第22回目(4/4)  水野 浩志 先生 マイルストーン

覚悟ができている人、できていない人

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「水野先生は独自のキャラクターをお持ちのようですが、この仕事をしていく上でキャラクターは大事だと思いますか?」

キャラクターは重要ですが、作ろうと思って作れるものではなくて、にじみ出るものじゃないでしょうか。

キャラを作ることを推奨している人たちもいますけれど、私の場合はクライアントさんと一生の付き合いと思っていますから、その場限りのキャラを演じても・・・いつかはボロが出ますよね。

それよりも自分はこういう人間になりたいと思って、根っこから変えていくということが大事だと思います。そういう意味では、私は無理なキャラクター作りはしていませんよ。

人嫌いで人と会うことは苦手だったけれども、努力で克服できたので、努力の上での自然体ですね。

「水野先生から見て、根を張るのが下手な人はどんな人ですか?」

昔の私ですね。一番露骨に出るのは諦めちゃう人。1回や2回うまくいかなかったからって諦めていたら、根は張れませんから。

その時に一番大事にしなければいけないのは、自分で100回失敗すると決めることです。

1回や2回でなくて100回となったら10回や20回くらい平気ですから。1、2回失敗しても屁でもないですよ、というか1、2回で成功してしまったら、それは単なる運じゃないか、みたいな感じになりますね。

あと、失敗して落ち込んだ時でも、自分が取り組んでいる理由を忘れないために、「なぜこういったことをしているのか」をはっきりさせ、それを常に口にすること。

紙に「こうしたいから、これを始める」って書いても、1、2回失敗すると嫌になって、紙を貼ってある壁を見ないようになってしまうのです。だから口に出すということをずっとやる。口癖になるくらいまで。

私の本にも書いていますが、タバコをやめようと思った時に1日60本吸っていましたから、1本吸うごとにやめる理由をきちんと口に出しました。

1日60回、1週間で計420回やったら忘れないですよね。そこまで徹底的に刷り込むということをしておけば効きます。

「講座の中で失敗してしまった経験はありますか?」

もちろんたくさんあります。それこそ、ここでは語りきれないくらいたくさん。
第1回でもお話しした、最初のセミナーなど、まさに失敗の中のベストワンですよね。

でも、失敗は自分を育ててくれますから、個人的にはとてもいいことだと思っています。

だから、うまくいった理由が明確でない時など、そのやり方の一部を崩してみて、あえて失敗するかもしれないことにチャレンジすることもありますね。

そうすることで、なぜうまくいくのか、ということ、どのポイントが失敗の要因になるのか、ということが細部までよくわかりますから。

例えば、去年「初めてのセミナー入門」というのをやった時に、「高品質セミナー作成講座」ではやらなければいけないと言ってきた自分の教えを、あえてやってみなかったんですね。

具体的には、先ずスタッフを用意しない、会場の下見をしない。この2つをあえてやらなかった。そうしたら、やはりひどい目にあいました。これも全部ネタにして当日話しましたけれどね。

このように、失敗を好意的に受け止め、そして100回失敗しようと思えるようになったら、たいていの失敗なんて怖くない。そうすると、100回失敗する前に、それなりの結果が出てしまうんですよね。

そして、私のような仕事は、こういった失敗を自分のクライアントさんに提供できるわけですから、たくさん失敗しておいた方が得ですよね。失敗は財産です。

と、これだけ失敗に対して心構えを持っておけば、失敗しても動揺することが無くなります。

で、実はこの動揺がくせ者でして。
失敗して動揺するのは、自分自身に気持ちのベクトルが向いているからです。
「ああどうしよう、私」ってね。

そうなった時は、顧客視点から自分視点になってしまっています。そうなるとお客さんに良い事は1つも無いですから。
だから、参加者に対して気持ちのベクトルを向けきれるようにしておくためにも、「失敗する心の準備」というものはとても大切だと思います。

