第59回目(4/4) 平松 園枝 先生 サイコシンセシス研究会

最も早い予防は教育・・・意志の重要性を伝えていきたい

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「どのような方にサイコシンセシスを知ってほしいというのはおありですか?」

そうですね。基本的に、生きることに真面目で、前向きな方でしょうか。

例えば、自分とは、人間とは何か、どこに向かっていけばよいのか、など、「アイデンティティ」や人生の意味、使命など、生き方、生きる方向性について、本質的実存的問いや求めを持ち、模索している人。

あるいは、立場に関わらず、社会や世界の問題に関心を持ち、特に、それが人間のあり方から捉える視点をもち、自分自身とつながることとして捉え、自分の生き方、社会における役割などを模索している人でしょうか。

特に、3.11以後は、実存的、現実的にこのような問いを持ち、今までのあり方を個人として、日本として、人類として見直している方も多いと思いますので、アサジオリの、サイコシンセシス開発の意図を今こそ活かしていただきたいです。

こういう中で、スピリチュアリティ、魂や、見えない価値や、今までのサブパーソナリティ的なあり方を見直す思い切った説などが、受け入れ易くなっていると感じます。こういう時は、カルト的活動も活発になるかもしれません。

このようなテーマにオープンでありながら、科学的、現実的でありたい方、「あれかこれか」の対極や多様性に気づきつつ、統合の方向性を求め、自分から始めて、現実を良くしていく上で活かしていきたいという方にはサイコシンセシスは役に立つと思います。

「どういう立場の方に、というのはありますか?」

専門や立場としては、特に心理・医療・福祉・親も含めて教育・人材教育など、人と深く関わる仕事の方や、宗教や哲学、あるいは様々な学問的分野の方で、現実を変えることに貢献したいと思う方。

組織やコミュニティ、社会のリーダー的立場の方などには、サイコシンセシスを大きな地図として、そして、人間のあり方から現実を良くする上で、特に方向性の選択には、サイコシンセシスを役立てていただきたいと思います。

サイコシンセシスは、立場や、やっていることなどコンテンツが違っても、大切な価値を共有して、同じ方向性を目指す人達が、具体的活動やテーマの違いを超えて、恊働し、より良い社会を作っていく上での架け橋としても役立ち、出会いや恊働の喜びにつながると思います。

「悩みを抱えていらっしゃる方にメッセージがありましたらお願いします」

身体的な不安、症状の悩みは、一度受診していただくことを前提としてお話ししますね。

悩みの事実から逃げないで現実に直面することは大事だと思います。順調なら気づかないことに気づけるし、いろいろなものや人に出会うことで、成長の機会になると思います。

ただ、悩んでばかりで閉じこもり、「悩み=自分」と同一化すると良くないですよね。悩みから脱同一化して、余裕を持って、自分の事実を観察することは大事です。脱同一化にはいろいろありますが、私は医療の中でやっていた深呼吸が役立つと実感しています。吐く息を大切にした腹式呼吸です。

私自身の、サイコシンセシスと自分独自の気づきから、誘導の言葉ができ、『心の別荘』というCDシリーズの導入部に入れています。特に第2巻は、それに続いて、木立の丘を登り、今の自分を大きな視野の中で見て、メッセージを送るという脱同一化的なイメージもあるので、良いと思います。

深呼吸により大自然、宇宙の一部として、他者ともつながっている自分を感じたり、自分の意志で、呼吸を変えることで、心身も落ち着く、その他の気づきや効果があり、肯定的態度へのきっかけになります。

体を動かす、絵や日記などで思いを安全に表現することでも、脱同一化とともにエネルギーも変わります。自分の中の忘れていた良い感覚に触れるようなものを、私は勧めます。

脱同一化だけでも、悩みを大きな全体の中の自分の一部の事実として見ることができ、余裕ができるし、解決のヒントが見つかるかもしれません。

そういう余裕がないようなら、専門家を訪ねることをお勧めします。カウンセリングを受けることは恥ではないですし、悩みとどう取り組むかが大事ですから。全てのことに意味があり、「あの悩みがあったからこそ」と後になって言う人はたくさんいます。

「心の仕事に就いている方にメッセージをお願いします」

事実そのもの以上に、認知の仕方が、その人の内的現実に影響することは、心理の専門家には言うまでもありませんね。サイコシンセシスは、人間に関する認知の歪みの修正を試みているとも言えると思います。

