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メンタルビジネスへのご招待(インタビュー)

メンタルビジネスの最前線で活躍されている各分野の第一人者の生の声を皆様にお届けします。




第21回目(1/4)  篠田 和徳 先生 Wing Heart

2008年 02月 16日

「運・根・鈍」で、仕事も人間関係もうまくいく



←前回号「カウンセリングは、この道でしか生きていけない人の仕事」



今回のインタビューは、メンタルカウンセリングルーム「Wing Heart」代表で、心理カウンセラーの篠田和徳(しのだ かずのり)先生です。

篠田先生は、元リクルートのトップセールスマン。
2005年にメンタルカウンセリングルーム「Wing Heart」を開設されてから、対面カウンセリングの他にも、セミナー講師としても活動され、更にビジネスマンとしてのキャリアを活かして、企業へ向けての新たなメンタルビジネスのサービス展開もされるという、まさに八面六臂の活躍ぶりで、多角的に事業を成功させていらっしゃいます。

「心の町医者」と自らをおっしゃる先生が、カウンセリングに出会ったきっかけ、トップセールスマンからカウンセラーへの転身のいきさつ、カウンセリングに対する想い、これからの夢や事業展開について、お話を伺ってきました。



インタビュー写真


「大学を卒業されてからはどのようなお仕事をされていたのですか?」

求人広告代理店の「新東京リクルート企画」という会社で、今は株式会社リクルートに統合されているリクルートの100%の子会社なのですが、こちらで「B-ing」「とらば〜ゆ」「フロム・エー」に「求人広告を載せませんか?」というような営業をしていました。

その後、同じ業界の「フロム・エー・ジャパン」という会社、これも「フロム・エー」の代理店なのですが、そこでやはり求人広告の営業担当、営業マネージャー、採用担当をやっていました。

最初の会社が4年で、そのあとが8年です。12年間、求人畑で営業職としてやっていました。


「同じ業界ということですが、前の会社とはどうでしたか?」

やっぱりリクルート時代の方が、ノルマや数字に対する厳しさというのはありました。どちらかというと後の会社の方がアットホームな感じ、それがいいのか悪いのかは別として、そういった差はありました。

僕に合っていたのはたぶん後者の方だったと思いますね。「自由にやれ、最後は俺が責任をとってやる」というような社長だったものですから、そこの方がやりやすかったです。結果的に2社とも、成績もグループ内で1位になれましたし。

2番目の社長にすごくお世話になって、今でも足を向けて寝ることはできないです。 残念ながら、もう亡くなってしまったのですが、気持ちの中では足を向けて寝られないという感じですね。


「中途入社で先輩を抜いて1位を取られたということですが、他の営業マンと篠田先生の営業スタイルの差は何だったのでしょうか?」

今から振り返るとその当時は、求人の営業というのは、その求人の広告を取ってくるだけ、というようなそんな雰囲気だったんです。

僕はそうではなくて、もうちょっとその奥座敷に入ったような、コンサルティングというのでしょうかね。

何のために採用するのか、今後どうしていきたいのか、だったらこういうような採用の企画でやっていった方が良いのではないですかとか、相手の相談に応じる形でやってきたのが良かったのではないかと思います。時には掲載を見合わせることも言ってました。

もちろん、そういうような形で提案している営業マンも中にはいるんですけども、やっぱり数をこなそうという風に考えると、流れ作業的にやってしまう人がほとんどでした。
僕はどちらかというと、数よりも質を高めるということを求めましたね。


「信頼関係を築いた方が結局、売上げを上げられるということですか?」

はい、大きな売上げもありますし、それ以上の財産として、その会社を辞めた後、今のようにカウンセラーをしている時にまで仕事をくれ、「まぁ、あの篠田がカウンセラーとして何かやっているんであれば、何かやらしてみよう」という風に未だに付き合いがある、可愛がってもらえる、というのは嬉しいです。

やっぱり真剣に付き合っていれば、ほとんどのクライアントさんは「今何やっているの?」と興味深く僕の話を聞いてくれる。仕事の契約にならないにしても、人生の先輩として本当にいろいろなことを教えてくれますね。

普通だったらそのままにされてしまうようなこと、たとえば見積もりを出した時に、意見をきちんと言ってくれるのです。

「この見積もりで何件も回っているかもしれないけれど、人生の先輩として言わせてもらうと、これじゃあ仕事もらえないよ」と。

マネージャーみたいな感じでいろいろと言ってくれるんです。ですので、そこらへんは助かっているなと思いますね。個人で仕事をしていると「裸の王様」になりかねないですから。当時やっぱり真剣に、お互いに妥協しないで仕事をやり合えた結果だと思いますね。


