第41回目(1/4) 尾上 明代 先生 ドラマセラピー教育・研究センター

ドラマセラピー! 最初の1秒で、その後の人生が決まりました

今回のインタビューは、日本で活躍するドラマセラピーの第一人者、
「ドラマセラピー教育・研究センター」代表で、立命館大学大学院教授の、
尾上 明代(おのえ あけよ)先生です。

米国ドラマセラピー学会公認ドラマセラピスト(Registered Drama Therapist, RDT)
の日本国内第一号として、「ドラマセラピー」の啓蒙にも尽力されていらっしゃいます。

「役」を演じることで、心の解放と深い気づきを得ながら癒されていくと
おっしゃる先生から、「ドラマセラピー」の魅力とパワーについて、深いお話を伺いました。

インタビュー写真

「小さい頃はどんなお子さんでしたか?」

とにかく空想したりする遊びが好きで、一人で何役もやって遊んでいました。勿論それだけでなく友達とも遊んでいた。おふざけするのが好きでしたね。

「おふざけというのは、お芝居っぽいことですか?」

それもそうだし、幼稚園で、皆引き連れて、探偵ごっこしてどっかに行っちゃたりして。先生が怒って、「誰ですか!最初に始めたのは?」皆で、「あ・け・よ・ちゃん」、そんな感じでした。

小さい時から、ずっとお芝居が大好きでした。
小学校や中学校の学芸会や文化祭では、お芝居を創作したり、主役をやったりして。

「大学卒業後はどんな方向に進まれたのですか?」

小学校ぐらいの時から、ずっと女優さんになりたくて。「とりあえず、大学は出なさい」っていう親との約束だったので、大学を出てから芝居の道に進もうと思っていましたが、たまたま、卒業式の次の日に受けた、堅い教育番組の聞き手のオーディションに受かって、アナウンサーやナレーターの仕事を始めたんです。

「その後のドラマセラピーとの出会いは?」

主にアナウンサーとして、テレビ・ラジオの仕事を10年以上続けましたが、芝居から離れたくなかったので、新人タレントさんの演技指導や、市民劇団の指導という形で、芝居に関わっていたんですね。

その活動が認められて、文化庁から芸術家在外派遣研修員としてアメリカの大学に派遣されることになったのが一大転機ですね。

「応募なさったのですか?」

応募です。その頃NHKの英語番組で、役者として夫婦役をやっていたんですよ。夫役の劇団の方が、文化庁からイギリスに派遣されたことがある方で、応募を薦めてくれたのです。

「私も応募してみたい!」という単純な気持ちで出したんです。かなり有名な方や、既に売れている芸術家の方が受かるようなものだったので、多分無理だと思っていました。倍率も高かったですし。

その時、応募者全員の情熱や、それまでの人生の努力を、すべて天で見て分かっている神様のような存在があったとしたら、その方に公平に選んで欲しいと思っていました。

それが、もしも私だったら選ばれたいし、応募者の中に私より多くの情熱と努力の持ち主がいたら、絶対その人に受かって欲しい、と強く思ったのを覚えています。

私にとって、何かとても重要な人生の分岐点にいるような気がしていて、ものすごく受かりたいと願っている一方で、その願いにしがみつくような欲は全くない、というような、それまで経験したことのない不思議な感覚でした。

そして結果は・・・受かったんです。米国イリノイ大学演劇学部の客員講師として派遣されました。

でも、その時はドラマセラピーを学ぶ目的ではなかったんですよ。イリノイでの経験がその後に帰国してからどうなるのか分からないまま、英語も好きだし、俳優修行しながら、そのうち何かが現れるだろうと、結構楽観的に、それまで日本で持っていた仕事を全部捨てて、ぽんと行ったんです。

行ったら偶然、ドラマセラピーに出会った

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「行かれる前は、演劇の勉強をしようと?」

自らもさらに「俳優修行」するかたわら、演劇の教授法も学びたいと思って行ったんです。ドラマセラピーに出会ったのは、偶然なのです。

演劇学部の学部長の奥さんと仲良くなって、いろいろ親切にしてくださっていたのです。学部長には、演劇関係のダイレクトメールが山のように来る訳です。奥さんが、旦那さんに来たメールを全部捨てようと思って整理していた時に、たまたまドラマセラピーをやっているインスティテュートからのメールに気づいたのです。

私、その奥さんに、演劇の持つセラピー的な要素に興味があるみたいなことを話してあったんですよね。日本で市民劇団の指導をしていた時、団員の方の拒食症が良くなったというようなことがありました。演技とセラピーの結びつきが面白いっていうのが心の片隅にあって、そういう話を語っていたんです。

