第67回目(2/4) 梅本 和比己 先生 潟`ーム医療

短期間で変化を起こせるのが、NLPの強み

インタビュー写真

「NLPをご存知でない方に、簡単に説明していただけますか?」

NLPを言葉で説明するのはとても難しいんです。いろんな言い方があるんですけれど、自分が物事をどんな風に組み立てて考えるか、主観という風にNLPでは呼んでいますけど、主観を詳しく調べる方法というのが一つの言い方ですね。

それからNLPは、1970年前後の天才的な心理療法家のやり方をモデルにして、そのうまくいく方法を手順化したものなので、モデリングする方法という風に言う人もいます。成功する人・うまくやれる人のやり方を真似る方法という言い方をする人もいます。

それから、行き詰った状態・悩んだ状態から、望ましい状態に移るための方法、とかですね。そんな言い方をしています。

ある人は「NLPをもし一言で言うならば、目標をどうやって手に入れるかについて、感覚を鋭敏にして柔軟性を手に入れることによって実現する方法」というような言い方をしていますね。

「NLPという言葉の意味は?」

NはNeuro、神経の頭文字ですね。LはLinguistic、言語のLですね。それからPはProgramming、ですから組織立てる。直訳して「神経言語プログラミング」と言われています。

ですからこの3つがNLPの主題になる訳で、五感について学んで、自分がどのように外界の情報を処理して、また、心の内面で組み立てているかを調べる領域と、それから、私達は言語を使ってコミュニケーションをしますので、言葉の使い方に卓越できるように学んでいくという領域もあります。

プログラミングは組織立てる。さっきの犬恐怖症の例ですと、犬を怖がっているのは怖がるやり方を身につけていると考える訳です。だから、怖がらなくてもいい型を身につけて、それを脳の中に、コンピューターのソフトを上書きするように塗り替えてしまう、そんな意味があります。

「NLP誕生の経緯は?」

NLPを作った人は、リチャード・バンドラーとジョン・グリンダーという二人の方なんです。

その方々は、新しい心理療法を創るよりは、今までの心理療法を一からいくつも学ぶのではなく、ある一定の手順で、誰でも、天才のようにはいかないまでも、かなり近いレベルまでできるようにすれば、効果的に学べて良いんじゃないかと、そんな風に考えたようですね。

リチャード・バンドラーは当時まだ大学院生だったんですが、スピッツ博士という方と親しくて、スピッツ博士の仕事を手伝っていました。スピッツ博士は、著名な心理療法家の本を出版する仕事をしていました。そして、バンドラーはバージニア・サティアという天才的な家族療法家のカウンセリングやワークを録音したりビデオに撮ったりして、サティアのテクニックを分析していたんですね。

スピッツ博士はゲシュタルト療法家のフリッツ・パールズとも親しかったようで、彼の本も出版する予定でした。パールズは、1969年12月に、『ゲシュタルト療法の理論と実際』という本のために書いた原稿を託して、外国へ旅行に行ってしまったんです。そして、1970年3月に亡くなってしまうんですよ。

それで、付き合いのあったバンドラーに原稿の編集作業を頼んで、本を出したんですね。とても面白い本です。そんな仕事をしているうちに、サティアとパールズが、性格もやり方も全く違う二人なのに、クライアントに関わる方法には共通部分が沢山あることに気づいたんですね。

バンドラーは、この二人のやり方を解析できれば、きっと効果的な技法が作れるんじゃないかと考えて、ますます勉強したんだと思いますね。

バンドラーは、当時まだ院生でしたが、講座を持たしてもらえるくらい力がついていて、自分の通う大学でゲシュタルト療法を教えていました。その授業をジョン・グリンダーが聴いたのです。グリンダーは、バンドラーに自分が研究していた言語学のモデルを使えば、あなたの理論はもっと良くなるという話をしました。そこで、二人は意気投合して共同研究を始めたんです。

そして、5年の間に、まずはサティアとパールズのやり方をまとめた本を2冊出します。その本が出るか出ないかの間に、英国の社会学者のグレゴリー・ベイトソンという方が、ミルトン・エリクソンを紹介してくれるんです。

