第61回目(3/4) 岡本 英二 先生 ビジネスカウンセリング協会

EAPは、会社が儲かるためにやるものなんです!

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「他にも先生のアプローチ法として、自然に触れるというのがありますね?」

それは、今は奥多摩とか五日市の方で、ロゲーニングっていうのを仲間がやっています。

オリエンテーリングは知っていますよね。いろんな所を回って、チェックポイントを通るっていうゲームです。ロゲーニングは、あれの山版だと思ってください。大自然の中で、いろんなルートがあって、今は、100箇所くらいチェックポイントを作っている状態。森林組合や観光協会とかも一緒になって、開発していて、近くに温泉もある。

ロゲーニングは、自然の中にあるチェックポイントをチームで回るゲームです。バラバラに回ってもいいし、二手に分かれてもいい。効率良くどうやって回るかを考えるから、チームワークを育てることにもなる。

そこに、森林セラピーをどう入れるかとか、呼吸法をどう入れたらいいかとか、「メンタルヘルス倶楽部」としては、幅広いアプローチを考えています。

昔は会社の保養所に安く行けるっていうのがありましたけれど、あれは施設だけ。そこにノウハウはないんですね。僕らはノウハウも含めて、企業に提供しています。

下手なカウンセリングよりも、大自然の中で、生活させた方がいいと思っています。自然の中で過ごさせる。価値観の変容が起こったりして、抱えている問題が借金問題とか継続的な問題でなかったら、かなり回復できますね。

「自然の持つ力とは何なのでしょう?」

自然と対面していくことは、命の張り合いなんですね。そこには良いも悪いもなくて、自然は物を言わないから、全部自分の鏡なんです。自分の判断が駄目だったら死ぬわけです。多少危険が伴うから、ケガしないように反射神経が養われるわけです。

命を落としては駄目ですけれど、多少の危険があるのが自然だし、なめちゃ駄目っていうのが自然です。そういうところと向き合っていくと、心に強さが出てくるんですよ。自然って変わらないので、それは自分の心持ちがどうかというのをずっと試される。

山歩きの人とか、お百姓さんとか、漁師の方とかは、生きた目をしているんですよ。「オラの責任で生きて何が悪い」っていう「活きた顔」をしています。そんな「活きた顔」を作りたい。

毎朝電車の人や通勤の人の顔を観て「生きてんの?」みたいな人をいっぱい見ています。朝から「あー疲れた」って言っている。

ポジティブ心理学のセリグマン博士が言っていますよね。「心理学は過去50年以上、病理にしか焦点を当てていなかった」って。人の幸せに、焦点を当てて来なかった。

生き甲斐の創造をしていくときに、さっき言ったような企業の理念がちゃんと結びついてこないと、仕事が天職にならないんですよ。音楽や自然って、それをすごく助けてくれる。

「先生の活動の特徴は何でしょう?」

病理はもういいから、楽しいこっちをやろうよ、ということでしょうか。病理の方はお医者さんとか、やる人がいっぱいいますから。

手が動けば、音楽できるでしょう。会社で教育をやっているような人だったら、こういうことを一緒に勉強して体験して、自分の会社の中でできるようになったらいいんです。会社の中で、どれかを活用して、楽しくするということを、どんどんやったらいいなと思います。

企業にそういうのが有効だって思わせないと駄目なんです。「社員に遊ばせていいんですか?」っていう、古い考え方と戦って変えていく。そういう価値観に変わる時期だと思います。センスのいい人や分かってくれる人は増えてきています。

そうなると、国の医療費も減るし、自殺者も減る訳ですよ。その兆しが見えたら、国もバックアップせざるを得なくなる。「もっと生活を楽しみなさい」と、なります。

僕はいろんな仕事をしてきたので、現場の苦労は知っています。現場を泣かせる企業は大嫌いですね。会社も結果としては、長続きしないと思うんですよ。現場も報酬をちゃんともらうべきだし、なるべく楽しく働けるようにすべきです。それをサポートするのが、本来は会社なんです。

今のように、人を部品のように扱ってしまっているのは、長続きしない。「部品が壊れたら取り替える」では、採用費と育成費がかかって、それに育つまでの間どうするのって事です。もの凄いお金を捨てているんですけれど、会社はそれに気づいてないんです。いや、気づいていないふりをしている。


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「企業にとっては大きな損失ですね?」

うつ病で休んだ場合をシミュレーションしたことがあります。最初は月に1週間休んで、次は2週間、次は1ヶ月休んで、結局半年くらい休んで、引き継ぎもできずに辞めちゃいました。どうなったかっていうと、最低でも500万円は損している。