「相手の懐に飛び込んでいくコツのようなものがあるのですか?」

僕の当時の恩師から言われたことで、僕は未だに守っているのですが「仕事というのは運・根・鈍だよ」と。運というのは、運が良い悪いの運ですね。根というのは、根気の根。そして鈍というのは、鈍感の鈍。

営業というものは運もあるのだから、一生懸命やっていてくじけた時でもあまりくじけ過ぎてはだめだよ、と。

当時、リクルート事件というのがありまして、リクルートのマークが付いているだけで名刺を破かれるというのが当たり前でしたからね。

一日だいたい200件ぐらい飛び込みをするのですけれど、一日10枚、20枚くらいは破かれていました。根というのは根気、そういうことにくじけないでもっとやりなさい、と。

そこまでは僕も分かったのですよ。まあ運と根気だろうと。それで「鈍というのは、何ですか?」と聞きましたら「鈍というのは鈍感の鈍だよ」と言われ、「鈍感でいいのですか営業は?」と聞いたら「鈍感のふりをしなさい」と。

当時営業でお会いする方はほとんどが人生の先輩ですから。人事担当者なり、規模の小さいところに行ったらトップの方にもお会いするのですけれども、経営者とか人事採用する方々は、かなり、おしゃべりが好きなんですね。

その中で「あ、社長それ知っています」と、なんでもかんでも知っているようなふりをして同じ目線になろうとするな、と。

鈍感なふりをして「いや社長今日はすごく勉強になりました」というような感じで接することによって、まず可愛がってもらえること。

そして、相手の懐にスッと入っていった時に、普段可愛いだけの営業マンが何を提案できるか、常に腕を磨いておきなさいと。

それで「運・根・鈍」は未だに守っています。今年42歳になるのですが、自分を下げて、まだ鈍感なふりをする時があります。

それでお互いの関係がうまくいくのであれば、これはとても心地良いかなという風に思います。
ビジネスの世界だけではなくて、普通の人間関係でも当てはまるのではないでしょうか。カウンセラーになってからも結構役立っています。



インタビュー写真





「その会社を辞められるきっかけというのは何かあったのですか?」

まず最初の「リクルート」の時にはもう卒業かな、と。ある程度成績も修めたし、まあちょっときつかったですし。ちょっと自分が天狗になっていたということもあります(笑)。

それで2回目の「フロム・エー」の時には、ある程度成績も修めたというのもあるのですが、どうしても起業したいと思ったのです。

助手席ではなくて自分でハンドルを握る方になりたいと、ずっと前から思っていたんですよね。機会があったら、自分の会社を興したいなと思っていたのです。

たまたま当時、1回目の結婚が破たんして一人になったのですけれども、一人になったということは寂しいことではあるのですが、もしかして誰にも迷惑をかけないということで、ここで起業するのがいいよってことかと・・・。

当時子どももいませんでしたから、だったら思い切ってやってみようと思ったのです。


「その時はどのような業種で起業したのですか?」

業務請負業です。人材アウトソーシングと言っているんですけど…。アルバイトをしたいというスタッフを募って登録をしておいて、クライアントさんから仕事を請け負った時に、うちのスタッフでやらせてもらうという感じですね。

その仕事は未だにやっております。販売の仕事の依頼が結構多いですね。特にしぼっているわけではないのですが、たまたま受けている仕事が販売の仕事が多くなってきています。紹介、紹介という形で広がっています。


「どういうところで募集をされるのですか?」

自分がいた業界ですね。「フロム・エー」に出したり、ネットで採用したり。
そうやって人材を募集しています。

ちなみに、仕事をもらうためには…自分がそれまでやっていたおつき合いのある取引先にご挨拶して、その場で仕事を何件かもらえるということもありましたね。
僕が会っていたお客さんというのは、人事担当者ですとか、採用に関する人ばかりでしたから。


「立ち上がりはうまくいかれたのですか?」

そうですね。「フロム・エー」時代のお客さんが、篠田のやることだったら、やらせてみようか、ということで仕事をもらえたり、これまで自分のやっていた人脈で結構仕事ももらえていたものですから。

そこでもまた天狗になってしまったのでしょうねぇ、いま話していると、天狗になる人生ばかりですねぇ(笑)自分でも反省しながら今話してます、はぁ・・いかんなぁと・・・(笑)。

ただ甘くないのが、当時は従弟と二人で一緒に仕事をしていたんです。一応僕が代表取締役で、年下の従弟が副社長という位置づけで。

表参道でやったらカッコいいなと思って事務所を構えたり、周りから社長なんて呼ばれることに酔ってしまっていたり・・・。

最終的にはお互いの方向性が全然違ってきてしまって、それを修復する力もなかったのです。それで一年間で破たんしてしまったのです。やはりまだ器ではなかったのでしょうね。