人間、自分という存在を、サブパーソナリティレベルで捉える認知の歪みを修正し、サブパーソナリティ達と指揮者のパーソナルセルフからなるオーケストラのようだと捉えたら、私達の多くが楽になり、希望が出るのではないでしょうか。それにより、世界の見え方も変わると思います。

実際に、自分を責めたり、葛藤したりしていた人はこの人間観を得て楽になり、自分にも人にも優しくなると言います。皆さんも、サイコシンセシスの人間観とプロセスを学び、人をホリスティックに捉える上で役立てていただきたいと思います。

そうなれば、クライエントも、自分のアプローチも、ホリスティックな脈絡で見ることになります。それは、クライエントが問題解決を超えて、成長し、自己実現していくような「自分、他者、世界に対する主体的、肯定的態度」を引き出すことになるかもしれません。

また、技法に関しても、サイコシンセシスの地図は、いろいろな心理の理論や技法を目標に向かって体系的に捉える助けになると思います。アサジオリは、「心理学はそれなりの貢献をした。でも互いにバラバラで統合がないことが問題」と、究極の目的に向かって体系化するよう勧めています。

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「統合できるようになるのですね?」

実際、ある養護教諭でカウンセラーの方が、私の本を読んで、「今までいろいろな説や技法を学んできたが、この一冊で全部が統合される」と、感想を述べてくださったことがあります。

セルフサイコシンセシスを通してサイコシンセシスを理解することをお勧めします。プロとしてだけでなく、個人としてご自分自身のためにも意味があるのではないでしょうか。

私もそうでしたが、それぞれに今の仕事に至る必然性があるのではないかと思うんです。人生の意味、使命、方向性、サイコシンセシスでいう無意識の意志、真の自己の意志に気づくことで、自分の生き方における仕事の意味も変わり、魂のレベルでの自己実現の道につながるかもしれません。

特に、アサジオリがサイコシンセシス開発の意図として、「人類のために、心理学、精神医学を活かす」ためであったことを考えれば、心理の仕事に関わっていることの意味、人生の意味、社会、世界の問題との関わりなど、新たに感じられるのではないかと思うんです。

自分自身の個人としての人生を喜びの多い、意義あるものと感じられるようになるとともに、人のプロセスに沿うガイドとしての存在の質を高めることにもなると思います。そして、関連領域が身近になり、連携したり、自分の関わる領域が広まったりするかもしれません。

私の場合は、日本人、日本社会の課題を、意志の主体、段階の視点から、医療の中で実感し、「遅ければ治療、早ければ予防、最も早い予防は教育である」として、教育にフィードバックする役割を感じるようになりました。

心理の方とも、ともに教育に、社会に、フィードバックして行くべく、ネットワークできれば幸いです。

「先生の現在のご活動は?」

聖路加病院を退職後、昨年、日本としての自己実現に向けて、サイコシンセシスの視点から、意志の重要性を広め、実際に日本社会に、特に教育に活かしたいと思い、ウィルプロジェクトというサイコシンセシスを基盤とした活動を立ち上げました。

一方で、個人としては、サイコシンセシスや哲学、宗教、その他関連領域を深く学んだり、できることをする一環としての活動もいくつか始めました。

昨年夏は、前からの夢が叶ってフィレンツェに滞在し、サイコシンセシス研究所に通って、生前のアサジオリの書斎にある彼自筆の資料をテーマごとに読みました。

昨年秋からは、市民活動やフォーラムなどに参加して、現実社会の状況を知り、サイコシンセシスの役割を探ったりしています。自分なりの社会への役割を見直し、また、サイコシンセシスの視点を役立てようと思っています。

昨年は、アサジオリの直弟子フェルーチの来日に協力し、東京では、彼の講演会「美と魂」を催し、京都では立命館大学院での集中講義も補佐しました。人間の素晴らしさを実感するような映画の自主上映会も仲間とともにしました。

他には、企業の人事顧問、聖路加でナースを主体としたチームでやっている「がんと共にゆったり生きる会」のスタッフとして参加したりしています。

朝日カルチャーセンターでの、1990年からのサイコシンセシスの講座は、昨年春と秋にやらせていただきました。秋以後は、執筆が主な日課になり、その一冊目がトランスビュー社から『サイコシンセシスとは何か―自己実現とつながりの心理学』としてこの3月に出版された訳です。

