第63回目(3/4) 岡野 守也 先生 サングラハ教育・心理研究所

生きていることは、ロマンチックで感動的だと現代科学が教えてくれた

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「コスモス・セラピーでは、理論と共にワークをやっていくのですか?」

そうなんです。ワークの続きをやってみましょう。今、地球に支えてもらっていますよね。いつから支えてもらっていますか?

「生まれた時です」

そうですか? お母さんの胎内からでしょう? いつまで支えてもらう予定ですか?

「とりあえずは死ぬまででしょうか。でもお骨が残りますよね?」

だいぶコスモス・セラピー的な、リピーターみたいな返事になりましたね。普通は死ぬまでって答える人が多いです。とりあえず死ぬまでとしましょう。お母さんの胎内から死ぬまで、ずーっと支えてもらうんですよね。1日何時間くらい支えてもらうんですか?

「24時間です」

そう。支えてもらうに際して、お金は払いましたか?

「いいえ。払っていないです」

何か条件はつけられましたか?

「いいえ」

では、これをまとめて言ってみよう。大地は、無条件・無償で24時間体制で、母の胎内から死ぬまで、ずっと私を支え続けてくれている。事実、そうですよね。だから、誰にも何にもサポートされない人は、いないんです。だって、ずっと大地にサポートされているんだもの。

死んだ後、お骨もずっと支えてもらうし、実は宇宙と一体だから、ずっと支えてもらってるんですよ。宇宙の生命と同じ長さ。なぜならば宇宙が始まった時に実はもう、私の誕生の準備が始まっている。ある意味では宇宙が始まった時に、私の生命はスタートしているんです。

「私達の身体を構成する分子は、その頃からあるのでしょうか?」

正確に言うと10万年〜30万年経って水素ができる。もうちょっと経つと水素が集まって、巨大な水素の霧ができる。それが実は星の原型です。

水素原子が中心部で押されて、圧力によって電子が吹っ飛んで陽子と陽子がくっついてしまう。つまり核融合です。星の原型の中で圧力によって核融合が起きて、その時に水素以外の原子ができた。ヘリウムから鉄までは、星の中でできたんです。

実はこの核融合のエネルギーが熱と光になって、段々と枠から出始めた時に、星が光り始めるんです。星が、宇宙で光り始めるのは、だいたい一千万年前くらいから。それまで宇宙は真っ暗だった。宇宙で初めて星が光り始めるシーンを想像してください。ドラマチックだよね。

そして、その星の中で、僕の身体を構成する炭素、酸素、窒素、カルシウム、マンガン、鉄までができた。私達の身体は全部星が創ったんです。

この後のセリフを言うと女子学生が沸く。「だから、君達はみんな星の子なんです」ってね。星が創ったもので出来ているんだからそうですよね。

「星の子ですか? 素敵ですね?」

ドラマチックで、ロマンチックでしょう。でも、これは科学だからね。メルヘンでもなんでもない。近代科学のデカルト的な分析が現実だと思っていると、リアルとはドライなものだと考えることになる。

だけど、今の科学からすると、リアリティって実はすごくロマンチックなんですよ。137億年の宇宙の大ロマンが、様々なものを生み出している。実は、そのものすごい大ロマンの1コマを私達は生きているんです。

「科学を勉強したら、すごくロマンチックになるんだ。だから僕は毎日、ロマンチックしているよ。生きているってすごくロマンチックで感動的だって科学が教えてくれたんだから」そういう話をしながら、時々質問を投げかけて一緒に考えたり、何かを見ながら体感したりします。

例えば、渓流に行って、川の水を手ですくって、「これは私じゃないですね。でも、私になるんですよね」って飲むんです。「ほら、川が君になる」「この川って、前は何だったか知っている?」と聞く。川って前は何だったか知っていますか?

「雨ですね?」

そうそう。雨ってどうやって出来るのか知っていますか?

「雲から」

そう。その雲は元は何だったか知っています?

