第54回目(2/4) 芙和 せら 先生 日本フラワーハートセラピスト協会

花からは、同じ生命体としてのエネルギーがもらえる

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「阪神・淡路の震災の日には、事業計画書を作っていらしたとか?」

事業計画書を作っていて、何回も書いて、検証して、1995年の1月17日の夜中の1時か2時くらいに「やっとこれで完成した」と思ったんです。自分の望んだ形の事業計画書が出来たから寝ようとしたけど、気も立ってるし眠れなくて、やっと眠りについた時に震災が起こったんです。

その時は私は大阪に住んでいて、家族にはすぐに連絡を取ろうとしたけど、繋がらなくて。そうこうしているうちに家の近所の焼けているシーンとかがテレビに出てきて、7時くらいに家を出て、10時間以上かけてタクシーで実家に戻りました。

その時にもいろいろと思いはあったんですけど、その後、母が亡くなり、避難生活をしていたり、そこで花のセラピーをしていて、花を持ち込んだことで、やっぱりみんな凄く生きる気力を取り戻したんです。

「避難所にお花をですか?」

そうです。私達がいた避難所や親戚のところにも持って行ったりしました。

その時は父と一緒に避難生活をしていたので、現地に留まっていて、時々大阪に買出しに行く時にお花を買って帰ったんですね。それまでもお花のセラピーをやっていて、これは凄いなとは思っていたけれど、本当の意味では実際には分かってなかったのです。

「それはどういうことですか?」

生きる死ぬっていう時に、花っていうのは生命力を取り戻せるんだなってことです。例えば、家族を失って、震災の時って生き残った人って凄く罪悪感を持って、私もそうだし私の妹もそうだし、私達家族もみんな大変傷ついていました。

「お母様を亡くされたのですね?」

父もそれを救えなかったっていう罪悪感があるし、それはみんな沢山持っていて、生き残ったのは自分が人間としてダメな人間だから生き残ったとか、死ねなかった不幸みたいな。自分が親不孝者だからだとか、居たら一緒に死ねたかもしれないのにどうして、とか。

家族を亡くしたお年寄りって、ゆるやかなる自殺っていうか、自殺する気力もないので、食べないとか、飲み食いしなければいずれ死ぬっていうようなもう気力の無い状態。確信的にそうしている人達もいる。

男性の場合はお酒が多いですね。お酒しか飲まない。でもそんな時に、避難所にお花を届ける。友人のところに届けた時に、「花も生きてるしなぁ、生きなあかんなぁ」って、そういう言葉が出てきた。

花も安い花だし、水だって貴重なので、洗い物をした水を使い終わった紙コップに入れるとか、そんなことしかできないけど、「生きななぁ」って言葉が出てきて。

或いは、争い事がやはり減る。みんな眠れないし、プライバシーもない中、みんな不安、気が立たない方がおかしいですよね。でも花があることで、争い事が減るんです。

花って、本当に不思議なんですけど、普通は衣食住だとか、そっちの方がメインになるんだけど、暮らす方はね、早い時期に花は欲しいの。生きていく同じ存在としてね。日常をとり戻す為の手掛りというか。

例えば、ネコが日向ぼっこをしているのを見ているだけで泣けてくる。それは自分が失ってしまった平和な時間の象徴なんですね。その風景とか、花が咲いているとか、そういうことが、実は生きる力を取り戻していく「よすが」になるんですよね。

「生きる力を取り戻していく・・・」

セラピーを学びに来られる方も、自分が生きるか死ぬかの病気をした時だとか、そういう災害にあったとかという時に、花だとか、生きているものからエネルギーをもらったって人が多いんですね。

私はその前からやっていたけれど、そこまで深くまで考えているというよりは、本当に、クレヨンの代わり、絵の具の代わり、コラージュの写真の代わり、箱庭のミニチュアの代わりとして、花を見ていた。

心理分析も当然できるけど、これは理論体系化しようと思って、ずっとデータを取ったり、研究をし始めていたけれども、どちらかというと学問的であるとか、セラピーをするためのツールとしてしか捉えてなかった浅はかさにその後、気づいたんですね。

>「お花の見かたが変わった?」

好きですけど、そこまでは考えていなかった。でも同じその時間を生きている「生命体」なんですね。そこが、ミニチュアやドライフラワーとは違う。人体の6〜7割は水って言われてますけど、花も水を含んでいるんですね。

そこに、知らず知らずに、生命体としてシンパシーを感じるんじゃないかと思っているんです。そこまでの理解をしたのは震災の後でしたね。

「生命体としてのシンパシーですか?」

それまでも「美」とか、「好き」とか「くつろぐ」とかは分かっていたけれども、これは本当に凄くいいと。でも今は私のクライアントにしかやっていなくて、でも花によって救われる、困っている人は世の中に山ほどいる。

もしかして、理論体系化した心理学としてのお花のセラピーをきちんとお伝えすることで、私が今こういう大変な目にあっていることのリベンジになるかと感じたのです。

街が壊滅して、ひどい状態だったので、自分が生きるためにも目標が必要で。生きる希望を見出すために、セラピーを伝えている自分をイメージすることで立ち直ろうと思ったのです。1996年の2月20日に会社を設立したんですが、それは母の誕生日なんです。

