第53回目(2/4) 晴香 葉子 先生 ポジティブ心理学研究会
ポジティブ心理学は、人の才能ややる気にフォーカスする
「最初にポジティブ心理学に出会われた時は、どんな印象を受けられましたか?」
私は今でも、何にも悪い事をしないで真面目に働いている父のような人の方が、ニュースでも取り上げられるべきだと思っているんです。普通に頑張っている人達がもっとフォーカスされる世の中であってほしいと。
だから「いよいよそういう時代が来たんだな。そこで何かをやりたいな」と思いました。私も今では本を出して、講演会などをさせていただいていますが、このストレングス・ファインダーの結果を見たら、とても世の中に出て行くようなタイプではないんですよ。
「学習欲」であったり、「着想」「内省」など考え事をするような傾向とか、どう考えても一人でじっとしているようなものばかりだったんですね。でもそれだって、一つの才能な訳じゃないですか。一人一人の才能がフォーカスされる、そういう世の中になったらどんなにいいだろうって思いましたね。
「ポジティブ心理学について分かりやすくお話いただけますか?」
マーティン・セリグマンという人は米国心理学会の会長です。1998年米国心理学会で、セリグマン氏が、方向性を示したことから公になった心理学的取り組みのことです。「これからは、ポジティブ心理学という方向性が始まりますよ」とニュースレターとスピーチで公にしたんです。
その時に定義されたのが、「病んでいるのを癒すのではなく、人のポジティブな特長、才能であったりやる気であったり、そういう所にフォーカスした心理学をこれからはやっていくべきなんだ」と。
その2年後に「ポジティブ心理学賞」の表彰が始まりました。表彰が始まると研究者が増えるんですね。
それからまた2年経ってから、スナイダーさんとロペスさんという二人の心理学者によって、『ハンドブック・オブ・ポジティブサイコロジー』という本が出版されました。
それから6年経って、IPPA(国際ポジティブ心理学会)が立ち上がり、グローバルな情報交換が始まっています。今年の夏にはペンシルバニアで2回目の世界大会が開かれる事になっています。それが現在までのポジティブ心理学の流れだと思います。
「ポジティブ心理学を学ぶ事で、どんな良さがありますか?」
一番私が感じるのが、生活がキラキラし出すというか、「何をしていいか分からない」「つまらない人生だ」と思ってるような人が、同じ生活をしているのに意識を変えるだけで、「なんて幸せなんだろう」と思える。それがポジティブ心理学なんじゃないかと思います。
悩みごとに関わってきた12年間、ほとんどの方は、人間関係がうまくいかないとか、職場でのトラブルなど、本当に身近な事で悩んでいるということを知りました。
ポジティブ心理学に触れることで、今、目の前の事を解決する、今いる生活の幸福感・満足感を、実感できる。それによって「今の生活も今のパーフェクト。でももっと良くなるために明日が!」という意識が持てるようになります。
だから私はカウンセラーになりたいと学びに来る人に「まずは親など身近な人との関係を良い関係にするように」と話しています。
「それはどういう事でしょうか?」
自分が、身近な人と良好な人間関係を築けていないのに、他人が人間関係の相談をしてきたからといって、真に良いカウンセリングできるのか・・・という事ですよね。月に1回手紙を送るのでもいいから、今のマックスで良い関係を、親とか家族とか子どもとか同僚とか、身近な所を整えてから、他人のカウンセリングだと思うんです。
それから、コーチングを学び、コーチ養成に関わっていて、「あれ?」と思った出来事があります。コーチという人たちの集まりでも、お酒が入ってくると「奥さんにはコーチングが効かないんだよね」などと平気で言う男性が結構いました。私はそれも違うと思いましたね。
お金をくれたから、「コーチだよ」って、その時だけコーチ的であるというのも違うと思うし、一番身近であるはずの奥さんのことを飲み会でそのように笑い話にするというのも、違うのでは?と思います。そういう男性のコーチングは、受けたいと思えないですね。
私は、通りすがりのおばあさんにも優しくありたいと思います。誰にでも、いつでもベストなコミュニケーションが出来る人間力があり、特別に集中して時間を取り、関わるから、仕事として成立する、そんな職業だと考えています。
「先生のカウンセリングにはどんな特長があるのでしょうか?」
必ず自分の才能を調べてもらいます。メンタリティにも取り組み、良い精神状態をキープできるようにした上で、ポジティブ心理学的なツールと言われているものをいくつか使い、その人のポジティブな機能を客観的データで出して、それに沿って最初の一歩を計画していきます。
やっているのはこれだけですね。本当にそれだけ。最初の一歩だけですね。それで、驚くほど上手くいきます。大きな目標や夢の実現も、最初の一歩からなんだと心から思います。
「最初の一歩を踏み出す事で、その後がすべて変わってしまうという事ですか?」
パラパラパラっと、良い事の連鎖が起こる可能性は高いですね。ただ、その一歩はどんな一歩でも良いって訳でもないんです。本当にその人らしい最初の一歩であるべきなんです。
