第49回目(3/4) 岩井 俊憲 先生 ヒューマン・ギルド

楽観主義に向かう努力を「自己決定」する!

インタビュー写真

「自分を勇気づけられるようになる為には、どんなことが必要なのでしょうか?」

色々ありますが、大人を例にしていきます。大人に対しては四つばかり言っています、

一つはね、勇気づける生活をする。もう生活そのものを、朝から晩、特に、朝と寝る前、ここで勇気づけの一種の儀式みたいなことをやる必要があると思うんです。

私は、朝起きた時に生きている実感を味わったら良いと思うんです。大きく伸びをしてね、「ああ爽快だ」と起きる。だって寝たまま起きなかったかもしれないんですよ。起きるっていうことは生きているっていう証でしょう。

思いっきりね、「爽快だ〜」って思って、こんな風な言葉を言って起きる。それも、一発で起きる。ベルが2回鳴るまでじゃなくて、パッと起きる。

そして、その二。
鏡を使う。鏡に向って微笑むんです。顔を洗って鏡に向って微笑む。確実に鏡は微笑み返してくれますからね。間違いないですよね(笑)。鏡を使ってやる方法。起き方、鏡、それから言葉です。

「言葉ですか?」

そうです。三つ目は言葉です。「おはよう」と「ありがとう」の魔力。やはり「おはよう」っていうのは独特の「始めましょうよ」っていう魔力がありますよね。「おはよう」っていうのは、「これから始めましょう」っていう宣言なんですよ。

もう一つは、「ありがとう」。「めったにない有り難し」というところからきていますから、「めったにない有り難い事をしていただいて」、朝の食卓でも、私は心から「ありがとう」です。

四つ目は、風呂。風呂は体だけ洗うんじゃないんです。心も洗うんです。今日は一日良かったなって。せっかく風呂に入るんだから、体の汚れを取るだけじゃなく、心の汚れも取ってしまう。

そして、寝る時に「ああ良い一日だった。今日はこんなに恵まれた日だった」と言って、一日の良い事を考えて、そして深呼吸をして寝るんですよ。よく眠れます。

大きなその一は、勇気づけるメカニズム作り。生活そのものを「勇気づけ」てしまうんです。

「起き方、鏡、言葉とお風呂。これならすぐできそうですね」

そして、二つ目は勇気づける人と接する。大いに勇気づけを受けてしまう。逆に言うと、勇気をくじく人には心理的な距離を置いて付き合う。これが方法だと思うんですよ。

勇気づける人は、いざという時にポジティブな人だと思うんです。いつでもポジティブじゃなくて、いざという時にポジティブな人。そういう人と出会うだけでなく、自分自身も勇気づける人になるモデルにします。

6つの条件ってこの本にも書いてありますが、そのような存在に自分自身がなる。楽観主義。ここ一番大事ですよ。プラス思考を取るということも条件の一つだと思うんです。

楽観主義に0.3秒でなれる発明をしたんですよ。誰でも、即、楽観主義になれる。いやだなという時にも、ふっと楽観主義になれる。

それは、動きです。(立ち上がり、肘を直角に曲げて)ここL字型で(手のひらは前向きにして)「大丈夫!!」と叫ぶ。と、もう大丈夫な人になる。0.3秒! 腕の動きと「大丈夫!」です。

こうやると一瞬にして、楽観的になると条件付けしちゃうんですよ。人に会う時、どうも自信が無いとかね、何かに臨んで、どうもおどおどしている時、「大丈夫!」。体育会系メソッドです。

もう一つは、アランという哲学者が、「悲観主義は気分のものであり、楽観主義は意志のものである」と『幸福論』の中で書いています。楽観主義になるため、意志の力で、「よし、ここは楽観主義を選ぼう」と0.3秒で決意する。するとなれるんですよ。楽観主義を選ぶ。この二つです。

「やはり、そこも自己決定なのですね?」

自己決定です。人は、悲観主義になろうと一生懸命努力しているんです。「暑いし、しゃあねえな」も一種の努力なんです。流される努力、今迄どおりで行こうとする努力です。自分は過去がこうだったから、「どうせ自分は」という努力をしています。