また、ウィルプロジェクトの大きな企画として、WYSE(World Youth Service and Enterprise)という、サイコシンセシスをベースとして20年以上の歴史のある、若者のための国際リーダーシッププログラムの日本開催があるんですが、3?4年後に実施することを当面の目標として、今年から活動を始めました。

「今後の先生の夢や展望は?」

日本でWYSEプログラムを開催するというのが直近の夢ですね。そして、その活動を通して、開催後にもつながるいいネットワークを作り、良い社会、教育システムを実現する方向で活動できればと思います。

その資金作りにも関係しますが、様々な対象に対して、サイコシンセシスのワークショップや講演などもしようと思っています。スタッフや賛同者が講師をする様々なワークショップや、ウィルプロジェクトの趣旨に沿ったイベントもやっていきたいと思っています。

これは、他で主催する私の講演やワークショップとも、出版とも連動していき、同じような思い、あるいは方向性を共有できる各分野の方々との出会い、恊働の機会を増やし、役割を果たせればと思っています。

また、立場は問わずに、サイコシンセシスや、そのテーマに関心を持ってくださる方などとともに、社会の今後に貢献できるようリソースを出し合っていくために、その中で自分達自身の自己実現のプロセスが進むように、セミナーや勉強会も計画したいと思っています。

執筆に関しては、『サイコシンセシスとは何か』の続編的な一冊のほか、一般向けに分かり易いもの、特に意志について小さなものを書けたらとも思っています。

日本人の素晴らしい感性やスピリチュアリティーや思いやり、そして、頑張りや忍耐、協力、創造性など、やはり日本の良さってあると思うのです。

ただそれが民主主義社会として成り立ち、世界に貢献でき、日本人であることを誇れるようになるには、一人ひとりが市民として主体性や、すなわち、パーソナルセルフや意志、そして、必要な「自分、他者、世界への態度」を育てていく必要があると思うんです。そういう日本になってほしい。

サイコシンセシスの役割、私の役割があるなら、できることをしようという気持ちです。

皆で、それぞれの独自性を発揮しながら、一緒に良い社会を、世界を創っていくという思いや態度の共有が喜びだし、そんな中で、「やっぱり人間って素晴らしい。いのちって素晴らしい」と感じる機会を多く持ちたいですね。

紆余曲折して、偶然の出会いや出来事の重なりで医者になり、長いこと外来医療、予防医療に携わることになりました。

サイコシンセシスに出会ったことの意味、私自身の歩みの意味、今、ここにいる意味、3.11の意味、いろいろなものを統合して、自分自身が自分の中深くとつながりつつ、皆とも、世界ともつながり、サイコシンセシス的に生きることが、自分自身にも喜びであり、社会に貢献できるような、そんなあり方、生き方が夢でしょうか。


<編集後記>

「愛と魂と意志を持った心理学」として知られる「サイコシンセシス」。

平松園枝先生は、「サイコシンセシス」の素晴らしさと
その可能性について熱く語ってくださいました。

「人類全体が真に幸せになるように」との、アサジオリの願いを
現代の日本から発信し続ける平松先生の
「人類への貢献の想い」の真摯さに感服いたしました。

統合の視点でつながっていくことで、個人の幸せとともに
社会全体の幸せも希求できること、
そして、今こそ対立でなく統合の視点が求められていることを
強く感じさせていただきました。

平松 園枝(ひらまつ そのえ)  サイコシンセシス研究会代表
                    ウィルプロジェクトジャパン代表、WYSEジャパン代表

内科専門医 国際基督散大学、米国留学を経て京都大学医学部卒業。
京都大学付属病院、虎ノ門病院内科、東京大学附属病院心療内科で研修。
サイコシンセシス・インターナショナルで教育をうける。
日本ホリスティック医学協会元理事、自己治癒力を考える会発起人。

◆サイコシンセシスイントロ講座◆色々な自分、本当の自分−サイコシンセシス入門−
    ウィルプロジェクトジャパン(元サイコシンセシス研究会/PSS)主催
    講師:ウィルプロジェクト代表 平松園枝
第一回:サイコシンセシス総論
   サイコシンセシスとは何か。ホリスティック人間観。三つのアイデンティティ
第二回:下位無意識
   自分の中の問題と直面、色々な自分とそのメッセージに気づく。
第三回:トランスパーソナル領域
   いのち・他者、宇宙とのつながり、創造性、智慧、美、愛、パワー、調和、感謝など、
   人間のすばらしさ、喜びのある部分に触れる。真の自己実現への色々な道
第四回:「意志」の本質
   アイデンティティ・自己の本質と意志の関係、気づきから意志へ、
   夢、志、使命、熱意、目標、がんばり、生きる意味と「意志」、
   真の意志の見つけ方、意志の側面、特性など

