第61回目(2/4) 岡本 英二 先生 ビジネスカウンセリング協会

楽しみながら気づきが生まれる「トレーニング・ビート」

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「他に職場環境で重要なことはありますか?」

企業に入ってもう1つ思ったのが、「評価制度」や「従業員規則」も環境ですよ、という事です。頑張ったけど評価されなかったっていやでしょう? やる気がなくなりますよね。そこも整えた方がいい、と言っているんです。

「それは評価制度を整備するということですか?」

要は、どういう企業になりたいのか。そのためには価値基準として何を大切にするのか。何を評価して、優先順位はどうなのかというのを出さないといけないんです。それで社風ができるんです。それが分かれば、評価制度は作れるんです。それを浸透させるために評価制度を使うのですから。

評価制度は従業員が働く上でのルールとして、知っておかないといけません。

生命保険会社にいたときは、女性の方ばかりで、バツ1、バツ2という人もいっぱいいるわけです。「いくら稼ぎたい?」と聞いたときに、「月30万」とか「月100万」とか言うんですね。

「これだけ契約を取れば給料がいくらになる」という基準・ルールが書いてあるんです。であれば、「これだけ頑張って半年でこうなっていこうよ」という行動計画書ができる。そうすると、それが自分のモチベーションに変わるわけです。

「ルールが、モチベーションアップにつながるのですね?」

そういうことを一緒に考えていけば、モチベーションは上がっていく。その経験があるので、ルールというのはとても大事だと思っています。

その逆もあります。部署の伸び率によって、ボーナス査定が違うという会社があったんです。デキル人って、人事異動で駄目な部署に回されるんですね。「あそこに行って立て直してこい」という事になります。

デキル人が前年比300%まで上げているのに、マイナス成長の部署に行かされたら、ボーナス査定が下がってしまう。それも不公平感が出ます。その人はどうしたかというと、辞めてヘッドハンティングで替わって行きました。

企業の中では、不公平感や差別感は極力排除しないといけない。それが出始めると、愚痴が出始めて、水面下で悪口が始まり、良い組織にならない。

僕は管理職をお母さん、社長や取締役がお父さんと考えています。管理職がお母さんで、社員は子どもです。お母さんがお父さんの悪口を言っていたら、その家庭はどうですか? 子どもはお父さんを尊敬しませんよね。でも、そのような会社がすごく多いんですよ。

当たり前のことが当たり前にできる会社って、実は素晴らしいんですよ。

「それを今は、セミナーの形で伝えていらっしゃるのですか?」

そうですね、そういう価値観を伝えていくのは、みんなで集まってやった方が早かったりします。

一人一人に伝えるより、全員で認識して、例えば、音楽を使った「ドラムサークル」というのをやって魂を1つにしてしまう。「あのとき楽しかったよねー」というところでつながって、「あのときの熱い気持ちを思い出そうよ」と言ったら、みんな一瞬で思い出せる訳です。

「ドラムサークルについて教えていただけますか?」

体験するのが一番早いんですけどね。「ドラムサークル」は、「全く規制のない、やっちゃ駄目っていうのがない、皆で太鼓を叩く遊び」です。サークルですから輪になってやります。ジャンベとかコンガとか、みんなが楽器を持って、誰かがリズムを取ったら何となくハーモニーができていく。

そこで、僕らファシリテーターが多少盛り上げたり、リズムを変えたり、ちょっと演技をしてもらうようにしたり。でも、これをやっちゃ駄目っていうのや強制は基本的にはない。ファシリテーターは、場を盛り上げるのが役目です。

元々、戦いの前とか、団結式とかに、火を囲んで踊っていた訳じゃないですか。コミュニケーションが取れていないときなどに、ものすごく向いています。ノンバーバルのコミュニケーションを上手く使って遊ぶんですね。「ドラムサークル」っていうのは、そういうのをしてみんなで楽しむ。

リズム運動っていうのは、人間ができたときに最初に心臓が打ち始めて、そして、リズム運動がいちばん最後まで続くんです。障がい者の方でも、耳が聞こえない方でもできる。音圧で音が分かるんです。

