」。

本来、病気を治す力は自分の中にある。お医者さん以上に頼りになるのは、自分自身であるということ。僕自身、病気が治っていく時に自分の中にスイッチがあると実感した経験から、「自分の中にある治癒力を引き出す為に、色々な治療法があるよ。その選択肢は無限にあるんだ」ということをメッセージとして発信していこうと決心したんです。

自分がどういう形で自然治癒力を発動できるかは、まず自分を知ること。その上で自分に適切な医療者にどこで会えるのか!?しっかり自分でアンテナをはれるようにしていくんです。そうしたら医者や誰かのせいにする訳でも、世間のせいにする訳でもなく、依存がなくなりますよね。

「依存がなくなる・・・」

僕に言わせれば、依存や責任転嫁のない人生は、それで幸せなんですよ。「自分で人生を選択できている」これほど人間にとって幸せなことはないですね。たとえ癌であったとしても「自分の人生を選択しています」と言えている人は幸せだなぁって思うんです。

身体がすごく元気なのに「あいつのせいで」と世間のせいにしている人の方が、余程不幸なんです。心と身体は切り離せなくて、その人自身がよい生き方をしていれば、僕は健康と言って良いのではと思います。

そういうことを発信したいと思って立ち上げたのが、自然治癒力学校です。

(次回につづく・・)

おのころ 心平(おのころ しんぺい)  自然治癒力学校理事長
                         ボディ・サイコロジスト

カラダをリーディングし、そのメッセージを自然治癒力発動と人生を才能化させるスイッチに活かす方法を指導する、異端のプロフェッショナル・カウンセラー。
1971年生まれ。自身、小学校のサッカー少年時代、大病を患うが、当時サッカー日本代表だったある選手のはげましのおかげで九死に一生を得る。このときの「自然治癒力体験」が、のちの人生に大きく影響する。
大学卒業後、ココロとカラダをつなぐ「生命場共鳴理論」を学び、22歳からカウンセラーとしての仕事に従事。以来、カラダに現れるさまざまな症状をその人の「潜在意識の欲求」として読み解く手法が話題を呼び、全国から予約が殺到。18年間で、2万件以上のカウンセリング件数の実績をつむ。
2008年、一般社団法人自然治癒力学校を設立。同理事長に就任。
ワークショップ型のおのころ心平の「ココロとカラダ塾」を全国展開し、カラダのメッセージをハッピーな人生へと変換していくココロの生活習慣指導、月との調和、自然との調和による「自然治癒力スイッチ」の押し方指導などを行なっている。

<おのころ心平先生のブログ>
【ココロとカラダの交差点】

<自然治癒力学校のHP>
【一般社団法人 自然治癒力学校】

<おのころ心平先生の著書>
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病気は才能


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「きれい」をつくる ココロの処方箋

インタビュアー:鈴木明美(すずきあけみ)

鈴木明美

セラピールームChildren主宰、Team Oasis 代表
自分がなんだか分からない。何かやりたいけど、見つからない。
心の悩み、病を抱えた方、自己実現したい方のお手伝いをいたします。

心理カウンセラー、NLPセラピスト、日本ゲシュタルト療法学会・GNJ会員
交流分析士1級、トランスパーソナル学会会員、レイキヒーラー
HP:江戸川区西葛西、セラピールームChildren
ブログ:セラピールームChildren


インタビュアー:前田みゆき(まえだみゆき)

前田みゆき

身も心も魂も輝やくように、いつも笑顔を心がけています。
人とのご縁で、気づかされることが喜びです。

自称 遅咲きさん

コーチングと心と体の健康について、もっか勉強中


インタビュアー:川崎綾子(かわさきあやこ)

川崎綾子

ゲシュタルト・再決断@府中「座★すわろう会」で活動中。グループの中で
お互いにサポートを得ながら、自分らしく癒されるセラピーをしています。
ペンギン好き。趣味はバレエです。

GNJゲシュタルト療法トレーニングコース修了、日本ゲシュタルト療法学会会員
NPO再決断カウンセリングジャパン会員
矢野惣一問題解決セラピスト養成講座(上級)修了
レイキティーチャー


インタビュアー:脇坂奈央子(わきさかなおこ 日本メンタルサービス研究所 所長)

脇坂奈央子

『道開きの心理士』 ……本来のあなたの道を開く、お手伝いをします。
ブライアン・ワイス博士直伝の、プロフェッショナル・ヒプノセラピスト。
前世療法・催眠療法を中心に、ニーズに応じた各種心理セラピーを施療。

心理士、認定THP心理相談員、統合心理セラピスト、心理カウンセラー、
米国NGH認定ヒプノセラピスト、認定キャリアコンサルタント、
代替療法セラピスト(レイキティーチャー)
HP:ワイス博士直伝の前世療法・催眠療法・心理療法★ラポール
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