「仕事としてお客様と関わる範囲は決めた方が良いのでしょうか?」

読者の皆さんの中には「○○コーチング」「△△カウンセリング」とテーマを決めている人も多いと思いますが、そこから外れた時にもきちんと対応ができる人間になっておこうという心構えは必要ですね。

例えば、相談の内容がダイエットコーチングだといっても、その人の悩みの本質はダイエットだけではないはずなのです。

つまり、自分が提供する課題解決の専門領域を、深く深く掘り下げていくと、その領域の知識だけでは、クライアントの課題を解決していけなくなるはずなんですね。

そういう意味では、常日頃から、あえて自分のやっていないことにチャレンジしながら、知識や経験の幅を広げていくということも大切ですね。

そうすればいろいろな課題に対応できるようになります。少なくともそういう感覚を持つ覚悟は必要かと思います。

もちろん、ビジネスである以上、自分自身が価値を提供できない範囲というものもありますから、ここから先は責任の範疇外ですと領域を決めることはとても重要ではあります。

また、心の問題を扱っている方などは、この点の境界線を曖昧にしておくと、大変なことにもなりかねませんから、その点は注意する必要がありますが。

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「ここ5年くらいでお世話になった方はどなたですか」

挙げたらきりが無いです。ここ5年間が一番いろいろな人にお世話になっていますから。特に、モエル塾の木戸一敏さんは、この仕事に取り組むに当たって「なんとかあの人に近づきたい」という心の支えになりましたね。

他にも、高いポジションにいて、自分を引き上げてくれた人だらけです。そういう意味では、自分自身を引き上げてくれるような人が周りにいるような状況に、自分の身を置くということが大事ですね。

そんな中で、シャカリキになって活動していると、自然に周りは引き上げて、そして応援してくれるようになるかと思います。
私が本を出した時などは、まさにこのような形で、周りの皆が応援してくれましたから。

「引き上げてもらえる人はどういう人なのでしょうか?」

何か光るものがある、ということも、もちろん必要かも知れないけれど、それ以上に一生懸命やっていることが必要なんじゃないかと思います。

そうやっているうちに、いろいろな人の目に留まるから、引き立ててもらい易くなる。

やりたいこと・伝えたいことのコミットができて、覚悟ができているということでしょうか。

引き立てられるための覚悟と行動をすれば、どんな人でも引き立てられますよ。覚悟と前に出る気持ちが、その人をある程度のところまで押し上げるんです。

それから先、生き残れるかどうかは自分次第ですね。

「覚悟ができている人とできていない人の差はどこでしょう?」

ダイエットコーチの例をとれば、痩せることは必須ですが、痩せ方指導だけでなく、本人が当初期待していないところまでサービスを提供する。

そこまで辿り着かせますよというコミットをしているかどうかが、覚悟に繋がると思います。

お金を払って価値の交換をする、その価値をどこまで設定できるかどうかで価値が変わると思います。

中途半端な覚悟しかできない、覚悟の基準が低すぎたりする場合、逆に迷惑をかける可能性が高いわけです。

覚悟ができていない人は、ひょっとしたら心の問題に携わる仕事からは離れた方が良いかもしれません。

メンタル系のビジネスは、結構シビアでナーバスな世界です。人の人生を大きく揺るがしてしまうような仕事ですからね。道を誤らせる可能性もあるわけです。

悪意無く人を不幸にしている人がいる、その怖さを皆持っているのかを問いたいですね。それを自覚した上で、不幸な人を生み出さない覚悟ができているのかということですね。

この仕事を中途半端な気持ちでやる人は、悪意有る人よりも始末が悪いと思います。人の命・心の命を預かる仕事ですからね。

「これからの活動内容について教えてください」

「高品質セミナー作成講座」はカリキュラムの作り方をもう少し深掘りした内容にしていきます。1つのテーマを複数の切り口に展開する考え方、しかも本質論をしっかり押さえた形で展開する、それをメソッド化している最中です。これが講師向け教師向け活動です。