人と違ったことをしたり、すごいことをしたりしたら、「いや〜すごいね。わ〜」って、そこに、セレブレーションっていうのを必ず入れます。そうすると、脳が活性化して、喜び脳になっていきます。

ドラムサークルは世界中にあるんですよ。ドラムカフェとか。

そして、「トレーニング・ビート」っていうのは、「ドラムサークル」から発展して、企業向けに何かできないかな、っていうことで考えたものです。


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「打楽器というところには意味があるのですか?」

そうですね。音階が無い、リズムだけでいい、そして簡単に合わせることができる。音楽っていうのは楽しいものなのに、上手くできないと駄目だと思い込んでしまう。これは良くないと思います。

「誰でもが楽しめるという良さですか?」

そうです、そうです。叩いていると、魂が高揚していく。

「トレーニング・ビート」の場合も、自由に叩かせても、ちゃんとアンサンブルになっているんです。これって凄いことです。普段、企業活動において、アンサンブルがどれだけ取れているか。メンタルダウンの人がいるだけで、もう駄目ですよ。

下手な人が上手い人に合わせるのはすぐには無理なんですよ。その逆が起こっているんです。上手い人が下手な人に合わせることができるから、ハーモニーが取れる。それが企業にありますかっていう話なんです。

そういうようなメタファー(隠喩)を使って、太鼓を仕事に置き換えたり、リズムから仕事ってこうじゃないですかっていうことを気づきとして教えるようにしているんです。まあ、単純に楽しいっていうのが一番ですが。

「楽しみながら、気づきが生まれる?」

そうです。「テイク&パス」といって、「トレーニング・ビート」によく入れているんですけれど、全員が輪になって、シェイカーっていうシャカシャカ音のする楽器を左手に置いて、右手で取って右の人の左手に回す、取って回す、取って回す、ってずっとやっていると、少しずつ速くなる。そして、どこかで落とし始める。

あるところで、シェイカーが落ちる。持ってない人もいる。「はい、ストップ。これは、どういうことが起こっているのかな?」「これって製造ラインだったらどうですか?」っていう問いかけをする。

「これだけ商品を落としちゃったら、売り物にならないよね」「この持ってない人はサボっているわけ?」「この人はなぜ落としたのかな?」「じゃあどうすれば落ちないんだろうか?」って、考えてもらうんです。

そして、落とさないアイデアを出してもらう。「よく左手を見よう」「手をよく広げよう」「もうちょっと手を前に出す」「掛け声をかけよう」とか、いろいろなアイデアを出してもらう。

「じゃあ、それ採用」ってそれをやってみる。ルールって大事だって事が分かる。「会社にもルールがあるよね。何故あるかって、この為にあるんですよ」っていう話です。

これをメンタルヘルス的に言うと、シェイカーを落としてる人ってどうなのか。シェイカーを拾いに行くと、その間、左手が無くなっているから、どんどん落ちる。「その人ってもしかして、うつ病みたいにメンタルダウンしないかな?」って言うと、皆、納得しているんですよ。勝手に気づくんですね。

それが音楽を使ってやることの良さなんですよ。遊びだから失敗もできるけれど、体験していますから、実際にそういう事が現場で起こったときに、ハッと気づける良さがあります。

「現場での気づきにつながるのですね?」

社長がいる場合は、「トレーニング・ビート」では、一人だけちょっと低音の楽器を、好きなリズムで叩いてもらう。それに一人ずつ違うリズムでいいからどんどん足して、一つの曲ができる。そうやって曲ができたら、「これがこの会社のカラーですね」って話します。

ここにリズムが合わない人が入って来たら、それは辞めますよ。「トンツトンツ」ってやっているところに、「トンタカトン」っていう人が入って来たら、合わないから辞めていきますよ。会社に合うとか、風土に合うとかってそういうことなんですよ。

「じゃあみんな、続けていてね。社長だけ止まりますよ」ってやってみる。ベース音が止まるとすごく不安定になるんです。「もう一回入りますよ」ってまた入ってもらう。「ほら、これが社長の理念ですよ」ってやるんです。