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「フラワーハートセラピーという名前はいつ生まれたのですか?」

独立前後ですかね。それまではなんとなく「花のセラピー」というような呼び方をしていました。

独立してフラワーセラピーとしてやろうとした時に、本をたまたま見たんですよ。それじゃあ、かぶっちゃうなって。しかも、心理学的なものではなくて、漢方とか、全然アプローチが違うものだったんですね。

だから、心理学なのでハートを入れておこうと思って。やっぱり広めるためには名前を付けなきゃと考えました。

「先生が創設なさったフラワーハートセラピーを簡単に説明していただけますか?」

ですね。分かりやすくまとめて、この三つの面、花の色彩心理(色)、アロマテラピー(香り)、フラワーアレンジメント(形)+心理学と説明していますが。

説明する時に、芸術療法って一般の人に通じませんでした。分かるのは、心理療法をやってる人だけですよね。

一般のクライアントさんに説明する時は、お花に色あるでしょうって言ったり、色彩心理って色の影響もあるし、アロマテラピーの影響もあるし、香りの影響もあるので、後はアレンジメントって言ってるんですけど、これは形という意味なんですね。

花姿からくる影響というのも凄くあります。例えば、白い花でも、マーガレットと、レースフラワーっていうレース編みみたいなお花、かすみ草とかもありますよね。形が違うので意味も違ってきます。

白という色彩心理だけではやっていないので、色彩心理と言うと限定してしまうイメージがあるので、あえてアレンジ・形という要素を加えて説明しています。色彩とか、香りとか、形あるいは手触りを含めて、ツールとして使えるものなんです。

花のそういう側面から研究をし、あとは交流分析とユング心理学が入っています。

「それはどんな形でですか?」


どんな研究をしたかっていうと、交流分析のエゴグラムの高い低いと花の好みの研究とかね。それが花の色だけではなくて、花の形とかあるんですね。

例えば、エゴグラムのAが一番高い、アダルトタイプの人って、デルフィニウムっていう青いお花を好むのですが、青だったらいいというものでもないんです。青でかつ縦長っていうところに引かれるみたいなんです。面白いんですよ。

デルフィニウム、青で縦長、あと一つ惹かれるのがリンドウ。これも青で縦長なんですよね。青でも、縦長でない花にはあまり反応しないんですよね。

FCが高い人だと、ヒマワリとかガーベラとかに惹かれるんです。CPとFCが高いとこれが好きとかね。

NPが高い人って、ピンク色のカーネーションとかバラとか好きなんですが、ピンクだったらいいというものでもなくて、ピンク色で重なっているのが好きみたいなんですね。NPとAが高い人は、ユリ系とかね。

エゴグラムと惹かれる花の法則性があるんですね、ここが交流分析と組み合わせたところなんですね。

「ユング心理学はいかがですか?」

ユング心理学や箱庭療法の考え方っていうのは、去年のフォカーシングの国際学会で128種類の花を用意しました。で、その中からお花を選んで自由に刺していくんですけど、出来上がったお花から分析すると、ユング心理学的な象徴的な見方が入って来るんですね。

何の花が何の象徴かというのは、もちろんケースから拾い集めているのもあるんですけど、例えば聖母マリアといえば、バラとかユリとかなんですけど、両方NPの花ですよね。これ、面白いですね。象徴学から解釈しても、交流分析からでも同じ結論に行ったりするんですね。

子ども時代にお母さんから虐待を受けた人をセラピーしたことがあるんですけど、理想の母性を表す時にね、バラを使いますね。しかもピンク色の。これはケースの中でも本当に出てくるものですね。

二日酔いの時に出てくる花の組み合わせもあるし、夫婦喧嘩をした時の花の組み合わせもあるんです。仕事が辞めたくなった時の組み合わせもありますし、結婚間近の時の組み合わせ、離婚したいんだなとかもあるんですね。

データで積み重ねて、コラージュや絵画を分析するのと同じようにお花を使ってるんですよ。だから、交流分析からのアプローチと、ユング心理学や箱庭療法的なアプローチと両方使ってるんですね。

「フラワーハートセラピーを受けることによって得られる良さは?」

生きる元気が出てくるというか、明るいセラピーなんですね。

ゲシュタルト療法の百武正嗣さんが、いつも私に言ってくれるのは、「明るいセラピーでいいよね」です。花を見ていて怒る人、イライラする人ってあまりいないので、花の力を借りることで元気が出てくる。逆に怒りを放出するセラピーには向かない場合もあります。

もちろん怒りも表現します。でも、生命体同士ですから、穏やかになったり、本来の素の自分になったり、生きる力の発見だったりするんです。潜在意識との対話なので、何十種類の中からお花を選ぶっていう時点で、選んでる時にもう気持ちいいでしょう。

普通お花屋さんでは触れられなくないですか? でも、お花に触れていいんです。触れて対話をして、「今日はどの子と相性がいい?」って対話をしながらやっていくんですね。

効果という意味では、データがあります。POMS(ポムス)というのをご存知ですか? 気分を測る指標です。それをセラピー前と後で比べ、学会で報告をしたものです。緊張や抑うつが改善されます。怒り、混乱も落ち着きます。疲労も取れます。