それで、別々でやるしかないなということで、僕はまた同じ請負業務をそのままやっていったということです。まぁ勉強になりましたね。


「請負業というと、登録スタッフの質が問われるのではないかと思いますが、そこはどのようにコントロールされているのですか?」

特に職種的に何かトレーニングをするというのはなかったです。

どちらかというと経験のある方を採用する。ただ、クライアントの方から要求されるのは、人物としてもちゃんとした方、そういう方に来て欲しいと。職場の人間関係もありますし、最低限の社会人のマナーを守れる人。

それで最初に面接をして、この人ちゃんとしていそうだからと、実際に送り込んでみたら「篠田君、全然ダメだよ」あるいは「昨日から連絡なしで来ていないんだけど」みたいな、そんな感じだったのです。

せっかく「リクルート」時代、「フロム・エー」時代に築いた人間関係で仕事を依頼していただいたにも関わらず、適当な仕事をすることによって仕事を失ってしまうという、まぁこれも反省ですよね。

そこで面接時以降もフォローをすることで、篠田と登録スタッフの人間関係を作ることを意識し始めました。

たとえば、ちょっとぐらいお腹が痛くても「いつもお世話になっている篠田社長がきっと困るから我慢して行くか」という風に皆やってくれるようになるのです。カウンセリングの仕事をしてから、それができるようになりましたね。

それまでは、どちらかというと命令です。多少都合が悪くても、もうシフトが決まっているのだから、他のスタッフに迷惑がかかるからやりなさい、とそんなスタンスでした。

そういう風にやっていると、スタッフはもっと時給の高い大手のところもありますし、どんどんそっちに逃げてしまいます。

そこでフッと気がつくと、僕を頼って来てくれるスタッフはそんなにいないということになっていて、人材がいないから仕事を断るということになってしまいました。

それで、スタッフとの人間関係をいかに構築するかということで、カウンセリングの勉強をするようになったんです。

うちの登録スタッフに篠田ができることは何だろうと、他の会社みたいに高い時給を払えるわけではない、待遇が良いわけでもない、では「篠田」で売るしかない、と。


「なぜ、カウンセリングだったのですか?」

当時うちの登録スタッフは比較的若いスタッフが多かったのです。

学生であるとか、フリーターであるとか、それで彼ら彼女らから仕事以外のことでよく相談を受けたんですね。学校の人間関係であったり、恋愛についてとか、若い主婦の方からは子育てについてなど、当時はまったくカウンセリングの技術もなく、ただ年上ということで相談に乗っていたのですが、なかなかうまく答えられないんですよ。

それで、カウンセリングの技術を持っていると、もっともっとうまく答えられるだろうな、と。そしてそれがうちの「売り」になるだろうな、と。

「僕自身が売りだ」というように思って「日本メンタルヘルス協会」というところで学んで、カウンセリングの資格を取ることができましたので、カウンセリングルームをオープンしようかなということになったのです。

ただ本当に目から鱗でしたね。カウンセリングの勉強をして、何か良いことを言ってやろうとか、ためになることを言ってやろう、だから勉強しようと思ったのですけども、最初の授業で言われたことは、「カウンセラーは答えを与えてはだめですよ」でした。

「うわっ、答えを与えちゃだめなんだ」僕は答えを与えてあげようと思ってこの勉強をしようと思ったのに、それってだめなのかと。

そこからのスタートでしたから、だから本当に乾いたスポンジに水がシュッと入っていくような感じで吸収できました。すごく楽しかったですね。本当に良かったです。


「自分自身もかなり変わられましたか?」

変わりました。家内がそういう風に言っていましたから。心理学の勉強するようになってから変わったと。

きっと変わったんでしょうね、まぁ僕自身も実はその実感はあるのですけれども。

スタッフに対してもすごく優しく接することができるようになりましたね。前までは、その人のアラを探して、こいつの悪いところをなんとか探して修正してから現場に送り込もうと考えていました。

言葉は悪いのですが、スタッフは商品だと思っていましたから。その考えはやっぱりカウンセリングの勉強をしてから変わりましたね。

一個の人間として付き合っていかないとスタッフは逃げちゃうということです。

何から始めたかというと、これも学んだことからなのですが、I(アイ)メッセージということで、「主語がYOUではなくてI(アイ)で、自分はどう思っているかということを伝えましょう」ということを学んだものですから、そこをスタッフに伝えようと。いつも、いつも感謝のメッセージを伝えようかなと。

僕は給料払っているんだからやってもらって当然と思っていたのですけれども、やっぱり彼らにも予定もあるし、事情もあるし、他のところで別に働いても良かったのだけれども、たまたまうちでやってくれている。

