第59回目(3/4) 平松 園枝 先生 サイコシンセシス研究会

サイコシンセシスは、愛・魂・意志を取り戻した心理学

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「サイコシンセシスでは、『態度』をどのように捉えているのですか?」

態度のことは、見えないで、感じるものであるだけに説明は難しいですね。「生きる姿勢」「仕事に対する姿勢、態度」「態度決定」という時の態度で、英語ではattitudeです。はっきり定義されていませんが、私なりの考えを述べます。

態度は、「何、誰、どこ、いつ」などで表現できる、いわば見える世界のコンテンツに対して、見えないものと言えると私は思っています。例えば、特定の「仕事」という見えるコンテンツに対して、「どのように」対するか、関わるか、取り組むか、という見えないものです。

まじめな態度、前向きな態度、主体的、真剣な態度、積極的、消極的、肯定的、受容的な、熱心な態度など、限りなくあります。それに影響を与えるものとして、対象に対する無意識の「認知の仕方」があると思います。

更に、それを受けて、意識、無意識的にもっている基本的価値観や意図、動機など意志につながるもの、そして、動的な方向性と距離感、エネルギーの質や量のようなその人独自のものなどが関係すると思います。

そして、どんな時にもベースとなる、「自分、他者、世界、物事への態度」があると思うんです。

アサジオリは「文明や科学やテクノロジー自体に悪はない、あるとすれば、それを使う『人間のあり方』にある」と考え、その探究のために医学部に行きましたが、この『人間のあり方』は即ち、生きる姿勢や、自分や他者、世界に対する「態度」ということだと私は捉えています。

「サイコシンセシスは、『自分、他者、世界に対する態度』を肯定的にする」「あらゆる分野の統合に向かおうとする態度である」、更に「サイコシンセシスは態度である」とさえ、アサジオリは言っています。

「態度をとても大切にしているのですね?」

ホリスティックな人間観やプロセスの仮説と技法の体系を提供し、プロセスの実践を支援することにより、アサジオリは、世界の多様な人々が「自分、他者、世界への肯定的態度」を育むことができると思ったんでしょうね。

サイコシンセシスの特徴的態度は、統合に向かおうとする態度が根本にあるかと思います。

事実をあるがままに観察する態度、事実を受容する態度、その上で深く探究する態度、統合に向けていく知恵ある態度、愛ある態度、自分の中に答えを探す態度、自分から始める態度、科学的態度、知性だけでなく感性も大事にする態度、現実を良くしていこうとする態度など、様々な態度がサイコシンセシスから伺われます。

基盤としての自他世界への肯定的態度が育まれていれば、その態度のもとに、違いを克服して統合していくことができる。態度という視点は、見えるコンテンツばかりを問題にしがちな現代社会で、大切なことだと思っています。

日本人は知性と言うと記憶力とか知識とか思いますが、これはコンテンツです。知識を活かすには自分で考える、判断する、勇気を持って決断する態度などが必要です。

「では『意志』については、いかがでしょうか?」

サイコシンセシスは「愛、魂、意志を取り戻した心理学」と言われますが、「意志は『心理学の孤児』と言われ、それまで心理学では扱われていなかったし、扱われるとしても、無意識に気づいた上でという視点がなかった」、とアサジオリは言っているんですね。

アサジオリは、意志を、深く哲学的に探究した上で、独自の視点から、アイデンティティの動的表現として意志を重視したんです。個人として、社会として、人類としてのサイコシンセシスのプロセスを進める上で非常に重要なものと捉えています。

アサジオリは、『意志のはたらき』という本を、『サイコシンセシス』とは別に著したほどです。

「人間存在の本質は何か」、「どこに向かっていくのか」、「人生の意味、目的は?」などの実存的問いは、サイコシンセシスの視点からは、「アイデンティティと意志」に関する問いだと言うこともできると私は思っています。

サイコシンセシスでは、真の自己、トランスパーソナルセルフは、「私達は何者か」という真のアイデンティティであり、いわば「being」としての存在の本質を表すものです。

そして、意志は、真の自己の「どこに行くのか」「どう生きるのか」など「doing」として、アイデンティティの動的表現と捉えるんですね。真の自己と意志、アイデンティティと意志は、コインの裏表であるとサイコシンセシスでは捉えるのです。