唯一上がっているのが、活気です。これは300人にやってほぼ同じ結果が出ています。

今年は上海に行って同じリサーチをしてきました。結果は、まぁ同じですね。面白いですよ。欧米人もあまり変わらない。日本人と基本は変わらないんです。

国際学会でワークショップをしたりして分かっていることなんですけど、中国って色彩も赤に偏っていたり、極彩色だったりするんで、何か違うかもと思ってやったけれど、基本は変わらないですね。

こういう研究をしてみたり、お年寄りの施設で、認知症とか入ってくると、だんだん無表情になってくるんですけれど、セラピーをする前と後で表情が変わるとか。

それから、食欲に影響があったりもします。食欲促進効果があると言われているサンダーソニアという花が、香りがないので食卓向きなんです。それを介護施設で、6日間置いた時と置いていない時で、食事の量を測ってもらったら増えていたんですね。

対照実験もしています。普通のフラワーアレンジメントと効果がどう違うかの対照実験の結果、アレンジメントのレッスンではこういう効果はありませんでした。もちろん、活気は少し出ますし、疲労感も若干取れますけど、混乱が増えたりします。

「フラワーアレンジメントとは違うのですね?」

フラワーアレンジメントのレッスンで同じ効果があるかというと、花を使っているのは同じですが、違いますね。

セラピーはセラピー的なアプローチがあります。言葉掛けであるとか、当然順番もあるし、グラウンディングさせていくとか、全部あるじゃないですか。その組み立てがないと、こういう結果にはならないのですね。

だから、花があればいいというものでもない。音楽療法でも音楽を聴けばいい、ではないということです。レクリエーションと音楽療法の違いと同じです。

                 

(次回につづく・・)

芙和 せら(ふわ せら) NPO法人日本フラワーハートセラピスト協会理事長
                株式会社ハート・アンド・キャリア代表取締役
                フラワーハートセラピスト、シニア産業カウンセラー
                心理療法士スーパーバイザー(日本心理療法士協会認定)
                交流分析士(日本交流分析協会認定)、日本芸術療法学会員

フラワーハートセラピーは、花に自由にふれることで、花の中に心を解き放ち、自分を癒そうとすることです。花を使って表現するというのは、フラワーアレンジメントも同じですがフラワーアレンジメントは基本を美においていますが、フラワーハートセラピーでは、「心のありよう」つまり花と遊び、花と語り、花の自然の姿から何かを学ばせてもらうということが基本なのです。
でき上がったかたちではなく、かたちを作るプロセスを大切にしています。
ぜひあなたも花に心をゆだねてみませんか。

<NPO日本フラワーハートセラピスト協会のHP>
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ケース別・花の心理セラピー

インタビュアー:鈴木明美

鈴木明美

セラピールームChildren主催、NPO Oasis 代表
いろんな環境に自分を合わせて生きてきて、自分がなんだか分からない。
そんな、うつ病や心の悩みを抱えた方のお手伝いをしています。

心理カウンセラー、NLPセラピスト(ゲシュタルト、エリクソン催眠療法、
家族療法)、交流分析士1級、トランスパーソナル学会会員、レイキヒーラー
HP:江戸川区西葛西、セラピールームChildren
ブログ:セラピールームChildren

インタビュアー:村上友望(ともみ)

村上友望

今は普通のOLをしながら、セラピストとして活躍できるよう勉強中です。
出会った方々の幸せな笑顔をサポート出来たらと思っています。

ヨーガセラピスト ソース公認ベーシックトレーナー
パステル和アートインストラクター ジュニア野菜ソムリエ
アロマテラピーアドバイザー キャンドルアーティスト
ブログ:http://ameblo.jp/ohisamakokoro/

インタビュアー:広江俊介(ひろえしゅんすけ)

広江俊介

心のボイスレッスン 代表
都内で声と言葉をテーマにしたメンタルセラピー、
ゴスペル音楽による発音・発声のレッスン、自己表現力の磨き方を
指導しております。

現在、一般のビジネスマン、OL、カウンセラー、セラピスト、教師、
コンサルタント、俳優、声優の方まで多岐に渡り、教えております。
プロボイストレーナー、プロギタリスト講師
ブログ:『心のエバーグリーン。』

インタビュアー:脇坂奈央子(わきさかなおこ 日本メンタルサービス研究所 所長)

脇坂奈央子

『道開きの心理士』 ……本来のあなたの道を開く、お手伝いをします。
ブライアン・ワイス博士直伝の、プロフェッショナル・ヒプノセラピスト。
前世療法・催眠療法を中心に、ニーズに応じた各種心理セラピーを施療。

心理士、認定THP心理相談員、統合心理セラピスト、心理カウンセラー、
米国NGH認定ヒプノセラピスト、認定キャリアコンサルタント、
代替療法セラピスト(レイキティーチャー)
HP:ワイス博士直伝の前世療法・催眠療法・心理療法★ラポール
発行メルマガ:こころの栄養@さぱりメント
 

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