第35回目(2/4) 小野 京子 先生 表現アートセラピー研究所

表現アートで、学ぶことがもっと楽しくなる!

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「パーソンセンタードアプローチについて教えてください」

パーソンセンタードアプローチというのはカール・ロジャーズによって確立された流派で「来談者中心療法」とも言われています。その前はフロイトの精神分析がほとんどで、その後の行動主義にも反対して、ロジャーズは人間性心理学を代表する人です。

カウンセラーという権威ある人が分析するという上下関係でなく、もっとカウンセラー自身、個人としてそこにいて、本当に尊重して共感してお話を傾聴するというのは、一番クライエントが成長していける方法だし、そういう環境を作るのがカウンセラーだと言っています。

ある時、ロジャーズがアドバイスすることを止めて話を聞くことに専念したら、特に問題について話さなくてもその方自らが自然に成長していったということがあったそうです。どのようにしたら元気になるかは、その方自身が一番知っていることを発見したのです。

ロジャーズがつけた、最終的な名前がパーソンセンタードアプローチでした。基本的にセラピストは同伴者であり、クライエント自身が解決する能力があり、潜在的な力もあり、それを尊重して共感して自らが解決していくお手伝いをする立場にあると言っています。

「先生の今の活動内容は、いかがでしょうか?」

表現アートセラピー研究所では、色々な方に表現アートセラピーの良さを体験していただきたいと思っています。ワークショップとトレーニングコースの両方を提供しています。

このごろ気になるのは、よく見かけるようになった、ごく短期間のセラピスト養成コースというものです。それには疑問をもっています。そんな短いトレーニングでセラピストになれると思ってほしくないです。

研究所のトレーニングコースは、表現アートセラピーのトレーニングなので、カウンセラーやセラピストになるためには、これだけでは足りません。

臨床心理士やすでにカウンセラーのお仕事をしている方はその上に乗せてもらえばいいのですが、そうでない方には、どこかでカウンセラーのトレーニングも受けて下さいとお願いしています。でもこのコースの中では、カウンセラーになるための素晴らしいエッセンスを学ぶことが出来ます。

セラピーということでなく、ご自分の絵画教室で表現アートを生かしている方もいるので、この療法を色々な形でやって下さる方が増えたらいいなと思います。

あとは大学でも芸術療法を教えています。学生は予想もしないことを言うので、なかなかおもしろいです。

9年くらい中学校でスクールカウンセラーをやっていました。この3月で辞めましたが、とても勉強になりました。やっぱり子どもたちは可愛いですね。

それから企業の健康相談室で、カウンセラーや研修の講師などで、週に1回行っています。

「企業では、カウンセリングをされるのですか?」 

個人のカウンセリング、プラス、メンタルヘルスの研修講師です。30歳検診というのがあって30歳になると心と体の検診が1日かけてあります。その中でワークをしたり、絵もちょっと描いたりします。

「カウンセリングの中でも、絵を使われるのですか?」

研究所での個人セッションでは、アートも取り入れてやっています。

あと精神科の入院施設のある病院で、入院患者さんに表現アートセラピーのグループを毎週1時間、行っています。主に摂食障害の方が多く参加されています。アメリカで表現アートセラピーを勉強された先生に任せています。私は月に一回担当しています。その先生は個人面接もなさっています。

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「教育分野でも活用されたいとお考えとか?」


アートワークジャパンというNPOと作っています。カナダで、教育の中で表現アートを使う活動をしている先生方をお招きして実践しています。

教科を教える時にアートを使うというプログラムのトレーニングも行っていて、何人か卒業生もいます。なかなか日本の小学校などは入りにくいんですけれども、スタッフに学校の先生がいるので、そこの学校などで細々とですが始めています。

「エコ」について、ドラマや絵などで、去年は3回やりました。カナダの先生が来た時も何回か、例えば「余りの出る算数」をドラマで教えるとか、月の満ち欠けをストーリーテリングとダンスで教えるとか、もうすごくいいんですよ!

「子どもたちの反応がですか?」

子どもたちもすごく楽しそうです。発達障害で普段目立たない子が、そういう時に脚光を浴びて楽しくやるとか…。子どもたちが実際表現しながら学ぶので、勉強が楽しくなります。

最初の導入でストーリーを聞いて、ちょっとムーブメントで動いて、実際に月と太陽の位置をみんなでやって見るとか、ダンスで月の表面を表現してみるとか、ドラマで「割り算の余りを出す」とか、話せばいくらでもあります。

教育に表現アートを使うというのは、ものすごくやりたいことですね。

カナダの先生たちを招くと、その先生たちが私たちに講義したり実習したりするんです。それが素晴らしくて「このプログラム素晴らしい!」って家へ帰って泣くんですよ。「今年は3年目だし、泣かないだろう」と思っても、泣くんですよ。一人で、ベッドの中で(笑)。

「それほど良い訳ですね?」

特に、私は教育ってトラウマなので。「退屈」って私の人生のテーマです。「どうしてこんなに座ってなきゃいけないの?」って、小中学校〜大学までずっと退屈でした。

学校教育で死ぬほど辛い思いをしている人っていると思いますよ。「何でこんな目に合わなきゃいけないの?」って。その点、表現アートは楽しくて、涙が出るほどです。

「先生方に学んでいただきたいと思っていますか?