「意志を、アイデンティティの動的表現と捉えているのですね?」

例えば、日本のシンドラーと言われる杉原千畝氏は、外務省からの圧力の中で、一晩一人で考えて、「人道、博愛に則る」とユダヤ人のヴィザ発行を決めたと聞きます。

そのような大きな選択、決断の時は、自分の深いところの価値観、真の自己、魂につながって、現実的には大変な道を選び、勇気を持って決断、実行したのではないかと私は感じました。その決断は、その人の本質を表している。つまり、意志はアイデンティティの動的表現ということです。

意志については、あまりに膨大で、重要なテーマ、かつサイコシンセシスの独自なところで、私自身が日本社会の問題と可能性を意志という視点から捉えているので、話しきれないのですが、日本人に役立つ視点と感じてきた「意志の段階」のことを説明しますね。

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「意志の段階とは、どのようなものでしょうか?」

意志の段階というのは、動機、価値観、独自の傾向などに関係して、熟慮などの段階を経て、選択し、そして勇気と覚悟を持って決断し、実行する段階があり、結果に責任を持つというプロセスです。私はこれを「選択決断までの段階」と、「実行の段階」と大きく分けているんですね。

日本人はどちらかというと、目標を与えられて「言われたことはやりなさい」とよく言われて育ち、目標を達成する実行段階は訓練されているし、そこに発揮される人間力はすごいと思うんです。個人でも、集団としても、協力してやり遂げる力は世界でも信頼されていると思うんですよね。

でも、方向や目標を選んで決断する、結果に責任を持つということは教育されていないんじゃないでしょうか。

選択、決断までの段階が意識されていないことが多い。決断の主体や意図が意識されていない。ただ言われた事はやる。与えられた目標は「何故?」とも問わずに頑張って達成する傾向が強かったですよね。

自分で選ばずに、目標が与えられるため、自己表現というより、「強い意志で頑張らなければ」「大変だな」という感じを持つ為に、意志が抑圧的と思われるのだと私は捉えています。

日本語は、主語が省かれたり、受動態表現が多いということは、選択と決断の主体が曖昧だということと関係していると私は思っているんです。

3.11以後の日本人の素晴らしさと、システムとしての日本の問題を見ると、「主体」と「意志」の視点は、今後の教育を考える上で重要だと思っています。真の自己実現に発揮される意志は喜びなんですね。
CD『心の別荘』1〜3巻は、喜びの体験から真の自己の意志を探すために創作したんです。

自分や自己実現の自己をサブパーソナリティで捉えていれば、そこに発揮されるのはサブパーソナリティの意志と言えると思います。どのレベルで自分のアイデンティティを捉えたり、感じたりしているか、「誰の意志か」ということが問題だと私は思うんです。

「どのレベルの意志かということですね?」

サブパーソナリティレベルでは、自分の深いところ、「真の自己」とつながっていないので、互いの意志が、他者と競合する、対立の方向に行くこともありますから、個人の自己実現が、社会の、人類の自己実現、サイコシンセシスにつながるということにはなりませんよね。

それぞれが真の自己につながれば、その「自分」「自己」は、深いところの、根源において一つで、互いに同胞ですから、全く違ってきます。人類にとって最高のあり方に向けて、皆が意志を発揮すれば、個人の自己実現が人類の自己実現につながってくる可能性がある訳です。

気づいた上で、意志を適切に活用すれば、意志は抑圧でなく、自己表現につながる喜びをもたらすことになります。

そのためには、面倒でも、避けたくても、自分自身に気づき、サブパーソナリティや、真の自己とのつながりを阻害するものに気づき、解放し、統合していくサイコシンセシスの心理療法にあたる段階が必要になるということです。

癒し、心理療法などは、真の自己とのつながりを取り戻す、サイコシンセシスのプロセスの第一段階と捉えることもできるのではないでしょうか。

そして、「人類サイコシンセシスは、とても面倒で大変なプロセスだけれど、不可能ではない」とアサジオリは言っているんです。

「人類サイコシンセシスですか?」

今、文明が見直され、個人が、社会が、そして、国として人類としての「意志」が問われています。特に日本では、3.11以後、そういう意識が高まっている。また現実に決断も迫られている。アイデンティティが、意志が問われているとも言えるのではないかと私は思っています。