それでその奥さんが、ドラマセラピーって、何か明代が言ってたみたいだな、と思い出して、「こんなの来てた」と、私にくれたのです。もう少しでゴミ箱に捨てられていたかもしれないダイレクトメールがすべての始まりだったんです。

「その時、どうなさったのですか?」

「ちょっと、行ってみる」って、すぐ電話してみたら、たまたま、英語を教えに日本に住んでいたことのあるアメリカ人の女性がそこでセラピストとして働いていて、意気投合して、「すぐ来なさい」と言うので行って、すぐに助手として入らせてもらいました。

最初のセッションのクライエントは、レイプ事件の被害者の方でした。彼女は、まるで感情のないロボットみたいに能面のような表情だったのですが、ドラマが始まったら、いきなり豊かな感情を表現し始め、まるでロボットが短時間のうちに人間に変わったように、私には感じられました。

目の前でそういうのを見た瞬間に、もう私の心は決まっていたんですよ。だから、後から思えば、ドラマセラピーとの出会いは偶然ではなく、必然だったのでしょうね。

「私はこれをやる人になる!」そのくらいの衝撃的な出会いで、迷いとかそういうのもなく、「もう、これ!」、インスピレーションそのものみたいな。だから、その後の人生が1秒で決まった。その時の最初の1秒で決まったという感じです。

「最初の1秒でですか?」

ええ。苦労もありましたけれど、その後はただ、本当にまっしぐらでした。
それまでは自分が演技して、それを人から観られたいという、いわゆる普通の演劇ですよね。それをやっていたんだけれど、ドラマセラピーは、観客に見せるのが目的ではないのです。

でも、自分が受けてきた演技トレーニングは、結果的にドラマセラピストになるための準備だったということになるので、全然、無駄じゃなかった。

今は、自分が観られたくて演技しているのではなくて、クライエントさんの気分を良くするために相手役をやっているので、自分にとってはストレス解消の逆みたいな行為かもしれない時もあるわけですよ。いやな役もしなきゃならないし。

だから、演技をしているっていうことでは同じでも、全く意味の違う行為をしている訳です。そういう転換はありましたけど、私の天職だと思ってやっているのでそれで良いのです。

それから、英会話学校で教えた経験は、本当に役に立ちました。教えるっていうことは一番学べることなので、大学を出て、読み書き英語ができます、英検1級ありますっていうだけでは、ちょっと違う、結びついてない英語力だったのが、英会話を教えることですごく磨かれたのですね。

大手の英会話学校でトレーナーもやっていたので、ネイティブ講師の教務やトレーニングなどをやること自体で、ものすごく私の英語力が訓練されたと思います。

ドラマセラピーを受けたり、それを勉強するには、かなり英語力が必要なので、結局、英会話学校での仕事が役に立ったのです。

だから人生に無駄なことは無く、それまでの努力は皆、このための準備だったんだなって、個人としては意味づけができて、「じゃあ、もうこれで一生できるところまで、やっていく」っていう感じでしたね。

「RDTの資格をお取りになるまでは?」

資格のための単位など、絶対必要なものはアメリカで勉強して、それからインターンやその他ドラマセラピーを実際に行なう時間が3000時間ほど必要だったのです。

すごく矛盾しているのですが、資格を取るためにはやらないといけないんです。だけど、セラピストの資格がないうちにやるのは難しくて、資格がない人に、「セラピーをやって」と言ってくれる所ってなかなか無いじゃないですか。

だからアメリカでは、RDTという、ドラマセラピストの資格を取った人の指導の下に、その人が働いている病院などにインターンとして入れてもらって、練習をすることで時間を稼いでいくのが普通なんです。

ですが、私は事情で、その後アメリカに住み続けることができなかったので、日本で、自分でできる限りいろいろな方に会ってお話しをして、ドラマセラピーの仕事を頂いていったんです。

そうやって、お仕事を取る事ってエネルギーがいるじゃないですか。

でも少しずつ頼んで下さる団体やサポートしてくださる方が増え、1時間2時間と時間を稼いでいったので、その行為自体が多少なりとも、ドラマセラピーを世に知ってもらうことになったとも思うのです。

