第59回目(1/4) 平松 園枝 先生 サイコシンセシス研究会

サイコシンセシスに出会って、小さい時からの問いが全部解けた!

今回のインタビューは、「サイコシンセシス」研究・実践の第一人者として
ご活躍の内科専門医、平松園枝先生です。

平松先生は、サイコシンセシス研究会代表のほか、
ウィルプロジェクトジャパンとWYSEジャパンの代表も務められています。

「愛と魂と意志を持った心理学」として知られる「サイコシンセシス」。

セミナーなどで、「サイコシンセシス」の普及・実践活動に、
長きにわたって意欲的に取り組んでこられた平松園枝先生に
「サイコシンセシス」の魅力やその可能性、
今の時代に求められるもの、今後の展望などについてお話を伺いました。

インタビュー写真

「先生は小さい頃はどんなお子さんでしたか?」

私は三人姉弟の真ん中なんです。姉と弟が喧嘩すると、いつも仲裁役でした。日中忙しい父と母が、夜二人でバイオリンとピアノを合奏したり、そういう時は嬉しかったですね。

小学校の時から、クラスで委員長に選ばれると、いろいろな意見がある中で、皆がこれならいいというようにまとめる役割をやっていました。

人には活発で好きなことをやっていると思われるのに、自分自身がしたいからではなく、求められるままに役割を引き受けていたと思います。皆が仲良く、楽しくやっている中に参加しているのが好きだったと思いますね。そして、人間に関心が強かったと思います。

自立心があったし、低学年の時はおてんばで「女ターザン」と呼ばれたりする部分もありました。冒険好きでした。

夕食の時に親からいろいろ話を聞くのも好きでした。親からは、宗教は自由だが、目に見えない大きなものに対する畏敬の念、感謝の念を持つこと、真理は自分で求めるもの、人に対しては黄金律が基本とか、そういった目に見えない価値や生き方とか、それに科学的な話や世界のことなど、ユーモアある小話とともに日々聞いていました。

小さい時から、自分でもいろいろ考え、宗教の違いで戦争をするのはおかしい、人間の側の問題ではないか、文化的、宗教的違いの奥にある普遍的な真理は何か、と自分なりに探求していました。

大学に進学する時は、何でも面白く、18歳で進路を一つに決めるのは無理だと思いました。

それで、受験にはのれずにいた高3の秋にアメリカ留学の推薦の話がきて、すぐに試験を受けました。でも、日本の大学合格も条件とわかり、結局、大学を3校受けたんですけれど全部違う科で、合格した所が私の役割どころかなと思っていたんです。

「お医者様になろうと思われたのは、いつ頃ですか?」

両親が別々に開業している地域に根付いた医者だったので、医者というのは小さい時から身近で、親の事を誇りに思っていましたし、中学の生物で、三半規管を習った時、生命の神秘に驚いて以来、生命科学にも興味がありました。

だから、医学部のことは当然考えたんですが、「あなたは特別だから悩みないでしょう」とか、「医学部受けるんでしょう?」とか、周りに決めつけられこと自体に反発しちゃったんですね。

「その後、医学部に進まれたのは、何かきっかけがおありだったのですか?」

ICU(国際基督教大学)に自然科学で入ったんですけれど、他の分野も関心があり、2年の時に専攻を経済に変えたんです。でも、1学期だけで元に戻りました。本当に何を選んでいいのか分からなくて、どこにも所在感をもてない感じだったんです。

それで、高校の時に取った奨学金の資格をいかして、3年の秋からアメリカに留学することにしました。国や文化を超えて、多くの人達と触れ合って、人間共通の何かを見出したいということと、世界を広く見た上で、自分の進路を決めたいと思ったんです。

ところが、留学先は南部の名門の女子大だったんですが、広い世界どころか、狭い、小さいコミュニティの価値観で動いているようで、ICUの方がオープンで視野が広かったと感じ、そこでは満足できないでいたんです。

実はアメリカに発つ時に、羽田空港で偶然、医学部の編入制度は今度の春が最後という事を知ったのですが、それを思い出して、残念に思うようになったのです。

留学を推薦してくれた高校の英語の先生が、アメリカの両親になってくれていて、暮れに帰った時、そんな私に、「1学期だけ終えて、帰国して試験を受けたら」と勧めてくれたんです。それでも、帰国する口実にして自分に甘いのではないかとか1ヶ月悩みました。

でも、「初志貫徹もいいが、間違っていたと分かったら、勇気を持ってやり直すことこそ本当ではないか」という日本の友人の言葉に励まされて決断し、2月に帰国したのです。それで、編入試験を受けて、医学部に進んだわけです。