先生方もお呼びしたいですね。カナダのプログラムはアーティストが学校に来て、アーティストが授業してくれるんです。先生は、ちょっと離れて見ていられるからリフレッシュできるっていう、そういうプログラムですね。

「トレーニングを積んだセラピストが、教室に出向いていくという形ですか?」

色々なやり方があると思うんです。先生たちにやってもらう方法もあるし、アーティストが行く方法もあるし、セラピストが行く方法もあると思います。

カナダの先生方をお呼びして実施していたのは、アーティストが教室に行くというプログラムです。子供好きなアーティストに教育のプログラムを受けてもらっています。

先生方は本当にお忙しいですが、工夫してやっている先生はいますよね。国語の授業で、絵を描いてから詩を書くとうまくいくとか、ご自分でアートを入れていらっしゃる先生はいます。

「医療領域では、どんなメリットがあるのでしょうか?」

医療だと、本当に癌とか慢性病とか、普通の病気で病院に入っている方も免疫力が高まります。

病院に入って病気だって言われると、自分というものがそれだけになってしまいますね。自分の自尊心がなくなってしまうし、自分の持っている力も感じられない。

そういうところで、自分を表現しながら病気の自分以上の自分・・・病気でいても何か、楽しい、エネルギーが得られるような活動ができるっていうプログラムがあると、すごく違うと思うんです。それから、認知症の予防とかね。

アメリカでは、「art as medicine」「芸術は薬」、そういう流れがあります。

「産業界ではいかがですか?」

ビジネスの世界では、ダニエル・ピンクさんが書いた『ハイ・コンセプト』すごく面白い本ですよ。いかにこれからのビジネスマン企業家がアートをやることが役に立つか、つまり今までのように知識を持っている人が生き残っていく時代ではないと言うのです。

例えば、会計士さんて、昔は独占だったけれど、今は会計ソフトがあるからそれで済んでしまう。それなら何で勝負かと言うと、新しい切り口、つまりクライエントに共感してニーズをつかむことです。

これからは共感力・想像力が必要で、何をしたらそれが一番得られるかというと、アートだと言っていますよね。ドラマとか、絵を描くとか、詩を書くとか、そういうアートが、企業でこれから生き残っていく人のすごく大事な方向だし、役に立つことだと言っているのです。

でも、日本の産業界は、まだそこまで余裕がないように思います。創造性の必要性をまだ実感してないのではないでしょうか。

もちろんクリエイティビティも必要な商品開発はありますが、大多数にとっては、個性が許されずマニュアル通りにやるストレスをどこで解消するか・・・そのレベルですよね。個性が許されないという、ものすごいストレスあると思います。

「それも癒していかないと、本当はいけないですよね?」

自分の工夫が生かされない今の大企業の歯車の中では、悲鳴を上げてしまいますよね。余地はあるんでしょうけれども、上司によるのかもしれません。

上司とか周りの人とのコミュニケーションが良ければ救われる。それもなくなったら、パワハラなど上司とのトラブルでカウンセリングに来られる方が多いです。

                

(次回につづく・・)

小野 京子(おの きょうこ)  表現アートセラピー研究所 代表

  臨床心理士、国際学会認定表現アートセラピスト
  東京学芸大学非常勤講師、神奈川大学大学院非常勤講師
  NPO法人アートワークジャパン理事長

●表現アートセラピーとは

表現アートセラピーは、欧米で発展した芸術療法です。

いろいろなジャンルの表現を使い、心、からだ、感情、スピリチュアリティすべてにアプローチするホリスティックな療法です。

作品の上手下手を問わず、分析解釈せず、お互いを尊重しケアする姿勢をとります。

表現アートはいろいろなアート表現を組み合わせて用いるために、より深い心の層にアクセスし、心身の癒しが促進されます。


■コース・メニュー

    ●講座/ワークショップ
    ●トレーニングコース
    ●個人カウンセリング
    ●個人セッション

<小野京子先生のHP>
【表現アートセラピー研究所】
<小野京子先生の著書・訳書>
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表現アートセラピー入門―絵画・粘土・音楽・ドラマ・ダンスなどを通して



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表現アートセラピー―創造性に開かれるプロセス

インタビュアー:下平沙千代

下平沙千代

ワクワクセラピー☆ソースで、一緒にワクワクしましょう!
日本一やさしい介護タクシー開業準備中です。賛助会員募集中!

ワクワクセラピー ソーストレーナー、NLPセラピスト
レイキヒーラー、導引養生功指導員、成年後見人講座受講中
トラベルヘルパー、ホームヘルパー2級、女性タクシードライバー
ブログ:『幸せを運ぶワクワクセラピー ソース』

インタビュアー:竹沢央保

竹沢央保

「思込解放カウンセラー」 または 「成幸の伝道師」
メールとスカイプを使ったカウンセリングをしています。
優しさと強さを兼ね備え、自分自身が幸せに生きることで、その波動で周りの
人も幸せにしていくという「上善は水の如し」的な生き方を目指しています。

趣味:音楽・映画鑑賞、ギター、読書、車、旅行
やってみたいこと:世界一周旅行
最近の興味:仏語、伊語、シャンソン・カンツォーネを歌うこと。
HP:メンタルサポートNow and then

インタビュアー:小野裕美子

小野裕美子

  『 Happy コンシェルジュ 』

あなたを、そして、あなたの大切な方を Happy! に します。

ブログ: ただいま、準備中!

インタビュアー:脇坂奈央子(わきさかなおこ 日本メンタルサービス研究所 所長)

脇坂奈央子

『道開きの心理士』 ……本来のあなたの道を開く、お手伝いをします。
ブライアン・ワイス博士直伝の、プロフェッショナル・ヒプノセラピスト。
前世療法・催眠療法を中心に、ニーズに応じた各種心理セラピーを施療。

心理士、認定THP心理相談員、統合心理セラピスト、心理カウンセラー、
米国NGH認定ヒプノセラピスト、認定キャリアコンサルタント、
代替療法セラピスト(レイキティーチャー)
HP:ワイス博士直伝の前世療法・催眠療法・心理療法★ラポール
発行メルマガ:こころの栄養@さぱりメント
 

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