「海です」

そう。ほとんどは海の水が太陽に暖められて水蒸気になって、集まって雲になって、風に乗ってどこかで冷えて雨になって降る。渓流の水は、多分一週間ぐらい前はね、南シナ海やインド洋の海だったんです。間を縮めて言うと、「海が君になった」となる。

そして、後でオシッコをすると、浄化するけれど海に流れる。すると、また海になる。海と川と私と、こうやってつながって巡っている。これが世界の本当の姿なんです。

ここでも言うんです。「だから悪いけど君は孤独にはなれないの。いつもいろんなものとつながっているんだからね。何者とも分離しているっていう意味での孤独には、なりたくてもなれないんだよ」って。ちゃんと分かると、寂しがっている暇はないんですよ。


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「コスモス・セラピーを受けられる方は若い方が多いのですか?」

いや、それこそ老若男女。でもパーセンテージで言うと、僕が大学で教えたりしているので、若い人が多かったりします。でも80歳くらいの方が来たこともあります。

「反発する方はいないですか?」

そういう人達は、現状の社会で毎日やっているのがリアリティだと思っていますから、「先生それは理屈だよ」「俺はそんなところで生きちゃいないよ」って態度で感覚的に反発する人はいます。

そういう方には、「僕も21年間サラリーマンをやったからさ」って言うと、向こうも態度が変わるんです。「ビジネス世界のことを知らないから、そんなことを言えるんだ」と思っている。でも僕は知っているからね。そういう中に生きている人達の気持ちもよく分かるんです。

それもリアルですよ。でも、それは毎日のリアルでしょ? それもスケールの小さな。スケールの大きなリアルもここにあるじゃないですか。小さな現実を見るのと、大きな現実を見るのと、どっちの心を「大きな心」って言いますか? 大きい方ですよね。

大きい心で生きるのと、小さき心で生きるのとは、どっちが好きですか? ということです。では、ちょっと昨日までの会社のことは置いておいて、大きい心になってみましょうよ、と言っています。

そうすると抵抗が取れてきて、大地に寝転んで、「大地に支えられていますね」って言ったら、「ああそうかぁ」みたいなのを段々に感じていただけるようになります。

「何かのきっかけで、パッと変わったりというのもあるのですか?」

そういうことを聴いたり、やったりを重ねているとありますね。例えば、朝、通勤の時に空を見て、「ああ晴れているなぁ。空が青い!」って、大きく気持ちが変わったりする。では、空がなぜ青いか知っていますか?

「青い光を反射するからですか?」

そうですね。コスモス・セラピーでは、その意味をもう少し詳しく、青空を見ながらやるんですよ。その体験があると、青空を見た時に、「ああ、自分は青空の元に、青空と共に、青空に守られて生きている」と思う。そう思いながら、通勤すると、元気が出てくるでしょう。

空はなぜ青いかですが、オゾン層が私達の上空20〜30kmくらいのところにある。これが有害紫外線をしっかりと防いでくれるので、僕達は地表で生きていられる。

太陽から非常に強烈な紫外線がやってきた時に、オゾン層が紫外線を防いでいると同時に、紫外線よりも少し波長が長い青も拡散しているんです。これが空の青さなんです。オゾンや酸素や窒素や水蒸気が、紫外線と青を散らしている。だから、空が青いんです。

空が青いのは、僕達地上で暮らす生命が有害紫外線で死なないようにしてくれている、つまり「君達は地上で生きていていいよ」っていう青信号なんですよ。そして、ああいう空にしてくれたのは、光合成微生物や植物なんですね。

「守られていることの象徴のような気がしますね?」

そうです。地球大気によって僕らは守られているっていうのが、あの青の色なんです。だから、僕らは青空を見た時に心が安らぐのね。地球大気に、「君達生きてていいんだよ」って言ってもらっているようなもんだからね。

朝、「ああ、青空が僕を肯定している」と思ったら、会社に行くのに元気が出てくる。昼間、ちょっとクサクサしたら、外へ出て青空を仰いで、「あの空が僕らを生かしてくれているんだ」って思うと、生きていることに肯定感が出てくるでしょう。

「コスモス・セラピーのベースには、やはりキリスト教と仏教があるのでしょうか?」

「白い髭の超能力ある、光輝くおじいさん」という風な神様ではなくて、「宇宙を宇宙にしている力」みたいな言葉で表現する神様。従来のキリスト教は神話的な表現をしているけれど、本当はそういうことの直観を表現している。