「サイコシンセシスに出会われたのは、お医者様になられた後ですか?」

そうなんです。医者になってからも、当時の医者は、医学的診断、治療、研究に頑張っていましたが、インフォームドコンセントは一般的ではなく、緩和ケアもありませんでした。

それで、ガンは告知せずに、皆で説明の仕方を共有して、本当のことは言わないのが普通でした。家族も強くそれを願うのがほとんどでした。

虎の門病院で研修していた時、ガンの転移で入院して来た先輩の医者を受け持ったんです。本人は絶対分かっていると思っていました。でも、受け持ちのチームとして、決めていた説明があり、私も、彼のところに行って、その説明をしました。

その時、彼が肩を落とし、黙り込んで、心を閉じたっていう感じだったんです。私自身も、やりきれない感じでした。本当のことを共有していないために、患者さんが苦しい時に、本当にそこにいてあげられない。とても辛く感じました。

その他にも、誰のための医療かとか、たくさん疑問があって、医師として迷いが出て、医学に燃えられなくなってしまったんですね。

医者になったのは、人生の一つの道、生命に、人間に関わる道としてです。でも、それ以前に一人の人間、女性としての生き方、実存的な意味への問いがずっとあったので、生き方は大事にしていましたが、医者という職業には固執していませんでした。それで研修が終わったところで一度、人生を考えるために医者は辞めました。

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「その後はどうされたのですか?」

その後結婚し、出産、子育てもあり、外来と健診だけをやることになりました。そこで出会う患者さん達は、自分の生活をしながら受診する方です。それで、日本人や日本社会の課題を、医療の中で直に触れるようになったと思います。

私の母は眼科領域での心身医学の草分け的な人だったので、心身医学は身近にありました。でも、親がやっているからという理由からはそれを学ぶ気持ちになっていませんでした。ところが、内科外来で心身相関を実感する例に出会ったのです。

そこで、東大心療内科で週一度ですが心身医学を研修し、交流分析、ゲシュタルト、その他の心理療法やヨーガなどに触れることになりました。最初は、自分自身への気づきが増えて、喜んでいたのですが、気づきや心理療法の全体を統合する地図がない、方向性が見えない、と感じていました。

一方で、アメリカから精神分析をやめてサイコセラピストになった講師が来て毎年やる4〜5日のワークショップがあって、参加していたのですが、その主催者であった国谷誠朗先生が、スタウファー先生を招いて5泊くらいのサイコシンセシスワークショップを日本で開いたのです。

私は子育て中で参加できず、その時のテープを友達がくれて、家事をしながら聴いていたのです。その時、「これだ!!」と思ったのです。興奮しました。

その後、スタウファー先生を訪ねてコースを取って、国際学会に行ったり、ワークショップやサマースクールに参加するようになったんです。

「サイコシンセシスに出会って、どんな風に感じられましたか?」

「やっと出会った!!」と感じましたね。心理療法での気づきや多彩な理論や技法の統合への求めに応えてくれて、ずっと探していたもの、あらゆる対極を高次元で統合していけるすごい地図だと思いました。

小さい時からの、人間はそもそもどういう存在か、人は何故争うのか、宗教で伝えようとしている普遍的真理は何かなどの問いは、サイコシンセシスに出会って、全部解けた感じがしました。

聖書の言葉も前より響くようになりました。仏教やインド哲学も、サイコシンセシスを通して身近になりました。

自分自身のことでも、それまで迷い、模索する中で、内的にも現実にもさまよいつつ、偶然にも導かれて医者になった私ですが、全てが必然のことだったと思うようになりました。また、社会や世界の問題も、サイコシンセシスの視点から見るとよく見えるようになりました。

自分自身が、個人として、医師として、社会の一員として、生きる上でもガイドを得た感じでした。

「サイコシンセシスの特徴を教えていただけますか?」

サイコシンセシスの特徴として、独自の仮説としてのホリスティックな人間観、世界観がまずあります。

一般の心理学や教育で扱うパーソナリティレベルに加えて、フロイトが対象とした無意識のみでなく、宗教の扱う真の自己、スピリチュアリティや、他者、世界とのつながりに関係する無意識も含めて全体(ホール)として包括的に人間を捉えたんです。

これは、欧米では、ホリスティックな人間観といわれ、ホリスティック医学・教育・ヘルスなどのベースになってきました。

そして、この人間観に基づいて、癒しから、自立、成長、他者や世界につながる真の自己の自己実現へという動的な方向性を示したことも特徴です。問題解決はゴールではなく、その先に導くのです。