取引が無くなったりすれば、何千万という額が、飛んでいるはずですよ。そうしたら、メンタルヘルスで年間50万、100万払っても安いもんでしょう。10人いたら、五千万円ですよ。

僕の経験からいくと、一人がうつ病になったら、周りの5人くらいが必ず迷惑をこうむるんです。残業が増えたり、特にその直属のリーダーが、うつ病になったりする確率が非常に高い。夫婦揃って、よくないパターンもすごくあります。夫婦でのカウンセリングも多いです。

うつ病っていうのは、療養する環境も大事なので、本人だけカウンセリングしても、周りが「お前は休めていいな。俺も今日休みたいよ」って言ったら、それでアウトです。うつ病の休み方を、周りにもきちんと教えていく必要があります。

うつ病で休んでいるときは、チェック表を渡し、本人にとって何でもプラスになることをさせるっていうことをしています。「カーテンを開ける。よっしゃ、できた!」という風に。

本を読みたかったら読めばいい。マンガ本でもいい。散歩してみるのもいいし、映画を観に行くのもいい。自分にとってプラスな何ができたのか、できたら書いていく。「これだけのことができましたって報告してね」ってやります。

休んでいる間がポイントなんです。その間にそういう作業をしていないと、体力が戻ったからと職場復帰しても、大体8割くらいは再発します。

「できたことを記録することで、セルフイメージを上げていくということですか?」

そうですね。自分にとってのセルフイメージを上げさせて、抵抗力を強める。要するに、できたという自信を持たせていく。

「自信回復ということですね?」

森田療法的に、「やって、できた。やって、できた。できるじゃん!」とうことです。ただ、仕事っていう意識になった瞬間、弱くなっちゃう人がいっぱいいるんですけどね。

「EAPを知らない方に、簡単に説明していただけますか?」

本当のイメージは、「楽しく元気よく働くための支援システム」みたいなものです。

日本では、EAPっていうと、半分は失敗したっていうイメージで捉えている人事の方も沢山います。「ウチは、やっていますよ」って言うところも結構あるんですが、良くなっていないと言われるわけです。

10年間程やってきて目に見える効果を出せていないから、日本でのEAPは失敗したという感覚が、僕にとってはついています。アメリカはちゃんと機能しているんです。日本は法整備などが遅れているということでもあるんですね。

DVも全く同じで、アメリカは介入の仕方とか、法で守られるというのがある。アメリカはすぐに訴えたり、訴えられたりということがあるので、法的には、進み易いというのはあるんですけどね。

「日本では、これから労災の訴えなどが増えるでしょうね?」

労災が増えてそうなってきているんですけれど、企業は労災の防衛策、イザ!というときに、会社が潰れないためにやっておきましょうという発想なんです。

「本来はもっと積極的なものですよね?」

そうです。本来は、EAPは会社が儲かるためにやるものなんです。僕らは、その認識を一つ上げるのに苦労しています。「お昼寝したら、会社は儲かりますよ」って話をしている訳です。

「これからのEAPを、具体的にはどのように展開していかれたいですか?」

EAPは、日本の制度からいくと2つあって、まず医療分野としては今まで通り、さらに専門化されて治療が発展していくというのが当然あると思う。それは続いていくと思います。

もうひとつは、僕らがやっているムーブメント的な、会社にこういうものを取り入れたらもっと良くなるとか、そういう目的で音楽を取り入れようとか、そういった方向性の予防がもっと発展していく。これは日本風になると思うんです。

「日本風というのは?」

皆が繋がっていこうということ。そのためにドラムサークルをやってみようとか。今、企業の担当者の方などが、意外とこういうものに興味を持ち始めています。ドラムサークルの話をすると、十中八九、「それ面白いね。いいですね」って、担当者の方はおっしゃる。

会社では、ストレスケアのセミナーとかを年に1〜2回やれと言われているらしく、今年は何をしようって毎年悩まれているんです。予算の都合と、なおかつある程度の効果があって、さらに従業員からの評判が良くてとか。それで、毎年ネタを探しているんですね。

「他の会社がやってないような、面白いことないですか」って皆さん訊くんですよ。それって目的が違ってきてないですかね。だから僕らはそういうのを融合させて、それを提供する会社にもなれるなと思っています。

こういう考え方を持たれている人は、ぼちぼち出始めていますが、総合的に音楽があったりお昼寝だったり、そういうのをギュッと集めている所は少ないんです。

でも、うちに聞いてくれれば、コレもあるしアレもあるし、って出てくるし、人材もあるし、オフィス設計までできますから。動線はどうだとか、色はどうだとか、全部できます。そういうのは多分、まだあまりないんじゃないかな。

