第68回目(4/4) 菅原 裕子 先生 ハートフルコミュニケーション

その子なりの幸せは、その子に聞くしかない

インタビュー写真

「どんな方にハートフルコーチになって欲しいというのはおありですか?」

そうですね。子育てだけに自分を縛りつけないで、その体験を活かして、世の中の役に立ちたいと思う人、子どもの心のコーチングで教えていることをそのまま生きているような人達。

自分を愛して、そして生きることを愛して、この世を愛して、そして責任を持って、「あの人のせいでこうなった」じゃなくて、「じゃあ、私に何ができる?」って考えられる、そして、人の役に立とうという想いを持っている人達に私はコーチングをやって欲しいなって思います。

「子育てに悩んでいる方にも、この講座は役に立ちますか?」

子育てに悩んでいる人達が沢山いらっしゃいます。

「子育てが上手にできない…という方は?」

はい。そういう方にこそ学んでいただいています。上手にできる方なんていませんから。ハートフルコーチになる方の第一歩は、「おかしい。なんで?」って問題を抱えている方が多いんですよ。そして、興味を持って、本を読んでいただいて「ああそうか」って。

それで、自分の子育てのやり方を変えていく。「私も悩んだ」というプロセスを自分で持っているので、いいコーチになるんでしょうね。聞くと、「よく頑張っているね」って本当にびっくりするような苦労をしているお母さんは、いっぱいいますもの。

「それがまた、プラスになっていくのですね?」

そうです、そうです。「それ悲惨だよ」って言うと、本人も「悲惨です」って。本当に大変な苦労をしているお母さん達はいっぱいいます。それをただ悲惨で終わらせないで、「じゃあどうしたら良くしていけるかな」って考える。

「鍵を握っているのは私です」って思えれば、いくらでも、その悲惨は悲惨じゃないものに変えられる訳です。子どものせいや夫のせいにしている間は何にも起こらないけれど、「私だ」というところに立てば、いくらでも変えられる訳です。

「それは、きっと種ですよね?」

種です。だから、参加してくださるっていうこと自体が、もうよかったって思える。何とかしたいって思ったから来てくださる訳ですよね。悩んでいるのに来てくださらない方達のところに一番問題はあって、どうやってメッセージを届けたらいいんだろうって思います。

「親の自立についてはいかがですか?」

そうですね。まさにそれに取り組んでいると思います。

例えば、子どもに問題がある時「これ、何とかしよう。何とかするのは私だ。じゃあ、どうすればいいんだろう」って考えますね。でも、何とか自分のやり方でやって、それでもうまくいかないなら、やり方が間違っているかもしれない。

「どこにいけば正しいやり方を教えてもらえるんだろう」って、その意識を持つという事自体が、もう自立ですよね。

ところが、「うまくいかない。もうダメ、私、何ともならない。だってこの子が、あの人が」って言っている限り、問題が解決することはないですね。「私が何とかしよう」と、まずは思う事。それは自分を責めることとは違い、解決が見つかるような自分に成長すること。それが自立です。

「問題を引き受けるということですね?」

引き受けるということです。引き受けて、ずっと自分のやり方でやってきてうまくいってないのなら、ひょっとしたら、もっと上手くいくやり方を教えてくれるかもしれない人のところに行くことです。

「それが選択?」

それが選択です。そこで、いいものを選ばないと。今の世の中、いろんなものがありますから、それを学んでやってみたら、気分も軽いし、子どもにも変化が現われて、「あっ、世の中明るい」となれば、その教えは本物かもしれない。

でも、自分の気分は良くなっているけれど、子どもには変化が現われないとなれば、いくつかより良いやり方を学んでみる必要はあるかなと思います。

「ある程度の年齢になった我が子と接する時に、気を付けることは何でしょうか?」

幼い子どもと接するのと一緒です。ちょっと長めに我慢が必要になるだけで、一緒です。一喜一憂しないこと。子どもの感情的なことに巻き込まれないで待っていれば、必ずうまくいきます。

「遅い、という事はないのですよね?」

遅いということはないです。前回のハートフルコーチ養成講座で、子どもを自立させたいとおっしゃるお父さんお母さんが頑張られました。お子さんは30歳過ぎです。一年かかりましたが、見事に良い方向に向かっています。