更に、「自己実現へのプロセス」を、自分の内界への気づき、意志を発揮して統合していく「分析から統合へ」の繰り返しによる実践として示したことも特徴です。「意志」と「統合」という重要な概念に関する捉え方と実践のアプローチは、サイコシンセシス独自のもので、大きな特徴です。

このプロセスは、状況によって、心の専門家やコーチなどが支援できますが、ある程度、パーソナルセルフが強化されたら、自分一人で、進んだり戻ったりしながら、セルフサイコシンセシスとして、一生実践していけるものです。

本やワークショップで実習を通して理解できれば、全段階を自分でやることもできます。セルフサイコシンセシスと呼ばれ、サイコシンセシスの特徴ですが、これは、個人として、専門家として、社会人、地球市民として、職業や立場を超えて、誰にとってもとても意義があると私は実感しています。

なお、サイコシンセシスでは、全過程を一人のガイドが支援しますが、そのガイド自身のセルフサイコシンセシスを前提としています。

このプロセスの原理を、個人のプロセスから始めて、二者関係から、多様な集団に応用して、最終的には人類としての自己実現を目指していくという大きなヴィジョンがあることも特徴です。

「シンセシスとは、どういう意味なのですか?」

「シンセシス」は統合という意味ですが、対極や、多様性のそれぞれを尊重して、高次元で統合していくという真の統合です。「統合」はサイコシンセシスの大きな特徴の一つです。

「サイコシンセシス=精神統合」は、「サイコアナリシス=精神分析」に対比して名付けたものです。サイコシンセシスという言葉は、アサジオリが開発した心理学を指すとともに、この「気づきから統合へ」のプロセスのことも指します。

つまり、個人のサイコシンセシスは、人類のサイコシンセシスへの第一歩と捉えているのです。

ユネスコ憲章前文の「戦争は人の心に起こるものであるから、平和の砦は、人の心の中に築く」という言葉も、個人から人類へという癒しのプロセスに関して、アサジオリと同じ態度が見られると思います。

心理療法の領域を超えていると感じる方もあるかもしれませんね。サイコシンセシスは、イタリアの精神科医ロベルト・アサジオリが開発し、1910年に精神分析学会で発表したものですが、彼の動機や意図を知ると身近に感じるようになるかと思います。

彼自身は恵まれて育ち、人間は本来素晴らしいものだと体験的に感じていたと思われます。

でも文明、科学、テクノロジーが発達した20世紀前半当時の社会、人類のあり方を見て、「人類が自らの業績により自らを滅ぼす危機を回避するにはどうしたらよいか?」「もっと、人間本来の素晴らしさを発揮するような、『人間のあり方』が個人としても人類としてもあるんじゃないか?」「それを妨げているものは何か?」と考え、人間を探究するために医学部に行ったという順序なんですね。そこが、他の心理療法の開発者達の多くと違うと思うんです。

彼は精神科に進んで精神分析に出会い、無意識とエネルギーの重要性に気づき、この視点を、闇の部分だけでなく、真の自己に関連する分野にも広げて、文明への疑問、自分の問いに応えるものとして、サイコシンセシスを開発したということなんです。

つまり、人類の危機を回避するため、更に人類本来の最高のあり方を実現するような人間のあり方を引き出すために、心理学、精神医学の知恵を活かしたということなんです。

(次回につづく・・)

平松 園枝(ひらまつ そのえ)  サイコシンセシス研究会代表
                    ウィルプロジェクトジャパン代表、WYSEジャパン代表

内科専門医 国際基督散大学、米国留学を経て京都大学医学部卒業。
京都大学付属病院、虎ノ門病院内科、東京大学附属病院心療内科で研修。
サイコシンセシス・インターナショナルで教育をうける。
日本ホリスティック医学協会元理事、自己治癒力を考える会発起人。

◆サイコシンセシスイントロ講座◆色々な自分、本当の自分−サイコシンセシス入門−
    ウィルプロジェクトジャパン(元サイコシンセシス研究会/PSS)主催
    講師:ウィルプロジェクト代表 平松園枝
第一回:サイコシンセシス総論
   サイコシンセシスとは何か。ホリスティック人間観。三つのアイデンティティ
第二回:下位無意識
   自分の中の問題と直面、色々な自分とそのメッセージに気づく。
第三回:トランスパーソナル領域
   いのち・他者、宇宙とのつながり、創造性、智慧、美、愛、パワー、調和、感謝など、
   人間のすばらしさ、喜びのある部分に触れる。真の自己実現への色々な道
第四回:「意志」の本質
   アイデンティティ・自己の本質と意志の関係、気づきから意志へ、
   夢、志、使命、熱意、目標、がんばり、生きる意味と「意志」、
   真の意志の見つけ方、意志の側面、特性など