日時:2012年5/9,16,23,30(毎週水曜) 18:45〜20:30頃(21時まで延長有)18:30受付開始
場所:JICA地球広場 http://www.jica.go.jp/hiroba/about/map.html 402号室
テキスト:「サイコシンセシスとは何かー自己実現とつながりの心理学」Amazon販売
      「好きな自分、嫌いな自分、本当の自分」生きるアシスト.com販売
受講料(税込み):12000円(4回分一括、事前(5/8迄)申込、振込済の方)
           14000円(4回分一括、初回5/9当日受付時に一括お支払いの方)
お申込:お名前、メールアドレス、電話番号を明記のうえ、
     「インタビュー記事を見て」と、メールにてお申込ください。
申込先:willproject.jp@gmail.com
振込先:みずほ銀行 広尾支店 普通1711354 PSS(ピーエスエス)代表者ヒラマツソノエ

<WYSEのHP>
【WYSE international】

<平松園枝先生の著書・訳書・CD>
cover
サイコシンセシスとは何か−自己実現とつながりの心理学



愛することを選ぶ―自分を解放していくセルフ・ガイド


cover
好きな自分、嫌いな自分、本当の自分―自分の中に答えがみつかる方法

『好きな自分、嫌いな自分、本当の自分−自分の中に答えがみつかる方法』の購入方法
  以下の項目についてご記入の上、faxで佐藤晴美担当までお送りください。
  こちらからeメールアドレスに振込み口座をお知らせします。
  税、送料込み1500円/1冊
  振込が確認されましたら、いただきましたご住所にお送りいたします。
  fax03-5978-8120 大和出版 佐藤晴美宛
  記入していただきたい項目
  お名前、ご住所、郵便番号、お電話番号、メールアドレス(必ずご記入ください)

心の別荘 『音楽と誘導イメージによるCD「心の別荘」』(1〜3巻) Epic Sony制作
  各2500円(送料無料) 販売【ジョイファンデーション】
  Tel03-3441-6758 Fax03-3441-6929 担当:喜田
  Email: webmaster@h-garden.com

インタビュアー:村上友望(むらかみともみ)

村上友望

今は普通のOLをしながら、セラピストとして活躍できるよう勉強中です。
出会った方々の幸せな笑顔をサポート出来たらと思っています。

ヨーガセラピスト ソース公認ベーシックトレーナー
パステル和アートインストラクター ジュニア野菜ソムリエ
アロマテラピーアドバイザー キャンドルアーティスト
ブログ:http://ameblo.jp/ohisamakokoro/

インタビュアー:高橋梨恵(たかはしりえ)

高橋梨恵

「本当の自分を知り、自分らしさを発揮して生きること」
社会におけるこのテーマの実現を心理的側面からサポートするため
現在カウンセリングの勉強中です。
趣味は旅・自然にふれること。

社団法人 産業カウンセラー協会 会員
レイキヒーラー


インタビュアー:川崎綾子(かわさきあやこ)

川崎綾子

ゲシュタルト・再決断@府中「座★すわろう会」で活動中。グループの中で
お互いにサポートを得ながら、自分らしく癒されるセラピーをしています。
ペンギン好き。趣味はバレエです。

GNJゲシュタルト療法トレーニングコース修了、日本ゲシュタルト療法学会会員
NPO再決断カウンセリングジャパン会員
矢野惣一問題解決セラピスト養成講座(上級)修了
レイキティーチャー


インタビュアー:脇坂奈央子(わきさかなおこ 日本メンタルサービス研究所 所長)

脇坂奈央子

『道開きの心理士』 ……本来のあなたの道を開く、お手伝いをします。
ブライアン・ワイス博士直伝の、プロフェッショナル・ヒプノセラピスト。
前世療法・催眠療法を中心に、ニーズに応じた各種心理セラピーを施療。

心理士、認定THP心理相談員、統合心理セラピスト、心理カウンセラー、
米国NGH認定ヒプノセラピスト、認定キャリアコンサルタント、
代替療法セラピスト(レイキティーチャー)
HP:ワイス博士直伝の前世療法・催眠療法・心理療法★ラポール
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