変えようとする努力もあるんです。過去はどうあれ「自分はこうしよう!」という努力もある。同じ努力をするならば、楽観主義に向かう努力、ポジティブに向かう努力、これが必要じゃないかと思うんです。

「なぜ、多くの人はそちらに向かわないのでしょうか?」

悲観主義、ネガティブで行く方が、自分も楽なんです。責任を引き受けなくて済むし、誰かが同情してくれる。惰性でやっているんですよ。

インタビュー写真


「それは自分にとって、もったいないことですね?」

人類にとって、もったいないですよね。楽観主義に向かう努力を選択する。
一つ目は、生活そのものを勇気づける、勇気づける人に出会う。三つ目は「言葉とイメージと行動」これをポジティブにする。

「口癖博士」の佐藤富雄先生は「口癖」と言いますよね。我々はどうしても、口癖で「いやんなっちゃう。参ったな」という言葉が多い。私はこれを悪魔のささやきと言っています。これをどうしても続けちゃうんですよ。

だけど、「ありがとう。おかげさまで」と、口癖を天使のささやき「やったじゃないか」とか、ポジティブな言葉を使う自己訓練、これが必要だと思うんですね。これが、セルフトークです。言葉の魔力で自分をポジティブにする。

そうすると、言葉によって、イメージも変わり、行動も変わってくると思います。「言葉、イメージ、行動」のセットが三つ目なんですよ。

四つ目は、勇気づけの技術を使う。良い出しをするとか、感謝するとか、自己訓練する。今まで、否定的な訓練をしていたんだから、もうそれを続けないと決心し、新しい訓練を自分に課そう、という風にしてやればいいと思います。

瞬間瞬間にね、またやってるなと思ったら「よし、止めよう!」と、新しい方法に切り替えると、そのたびに自己決定するんです。

「アドラー心理学の強みは何でしょう?」

色々なセラピーを学びましたが、一言で言うと、ほとんどがアドラー心理学の中にあります。つまり心理学の総合的なものがアドラー心理学に含まれている。

例えばライフスタイル診断という性格診断の技法にしても、アドラー心理学の中に、もの凄いものがあって、他の流派が持っていこうとしても持っていけないものがあるんです。私はアドラー心理学と出会い、深め、普及していますが、学べば学ぶほど深さ、凄さが分かる。

他の流派を含めて学ぶと、その凄さがよく分かります。「なんだ。アドラーが何十年も前に言ってたことじゃないか」と思うことが結構あります。そういう源流原泉がアドラー心理学の中にあると思うんですよ。凄い鉱脈というか。

「それは何故なのでしょう?」

机上で作ったのではなく、アドラーが第一世界大戦の荒廃したオーストリアのウィーンで、一生懸命、子ども達や教師や色々な人と関わりながら作り上げた理論なんですよ。

本当に多くの人達と夜中まで話し合ったり、カウンセリングしたり、学び合ったり、その中から作り出した理論なんです。まさに人間観察に満ち満ちた心理学なんですよ。そして明らかに有効なんです。

勇気づけにしても目的論にしても、臨床体験から出て来たものであり、どこからか引っ張って来て「これ、いただき」というのではないんですよ。そういう点において、学べば学ぶほどアドラーはすごい人だなと思いますね。

「アドラー心理学が影響を与えたものとしては?」

アドラー心理学の教えは、色々広がっているんです。ただ、アドラーが言っているというのを省略しているんです。ブリーフセラピーにもアドラー心理学の考えが沢山あるし、認知行動療法もアドラーの技法が多く使われています。

アルバート・エリスという論理療法の創始者は、アメリカでは、アドレリアン(アドラー派)と言われているんです。あの考えはアドラー心理学なんです。認知療法で有名なアーロン・ベックですら、自分の心理学はアドラーから沢山の恩恵を受けていると書いています。