日時:2012年5/9,16,23,30(毎週水曜) 18:45〜20:30頃(21時まで延長有)18:30受付開始
場所:JICA地球広場 http://www.jica.go.jp/hiroba/about/map.html 402号室
テキスト:「サイコシンセシスとは何かー自己実現とつながりの心理学」Amazon販売
      「好きな自分、嫌いな自分、本当の自分」生きるアシスト.com販売
受講料(税込み):12000円(4回分一括、事前(5/8迄)申込、振込済の方)
           14000円(4回分一括、初回5/9当日受付時に一括お支払いの方)
お申込:お名前、メールアドレス、電話番号を明記のうえ、
     「インタビュー記事を見て」と、メールにてお申込ください。
申込先:willproject.jp@gmail.com
振込先:みずほ銀行 広尾支店 普通1711354 PSS(ピーエスエス)代表者ヒラマツソノエ

<WYSEのHP>
【WYSE international】

<平松園枝先生の著書・訳書・CD>
cover
サイコシンセシスとは何か−自己実現とつながりの心理学



愛することを選ぶ―自分を解放していくセルフ・ガイド


cover
好きな自分、嫌いな自分、本当の自分―自分の中に答えがみつかる方法

『好きな自分、嫌いな自分、本当の自分−自分の中に答えがみつかる方法』の購入方法
  以下の項目についてご記入の上、faxで佐藤晴美担当までお送りください。
  こちらからeメールアドレスに振込み口座をお知らせします。
  税、送料込み1500円/1冊
  振込が確認されましたら、いただきましたご住所にお送りいたします。
  fax03-5978-8120 大和出版 佐藤晴美宛
  記入していただきたい項目
  お名前、ご住所、郵便番号、お電話番号、メールアドレス(必ずご記入ください)

心の別荘 『音楽と誘導イメージによるCD「心の別荘」』(1〜3巻) Epic Sony制作
  各2500円(送料無料) 販売【ジョイファンデーション】
  Tel03-3441-6758 Fax03-3441-6929 担当:喜田
  Email: webmaster@h-garden.com

インタビュアー:村上友望(むらかみともみ)

村上友望

今は普通のOLをしながら、セラピストとして活躍できるよう勉強中です。
出会った方々の幸せな笑顔をサポート出来たらと思っています。

ヨーガセラピスト ソース公認ベーシックトレーナー
パステル和アートインストラクター ジュニア野菜ソムリエ
アロマテラピーアドバイザー キャンドルアーティスト
ブログ:http://ameblo.jp/ohisamakokoro/

インタビュアー:高橋梨恵(たかはしりえ)

高橋梨恵

「本当の自分を知り、自分らしさを発揮して生きること」
社会におけるこのテーマの実現を心理的側面からサポートするため
現在カウンセリングの勉強中です。
趣味は旅・自然にふれること。

社団法人 産業カウンセラー協会 会員
レイキヒーラー


インタビュアー:川崎綾子(かわさきあやこ)

川崎綾子

ゲシュタルト・再決断@府中「座★すわろう会」で活動中。グループの中で
お互いにサポートを得ながら、自分らしく癒されるセラピーをしています。
ペンギン好き。趣味はバレエです。

GNJゲシュタルト療法トレーニングコース修了、日本ゲシュタルト療法学会会員
NPO再決断カウンセリングジャパン会員
矢野惣一問題解決セラピスト養成講座(上級)修了
レイキティーチャー


インタビュアー:脇坂奈央子(わきさかなおこ 日本メンタルサービス研究所 所長)

脇坂奈央子

『道開きの心理士』 ……本来のあなたの道を開く、お手伝いをします。
ブライアン・ワイス博士直伝の、プロフェッショナル・ヒプノセラピスト。
前世療法・催眠療法を中心に、ニーズに応じた各種心理セラピーを施療。

心理士、認定THP心理相談員、統合心理セラピスト、心理カウンセラー、
米国NGH認定ヒプノセラピスト、認定キャリアコンサルタント、
代替療法セラピスト(レイキティーチャー)
HP:ワイス博士直伝の前世療法・催眠療法・心理療法★ラポール
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