ビジネスパーソン向けは、メインは企業研修。他に公開研修を今年の後半からやります。問題解決手法などですね。あとは個別にコンサルティングをやっていきます。

「将来実現したいことはなんですか?」

子供から「こんな大人になりたい」と尊敬される社会人を1人でも多く生み出すこと。
自分の実践してきたことを中心に、体感ベースで伝えていきたいですね。

そしてありきたりかもしれませんが、学校を作りたいです。社会人教育をやっていると結局は幼児教育、学生教育をなんとかしないと、ということになってくるのです。

専門学校の講師をやっていて分かるのは、子供たちはきちんとした大人と会う機会が無い。尊敬できる大人がいない。いるとしてもせいぜいブラウン管の向こう側なんです。 「ビジネスとは人生を楽しむもの」ということをリアルに伝えてくれる大人がいないのです。

今、社会と教育が切り離されていますね。それを繋ぐ必要があると感じています。社会に出て行く子供たちが、社会に貢献できるような人になれるような学校を作りたいです。

そうすると日本という国が良い流れになるのじゃないかなと思います。
きちんとした価値観を伝えてあげられる大人がいる学校を作りたいですね。

「これから独立を考えている人にメッセージをお願いします」

独立は、結果を出してからでないと相当大変ですよ、ということでしょうか。

特に、メンタル系のビジネスで独立したいと考えるならば、まずは自分を大きく変えるという1歩が踏み出せてから、人に対してどうこうすることを考えたら良いのではないかと思います。

私自身禁煙したという事実ができあがるまで、NLPやコーチングなど人に対してのアプローチはことごとく失敗していました。

自分自身に結果を出してその結果を手がかりにまた積み上げていく。

自分に効果が出たものが人にも効果が出るのかの検証をして、十分にビジネスとして成り立つのかを見極めることができるまでは、独立しない方が良いです。

特にコーチングやカウンセリングの仕事を目指している人は、もともとコミュニケーションやメンタルに弱みを持っている人が多いようです。私自身もそうでしたけれど。

しかし、その世界で独立を目指している人たちを見ていると、その弱みをきちんと克服しないままに独立しようとしている人が半分以上いるように思えます。

そういう人たちのもう一つの特性は、自分の提供するスキルを、勉強するだけで何とかしようとする。でも勉強では所詮知識のインプットですからなんともできないんです。

自分の課題がきちんと克服していないのに勉強で気持ちだけ克服したような気になっていても、根本的なところはクリアされていないですからね。

あと、いつ独立したらいいのかが分からない、という人は、今は独立するタイミングではありません。

常にクライアントの生涯を引き受けるくらいの覚悟ができている、そういうメンタリティを持っている人は、「いつ独立したら良いんですか」なんて聞かないですよ。
そんなことを聞く人は、まだそういうタイミングではないということです。

誰もが独立して幸せになるなんてありえません。独立しない方が幸せな人が大多数です。独立するということは大きな責任が生まれます。
その責任を背負うことに大きな喜びをもてる人だけが、独立して幸せになることができるのです。

よく、隣の芝生が青く見えるからといって、独立を目指す人がいますが、その芝生の青さは、そこに立っている人の努力で、魅力的な青さを維持しているのです。

今の足下の芝生を青くできない人は、青く見える芝生に移っても、あっという間にその芝生を枯らせてしまうだけです。

ですから、まずは自分の足下の芝生を青くしたうえで、理想としては、周囲から押し出されるように独立することが、一番いいんじゃないかと思います。

以上のことを守って独立すれば、昔私が独立して痛い目に遭ってしまったような、そんな苦労は、間違いなくしなくても済むと思いますよ。

<編集後記>

実は、通常のインタビューの倍以上お話しいただきました。
それがちっとも長く感じなかったのは、さすが講師のための講師と言われる水野先生。
言葉だけでなく、あふれる熱意を素直に感じさせていただきました。