そういうことで、断片的に入っているんです。ただ、アドラー心理学そのものとしては、なかなか伝え続けていけないで、部分的に色々なところに入り込んでいる。アドラー心理学の名前で広まっているのでなく、エッセンスが随所に活用されているんです。

「先生の講座では、勇気づけができる自分を作ることができるのですか?」

今まで、語ってきたような、自己決定、目的論、そういったもの全部含めて、理論化し、24時間のベーシックコースというのをやっています。それの親子関係版がSMILEという講座です。

「受講生さんは、主にどんな方がいらっしゃるのですか?」

色々いらっしゃいます。学校の先生が2割くらい。ここでは元々、諸冨祥彦先生が「悩める教師を支える会」を月1回やっていて、そんな関係で先生もよく来ていましたし、主婦の方も多いんですよ。

子どもの問題で悩んでいた方が、心理学の勉強をしたいと学び始めて、援助者になる方も非常に多いですね。

ビジネスマンの方もいらっしゃいます。ただ、相対的にビジネスマンの方は、私が企業に出て行って研修しているので、そこで会うことの方が多いですね。

女性が7割、男性が3割でしょうか? 心理学系の講座は全般的に女性が多いですよね。

「どんな方に、特に先生の講座に来て欲しいと思われますか?」

30代の中核となる男性に、来て欲しいなという気持ちがありますね。ただ、今、なかなか自腹払わないですね。男性を勇気づけることを考えていたけれども、今はそれを断念し始めています。

だとしたら、男性を勇気づけるのは女性だなと思い始めて、女性、妻、あるいは子ども、場合によっては母親かもしれないですが、女性を通じて男性を勇気づける、そういう方法の方が手っ取り早いかなと思ったんですよ。

実は、「勇気づけ」は伝染するんです。ですから、一家に一人、勇気づけのできる人がいると伝染して、どんどん広がっていく可能性が大いにあるんです。

そのせいか、夫婦で学びに来る方が増えているんです。同じ講座を別の時期にとか、一緒にずっと来てる人もいたり、夫婦が多くなってきています。

親子とかね、親が受けたから、大学生の息子が来たとかね。そういうケースが非常に多くなっています。どんどん伝染しているんですよ。

「このお仕事をされていて、一番喜びを感じるのはどんな時ですか?」

一つは、「勇気づけの心理学、読みました。サインしてください」なんて言われたら喜んじゃいますね。研修に行くとよくあるんですよ。「3年前に買って読んでます」とか。「勇気づけ」が広がっていっていることを目の当たりにできて、これは非常に嬉しい。

もう一つは、勇気づけは待っていても広がらない。私が一人でやっていても、孤軍奮闘でしかない。ということで、「勇気づけリーダーコース」というのをやっています。私は「勇気づけの伝道師」です。勇気づけを伝える人、勇気づけの伝道者をいち早く1000人作ろうと、こう決意したんです。

今やっと100人になりましたけれど、勇気づけを広める人をどんどん作っていって、勇気づけの考え方が広まった、つまり、「○○の勇気づけの研修やりました」と報告があると、ものすごく嬉しいんです。

勇気づけのノウハウを完全公開して、12のセッション30分でできる。それを6時間で学べる講座を開発したんですよ。これが広まってくれると嬉しいですね。勇気づけ、勇気づけ、誰が言い出したか分からないけれども、勇気づけ、勇気づけが広まる。これ嬉しいですね。

アドラー心理学のっていうのも、なくなっちゃっても良いんです。それより、家庭でも勇気づけ、学校でも勇気づけ、職場でも勇気づけ。そして勇気づけの伝染効果でどんどん広がっていく! こうなる訳ですよ。

                 

(次回につづく・・)

岩井 俊憲(いわい としのり)  ヒューマン・ギルド 代表取締役 「勇気の伝道師」
                    アドラー心理学カウンセリング指導者、上級教育カウンセラー
                    中小企業診断士

カウンセリング&セラピーを行うほか、アドラー心理学に基づく各種講座、カウンセラー・トレーニングに従事。また、企業・自治体・教育委員会・学校などから招かれ、研修・講演を行っている。

