“いい人”を止めたことです。
体育会系の会社にいてキツかったし、あのやり方では潰れるとか、人を育てられないとか、当時は思っていました。180度違う優しい世界に飛び込んできたわけですから、「優しい人でないとダメだろう」と優しいセラピストをやっていました。
ところが、ドタキャンや遅刻、いろんな問題が起こります。優しい人でないといけないと思っていたので、にっこりしてみるけど、目が笑ってない、怒っている(笑)。見れば分かるんですよね。で、だんだん苦しくなってきた(笑)。
それで、思いきって“いい人”を止めて、クライアントさんにも怒るようにした。そうしたら、すごく楽になった。
例えば、メールでも怒る。「そんなことをしてもらったら困ります」とはっきり言うのです。
ドタキャンはもちろん、どこそこのセラピーはこんなことやってくれた、こういうやり方をしてほしいとか言われた時にも、「いいかげんにしてください」みたいに言う。
セミナー中でも、「こら、遅刻すんなよ」って怒るしね(笑)。そういうことをし始めたら、お客さんから見て、逆に分かりやすくなったようです。「こんなことしたら怒るんや」と。さすがに、時には“いい人”もしますけれど(笑)。
「“いい人”を止めて自分が楽になることで、何につながったのでしょうか?」
クライアントさんに、「あんなでもいいんだ」という安心感を与えます。
“いい人”“いいセラピスト”をやっていた時は、いわゆるマイナス言葉、怒る、悲しむ、愚痴とか、一切言わないようにしていました。でも、腹の中では思っているわけです。そういうことを口に出すようにしたんですよ。
クライアントさんも同じように思っている人がいっぱいいるんですよね。「悪いことを言ったらその通りになる」「ありがとうと言っていたらいいことがある」と、言霊にこだわったり、“いい人症候群”に、はまっている人がいっぱいいます。
「クライアントさんも本音を言えるようになるのでしょうか?」
例えば、夫や子どもの行動に困っていると相談してきた人に、どう対応しているのか聞くと、「怒ったらあかんと思ってるから、一生懸命にっこり笑っています」と言う。
それに「アホやなー(笑)」と応えながら話を聞いていると、愚痴を少し言い出すわけ。そしたら「ほんまはそう思ってるよね」「そら、最低のだんなさん!」と一緒に悪口言うのね、すると、うわ〜っとクライアントさんから悪口が出てくるんです。
そして、すごくすっきりしたと言う。「そやな、腹の中で思ってたもんな」って言うと「すごい思ってました!」ってなるのは、僕が誘い水をかけたからです。
「セラピストがオープンになることが必要なのですね?」
「悪口言ってもいいんですか?」と訊かれます。「ええよ、悪口言った方が顔コワクなくなるよ」と、その人を正直にさせてあげることは、効果もすごいです。
僕がきれいなことばかり言っていて、クライアントさんが「こういうこと言ったらあかんわ」と思ったら、それで終わりですからね。
こっちが、ひどいことも言う、悪口も言う、エロいことも言う、となると、「この人に何言うてもいいんや」と思ってくれる。クライアントさんもオープンになっていい場所かなという安心感が生まれるのですね。
さっき、僕が「怒る」って言いましたが、念のため(笑)。その場で感じた感情をその場で出すように心掛けると、逆に怒りたくなる出来事がなくなってくるんです。そこで出さずに我慢してるからイライラが溜まってたんですね。
あと、「うまくいくようになった契機」を挙げるとすれば、「奪うマインド」から「与えるマインド」に変えたことも大きいですね。
お客さんが来ないときは、いかにしてお客さんに来てもらうか、つまり「奪うマインド」だったのですが、ある時から「来なくてもいいから、いい情報をまずは発信しよう」と、「与えるマインド」に変えたことで状況が大きく変わったことも印象深いですね。