それで、二人はミルトン・エリクソンに会います。ミルトン・エリクソンは医療催眠家で、卓越した方法で信頼関係(ラ・ポール)を作るのが上手だった人です。二人は、ミルトン・エリクソンの方法も研究して、その後また2冊の本を出すんですね。だからNLPは、その3人の天才的な人達のモデリングによって生まれたんです。


インタビュー写真


「NLPは、スキルの集大成なのでしょうか?」

いろんなスキルがマニュアルのようになっているものが多いですね。ただ、バンドラーは、4冊の本を出した後、主観についてなど、いろんな考え方を沢山書いているようなんです。

そして、その4冊の本が有名になったものですから、アメリカ各地を講演して回って、それらの講演の記録も本になっているんですね。講演は大抵NLPのスキルを使って、実際にクライアントの人が治っていく様子を説明していますね。

「スキルの背景には理論がある訳ですね?」

もちろんそうですね。

「スキルという形になっていると、誰でも取り組める良さがありますね?」

そうですね。先ほど、五感の話をしましたけど、そういう表象システムとか代表システムとかは、理論、考え方ですよね。その考え方を使って、いろいろな問題を解決します。

さて、五感の中のさらに細かい従属要素のことをサブモダリティといいます。例えば視覚で言えば、光、明るさとか暗さとか、より細かなものをサブモダリティって言うんです。NLP療法家達が、そのサブモダリティを変えることによって受け止め方が変わるということを利用して様々な技法を開発することにかなり熱心に取り組んだ時期があります。

「NLPの強みは何だとお考えでしょうか?」

私が思うには、きちんと手順を学んで、きちんとマスターすれば、それを使って自分自身も変わることができるし、トレーナーになれば、悩んでいる人達の手助けもできます。NLPの強みは、そうした力量を身につけるのに、他のやり方よりはるかに早く実現できることだと思います。

よくカウンセラーの方からお聴きするのは、今まで自分が学んできた心理療法にNLPの一部を取り入れると、非常に早く治る。例えば10回セッションが必要だったようなケースでも、5〜6回で治ってしまうことがよくあると。

そのようなことをよく言われますので、強みは、短期間のトレーニングを受けるだけでも今までより治療も短くできる。ブリーフセラピーの一つに位置づけられていますので、そういうところが一番魅力ではないでしょうか。

そして、原因を調べるよりは、どういう風にすれば変化を起こせるかというところに焦点を当てているのが、最大の特徴ではないかなと思います。

「こうなりたいというのが明確になっていれば、NLPを使えば効果的に変化をもたらすことができるということですね?」

一言で言えば、本当にその通りです。ただ、こうなりたいというのが、明確になっていても、二つ考えなければいけないことがあります。

一つは、NLPではチャンク、塊という考え方があるんですけど、目標が今の自分の力に合っているかどうか。例えば、私が金メダルを取りたいと言っても、余程のことがあっても無理ですよね。いかに目標が明確であっても、現実性がどれくらいあるかという検討が必要になってきます。

それからもう一つは、手に入れることが、他に悪い影響を及ぼさないかという「エコロジー・チェック」って言うんですけど、そのことが確認できれば、まず大抵のものは手に入ります。

「どんな方にNLPをぜひ学んで欲しいというのはおありですか?」

そうですね、いろんな方に学んで欲しいと思いますけれど、今思っているのは、これから就職する若い人達に学んで欲しいなと思っています。

今は就職するまでに30社とかたくさんの就職面接を受けるなどの関門を通り抜けなきゃいけない。ある程度できたと思っても、不採用の通知を何回ももらう、そういう状況にありますよね。何社もダメ出しがくるっていう状態になったら、どんな人でもかなり落ち込んでしまいますよね。

最近、就活の人達のケアが必要だと言われていると思うんですが、「自分をいかにいい状態に保てるか」というのがNLPの一つの大きな目標なので、それを身につけておけば、病気にならないで済むし、自分が目指すものを手に入れるのに効果的に使えるかなと思います。

「他には、いかがでしょうか?」

次は子育て中のお母さんですね。私は、お母さんのための子育て講座をやっているんですが、最近のお母さん方はよく「煮詰まっている」っていう風にご自身で言うんですね。

部屋に子どもと二人きりでいて、毎日、夫と子どもの世話、食事の世話、洗濯とかいろいろ家事があって、誰も助けてくれる人がいませんので、本当に疲れてしまう。「煮詰まっている」という表現がそういう感じなのかなあと。