  有限会社 ヒューマン・ギルド 〒162-0808 東京都新宿区天神町6番地 Mビル3階
  電話:03-3235-6741、FAX:03-3235-6625 メール:info@hgld.co.jp

● アドラー心理学ベーシックコース
アドラー心理学は、現代のさまざまの問題に具体的な解決法を与える実践的な心理学として、臨床現場はもちろんのこと、学校や家庭や企業でも、すでにさまざまに活用されています。
● SMILE(愛と勇気づけの親子関係セミナー)
親と子のコミュニケーションのみならず、先生と生徒、同僚とのつき合い方、すべての対人関係をより良くするのに役立ちます。
● アドラー・カウンセラー養成講座
ベーシックコースとSMILEを修了された方を対象に、カウンセラーを目指す方のためのコースです。
● ELM(エルム)勇気づけリーダー・トレーナー養成講座
「勇気づけ勉強会(ELM :Encouraging Leaders’ Manual)」のリーダー・トレーナー養成講座です。


<岩井俊憲先生のHP>
【ヒューマン・ギルド】


<岩井俊憲先生のブログ>
【岩井俊憲の公式ブログ】


<岩井俊憲先生の著書>

cover
勇気づけの心理学



cover
心の雨の日の過ごし方



cover
アドラー心理学によるカウンセリング・マインドの育て方



cover
勇気づけのリーダーシップ心理学

インタビュアー:下平沙千代

下平沙千代

ワクワクセラピー☆ソースで、一緒にワクワクしましょう!
日本一やさしい介護タクシー開業準備中です。賛助会員募集中!

ワクワクセラピー ソーストレーナー、NLPセラピスト
レイキヒーラー、導引養生功指導員、成年後見人講座受講中
トラベルヘルパー、ホームヘルパー2級、女性タクシードライバー
ブログ:『幸せを運ぶワクワクセラピー ソース』

インタビュアー:鈴木明美(すずきあけみ)

鈴木明美

セラピールームChildren主催、NPO Oasis 代表
いろんな環境に自分を合わせて生きてきて、自分がなんだか分からない。
そんな、うつ病や心の悩みを抱えた方のお手伝いをしています。

心理カウンセラー、NLPセラピスト(ゲシュタルト、エリクソン催眠療法、
家族療法)、交流分析士1級、トランスパーソナル学会会員、レイキヒーラー
HP:江戸川区西葛西、セラピールームChildren
ブログ:セラピールームChildren

インタビュアー:Rico Bonafede(リコ ボナフェデ)

リコ ボナフェデ

セラピスト
『五感が喜ぶカラフルマインドな毎日』をテーマに活動中。

以心伝心の文化を離れて暮らしたことから、
コミュニケーションのあり方と、
言葉そのものが持つ不思議なエネルギーに魅せられ、
そこに潜在意識と色を絡めたセッションを行なっています。
おしゃべりブログ:「やっと逢えたね♪」

インタビュアー:脇坂奈央子(わきさかなおこ 日本メンタルサービス研究所 所長)

脇坂奈央子

『道開きの心理士』 ……本来のあなたの道を開く、お手伝いをします。
ブライアン・ワイス博士直伝の、プロフェッショナル・ヒプノセラピスト。
前世療法・催眠療法を中心に、ニーズに応じた各種心理セラピーを施療。

心理士、認定THP心理相談員、統合心理セラピスト、心理カウンセラー、
米国NGH認定ヒプノセラピスト、認定キャリアコンサルタント、
代替療法セラピスト(レイキティーチャー)
HP:ワイス博士直伝の前世療法・催眠療法・心理療法★ラポール
発行メルマガ:こころの栄養@さぱりメント
 

  • 呼吸法の日本マイブレス協会
  • 毎朝1分 天才のヒント

インタビュー集

  • 毎朝1分天才のヒント メールマガジンで30日間の無料レッスン
  • さぱりメント あなたのお悩みをさっぱり解決