「悩みを抱えている方に、先生からメッセージをお願いします」

解決できない問題はないと思います。ただ、問題を一つの大きなかたまりとして見ていると、解決はすごく難しい。問題を切り分けて、これ一つだけなら解決できるかもしれない。このひとつだけなら何とかなるかもしれない。

何か一つだけ解決すれば、それが糸口になって、芋蔓式に変わっていくから、何か一つだけ変えてみる。そして、「これ!」と思ったら、とにかくやり続けること。

特に親子の問題は、親がこれかなって思ってやると、子どもが小さければ小さいほどすぐに子どもに変化が現われます。これがいいかもしれないって思ったら、とにかくやり続けることです。

もう一つは、自分のやり方でずっとやってきて問題が起こっているとしたら、そのやり方では解決できないんです。だから自分のやり方に固執しないこと。もっといいやり方を知っている人に相談してみることだと思います。

誰かに「どうしたらいいんでしょう」って投げかけてみるのも、一歩前進ですね。


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「心の仕事をする方にメッセージをいただけますか?」

私は殊更、自分が心の仕事をしていると思ったことがなくて、何か特別なことではないような気がするんですよね。極シンプルな、とってもシンプルなことだと思います。

例えば心を病んでいる人がいたとしたら、病んでいるから特別な訳ではないし、たまたま今日は病んでいるだけで、それは私が「今日はあまり気が乗らない」って言うのと何にも変わらなくて、気が乗らない私を、「今日は気が乗らないのね」って誰かが受け止めてくれれば、それで息ができる。「でも行かなきゃ」とか「今日は何もしない」って次にいける。

だから、心の仕事をしている人達は、特別なことではなく、まず受け止めるというのが大切かと思います。そのままを受け止められればと思います。できるのはそれぐらいかなって、私はそう思うんです。

私にできることはたいしたことはなくて、ただ「そうだよね」って受け取るぐらいしかできない。でもそれさえできれば、それが素晴らしいことなんです。

世の中に、そのように受け止めてくれる人とか、「おおっ素晴らしい」って言ってくれる人達は、ふとした出会いでいっぱいいるんですよね。

「子どもは、菅原先生にとってどんな存在でしょうか?」

そんなに子どもに対して焦点を当てている訳ではないですが、子どもが幸せな世の中って、良い世の中だと思うんですよ。だから子どもを見れば、世の中が分かる。そう思って、子どもが幸せになるといいなって。

では、子どもが幸せになるためにはどうしたらいいのか。親を幸せにするしかない。どっちが先かは分からないですが、でも、指標は子どもの幸せだと思っています。だから、自殺する子どもがいる間は、まだまだ私達がやらなきゃいけないことはいっぱいあるんじゃないかと思っています。

子どもがその子なりのそれぞれの幸せを生きられたら最高だなと。その子なりの幸せって、本当にその子なりで、親が願う幸せとは全然違うものなので、その子に聞く以外にない。

「子どものすごさに気づいていない親が、いっぱいいるということでしょうか?」

いっぱいいます。

例えば、実家に帰ると、よく姪が子どもを連れて帰ってきているんですね。その子は車が大好きで。田舎なので車は必需品。一人に一台車が置いてある訳ですよ。それで、その子は誰かが出かけないか、乗せてってもらおうと虎視眈々と狙っているんです。

買物に行く時に、その子に聞こえるように「ばあちゃんの車で行こうかな。車の鍵はどれかな」って言うと、3歳になる前から、いっぱいある鍵の中から「これ」って持ってくる。

「ばあちゃんの車はどこかな」って言うと、ばあちゃんの車まで誘導してくれる。5〜6台もある車の持ち主と、その鍵を全て区別している。3歳はすごいな〜って。本当に子どもってすごいですよ。ほれぼれしますね。

「今後の展望を教えてください」

私は企業向けのビジネスは63歳までやろうと思っています。ある会社で、随分長く仕事をやったので、「もうそろそろ」みたいなことを言ったら、「ダメです。63歳までやってください」と言われたんです。その時以来、ビジネスは63歳までやらせていただこうかなって。

63歳になったら、お客様方に「一応これで、引退させていただきたいです」って言おうと思っています。今年、還暦なので、あと3年とちょっとですね。

それ以降は、ハートフルコミュニケーションを世の中に広めたい。ハートフルコミュニケーションをフルタイムにします。日本中に届けようと思っています。

「先生の夢は?」

ハートフルコミュニケーションがなくなるのが一番いいですね。『子どもの心のコーチング』で言っていることが、常識になること。今更そんなことを教えなくても、みんな知っている、当たり前になること。

