第35回目(3/4) 小野 京子 先生 表現アートセラピー研究所

セラピストは、病気について積極的に知る必要がある

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「今後の活動の展望はいかがでしょう?」

教育・産業界など、今まで色々な場所で仕事をしてみたいとすごく欲張りだったんです。だけど最近は、自分が本当にゆったりと満足がいく生活とか人生というのもすごく必要だと考えているのです。

だから、それこそ教育にも取り入れたい、産業界にも、と思うけれど、このまま死んで何が悔いになるって言えば「自分のゆったりとした満足のいく幸せな人生」ですから。それだけにどこまでエネルギーを注ぎ込めるか・・・ですね。

だから表現アートセラピーに興味があって、良いと思っている人を育てて、その人たちにやっていただくという方向でしょうか。教育に、涙を流すほど良いと思っているのに、まだ扉がなかなか開かない・・・。それだけに後継者を育てたいですね。

「セッションと講座では、どちらがお好きですか?」

グループ・セラピー、集団療法が好きですね。1対1だと、どうしても私が全部やりますよね。すごく神経使うんですけれども、グループだと任せちゃうところありますよね。

場の設定だけして安全な場を作れば、そこにいる人が本当に色々な意味で力を発揮してくれて、相互に癒しの場が出来ていく。そんなに心配しなくても、私もその中で楽しめたりする。人の力ってすごいなって思いますね。

「それが、グループセッションの良いところですか?」

そうですね。病院などでは別ですけれど、一般の人だとみんなすごくパワーが出せるところが素晴らしいですね。

「今のお仕事をされていて、一番うれしいと思われるのはどんな時ですか?」

中学校でのことですが、子どもたちがストレートに気持ちを伝えてくるんですね。中学生が「先生のことは、絶対、一生忘れません」と手紙をくれたりするんです。とてもうれしいですね。

以前、東京ゲシュタルト研究所で「ここに来たい」と言って中学生の女の子が個人面談で来た時があるんですよ。友人関係で悩んでいて、ヴォイス・ダイアログというセッションを夏休みに数回したのです。

それから10数年経った後、その子がワークショップに来て、「先生のセッションを思い出して頑張ってきた」と言うのです。そしてまた個人セッションをして、そうしたら今悩んでいることが1回で解消しちゃったんですね。

そんな風に「あの時はすごく助けになった」と言われたら、すごく嬉しいですよね。人が成長するのを見るって楽しいです。

「先生のパワーの源は何でしょうか?」

自分がいろいろ悩んだり、苦しんだりしたことで、それを何とかしたいと思ったのが原点かもしれません。今もまだ成長の途上でしょうね。

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「今、悩みや迷いを抱えている方にメッセージをお願いします」

自分がこんな風になりたいっていうのがあって、今はどうやってそこに行けばいいか分からなくても、少しずつ今できることをやっていけば、そこに必ず行けますよ、って言いたいですね。必ず行けるような気がするんです。たとえ時間がかかったとしても。

どんな小さなステップでも、今何も出来ないなら、ただお仕事をしているだけでも「ここなりたいな〜」って思っていながらね、小さなステップを続けていって色々な人から何らかの形で助けてもらえばいい。

すごく大きな目標なら、そこに行き着くかどうか分からないけれど、「ああ、そこに行く、行っている途中なんだな〜」という実感はあると思います。

「表現アートセラピーを体験されることで、どんな変化が期待できますか?」

自分が生きている意味とか、自分が自分であることの意味が、表現によって確かめられると思います。

「生きがいや生きている意味が感じられないという方にはぴったりということでしょうか?」

そうですね。頭で考えても分からないことが、ふと、作品を作っている過程で感じられる。芸術の素晴らしさっていうのは、苦しみの中に何か光を見出すっていう作業ですよね。

だから今、苦しみにしか見えなくても、何かそこで自分なりの意味とか、生きている何かがつかめる感じがしますね。

「カウンセラーやセラピストを目指したい方への、メッセージをお願いします」

こうしてみたいとか、こうなりたいとか、セラピストになりたいという思いを大切にして、自分自身を紐解いて、自分自身を深く探求してください。

そして色々な療法があるので、それらを体験して欲しいなと思います。その時期によってヒットする療法ってあると思うんです。この時期は認知療法がヒットして、この時期はアートセラピーがヒットして、という具合に…。

「一つの療法だけで納得するのではなくて?」

これでもう十分という人もいると思うんです。でも色々な療法を体験してみることで違う自分も見えてくるし、見えてくる部分も違うでしょうから幅が広がると思います。

「先生が心配なさっていることがおありとか?」

自分も人間性心理学から入ったんですね。その頃、臨床心理っていうセラピストを養成する大学や大学院がなかったんです。今は臨床心理士になるためのトレーニングとかプログラムとかが出来ていますよね。でも昔は、そこに行けば、ある程度勉強できると言う場所がなかった。

そのころの人は、みんな自分で先生を見つけて、その先生のもとで勉強して何とか自分でセラピストになるためにやってきたのですが、私は精神的な病気に対する考えが甘かったと思います。