皆「なるほど〜」ってなります。そういうことをやっています。こういうのが、カウンセリングよりも効果がある場合もあります。

「他にはどんな効果があるのですか?」

リーダーシップとはどういうことか?とか、人と違う振り方を考えてもらって、クリエイティビティ性を出すとか、いろいろなワークを入れながら、やっています。

「今までにしたことのない、変な顔をして」とか。仲間の前でそんな顔をしたことがない人が、「イ〜」ってやる訳ですから、その後が楽なんです。その後の飲み会は、もの凄く盛り上がります。

「それによって、一体感や連帯感が生まれるということでしょうか?」

そうです。米国トヨタの本社ビルに、ドラムサークル室っていうのがあります。部屋に太鼓もあり自由に叩けるようになっている。

人種がバラバラで言葉も違ったりして、トラブルが多く、何とかならないかということで「ドラムサークル」を取り入れたらすごく効果があったんです。だから、いまだに続いています。

(次回につづく・・)

岡本 英二(おかもと えいじ)  ビジネスカウンセリング協会会長 メンタルへルス倶楽部代表

昭和37生まれ。従業員支援プログラム(EAP)スペシャリスト。歯科医院、不動産会社、保険会社、流通、開発、通信、コンサルタントなどさまざまな仕事を経てプロカウンセラーになる。
幅広く豊富な経験を生かし、「カウンセリング」と「体験ワーク」を上手く取り入れた企業研修が好評。
日本企業に合った従業員支援を提唱し、総合的な生産性の向上をサポートする。経営者や社員の心の病を治すだけでなく、予防医学の見地に立ったリスクマネジメント的な効果を狙った研修も注目を浴びている。とくにIT業界やセールス、接客、サービスや現場でのコミュニケーションを必要とする業種での人気が高い。
同時にビジネスカウンセリング協会を通し、さまざまな癒しを企業に提供している。また、主婦などを中心とした女性向け、個人向けセミナーも積極的に行っている。

<岡本英二先生のHP>
【BCA ビジネスカウンセリング協会】

【MHC メンタルヘルス倶楽部】

【音楽を使った企業向け社員研修 ビート・オブ・サクセス】

<岡本英二先生のブログ>
【BCA〜こころの四分休符〜MHC】

インタビュアー:鈴木明美(すずきあけみ)

鈴木明美

セラピールームChildren主催、NPO Oasis 代表
いろんな環境に自分を合わせて生きてきて、自分がなんだか分からない。
そんな、うつ病や心の悩みを抱えた方のお手伝いをしています。

心理カウンセラー、NLPセラピスト(ゲシュタルト、エリクソン催眠療法、
家族療法)、交流分析士1級、トランスパーソナル学会会員、レイキヒーラー
HP:江戸川区西葛西、セラピールームChildren
ブログ:セラピールームChildren


インタビュアー:高橋梨恵(たかはしりえ)

高橋梨恵

「本当の自分を知り、自分らしさを発揮して生きること」
社会におけるこのテーマの実現を心理的側面からサポートするため
現在カウンセリングの勉強中です。
趣味は旅・自然にふれること。

社団法人 産業カウンセラー協会 会員
レイキヒーラー


インタビュアー:力武一世(りきたけかずよ)

OLの傍ら、物書き業をしています。
自身の価値観の変化から人生が激変し始めたことをきっかけに、
「人の心のありよう」に興味を持ち始めました。
心が変われば、現実が変わる。たくさんのセラピストの方々に
お会いするたび、それを実感しています。

ブログ:『たびとたびびと』
読んだ人の心が軽くやわらかくなるような文章で、
周囲の人たちを幸せにしていきたいと思います。


インタビュアー:脇坂奈央子(わきさかなおこ 日本メンタルサービス研究所 所長)

脇坂奈央子

『道開きの心理士』 ……本来のあなたの道を開く、お手伝いをします。
ブライアン・ワイス博士直伝の、プロフェッショナル・ヒプノセラピスト。
前世療法・催眠療法を中心に、ニーズに応じた各種心理セラピーを施療。

心理士、認定THP心理相談員、統合心理セラピスト、心理カウンセラー、
米国NGH認定ヒプノセラピスト、認定キャリアコンサルタント、
代替療法セラピスト(レイキティーチャー)
HP:ワイス博士直伝の前世療法・催眠療法・心理療法★ラポール
発行メルマガ:こころの栄養@さぱりメント

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