第46回目(2/4) 若林 宏行 先生 幻想斬り

幻想斬りとは、クヨクヨせずに行動できるようになる方法

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「幻想に振り回されているとは、どういう状態ですか?」

今後、脳の研究が進むと、脳の仕組みって言われるようになると思うんですけれど、心理の視点から見ると、無意識というのがあって、そこに想像した事、考えた事、特に言葉、それが入っていくと、無意識は今現実に起こっている事と捉えて、感情や身体反応が起こってしまう仕組みがあります。

特に恐れと不安という感情の影響が大きいのだけれど、その出てくる感情や身体反応によって本人が現実のように感じてしまう。

なぜこんな仕組みがあるのかというと、それは身を守る為に必要だったからだと私は考えています。

例えば、遠くにヘビがいて、自分を襲ってくるかもと考えたとします。その考えた事を現実の事のように感じればその危機を避けようとする訳です。そうすれば実際に襲われる前に逃げますので生き残る確率が高くなる。

だから、これは自分を守るために発達させてきた能力なのです。それに良い悪いはありません。では何が問題かというと、私達はその仕組みに必要以上に振り回され過ぎているのです。

では結局どうするかっていったら、きちんと仕組みから頭に入れてもらって、実際に自分がどういうパターンにはまっているかを気づかせて、それが事実なのか幻想なのかを検証していく、それが『幻想斬り』です。

元々は催眠療法の現場にいた頃、ゲシュタルト療法を教えてほしいという人達がいて、その人達と実験的に色々やっていくうちに今の形になっていきました。

その人達との関わりの中で、人を援助する仕事をしている人は、自分に対する無価値感とか、役に立たないと認められない、というパターンを持っている事が多いと分かってきたのです。

「援助者側がですね?」

そう、援助者側が。そこをきちんと見ていかないと、気がつかないうちに人を援助することで自分の価値を高めようとしてしまうのです。

そのために、必要以上に手を掛け過ぎたり、本人の力でできる部分も全部援助者がやってしまったりと、余計な事をしてしまっている可能性があるというのが分かってきたんですね。

自分の価値を上げるためにやっているという事は、役割=私の価値という事になるじゃないですか。という事は、うまくいかないと自分の価値が全部無くなってしまうと感じて、猛烈にダメージを受けたり、価値が無くならないようにするために仕事をやり過ぎて燃え尽きちゃうんですね。

それではお互いに不幸になってしまうので、援助者側は自分の無価値感や自分に対するネガティブな幻想にきちんと向き合って、そこをある程度何とかしておく必要がある。

だから、元々、幻想斬りは人を援助する仕事をしている人達を再教育するために作られたものなのです。

「それはワークショップの形で?」

最初はお茶会みたいな感じで始めました。基本的に恐れに振り回されているので、ネガティブな思考パターンを聞いていくんです。「最悪どうなる?」「一番の恐れているのは何」と、どんどん聞いていきます。

ある時、私がメモっていたものをホワイトボードに書いてくれって言う人がいたので書き始めたら、本人が言った言葉をそのまま書いていくから、その人の思考パターンがそのままそこに書き出される。そうすると客観的に見えちゃうんです。

しかも本人が言ったことをそのまま書いてあるので受け入れざるを得ない。周りにいる人達にも、何がこの人を縛っているか見えて、すごく分かり易い。

という事をやっていくうちに、今の形ができていったのです。ワークショップや勉強会をやりながら、こうなんだ、こうなんだと実践しながら、今の形になりました。

「それが『幻想斬り』の原点ですか?」

そうですね。

もうひとつは、学校現場にいたので、催眠療法というのは色々な環境の整備が必要なので来てもらわないとどうしても難しい。でもこれだと会議室でも学校現場でもこちらが出向いて書く物さえあればできる。もし、それが使えるようになったら、他の人でもできる。そういうものを開発したかった。

「『幻想斬り』という言葉を端的に表現すると?」

その人の思い込み、思考をきちんと一個一個見て行く事で、それが思い込みなのか、現実なのかきちんと分けて見ていけるようになる。それによって思考に振り回されなくなる。現実を生きて行くための手法ですかね。

クヨクヨせずに行動できるようになる方法というと、分かりやすいでしょうか。

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「『幻想斬り』という言葉はどこから生まれたのですか?」

幻想については本の中でも定義は書いてありますけれど、「幻想」は、頭の中で回っている思考やイメージや言葉が、本人にとっては現実そのものになってしまっている状態って事です。

なぜ、それを「斬り」にしたかというと、「〜セラピー」や「〜療法」にすると、癒してくれるとか、支えてくれるというイメージがある。

でも幻想から抜けるためには、それが幻想だって分かってしまえば大した事がないと分かるのだけれど、それまでは本人にとってはリアルに危険な状態だと思い込んでいる。だからまずは恐れを越えてやってみないと分からない。勇気をもって飛び込むしかないんですよ。