そうしている間に、資格に必要な時間数が達成できました。日本にいながら、アメリカのスーパーバイザーに、メールでスーパービジョンを受けるっていう形を取ったんです。

RDTになって、資格を取ってからは、もっとやり易くなりました。あれだけの時間を積み上げるのに、一箇所一箇所、1時間、2時間と我ながらよくやったと思いますが、まっしぐらだったので、まったく苦労とも思わず、楽しく突き進んでいました。


                

(次回につづく・・)

尾上 明代  ドラマセラピー教育・研究センター 代表
        立命館大学大学院教授
        米国ドラマセラピー学会公認ドラマセラピスト
        (Registered Drama Therapist, RDT) 日本国内第一号

★ ドラマセラピーとは ★

ドラマを演じることが「癒し」につながるのは、声や感情を出したり、
心の中を表現することで心身の浄化的作用が起こるからであると考えられます。

現実の自分を直接、表出・表現できない場合でも「役」というものの後ろに隠れると
(あるいは役を手段として使うと)、それが可能になる。
パラドックスのようですが、これがドラマセラピーの基本的で重要なセオリーであり、
魅力です。

またドラマには、その体験を通して現実を味わうことができ、
また希望を叶えた満足感などが、現実の体験と変わらない効果を持たせる力があります。

このような、「ドラマ(劇)」というものが本来持つ、いわば「癒しの力」を意図的に
用いて、心を癒したり、あるいは内面的な成長を促したりしようというのが、
ドラマセラピーです。


◆ ドラマセラピー基礎トレーニング

ドラマセラピーを深く学びたい人のために。
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ドラマセラピーの考え方や、数多くある技法の一部を応用して、
対人援助に関わる仕事をよりよくするためというコンセプトで行ないます。
 詳しくは: ドラマセラピー教育・研究センター

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「ドラマセラピー」という言葉は耳慣れないかもしれませんね。
簡単に言うと「自分ではない役を演じる」ことによって、創造力を活性化し、
自己表現力やコミュニケーション力を高め、人間関係の向上を図るというものです。
何より、楽しみながら、自分自身が癒されていき、思いがけない気付きが
たくさん得られるのが魅力です。
心と身体のわくわく感を味わう体験を、一緒にしてみませんか?
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<尾上明代先生のメールマガジン>
私たちは一人一人が自分の人生の主役!
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日本国内第一号のドラマセラピストがその楽しさ、効用をお届けします。
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<尾上明代先生のHP>
ドラマセラピー RDT尾上明代のドラマセラピーでハッピー 演劇と癒し


<尾上明代先生の著書>

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心ひらくドラマセラピー 自分を表現すればコミュニケーションはもっとうまくいく!

<尾上明代先生の訳書>
cover
ドラマセラピーのプロセス・技法・上演 演じることから現実へ

インタビュアー:下平沙千代

下平沙千代

ワクワクセラピーで、好きなことを話しているうちに、希望が湧き上がり、
レイキでもっと元気になって、ショッピングや旅行にも行きたくなっちゃうような、
日本一やさしいワクワク介護タクシー開業準備中です。賛助会員募集中!

ワクワクセラピー ソーストレーナー、レイキヒーラー、導引養生功指導員、
ホームヘルパー2級、普通二種&大型一種免許取得
斉藤一人さんの全日本バンザイ連盟正会員
ブログ:『幸せを運ぶワクワクセラピー ソース』

インタビュアー:笹木美子

笹木美子

「元気サプリ日本語コーチ」

外国人ビジネスパーソンに日本語を教えています。
敬語・丁寧語 面接指導、試験対策、ビジネス会話がメイン。
他に、企業向けマナー研修等セミナー講師。

コーチングやカラーセラピーで人をハッピーにしていきたいです。よろしく。
ブログ:愛☆光☆情熱 Marilynn♪

インタビュアー:小野裕美子

小野裕美子

 『 Happy コンシェルジュ 』

あなたを、そして、あなたの大切な方を Happy! に します。

ブログ: ただいま、準備中!

インタビュアー:脇坂奈央子(わきさかなおこ 日本メンタルサービス研究所 所長)

脇坂奈央子

『道開きの心理士』 ……本来のあなたの道を開く、お手伝いをします。
ブライアン・ワイス博士直伝の、プロフェッショナル・ヒプノセラピスト。
前世療法・催眠療法を中心に、ニーズに応じた各種心理セラピーを施療。

心理士、認定THP心理相談員、統合心理セラピスト、心理カウンセラー、
米国NGH認定ヒプノセラピスト、認定キャリアコンサルタント、
代替療法セラピスト(レイキティーチャー)
HP:ワイス博士直伝の前世療法・催眠療法・心理療法★ラポール
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