第68回目(3/4) 菅原 裕子 先生 ハートフルコミュニケーション

子どもの気持ちを受け止めることで、子ども自身が気づいていく

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「親子のコミュニケーションで気をつけなければならないことはありますか?」

そうですね。小さい時に、子どもだから分からないと決めつけないことですね。子どもに分かるようにと必要以上に簡単な言葉で話すとか、分からないから話さない、みたいなことをしないで、子どもをきちんと分かる人として会話を持つということが、すごく大事だと思います。

幼稚園の頃から分かると思うんですけれど、小学校に入るぐらいになれば、世の中のことをよく分かっていますから、世の中の仕組みや難しいこともちゃんと教えていくということは、大事だと思います。

ですから、子どもとよくコミュニケーションを取ろうと思えば、親もいろんなことを学んでいく必要があるだろうなと思いますね。それが一つ。

それと、親が一番身につける必要があるのは、子どもの気持ちを受け止めるやり方ですね。それを学ぶ必要がありますね。親と子どもは別の人間で、その子どもの気持ちをすくい取ってあげることが、親の役割ということです。

「気持ちを受け止める?」

子どもが一日いろんな事を体験して帰ってくると、大掃除が必要ですよね。体験した嬉しかったこと、嫌だったこと、疑問に思っていること、ありとあらゆることを時には機関銃のように話すのを受け止めてあげる。その時に、親の考え方と違うことが出てくることがありますよね。

その時に、「それは、そうじゃなくて」と、親が正しい考え方を教えるのではなくて、その正しさって子どもにとっては必ずしも正しくないかもしれないので、子どもの考え方を育てるために、まず「そうなのね」と受け取っていく。

子どもは受け取ってもらえれば、自分を見つめることができますから、自分を見つめて初めて、「自分の考えはそれで正しかったのだろうか?」と、そこで初めて自分の考えに疑問詞が向けられる。

「太郎君は間違っている」「花子ちゃんはあんなことしていけないんだ」とか、自分の考え方を主張した時に、お母さんやお父さんから「そうなんだ。君はそう思ったんだね」って受け容れられて初めて「そうなのかな?」となる。

ところが、親に「そうは言うけど君だって」と言われると、戦うしかないですからね。とにかくまずは、受け止めましょう。親が冷静に受け止めたけれど、これってどうなんだろうと思ったら、そこから子どもと「どう思う?」って、議論すればいいじゃないですか。

「まずは、そのままを受け止める?」

そうです。いかに親がそれが間違っていると思おうと、そのままを受け止める。受け止められれば、例えば、「いけなかったな」と反省もできます。

受け取って貰えなかったら、反省どころか、いかに親に自分を分かってもらうか、「悪いのは太郎君だ」って分かって貰えるようにものすごく力を使わなくてはいけないので、本来自分が学ぶべきことが見えなくなりますね。

そうやって子どもの自分を見る目が曇っていくんですよね。その繰り返しでね。ちゃんと受け止めてもらえば、冷静に考えて、僕が悪かったなって気づきますよ、人間は。

「お子さんに気づく能力があるのですね?」

あります。それが信じられなくて「ここは、私が躾なきゃ」と親が登場してしまうと、そこから話がややこしくなりますね。まずは、お子さんの力を信じること、そこがスタート地点です。

「先生には、師匠という方はいらっしゃるのですか?」

いろんな人に教えてもらって、いろんな本から学んだので、特定の師匠というのは、なかなか難しいですね。

「いろいろな方から吸収し、体験からまとめあげていったということでしょうか?」

そうですね。私が教えている相手から、学ぶ体験もすごく多いんですよ。先程の、娘さんがサンダル履いていくと言い張った話をしてくれたお母さんも、そのお母さんが語る3歳も、私の師匠だし、それこそ、みんな師匠ですね。いろんな方からいまだに教えられます。


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「先生がこのお仕事をされている上で、大事にしていることは何ですか?」

私がこの生活の中で毎日意識して大事にしていることは、笑わないでくださいね、寝ることです。つまりは、いつも自分が元気でいること。健康でいることです。そのために、決して無理はしないで寝ます。

例年5月中旬頃から年末まで、いつ休んだか分からないくらいウィークデイは仕事をして、週末にNPOの活動があって、年内週末は全部埋まっています。そういうスケジュールで動くので、とにかく自分の元気を保つ方法は、毎日ちゃんと寝ることなんです。

他に気をつけていることは、食べ過ぎないこと。食べ過ぎると消化吸収にエネルギーを使って、休養が必要になるので、なるべくそこにエネルギーを使わなくてもいいように、食べることはほどほどに、お酒も飲み過ぎないようにしています。

「NPOの活動は、ワークショップですか?」

1ヶ月間に養成講座の初級が一日と上級が一日ですが、初級は今、東京と大阪でやっていますので、二日ありますね。それからワークショップが、ハートフルコーチのためのいろんな教育プログラムがあって、そして月に1〜2回、講演が週末に入っています。

ウィークデイにも企業の仕事の隙間を開けて、日帰りで行ける範囲なら、講演に行っています。ウィークデイでも一日ぐらいなら行ってもいいという許可を自分に出しているので、週末を含め週3日くらいNPOの仕事をすることがありますね。

「では、ハートフルコーチ養成講座について、教えていただけますか?」

養成講座は、初級と上級があって、初級はハートフルコミュニケーションの考え方を学ぶ場ですね。時間を半年かけます。一回目に行って、その日のカリキュラムを学んで、一ヶ月間家で、子どもと家族との間で実行します。