どうしても恐怖が先に出ちゃうから、そこで逃げちゃうと永遠に変わらない。何でわざわざそういう言葉にしたかというと、自分に向き合う勇気を持ってほしいから。

幻想から抜けた時に、「人間ってすごい何かを持っている。本当はすごいんだよ」っていうのを、分かってもらいたいからこれをやっているんです。そして幻想を越えるとどうなるか知っているし、その人を信頼してるからできるんです。

「人間は本当はもっとすごい、と伝えたい?」

学校現場の時も催眠療法の時も『幻想斬り』でもそうなんですけど、私が一貫してやっていたのは「本当は人間ってすごいのに、親や他人に言われた事で、自分はダメだと思って、自傷行為したり、自殺したり。何やってるの?」って事を形を変えて伝え続けていたのです。

自分の恐れや不安に向き合わないと、抜けられないんですよ。逃げれば逃げるほど、ずっと回り続けちゃうし、もっと大きくなってしまう。

だから自分に向き合う勇気と覚悟を持ってほしいという意味で、上級者のためのワークショップを「道場」という名前にしました。自分自身で立っていく覚悟がないと抜けられないから。

また、もうひとつは、『幻想斬り』を実際やっていった時に、最後に全部「幻想」だって気づいた瞬間、今までの思い込みが、一気にバラバラ〜って落ちてくるんです。本当に斬れた人は「今まで何だったのですかね」となる。

それが「幻想」だと気づいちゃうと、感情が出てこなくなるからその記憶を思い出しにくくなる。自分の中では意味がないものになる。まるで、ボロボロって落ちていくような感じで、剥がれ落ちる。

「『幻想斬り』はワークショップですか? 個人セッションですか?」

両方やっていますけれど、メインはワークショップです。

まず自分を縛っている心の仕組みを頭に入れてもらいます。誰でもそういう仕組みを持っていて、それによって思い込んでしまったり、振り回されている事を知ってもらう。午前中は、理論と、簡単なワークをやっていきます。

午後は手を挙げてもらって、実際にその人の問題を見ていく。

面白いのは、その時に参加しているメンバーって大体同じパターンを持っている事が多いんですよね。だから、一人の人をやっていると、それを見ている人達が、自分のパターンによく似ていると気づいてくる。見ているだけでどんどん気づいて変化していく。

人によっては自分が傷付くんじゃないかと怖がる人がいます。

ところが午前中の理論で「自分の思っている事や感じている事って幻想かもしれない」っていうところから入っていくし、やっていけばいくほど自分の中で何かが反応したという事は、それが自分を縛っている幻想だと分かるので、逆に揺れる事を怖がらずに向き合おうとし始めるんですね。

「それが『幻想斬り』の良さですか?」


そうですね。色々な人がそうやって自分に向き合って実際に変わっていくのを見られるから、心が揺れた時に、「これ、なんだろう」って、自分から向き合い始めちゃうんですよね。

だから、揺れる事に巻き込まれるんじゃなくて、「一度止まってみよう」、「ちょっと、見てみよう」という姿勢を作る事が大切なんですよね。

「他の手法と比べて、『幻想斬り』の強みや特長は何でしょう?」

ひとつは何処ででもできますよね。それから繰り返しやっていけば、ある程度自分でもできるようになります。また、自分自身にきちんと向き合っていくという事をしていくので、自分から逃げなくなります。それはそのままの自分を受け入れるようになるという事なんですね。

また、幻想に気づいていくと今、現在の現実の自分でいられるようになっていきます。それは何かというと、「親に刷り込まれたり、自分で思い込んでいるものが、あなたではない」っていう、本来の自分という事ですよね。

「本来の自分を取り戻すという感じですか?」

思い出すというのが一番近いんじゃないかな。等身大になっていく。

例えば言葉というのは魔法で「幸せになりたい」って思うと、今は幸せじゃないという前提を作ってしまう。だから気づかないうちに今の現状を否定してしまうようになる。すると今を不幸に感じてしまったり、幸せな部分があるのに見えなくなりがちなんですよね。

実際に何が不幸だと思っているのかを見ないで「私の人生ダメだ」って思ってしまったり、できる事はあるのに、「私何もできません」となってしまう。

できている事、できていない事があるのが現実で、もちろん完璧になんてなれませんから、現実にできる事とできない事がある自分で生きて行くという事が大事なのです。一個がダメだと全部がダメってことではない訳ですから。

「できている事と、できていない事を明確にするのですね?」

例えば「男だから料理できない」って言う人がいるけど、包丁で切る事くらいはできるでしょうって。もちろんシェフみたいにはできないけれど、できないんじゃなくて、やってないだけなんです。

何ができて何ができないのかを明確にしていくと味付けができない、じゃあできる人に頼もうとか、本で調べようとか具体的にどうしたらいいかが分かってくる。

今の等身大の自分をちゃんとやろう、等身大の自分ができる事をやっていこうって、明確になっていけば、人間なので完璧じゃないって事が分かって来ますよね。すると自分だけじゃなく、皆も完璧じゃないって事が分かって来れば、できる事はやる、できない事は誰かに頼む、となる。

当たり前なんだけど、実は私達は助け合って生きている。全然孤独じゃないって事が分かって来る。孤独というのは幻想だって事が分かって来るんですよ。色々なものや環境や人とつながっている、それで生かされているって事が分かって来る。