いずれハートフルコミュニケーションが「昔そういうのあったよね」って、思い出話になるのが夢ですね。


<編集後記>

「夢は、ハートフルコミュニケーションがなくなること」
優しい笑顔の菅原裕子先生から、この言葉が飛び出した時は、
その理想の高さと潔さに、胸を打たれました。

  「子どもには自分で気づく力がある。それを信じること」
  「その子なりの幸せは、親が願う幸せとは全然違うもの。その子に聞く以外にない」
  「本当に子どもってすごいですよ。ほれぼれします」

子どもを信頼し、尊重する気持ちでいっぱいの菅原裕子先生。

その先生の熱意がつまった『子どもの心のコーチング』。
プレゼントとしても大人気というのがうなずけます。
未読の方は、是非、先生のメッセージに触れてください。
きっと、暖かいエネルギーで心満たされることでしょう。

菅原 裕子(すがはら ゆうこ)  NPO法人ハートフルコミュニケーション代表理事
                    有限会社ワイズコミュニケーション代表取締役

社員一人一人の能力を開発することで、組織の変化対応力を高めるコンサルティングを行う。仕事の現場で学んだ「育成」に関する考えを子育てに応用して「ハートフルコミュニケーション」を開発し、全国のPTA、地方自治体、地元の有志主催による講演会で紹介。
また、それぞれの生活の中で、ハートフルコミュニケーションを伝えられるハートフルコーチを養成し、日本中の親たちの子育てや自己実現を援助する活動を展開中。
2006年11月NPO法人ハートフルコミュニケーション設立。行政機関とも連係し、ハートフルコミュニケーションを親たちの日常に紹介しつつ、ハートフルコーチの活躍の場を広げている。

<NPO法人ハートフルコミュニケーションのHP>
【NPO法人ハートフルコミュニケーション】

<菅原裕子先生の著書>
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子どもの心のコーチング 一人で考え一人でできる子の育て方


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子どもを幸せに導く しつけのコーチング


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ひびわれ壺 子育てに大切なことがわかる小さな物語


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10代の子どもの心のコーチング―思春期の子をもつ親がすべきこと

インタビュアー:鈴木明美(すずきあけみ)

鈴木明美

セラピールームChildren主宰、Team Oasis 代表
自分がなんだか分からない。何かやりたいけど、見つからない。
心の悩み、病を抱えた方、自己実現したい方のお手伝いをいたします。

心理カウンセラー、NLPセラピスト、ゲシュタルトトレーナー、
交流分析士1級、トランスパーソナル学会会員、レイキヒーラー
HP:江戸川区西葛西、セラピールームChildren
ブログ:セラピールームChildren


インタビュアー:前田みゆき(まえだみゆき)

前田みゆき

身も心も魂も輝やくように、いつも笑顔を心がけています。
人とのご縁で、気づかされることが喜びです。

自称 遅咲きさん

コーチングと心と体の健康について、もっか勉強中


インタビュアー:川崎綾子(かわさきあやこ)

川崎綾子

ゲシュタルト・再決断@府中「座★すわろう会」で活動中。グループの中で
お互いにサポートを得ながら、自分らしく癒されるセラピーをしています。
ペンギン好き。趣味はバレエです。

GNJゲシュタルト療法トレーニングコース修了、日本ゲシュタルト療法学会会員
NPO再決断カウンセリングジャパン会員
矢野惣一問題解決セラピスト養成講座(上級)修了
レイキティーチャー


インタビュアー:脇坂奈央子(わきさかなおこ 日本メンタルサービス研究所 所長)

脇坂奈央子

『道開きの心理士』 ……本来のあなたの道を開く、お手伝いをします。
ブライアン・ワイス博士直伝の、プロフェッショナル・ヒプノセラピスト。
前世療法・催眠療法を中心に、ニーズに応じた各種心理セラピーを施療。

心理士、認定THP心理相談員、統合心理セラピスト、心理カウンセラー、
米国NGH認定ヒプノセラピスト、認定キャリアコンサルタント、
代替療法セラピスト(レイキティーチャー)
HP:ワイス博士直伝の前世療法・催眠療法・心理療法★ラポール
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