第35回目(4/4) 小野 京子 先生 表現アートセラピー研究所
表現することは自分に恋すること

「先生から読者の方に伝えたいことがおありですか?」
心理療法の力ってすごいと思っているんです。人生色々な救われ方があると思うんですが、私は心理療法で救われたと思っています。実際の体験を元に、その辺を本に書いてみたいですね、ペンネームで(笑)。
「心理療法の力とは何なのでしょう?」
一つは自己理解ですよね。自分自身を理解できる。なぜ今こんなに苦しいんだろうか、そういう自分のことが理解できる。
それと心理療法の枠組みの中での体験やセラピストとの出会いによって、過去のしこりが解ける。しこりになったままだとエネルギーがそこに凝縮されているから、生きる力が減っている訳ですよ。
葛藤があれば、意識していなくてもそこにエネルギーを取られている。エネルギーがないから、うつになったり…。過去のしこりが解けると自分の使えるエネルギーになるんですね。
だから、本来の自分に戻れるんだと思います。癒されるってことは、もともと自分が持っている力が発揮できるってことです。
「心理療法を受けるのが怖いとおっしゃる方がいらっしゃいますが…」
エネルギーは要りますよ、何かしてもらうんじゃないですから。自分が取り組むっていうことだからエネルギーは必要だけれども、そんなに苦しいことではないと私は思います。みなさん何が怖いと思っているのかしら?
「内面の見たくないものに直面する怖さでしょうか?」
解くためには解くものが見えてきますものね。固まっていたり、痛かったり、思い出したりしますからね。表現アートセラピーは楽しいから、怖いという感じがある方は、ここから入ってみたら辛くなく入っていけて良いと思います。
表現アートセラピーは、その点とても楽だと思います。生きるのがあまり楽しくないとか、何をしても楽しくないとか、自分は言葉が不得意だ、自分自身がよく分からない、そんな風に感じている方に、表現アートセラピーは良いと思います。

「絵や音楽が苦手でも、大丈夫ですか?」
はい、大丈夫です。ですから気にしないで、是非1度体験してほしいなと思いますね。
教育って個性が大事ですとか、思いやりが大切とか、人と仲良くしましょうとか言いますけれど、言葉だけってまったく効果ないじゃないですか。
でも、絵を何人かで描いたとすると、それぞれ全然違う絵になります。上手下手が関係なかったら「へぇ〜、全然違うよね」って、何も否定する必要がないですよね。だから個性があるとか、みんな違うんだってことが体験として分かるのです。
何か一緒にする時も、成績が関係なかったり、誰がリーダーで従うとかがなければ、みんなの声で一緒に音楽作ってみようとか、それぞれの声を聞きながら自分の声を出して、一体感を持つことができます。
協力とは自分も尊重して人も尊重して一つになれる実体験ですね。教育っていうのは知識じゃなくて、自分自身とつながるとか、知識とつながるとか、学んでいることの意味が自分で感じられるとか、楽しいとか、広がるとかですよね。
「知識って何の意味があるの?」って感じです。「知識を学ぶだけで何年間も過ごすとしたら、心が死んでしまう」って思うのです。
「先生のご著書に『表現することは、自分に恋すること』とありますが、なぜそういうことが起きるのでしょうか?」
何かを創るって「精神が高揚」するんですよ。うっとりしちゃうんです。
ジャズミュージシャンやピアニストは酔いしれていますね。酔いしれる世界があるんでしょう。そして自分と一体になれる。恋って相手と一体になるでしょう? 没頭して表現したら、自分自身と一体になっているんでしょうね。
自分との一体感は、恋人無しで恋している状態です。表現と一体になるから恋人が要らないんですね。便利な世界ですよね。自分一人でうっとりできる。生活の中に表現を取り入れると、すごく高揚感や恍惚感があって、いいと思います。
「先生ご自身では、生活の中に取り入れていますか?」
「芸術療法をやっている人は、何か自分でも表現を一生しなさい」って言われるんですよ。これがなかなかできないし、足りないかも知れないですね。
詩はよく書くんですよ。詩を書く人ってよく言うじゃないですか、「詩って苦しくないと書く気にならない」って。ですから、苦しい時に詩を書くのはいいかも知れないですね。前は結構書きましたけれど、最近は楽になったためか、あまり書かなくなりましたね。
「先生のリフレッシュ法は何ですか?」
私のリフレッシュ法は体を動かすことです。散歩とか、ヨガとか、エアロビとか、体からですね。
「先生が、今の活動で一番大切にされていることは?」
自分が元気で、生き生きとした感覚を大切にした仕事の仕方をすることでしょうか。
「将来的な夢を教えていただけますか?」
日本には、アートセラピーを大学や大学院で学べるプログラムがないので、そんなプログラムを作れたら良いと思っています。
海外からそのようなプログラムを持ってきて、修士号が取れる大学院を日本に作れたら良いなと思っているんですけれど、それは大プロジェクトです。
あとは、日本の大学でも良いんですけれど、そういう科が出来ないかなと思います。専門的に勉強できる、専門家を養成できるコースが出来たら良いと思います。
近いところでは、一般の方にアートセラピーの良さを知っていただくようなことができたらいいなと思います。その一つとして、今、表現アートセラピーを伝える漫画が入った本を作りたいなと考えているところです。
<編集後記>
小野京子先生とは、研究所近くのお洒落なカフェでお会いしました。
『言葉ではなく、アートで自分を表現する・・・』
柔らかな笑顔でそう語る小野先生の、温かい人柄が伝わってきて、お話を聞くだけで癒されました。
お話の中で「表現することによる精神の高揚」という言葉が出てきたのが
とても印象に残りました。
そして、「アートの力」と「セラピストのあり方」について、深く考えさせられた時間でもありました。
小野 京子(おの きょうこ) 表現アートセラピー研究所 代表
臨床心理士、国際学会認定表現アートセラピスト
東京学芸大学非常勤講師、神奈川大学大学院非常勤講師
NPO法人アートワークジャパン理事長
●表現アートセラピーとは
表現アートセラピーは、欧米で発展した芸術療法です。
いろいろなジャンルの表現を使い、心、からだ、感情、スピリチュアリティすべてにアプローチするホリスティックな療法です。
作品の上手下手を問わず、分析解釈せず、お互いを尊重しケアする姿勢をとります。
表現アートはいろいろなアート表現を組み合わせて用いるために、より深い心の層にアクセスし、心身の癒しが促進されます。
■コース・メニュー
●講座/ワークショップ
●トレーニングコース
●個人カウンセリング
●個人セッション
- <小野京子先生のHP>
- 【表現アートセラピー研究所】
- <小野京子先生の著書・訳書>
表現アートセラピー入門―絵画・粘土・音楽・ドラマ・ダンスなどを通して
表現アートセラピー―創造性に開かれるプロセス
インタビュアー:下平沙千代

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インタビュアー:竹沢央保

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インタビュアー:小野裕美子

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前世療法・催眠療法を中心に、ニーズに応じた各種心理セラピーを施療。
心理士、認定THP心理相談員、統合心理セラピスト、心理カウンセラー、
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