だから、『気がついたらうまくいってた!』という本の題名は、目の前の事を一生懸命やってたらうまくいったって事がひとつなんですけど、「今、生きてるって事はうまくいってるって事なんですよ」という事を最終的には分かって欲しいという事なんです。

孤独だ不幸だって事じゃなくて、あなたにはできる事もあるし、幸せな事もあるよと。

生きてる事自体が人との関わりの中で助け合いながらやっていたり、皆、完璧じゃないから助け合いながら生きてるって、そこに気づくってことですよね。ものすごく当たり前の事が見えなくなっているだけで、「現実をちゃんと見られるようになる」っていうそれだけが目的です。

                 

(次回につづく・・)

若林 宏行(わかばやし ひろゆき)  若林心理教育研究所 代表
                幻想斬り士、心理セラピスト

 幻想斬り…。

 私たちは気づかないうちに幻想(思い込み)に
 縛られて生きています。
 心のクセを一つ一つていねいに観ていくことによって、
 自分を縛っていた幻想に気づき、
 本来の自分そのものに戻っていく…。

 それが幻想斬りです。

★ 幻想斬りワークショップ ★
幻想斬りワークショップは、
誰かや何かに依存するのではなく、
自ら解決できるようなあなたになる、
思考のトレーニング(訓練)の場です。
理論やグループワーク、公開セッションを通して、
思考のクセをていねいに観ていくことで、
  何が幻想か、
  何が今現実に起こっていることなのか、
事実そのままを観ることができるようになります。
ワークショップで学んだことを持ち帰っていただき、
日々の生活の中で、またご自分の思考と向き合う。
その練習を繰り返すことで、本来の自分そのものに
なっていくのです。

○理論、実践、共に学べます。
○少人数制(10名前後)でおこなうことにより、
 他の参加者とのワークやセッションを通して
 気がつくことが多々あります。
○座学で思考のしくみを学べるので、
 幻想斬り個人セッションを受けたいと思っている方は
 先にワークショップに出られることをおすすめします。
★ 幻想斬り個人セッション ★
   2時間コース
   3時間コース
★ 幻想斬り道場 ★
ワークショップやセッションで培ったものを、
さらに深く掘り下げ、現場経験を積むための鍛錬の場。
最終的には自分で自分を斬れるようになることが目的です。
一言で言うと、覚悟が必要となります。
自らが斬られるということを承諾し、のぞんでいただきます。
すべての方に必要な場ではありませんので、
本当に必要と感じる方にお越しいただければと思います。
★ 気がうま座談会 ★
このたび本の出版を記念して、
「読者の方と直接おはなしができる場をつくりたい」という
思いを形にしてみることにしました。
『気がついたらうまくいってた!心の法則』座談会。
略して『気がうま座談会』です。
座談会なので、セッションはしませんが、ざっくばらんに
みなさんとおしゃべりが出来たらいいなと思っています。
価値観が揺らいでいるこのご時世には、自分を信じるとか、
幻想斬り的な物事の捉え方
 ・子育て
 ・生き方
 ・リーダーシップ
など、色々な分野で役に立つヒントになると思います。
ご興味のある方はお気軽にお申込ください。
<若林 宏行先生のHP>
「幻想斬りオフィシャルサイト」
<若林 宏行先生のブログ>
「幻想斬り士と呼ばれて」
<若林 宏行先生の著書>
cover
気がついたらうまくいってた! 心の法則

インタビュアー:下平沙千代

下平沙千代

ワクワクセラピー☆ソースで、一緒にワクワクしましょう!
日本一やさしい介護タクシー開業準備中です。賛助会員募集中!

ワクワクセラピー ソーストレーナー、NLPセラピスト
レイキヒーラー、導引養生功指導員、成年後見人講座受講中
トラベルヘルパー、ホームヘルパー2級、女性タクシードライバー
ブログ:『幸せを運ぶワクワクセラピー ソース』

インタビュアー:Rico Bonafede(リコ ボナフェデ)

リコ ボナフェデ

セラピスト
『五感が喜ぶカラフルマインドな毎日』をテーマに活動中。

以心伝心の文化を離れて暮らしたことから、
コミュニケーションのあり方と、
言葉そのものが持つ不思議なエネルギーに魅せられ、
そこに潜在意識と色を絡めたセッションを行なっています。
おしゃべりブログ:「やっと逢えたね♪」

インタビュアー:脇坂奈央子(わきさかなおこ 日本メンタルサービス研究所 所長)

脇坂奈央子

『道開きの心理士』 ……本来のあなたの道を開く、お手伝いをします。
ブライアン・ワイス博士直伝の、プロフェッショナル・ヒプノセラピスト。
前世療法・催眠療法を中心に、ニーズに応じた各種心理セラピーを施療。

心理士、認定THP心理相談員、統合心理セラピスト、心理カウンセラー、
米国NGH認定ヒプノセラピスト、認定キャリアコンサルタント、
代替療法セラピスト(レイキティーチャー)
HP:ワイス博士直伝の前世療法・催眠療法・心理療法★ラポール
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