「ホームワークということですか?」

子どもとの間でホームワークです。ホームワークを持って帰って、そして2回目、次のテーマで一日学習するんですね。そして、一ヶ月間またホームワークです。ですから養成講座は、講座で一日過ごす時間よりも、その間の家族と過ごす一か月の方が実は大事なんです。

何をするかというと、自分を育てることですね。私が皆さんに言うのは、どう子どもをコーチングするかよりも、「子どもをコーチングできる自分を育てよう」ということです。だから、「親の人生を整えていきましょう」というのが、本当はねらいなのです。

ところが親達は「あなたを整えます」なんて言われると嫌なんです。「自分は大丈夫だから、子どもをどうコーチングしたらいいかを教えてください」と思っています。ですから、子どもをコーチングするやり方を教えるふりをしながら、親が人生を豊かにすることを伝えます。

「根底にあるのは、親がどう生きているかなのですね?」

そうです。自分をどうセルフコントロールするかです。最初は子どもに腹を立てて、子どもに向かって罵詈雑言を吐く毎日から、だんだん落ち着いていって、子どもが何をしても落ち着いて対応できるようになる。

子どもに罵詈雑言を吐いているうちはまだいいんですが、もうその気力すらないとかね。すごく大きな問題を抱えているお母さんもいるので、それぞれのテーマに半年間取り組んでいただきます。

上級に進むと、自分のテーマに取り組みながら「人の役に立つ準備を始めましょう」となります。「上級を終えた時には、ハートフルコーチとして世の中に出て行って、提供する側になる可能性がありますよ。それをやっていきましょう」って。上級になるとそちらの学びが始まります。

今、上級を終えた方達の中で、50人くらいが非常に活発にハートフルコーチとして仕事を始めています。

この「子どもの心のコーチング」に興味を持ってくださる方達には、かつて仕事をしていたけれど、今は一旦仕事を辞めて子どもを育てている人が多いんですね。そういう人達が仕事に戻るにあたって、一つの可能性としてハートフルコーチという生き方を選んでいただく。

非常に優秀な女性たちです。一つの会社に就職するという形でなく、要請があった時にハートフルコーチとして仕事をして報酬を受け取る、そういう仕事の仕方もできるんじゃないかと。その一つの可能性を私は提案していきたいと思っています。私の夢の一つです。

ですから、NPOでは人を育てます。そして仕事を作ります。私達が仕事を作るので、仕事をしましょう。「働け〜。子どもにかまけるな。社会に出て行こう!」と言っています。

(次回につづく・・)

菅原 裕子(すがはら ゆうこ)  NPO法人ハートフルコミュニケーション代表理事
                    有限会社ワイズコミュニケーション代表取締役

社員一人一人の能力を開発することで、組織の変化対応力を高めるコンサルティングを行う。仕事の現場で学んだ「育成」に関する考えを子育てに応用して「ハートフルコミュニケーション」を開発し、全国のPTA、地方自治体、地元の有志主催による講演会で紹介。
また、それぞれの生活の中で、ハートフルコミュニケーションを伝えられるハートフルコーチを養成し、日本中の親たちの子育てや自己実現を援助する活動を展開中。
2006年11月NPO法人ハートフルコミュニケーション設立。行政機関とも連係し、ハートフルコミュニケーションを親たちの日常に紹介しつつ、ハートフルコーチの活躍の場を広げている。

<NPO法人ハートフルコミュニケーションのHP>
【NPO法人ハートフルコミュニケーション】

<菅原裕子先生の著書>
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子どもの心のコーチング 一人で考え一人でできる子の育て方


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子どもを幸せに導く しつけのコーチング


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ひびわれ壺 子育てに大切なことがわかる小さな物語


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10代の子どもの心のコーチング―思春期の子をもつ親がすべきこと

インタビュアー:鈴木明美(すずきあけみ)

鈴木明美

セラピールームChildren主宰、Team Oasis 代表
自分がなんだか分からない。何かやりたいけど、見つからない。
心の悩み、病を抱えた方、自己実現したい方のお手伝いをいたします。

心理カウンセラー、NLPセラピスト、ゲシュタルトトレーナー、
交流分析士1級、トランスパーソナル学会会員、レイキヒーラー
HP:江戸川区西葛西、セラピールームChildren
ブログ:セラピールームChildren


インタビュアー:前田みゆき(まえだみゆき)

前田みゆき

身も心も魂も輝やくように、いつも笑顔を心がけています。
人とのご縁で、気づかされることが喜びです。

自称 遅咲きさん

コーチングと心と体の健康について、もっか勉強中


インタビュアー:川崎綾子(かわさきあやこ)

川崎綾子

ゲシュタルト・再決断@府中「座★すわろう会」で活動中。グループの中で
お互いにサポートを得ながら、自分らしく癒されるセラピーをしています。
ペンギン好き。趣味はバレエです。

GNJゲシュタルト療法トレーニングコース修了、日本ゲシュタルト療法学会会員
NPO再決断カウンセリングジャパン会員
矢野惣一問題解決セラピスト養成講座(上級)修了
レイキティーチャー


インタビュアー:脇坂奈央子(わきさかなおこ 日本メンタルサービス研究所 所長)

脇坂奈央子

『道開きの心理士』 ……本来のあなたの道を開く、お手伝いをします。
ブライアン・ワイス博士直伝の、プロフェッショナル・ヒプノセラピスト。
前世療法・催眠療法を中心に、ニーズに応じた各種心理セラピーを施療。

心理士、認定THP心理相談員、統合心理セラピスト、心理カウンセラー、
米国NGH認定ヒプノセラピスト、認定キャリアコンサルタント、
代替療法セラピスト(レイキティーチャー)
HP:ワイス博士直伝の前世療法・催眠療法・心理療法★ラポール
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