そして仏教は、縁起とか仏とか空とかっていう言葉で表現しています。だから、コスモス・セラピーにはもちろんキリスト教のエッセンスも仏教のエッセンスも入っている。

だけど、現代はキリスト教用語や仏教用語の通じない人が多いので、現代人には科学用語が一番通用し易いんですよ。

「確かにとても分かり易いですね?」

これは科学だからね、って言うと皆、信用しちゃう。そして、実際に科学だからね。

「でも伝えていらっしゃることは、大いなるものとのつながり、キリスト教の愛や仏教の縁起と一緒ですよね?」

そうです、一緒です。それを今言ったように、現代人に分かり易い語り方で伝えるということをしています。また、それが可能な時代になったんです。科学と宗教のエッセンスが近づいてきた。

宇宙というものを、仏教は内面から見た、科学は外面から見た。科学が進んできたら、科学の言っていることと仏教が言っていることが似ている、となってきた。アプローチの仕方は全く違うけれど、同じ宇宙を見ているから当然そうなるんです。

内面的なアプローチは現代人には難しい。しかも宗教用語を使うとなおさらね。だから、科学用語を使って、現代のセラピー技法をうまく応用しながらやっていくというのが、入り易いと思っています。

(次回につづく・・)

岡野 守也(おかの もりや)  サングラハ教育・心理研究所主幹
                   日本仏教心理学会副会長

1947年、広島県生まれ、山口県育ち。関東学院大学大学院神学研究科修了。
卒業後、牧師と兼務で出版社に勤務、仏教、心理学、エコロジー、ホリスティック医学などの企画編集に携わる。並行して92年、サングラハ心理学研究所を創設、98年独立して研究所に専心。現在、名称をサングラハ教育・心理研究所に変更。「持続可能な社会」創出のための人材育成を目指し、執筆、翻訳、講演・講義、ワークショップなどの活動を続けている。機関誌『サングラハ』を主宰。法政大学、武蔵野大学、桜美林大学などで講師も務める。

「サングラハ」はサンスクリットで全体的・統合的に把握するという意味。からだ・こころ・たましいへの「インテグラル(統合的)」なアプローチをめざしていること、理論のベースのひとつとして『摂大乗論=マハーヤーナ・サングラハ』があることを示している。

<岡野守也先生のHP>
【サングラハ教育・心理研究所】

<岡野守也先生のブログ>
【伝えたい!いのちの意味−岡野守也の公開授業+α】

<岡野守也先生の著書>
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コスモロジーの心理学 コスモス・セラピーの思想と実践


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トランスパーソナル心理学


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唯識と論理療法


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仏教とアドラー心理学 自我から覚りへ

インタビュアー:鈴木明美(すずきあけみ)

鈴木明美

セラピールームChildren主催、NPO Oasis 代表
いろんな環境に自分を合わせて生きてきて、自分がなんだか分からない。
そんな、うつ病や心の悩みを抱えた方のお手伝いをしています。

心理カウンセラー、NLPセラピスト(ゲシュタルト、エリクソン催眠療法、
家族療法)、交流分析士1級、トランスパーソナル学会会員、レイキヒーラー
HP:江戸川区西葛西、セラピールームChildren
ブログ:セラピールームChildren


インタビュアー:川崎綾子(かわさきあやこ)

川崎綾子

ゲシュタルト・再決断@府中「座★すわろう会」で活動中。グループの中で
お互いにサポートを得ながら、自分らしく癒されるセラピーをしています。
ペンギン好き。趣味はバレエです。

GNJゲシュタルト療法トレーニングコース修了、日本ゲシュタルト療法学会会員
NPO再決断カウンセリングジャパン会員
矢野惣一問題解決セラピスト養成講座(上級)修了
レイキティーチャー


インタビュアー:脇坂奈央子(わきさかなおこ 日本メンタルサービス研究所 所長)

脇坂奈央子

『道開きの心理士』 ……本来のあなたの道を開く、お手伝いをします。
ブライアン・ワイス博士直伝の、プロフェッショナル・ヒプノセラピスト。
前世療法・催眠療法を中心に、ニーズに応じた各種心理セラピーを施療。

心理士、認定THP心理相談員、統合心理セラピスト、心理カウンセラー、
米国NGH認定ヒプノセラピスト、認定キャリアコンサルタント、
代替療法セラピスト(レイキティーチャー)
HP:ワイス博士直伝の前世療法・催眠療法・心理療法★ラポール
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