ポジティブ心理学に考え方はあるんですけど、じゃあ何をやるかっていう話になると、まだまだバラバラです。でもそれはまとめて力にしておかないと使いづらい。僕らみたいなカウンセラーもそうなんですけれど、バラバラでいるので、一生懸命頑張っている割に、苦労している方は多いです。

それもあって「ビジネスカウンセリング協会」を作ったんです。お互いがカバーし合う。自分が休んだときは頼むよって。困ったときには、逆にスーパーバイザーとして相談を聞いてくれるとか、知り合いの弁護士を紹介するとか。ビジネス上の紹介もできる訳です。

それが発展して、「メンタルヘルス倶楽部」になった。研修にしても何にしても、具体的に何をするかって必ずなりますから、そのときにそれがギュッと集まっている。メンバーの人達の中にはメーカーさんもいるので、自分達のところでモニターもできる訳です。

これからはそういうのをどんどんやりたいですね。

(次回につづく・・)

岡本 英二(おかもと えいじ)  ビジネスカウンセリング協会会長 メンタルへルス倶楽部代表

昭和37生まれ。従業員支援プログラム(EAP)スペシャリスト。歯科医院、不動産会社、保険会社、流通、開発、通信、コンサルタントなどさまざまな仕事を経てプロカウンセラーになる。
幅広く豊富な経験を生かし、「カウンセリング」と「体験ワーク」を上手く取り入れた企業研修が好評。
日本企業に合った従業員支援を提唱し、総合的な生産性の向上をサポートする。経営者や社員の心の病を治すだけでなく、予防医学の見地に立ったリスクマネジメント的な効果を狙った研修も注目を浴びている。とくにIT業界やセールス、接客、サービスや現場でのコミュニケーションを必要とする業種での人気が高い。
同時にビジネスカウンセリング協会を通し、さまざまな癒しを企業に提供している。また、主婦などを中心とした女性向け、個人向けセミナーも積極的に行っている。

<岡本英二先生のHP>
【BCA ビジネスカウンセリング協会】

【MHC メンタルヘルス倶楽部】

【音楽を使った企業向け社員研修 ビート・オブ・サクセス】

<岡本英二先生のブログ>
【BCA〜こころの四分休符〜MHC】

インタビュアー:鈴木明美(すずきあけみ)

鈴木明美

セラピールームChildren主催、NPO Oasis 代表
いろんな環境に自分を合わせて生きてきて、自分がなんだか分からない。
そんな、うつ病や心の悩みを抱えた方のお手伝いをしています。

心理カウンセラー、NLPセラピスト(ゲシュタルト、エリクソン催眠療法、
家族療法)、交流分析士1級、トランスパーソナル学会会員、レイキヒーラー
HP:江戸川区西葛西、セラピールームChildren
ブログ:セラピールームChildren


インタビュアー:高橋梨恵(たかはしりえ)

高橋梨恵

「本当の自分を知り、自分らしさを発揮して生きること」
社会におけるこのテーマの実現を心理的側面からサポートするため
現在カウンセリングの勉強中です。
趣味は旅・自然にふれること。

社団法人 産業カウンセラー協会 会員
レイキヒーラー


インタビュアー:力武一世(りきたけかずよ)

OLの傍ら、物書き業をしています。
自身の価値観の変化から人生が激変し始めたことをきっかけに、
「人の心のありよう」に興味を持ち始めました。
心が変われば、現実が変わる。たくさんのセラピストの方々に
お会いするたび、それを実感しています。

ブログ:『たびとたびびと』
読んだ人の心が軽くやわらかくなるような文章で、
周囲の人たちを幸せにしていきたいと思います。


インタビュアー:脇坂奈央子(わきさかなおこ 日本メンタルサービス研究所 所長)

脇坂奈央子

『道開きの心理士』 ……本来のあなたの道を開く、お手伝いをします。
ブライアン・ワイス博士直伝の、プロフェッショナル・ヒプノセラピスト。
前世療法・催眠療法を中心に、ニーズに応じた各種心理セラピーを施療。

心理士、認定THP心理相談員、統合心理セラピスト、心理カウンセラー、
米国NGH認定ヒプノセラピスト、認定キャリアコンサルタント、
代替療法セラピスト(レイキティーチャー)
HP:ワイス博士直伝の前世療法・催眠療法・心理療法★ラポール
発行メルマガ:こころの栄養@さぱりメント

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