個人的に印象に残ったのは、「自分を変える」「今できることに粛々と取り組む」
「自分に欠けているものを必ず振り返る」という姿勢でした。
「悪意無く人を不幸にしている人がいる」という言葉も、心を扱う仕事をしているものとして、しっかり胸に刻みたい言葉です。

明るいキャラクターの中に、理系の理論・実践・検証を基に、
一歩一歩階段を上がってきて、これからも一歩一歩上がっていくのだろうと
感じさせる安定感を見出しました。

特にモチベーションをアップしたい、維持したい方は、
ぜひ一度、水野先生に直接会ってみていただきたい、そう思います。

水野 浩志(みずの ひろし) 株式会社マイルストーン 代表取締役

NLP(神経言語プログラミング)及びコーチングを自らに適用することで、悪習慣脱出に成功。その体験を体系的プロセスにまとめ、2003年11月に著書「やめたいのにヤメられない!」がスパッとやめられる10秒日記(大和出版)を上梓。

 その後、行動改革セミナーや文章作成等の自己表現セミナーを自社開催し、具体的な成果を出して好評を博す。特に行動改革セミナーでは、受講者の8割が48時間以内に自ら決めた新しい行動習慣を自発的に起こし、1ヵ月後時点での新習慣の定着率は50%を超える。  

 また、自社開催セミナーと平行して、著者、コンサルタントを中心に、セミナーや講演、プレゼンテーション、教育カリキュラム等の構築コンサルティング業務を行う。理論的なコンテンツ構築手法に加え、心理学および映画・演劇のドラマツルギーの手法を融合させた独自のメソッドが評判を呼び、コンサルティングに携わったコンテンツは30本以上、構築したセミナーの延べ時間数は350時間以上に及ぶ。

 2005年より、セミナー構築メソッドを体系化させた「高品質セミナー作成講座」を定期的に開催。参加者が1年間で100名を越え、初心者はもとより、大学の助教授、プロの研修講師、大手コンサルティング会社等、話のプロフェッショナルも多数受講している。

 自身の経験・体験から導き出した手法を、ロジカルかつエモーショナルに伝えることで、参加者を行動に駆り立て成果を出させるセミナーを行うことが信条。

株式会社マイルストーン ホームページ
http://www.sp.m-stn.com/
燃えるセミナー構築士 水野浩志の日記
http://plaza.rakuten.co.jp/nosmoke/
<水野 浩志先生の著書>
cover
「やめたいのにヤメられない!」がスパッとやめられる10秒日記

インタビュアー:奥原 菜月

奥原菜月

フリーライター、占い&カウンセラー(奥原朱麗)として活動中。
夫と子供2人、犬1匹で横浜に生息中。

占い・カウンセリング・開運などをメインにしたブログ
『占いカウンセラー朱麗のまったり開運日記』

HP:アストロ・ハーティ「朱麗の占いカウンセリングルーム」

インタビュアー:朝比奈 凛香

朝比奈凛香

セミナー講師。
コーチング・コミュニケーション・プレゼンテーション・ビジネスマナーなどの
セミナーを提供している。ラシャンス代表。

あなたの「素敵」引き出します :
http://ameblo.jp/lachance/

インタビュアー:岩田 広美

岩田広美

埼玉県川越市に夫と高校生の息子と3人で在住。(出身は福島県)
カウンセリングと女性学を融合した女性心理学専門のカウンセリングを実践中。
現在、自治体の女性相談員と同時に民間カウンセリングルーム
「川越女性専門相談室femme」(femmeは仏語で女性の意)を4人の仲間と開設し、
NPO法人教育ルネッサンスにて不登校・引き込もり者対応の主席カウンセラーを務める。

「好奇心がいっこうに衰えず、素敵な出会いはまだまだあると確信し大いに期待!」

HP:「川越女性専門相談室femme」

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