アサジオリは、このような危機を予測し、「人間のあり方」が問題だと捉える一方で、人類の将来に希望を捨てずに、個人と多様な集団のそれぞれが、「外界ばかりでなく、自分の内界に気づきを増し、内的力、特に意志を喚起、活用することが重要である」と言っています。

そして、真の自己、真のアイデンティティを表現するような意志を発見して発揮していくことこそが、人類の危機を回避するばかりでなく、更に自己実現的なあり方につながると提唱したのです。

今まさに、アサジオリが、人類のために心理学・精神医学の知恵を活かして開発・提供したサイコシンセシスの視点が役立つのではないかと私は捉えています。自然に気づいて、真の自己につながるような意志を発揮し始めている人も多くなってきていると思います。

でも、何かうまく行かない、変わらなくてはと思う時、社会や世界がバラバラ、あるいはどう捉えていいか分からないと感じた時には、サイコシンセシスの人間観や意志の視点は役立つのではないかと私は思っています。

日本人は元々トランスパーソナルの部分は、自然や人とのつながりなど、日常体験している。ただ、個の確立が未熟と言われていますよね。ここでサイコシンセシスの視点を活かして、人を育て、社会システムを考えることは、世界に誇れる日本人、人類の方向性を示せるような国としての自己実現につながるのではないかとさえ思っているんです。

「先生ご自身は、サイコシンセシスで何を得られましたか?」

ホリスティックな人間観とプロセス、技法の体系を得たことで、個人として、医師として、組織人として、社会人として、地球市民として、あらゆるものを自分とのつながりで捉え、できることを探る基盤ができました。前はどこにも所属感が持てなかったのにその逆です。

特に、セルフサイコシンセシスのプロセスにより、スピリチュアリティや世界とのつながりとともに、現実の問題を理解する上で、サブパーソナリティの概念や態度の視点、外界にも内界にも気づいた上で統合の方向に意志を発揮していくパーソナルセルフや意志の捉え方は、人生の選択においても基盤となりました。

これらは医師として、患者さんを、大きな人間観とプロセスの中で捉え、深呼吸など独自の工夫で医療に取り入れることで、患者さんの自分や人生、仕事などの捉え方の変化とともに、「自分、他者、世界への肯定的、主体的態度」を引き出すきっかけにもなったと思います。

病気になって良かったと、その時、あるいは後になって思えるような関わりも、サイコシンセシスを基盤にしたことでできたと思います。

また、医療の中で日本社会の問題を、「日本人のあり方」から捉える上で役立ち、「遅ければ治療、早ければ予防、最も早い予防は教育である」を実感しました。これが、教育関係のその後の活動につながります。経営においても基盤になりました。

更に、宗教や哲学、神智学、宇宙のこと、生命科学、その他、深遠な領域も、サイコシンセシスを通して、身近に、学び易くなりました。

自分もそれらを深めつつ、それらの専門家の中で、互いに学び合い、現実を良くしていく統合の方向を模索するという態度の方達と、国や宗教を超えて出会い、これも人生を豊かにしてくれていると思います。

いろいろ迷いながらの人生も、全て意味があったと捉えています。

サイコシンセシスから得たことは計り知れません。

(次回につづく・・)

平松 園枝(ひらまつ そのえ)  サイコシンセシス研究会代表
                    ウィルプロジェクトジャパン代表、WYSEジャパン代表

内科専門医 国際基督散大学、米国留学を経て京都大学医学部卒業。
京都大学付属病院、虎ノ門病院内科、東京大学附属病院心療内科で研修。
サイコシンセシス・インターナショナルで教育をうける。
日本ホリスティック医学協会元理事、自己治癒力を考える会発起人。

◆サイコシンセシスイントロ講座◆色々な自分、本当の自分−サイコシンセシス入門−
    ウィルプロジェクトジャパン(元サイコシンセシス研究会/PSS)主催
    講師:ウィルプロジェクト代表 平松園枝
第一回:サイコシンセシス総論
   サイコシンセシスとは何か。ホリスティック人間観。三つのアイデンティティ
第二回:下位無意識
   自分の中の問題と直面、色々な自分とそのメッセージに気づく。
第三回:トランスパーソナル領域
   いのち・他者、宇宙とのつながり、創造性、智慧、美、愛、パワー、調和、感謝など、
   人間のすばらしさ、喜びのある部分に触れる。真の自己実現への色々な道
第四回:「意志」の本質
   アイデンティティ・自己の本質と意志の関係、気づきから意志へ、
   夢、志、使命、熱意、目標、がんばり、生きる意味と「意志」、
   真の意志の見つけ方、意志の側面、特性など