誰でもが潜在的な力を持っている・・・人間性心理学ってそうですよね。それをすごく信じていたのは、よいことですが、精神科の病院で実習や仕事をしなかったので、病気に対する認識が甘かったと思います。40代になって精神科のクリニックで仕事をするようになってから、病気の厳しさを実感しました。

一般の人の中にも本当にぎりぎりで生きていらっしゃったり、重い心の状態をかかえていらっしゃる方がいて、そういう人に対して下手にセラピーをすると危険だと思っているんです。

ですから、あまり病気に関する知識とか経験がない方が深い問題を抱えている方をセラピーすると、難しい場合もあると思います。

病気というのをきちんと勉強して欲しいし、できれば精神科に行って精神科の患者さんというのはどれくらい大変なのかを感じて欲しい。

希望を持てばいいってレベルじゃなくって、希望を持つってことが辛いんですよ。あまりにも裏切られてきて、希望を持つことすら辛い人たちもいる。

病気とか病理の大変さ。かといって病気だからといって最初から「そんなもんだよ病気は」ではいけないと思うんですよね。その辺の兼ね合いです。

病気の大変さを知りながら、可能性を見ること。重い病気の方には、まずはお薬を飲むことが大切とか、そのあたりのことです。

病気に接したことのない方は、現場を見に行くとか、病気のことについて勉強して欲しいですね。できれば本だけでなく実際に実習をして欲しい。自ら積極的に知る努力をする必要があると思います。

「セラピストが心すべき事は何でしょう?」

自分自身が充分セラピーを受けて、セルフメンテナンスをしっかりして欲しいと思います。終わりはないですが、特に体調が悪かったり、人生で危機的状況があった時は危ないので、過信しないことです。

セラピストの仲間を持ちながら、今、自分がどんな状態なのか常にセルフケアをする必要があると思います。

                

(次回につづく・・)

小野 京子(おの きょうこ)  表現アートセラピー研究所 代表

  臨床心理士、国際学会認定表現アートセラピスト
  東京学芸大学非常勤講師、神奈川大学大学院非常勤講師
  NPO法人アートワークジャパン理事長

●表現アートセラピーとは

表現アートセラピーは、欧米で発展した芸術療法です。

いろいろなジャンルの表現を使い、心、からだ、感情、スピリチュアリティすべてにアプローチするホリスティックな療法です。

作品の上手下手を問わず、分析解釈せず、お互いを尊重しケアする姿勢をとります。

表現アートはいろいろなアート表現を組み合わせて用いるために、より深い心の層にアクセスし、心身の癒しが促進されます。


■コース・メニュー

    ●講座/ワークショップ
    ●トレーニングコース
    ●個人カウンセリング
    ●個人セッション

<小野京子先生のHP>
【表現アートセラピー研究所】
<小野京子先生の著書・訳書>
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表現アートセラピー入門―絵画・粘土・音楽・ドラマ・ダンスなどを通して



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表現アートセラピー―創造性に開かれるプロセス

インタビュアー:下平沙千代

下平沙千代

ワクワクセラピー☆ソースで、一緒にワクワクしましょう!
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ワクワクセラピー ソーストレーナー、NLPセラピスト
レイキヒーラー、導引養生功指導員、成年後見人講座受講中
トラベルヘルパー、ホームヘルパー2級、女性タクシードライバー
ブログ:『幸せを運ぶワクワクセラピー ソース』

インタビュアー:竹沢央保

竹沢央保

「思込解放カウンセラー」 または 「成幸の伝道師」
メールとスカイプを使ったカウンセリングをしています。
優しさと強さを兼ね備え、自分自身が幸せに生きることで、その波動で周りの
人も幸せにしていくという「上善は水の如し」的な生き方を目指しています。

趣味:音楽・映画鑑賞、ギター、読書、車、旅行
やってみたいこと:世界一周旅行
最近の興味:仏語、伊語、シャンソン・カンツォーネを歌うこと。
HP:メンタルサポートNow and then

インタビュアー:小野裕美子

小野裕美子

  『 Happy コンシェルジュ 』

あなたを、そして、あなたの大切な方を Happy! に します。

ブログ: ただいま、準備中!

インタビュアー:脇坂奈央子(わきさかなおこ 日本メンタルサービス研究所 所長)

脇坂奈央子

『道開きの心理士』 ……本来のあなたの道を開く、お手伝いをします。
ブライアン・ワイス博士直伝の、プロフェッショナル・ヒプノセラピスト。
前世療法・催眠療法を中心に、ニーズに応じた各種心理セラピーを施療。

心理士、認定THP心理相談員、統合心理セラピスト、心理カウンセラー、
米国NGH認定ヒプノセラピスト、認定キャリアコンサルタント、
代替療法セラピスト(レイキティーチャー)
HP:ワイス博士直伝の前世療法・催眠療法・心理療法★ラポール
発行メルマガ:こころの栄養@さぱりメント
 

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