ご主人も成果主義の時代になって、余裕がないですから、奥さんの手助けもあまりできない。疲れているご主人に「家事を手伝って」とも言いにくい。つまり自分が抱えていることや、手に入れたいことを、どのように言ったらいいかを知らないお母さんがいっぱいいますね。

だから、どんな風に何を言えばいいのかと、それを言う時にどんな状態で言うのかっていうのは、まさにNLPの目標ですし、お母さん達の悩みにぴったりの対処法なので、NLPの技法を実際に応用してみる勉強会をやっています。

その次は、働く人々です。今、鬱病になる人があまりにも多いので、メンタルヘルスの大切さがうたわれていますけれど、鬱病にならないための予防が一番いいメンタルヘルスな訳で、予防にNLPはすごく役立つと思います。それに使って欲しいですね。

「セルフケアにもNLPは有効ですか?」

とても有効だと思いますね。本には、やり方が書いてありますので、本を読んでできる人はそれでいいです。軽い方にはそれでもいいと思いますね。

でも、自分で自分のことがあまり分からなくなっている状態では、やはり誰かのサポートを得て、応用してもらうといいと思います。私が『苦手意識は捨てられる』という本を書いた時、随分メールや電話をいただきましたから、そういう意味では本もきっかけになると思いますね。

(次回につづく・・)

梅本 和比己(うめもと かずひこ) 株式会社チーム医療 代表取締役
                     サンタフェNLP/発達心理学協会認定トレーナー

1974年 明治大学法学部卒業
株式会社ライフ・サイエンス・センターに入社
1978年 株式会社チーム医療設立、代表取締役
1997年 日本交流分析学会認定交流分析士 資格取得
2002年 サンタフェNLP/発達心理学協会認定トレーナー 資格取得
2008年 ICC認定国際コーチの資格を取得
NLP研修のほかに、メンタルヘルス研修、コミュニケーションセミナー、子育て講座などの講演活動を行っている。

<株式会社チーム医療のHP>
【株式会社チーム医療】

<梅本和比己先生のブログ>
【人間関係改善のためのコミュニケーション】

<梅本和比己先生の著書>
cover
面白いほどよくわかる! NLPの本


cover
苦手意識は捨てられる NLP脳トレーニング


cover
「仕事の苦手」がみるみる消える本―すぐに使える! ビジネスに効くNLPテクニック


cover
苦手意識は一瞬で捨てられる

インタビュアー:鈴木明美(すずきあけみ)

鈴木明美

セラピールームChildren主宰、Team Oasis 代表
自分がなんだか分からない。何かやりたいけど、見つからない。
心の悩み、病を抱えた方、自己実現したい方のお手伝いをいたします。

心理カウンセラー、NLPセラピスト、ゲシュタルトトレーナー、
交流分析士1級、トランスパーソナル学会会員、レイキヒーラー
HP:江戸川区西葛西、セラピールームChildren
ブログ:セラピールームChildren


インタビュアー:西片陽子(にしかた ようこ)

西片陽子

心理学に興味を持ち、現在「交流分析」や「NLP」を勉強しています。

いずれはカウンセリング技術を身につけ、周囲で悩んでいる人や
心の病で苦しんでいる人達の力になれたらと思っています。


インタビュアー:脇坂奈央子(わきさかなおこ 日本メンタルサービス研究所 所長)

脇坂奈央子

『道開きの心理士』 ……本来のあなたの道を開く、お手伝いをします。
ブライアン・ワイス博士直伝の、プロフェッショナル・ヒプノセラピスト。
前世療法・催眠療法を中心に、ニーズに応じた各種心理セラピーを施療。

心理士、認定THP心理相談員、統合心理セラピスト、心理カウンセラー、
米国NGH認定ヒプノセラピスト、認定キャリアコンサルタント、
代替療法セラピスト(レイキティーチャー)
HP:ワイス博士直伝の前世療法・催眠療法・心理療法★ラポール
発行メルマガ:こころの栄養@さぱりメント

  • 呼吸法の日本マイブレス協会
  • 毎朝1分 天才のヒント

インタビュー集

  • 毎朝1分天才のヒント メールマガジンで30日間の無料レッスン
  • さぱりメント あなたのお悩みをさっぱり解決