これはやっぱり感謝しなければいけない、ということで、毎月の給与明細にIメッセージ付きの手書きのコメントを必ず全員分書くようにしたんですね。

最初は下手くそなんですよね。「君がやってくれることに対してすごく感謝しています」とか固い文章だったりしたのですけども、だんだん慣れてきて、最近は一人ひとりのスタッフにオリジナルのメッセージを書けるようになりました。


「全員にというのは大変ではなかったですか?」

そうですね、でも楽しいですよ。

彼らの良いところを探らなければならないですよね。良い部分にばかり焦点を当てていると、スタッフのことを好きになってきますし、月末にそれをやらなければいけないと自分に課していますから、そのスタッフと1ヶ月間まったく交信を取らないということはなくなりました。

月末のIメッセージのネタを仕入れるということもあって、必ず電話をして「どう?最近現場は忙しい?」とか、ちょっとした話をすることによって、いつも接するようになりますから、スタッフもほったらかしにされていない、というのがきっとあるんでしょうね。

ですので「人がいなんだよね」なんて困っていると「じゃ友達紹介しましょう」と言ってくれたり、かなり変わりました。お金をかけないで採用ができるというメリットまで(笑)・・・。

そういう信頼関係をスタッフと築けるようになったのは、カウンセリングを勉強したおかげですね。


「カウンセラーにご自身がなろうと思われたのは何かきっかけがあったのですか?」

スタッフから相談を受けていた時に、やっぱり僕はそういったことが好きなんだなと思ったんですよ。

誰かから相談を受けて一生懸命その人のために考えて、一緒に解決していこうとすることが好きなんだな、ということで始めたのがきっかけです。

やはり好きなことがやれるというのは幸せなことです。


「開業されるまで何か準備などなされたのですか?」

カウンセリングルームの開業についてはブログですね。ブログに、カウンセラーの卵ですよ、今カウンセリングの勉強をしています、何月何日にオープンしたいと思います、とボンと掲げて、それに向けて周りからの応援をいろいろ盛り上げてもらえるようにしました。

「いよいよオープン間近ですね」とか書き込みが増えたり、自分的にもそれで盛り上げていったのですが、あとは特に自分で何かしたということはありません。

あとは看板を作ったぐらいですね。名刺を作って、電話帳に載せるとかその程度です。

ただ、自分がカウンセラーをしているということを認知してもらわなければなりませんから、それはもう縁ある人に名刺を配りまくりました。

それはリクルート時代の飛び込み200件というのが染みついていますから、足で歩いて名刺を渡して回りました。




                 (次回につづく・・)


次回号「カウンセラーは、絶対答えを与えてはいけない」→

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篠田 和徳(しのだ かずのり) メンタルカウンセリングルーム「Wing Heart」代表

あなたの「心の翼」になりたい。
そんな願いを込めて「Wing Heart」 と名付けました。

心に翼が生えたように重荷がとれて「スーッ」と軽くなる。
そんなお手伝いが出来れば幸いです。

”悩み”や”苦しみ”を無くす方法を考えるよりも、
”悩み”や”苦しみ”と上手く付き合っていく方法をほんのわずかでもお伝えできれば…。
あなたの心にそっと寄り添いながら、そんなお手伝いをさせていただけることを願って・・・

「I love you because you are you」
〜あなたはあなたのままで良いんですよ〜



「Wing Heart」のホームページ

http://plaza.rakuten.co.jp/wingheart/





インタビュアー:岩田広美

奥原菜月    埼玉県川越市に夫と高校生の息子と3人で在住。(出身は福島県)
カウンセリングと女性学を融合した女性心理学専門のカウンセリングを実践中。
現在、自治体の女性相談員と同時に民間カウンセリングルーム
「川越女性専門相談室femme」(femmeは仏語で女性の意)を4人の仲間と開設し、
NPO法人教育ルネッサンスにて不登校・引き込もり者対応の主席カウンセラーを務める。

「好奇心がいっこうに衰えず、素敵な出会いはまだまだあると確信し大いに期待!」

HP:「川越女性専門相談室femme」

インタビュアー:脇坂奈央子
 
脇坂奈央子
『道開きの心理士』 ……本来のあなたの道を開く、お手伝いをします。

ブライアン・ワイス博士直伝の、プロフェッショナル・ヒプノセラピスト。
前世療法・年齢退行療法を中心に、ニーズに応じた各種心理セラピーを施療。

心理士(BA)、統合心理セラピスト、NGH認定ヒプノセラピスト、
心理カウンセラー、キャリアコンサルタント、
代替療法セラピスト(レイキティーチャー)
HP:セラピールーム ラポール 
  

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