日時:2012年5/9,16,23,30(毎週水曜) 18:45〜20:30頃(21時まで延長有)18:30受付開始
場所:JICA地球広場 http://www.jica.go.jp/hiroba/about/map.html 402号室
テキスト:「サイコシンセシスとは何かー自己実現とつながりの心理学」Amazon販売
      「好きな自分、嫌いな自分、本当の自分」生きるアシスト.com販売
受講料(税込み):12000円(4回分一括、事前(5/8迄)申込、振込済の方)
           14000円(4回分一括、初回5/9当日受付時に一括お支払いの方)
お申込:お名前、メールアドレス、電話番号を明記のうえ、
     「インタビュー記事を見て」と、メールにてお申込ください。
申込先:willproject.jp@gmail.com
振込先:みずほ銀行 広尾支店 普通1711354 PSS(ピーエスエス)代表者ヒラマツソノエ

<WYSEのHP>
【WYSE international】

<平松園枝先生の著書・訳書・CD>
cover
サイコシンセシスとは何か−自己実現とつながりの心理学



愛することを選ぶ―自分を解放していくセルフ・ガイド


cover
好きな自分、嫌いな自分、本当の自分―自分の中に答えがみつかる方法

『好きな自分、嫌いな自分、本当の自分−自分の中に答えがみつかる方法』の購入方法
  以下の項目についてご記入の上、faxで佐藤晴美担当までお送りください。
  こちらからeメールアドレスに振込み口座をお知らせします。
  税、送料込み1500円/1冊
  振込が確認されましたら、いただきましたご住所にお送りいたします。
  fax03-5978-8120 大和出版 佐藤晴美宛
  記入していただきたい項目
  お名前、ご住所、郵便番号、お電話番号、メールアドレス(必ずご記入ください)

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  Email: webmaster@h-garden.com

インタビュアー:村上友望(むらかみともみ)

村上友望

今は普通のOLをしながら、セラピストとして活躍できるよう勉強中です。
出会った方々の幸せな笑顔をサポート出来たらと思っています。

ヨーガセラピスト ソース公認ベーシックトレーナー
パステル和アートインストラクター ジュニア野菜ソムリエ
アロマテラピーアドバイザー キャンドルアーティスト
ブログ:http://ameblo.jp/ohisamakokoro/

インタビュアー:高橋梨恵(たかはしりえ)

高橋梨恵

「本当の自分を知り、自分らしさを発揮して生きること」
社会におけるこのテーマの実現を心理的側面からサポートするため
現在カウンセリングの勉強中です。
趣味は旅・自然にふれること。

社団法人 産業カウンセラー協会 会員
レイキヒーラー


インタビュアー:川崎綾子(かわさきあやこ)

川崎綾子

ゲシュタルト・再決断@府中「座★すわろう会」で活動中。グループの中で
お互いにサポートを得ながら、自分らしく癒されるセラピーをしています。
ペンギン好き。趣味はバレエです。

GNJゲシュタルト療法トレーニングコース修了、日本ゲシュタルト療法学会会員
NPO再決断カウンセリングジャパン会員
矢野惣一問題解決セラピスト養成講座(上級)修了
レイキティーチャー


インタビュアー:脇坂奈央子(わきさかなおこ 日本メンタルサービス研究所 所長)

脇坂奈央子

『道開きの心理士』 ……本来のあなたの道を開く、お手伝いをします。
ブライアン・ワイス博士直伝の、プロフェッショナル・ヒプノセラピスト。
前世療法・催眠療法を中心に、ニーズに応じた各種心理セラピーを施療。

心理士、認定THP心理相談員、統合心理セラピスト、心理カウンセラー、
米国NGH認定ヒプノセラピスト、認定キャリアコンサルタント、
代替療法セラピスト(レイキティーチャー)
HP:ワイス博士直伝の前世療法・催眠療法・心理療法★ラポール
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