そのためには、自己理解にすごく重点を置いています。それも表面的な自己理解ではありません。「私は明るいんです」「優しいんです」とか、皆さん表面的な事を最初は言うんですよ。でも、自己理解って、そんなんじゃないんですよね。
ネガティブな面も良い面も表裏一体だったりするので、そこにもしっかりフォーカスするためには、メンタリティが大切なんですね。だから最初に心の強さについてお話をして、何を言われても平気なぐらいの気持ちを持っていただいてから自己理解に入ります。これが逆では、上手くいかないですね。
「そこが先生のカウンセリングの強みでしょうか?」
そうですね。表面的ではない、深い理解をしていく。「丸裸にされる」って良く言われるんですよ。みんな素になっちゃう。それがとても心地良かったりします。『素』を上げていくスタートラインにつくという心地良さなのだと思います。
考えている事と行動している事と言葉がバラバラな人をよく目にしますが、私の生徒さん達は、洞察力を磨いていくので、自分のことでも、バラバラであれば気付きますから、自然に一致してきます。
自分の考えていることを理解し、そのまま言葉にして、そのための行動をする、その3つを一致させるだけで、前に進みやすくなるし、のびのびと自由に存在できるようになりますし、他者との関わりも、楽になると思いますよ。
「他に先生のカウンセリングのユニークな点はおありですか?」
言葉を大事にしているので、クライアントさんにメモを必ず取ってもらいます。私が話す事とか、自分が話した言葉でヒットしたものは全部メモして帰ってもらうんですね。そしてそれを読み返してもらいます。そうすると、ずっといい状態が定着します。
「NPOポジティブ心理学研究会を作られた、その経緯は?」
2001年なので、もう随分前ですね。何故始めたかというと、活動団体名が必要だったんですね。アメリカの調査結果をそのまま活用してもうまくいかないという事が分かったので、私は今の日本のリアルなアンケート調査などをしたかったんですよ。
日本はもともと家父長制があり、「お父さんとご飯を食べてる時はみんな黙りなさい」みたいなそういう国だった訳ですよね。小さい時から I love you! を伝え慣れてハグしている国とでは、多分違うであろう、日本の実体が知りたかったんです。
最初はポジティブ心理学といっても誰もピンとこないから、コミュニケーション・ラボラトリーという名前にしました。コミュニケーションを研究していますという事で。
あと、コーチングやカウンセリングの勉強会も開きたくて、毎月一回、開いていました。
コーチングにしてもカウンセリングの学校にしても、生徒同士で練習するから、おままごとみたいになってしまいがちですよね。「良かったです」「すごくためになりました」とか誉め合いになっちゃうんです。カウンセラーやりたい同士だから、きれいに上手くいくの当たり前ですよね。
でも、実際はそうはいかないじゃないですか。だから一緒に学校に行っていた人達と、誰か一般の人を連れて来て練習しようじゃないかと、勉強会を始めたんです。
できるだけ初対面の人のリアルな悩み事で実地訓練をしたかったんです。営利目的ではないので、全員が500円ずつなど会場費を出し合って始めたんです。そのためにはNPOが必要でした。
毎月続けていると、初めて会う人にカウンセリングやコーチングが試せるというので、人数が増えてきました。これはとても勉強になりました。
そこからスタートして、今のような形で研究発表するようになったのは4年ほど前からなんです。今は、インターネット社会なので、ダウンロードできる海外の文献など、無料で公開されているものも読み切れないほど沢山ありますよね。
その気になれば、誰でもポジティブ心理学の研究が可能だと思います。仕事や役割などの実生活と無理なく両立させて、お互いに研究をシェア出来るような場にしていきたいと思っています。
(次回につづく・・)
晴香 葉子(はるか ようこ) NPOポジティブ心理学研究会代表
「成城リトルクローバー」オーナー
ポジティブ心理学・カウンセラー。応用心理学・精神物理学・コミュニケーション学などを学び、ベストな精神状態を維持するためのポジティブ心理学について研究。経営者・管理職・医療従事者などを対象に、カウンセリングを実施。ポジティブ心理学に関する執筆・講演多数。IPPA国際ポジティブ心理学会会員。「心を育む読書会」主催
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志田祐子です。
臨床心理士の方との出会いをきっかけに、心理学を学び始め、
色々なご縁があって今は心理カウンセラーを目指しています。
心に悩みをもった人の少しでもお役にたてるよう、
五感を使って癒せる心理カウンセラーになれるよう、
日々試行錯誤です・・・。
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心理士、認定THP心理相談員、統合心理セラピスト、心理カウンセラー、
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