求人広告代理店の「新東京リクルート企画」という会社で、今は株式会社リクルートに統合されているリクルートの100%の子会社なのですが、こちらで「B-ing」「とらば〜ゆ」「フロム・エー」に「求人広告を載せませんか?」というような営業をしていました。
その後、同じ業界の「フロム・エー・ジャパン」という会社、これも「フロム・エー」の代理店なのですが、そこでやはり求人広告の営業担当、営業マネージャー、採用担当をやっていました。
最初の会社が4年で、そのあとが8年です。12年間、求人畑で営業職としてやっていました。
「同じ業界ということですが、前の会社とはどうでしたか?」
やっぱりリクルート時代の方が、ノルマや数字に対する厳しさというのはありました。どちらかというと後の会社の方がアットホームな感じ、それがいいのか悪いのかは別として、そういった差はありました。
僕に合っていたのはたぶん後者の方だったと思いますね。「自由にやれ、最後は俺が責任をとってやる」というような社長だったものですから、そこの方がやりやすかったです。結果的に2社とも、成績もグループ内で1位になれましたし。
2番目の社長にすごくお世話になって、今でも足を向けて寝ることはできないです。 残念ながら、もう亡くなってしまったのですが、気持ちの中では足を向けて寝られないという感じですね。
「中途入社で先輩を抜いて1位を取られたということですが、他の営業マンと篠田先生の営業スタイルの差は何だったのでしょうか?」
今から振り返るとその当時は、求人の営業というのは、その求人の広告を取ってくるだけ、というようなそんな雰囲気だったんです。
僕はそうではなくて、もうちょっとその奥座敷に入ったような、コンサルティングというのでしょうかね。
何のために採用するのか、今後どうしていきたいのか、だったらこういうような採用の企画でやっていった方が良いのではないですかとか、相手の相談に応じる形でやってきたのが良かったのではないかと思います。時には掲載を見合わせることも言ってました。
もちろん、そういうような形で提案している営業マンも中にはいるんですけども、やっぱり数をこなそうという風に考えると、流れ作業的にやってしまう人がほとんどでした。
僕はどちらかというと、数よりも質を高めるということを求めましたね。
「信頼関係を築いた方が結局、売上げを上げられるということですか?」
はい、大きな売上げもありますし、それ以上の財産として、その会社を辞めた後、今のようにカウンセラーをしている時にまで仕事をくれ、「まぁ、あの篠田がカウンセラーとして何かやっているんであれば、何かやらしてみよう」という風に未だに付き合いがある、可愛がってもらえる、というのは嬉しいです。
やっぱり真剣に付き合っていれば、ほとんどのクライアントさんは「今何やっているの?」と興味深く僕の話を聞いてくれる。仕事の契約にならないにしても、人生の先輩として本当にいろいろなことを教えてくれますね。
普通だったらそのままにされてしまうようなこと、たとえば見積もりを出した時に、意見をきちんと言ってくれるのです。
「この見積もりで何件も回っているかもしれないけれど、人生の先輩として言わせてもらうと、これじゃあ仕事もらえないよ」と。
マネージャーみたいな感じでいろいろと言ってくれるんです。ですので、そこらへんは助かっているなと思いますね。個人で仕事をしていると「裸の王様」になりかねないですから。当時やっぱり真剣に、お互いに妥協しないで仕事をやり合えた結果だと思いますね。
「相手の懐に飛び込んでいくコツのようなものがあるのですか?」
僕の当時の恩師から言われたことで、僕は未だに守っているのですが「仕事というのは運・根・鈍だよ」と。運というのは、運が良い悪いの運ですね。根というのは、根気の根。そして鈍というのは、鈍感の鈍。
営業というものは運もあるのだから、一生懸命やっていてくじけた時でもあまりくじけ過ぎてはだめだよ、と。
当時、リクルート事件というのがありまして、リクルートのマークが付いているだけで名刺を破かれるというのが当たり前でしたからね。
一日だいたい200件ぐらい飛び込みをするのですけれど、一日10枚、20枚くらいは破かれていました。根というのは根気、そういうことにくじけないでもっとやりなさい、と。
そこまでは僕も分かったのですよ。まあ運と根気だろうと。それで「鈍というのは、何ですか?」と聞きましたら「鈍というのは鈍感の鈍だよ」と言われ、「鈍感でいいのですか営業は?」と聞いたら「鈍感のふりをしなさい」と。
当時営業でお会いする方はほとんどが人生の先輩ですから。人事担当者なり、規模の小さいところに行ったらトップの方にもお会いするのですけれども、経営者とか人事採用する方々は、かなり、おしゃべりが好きなんですね。
その中で「あ、社長それ知っています」と、なんでもかんでも知っているようなふりをして同じ目線になろうとするな、と。
鈍感なふりをして「いや社長今日はすごく勉強になりました」というような感じで接することによって、まず可愛がってもらえること。
そして、相手の懐にスッと入っていった時に、普段可愛いだけの営業マンが何を提案できるか、常に腕を磨いておきなさいと。
それで「運・根・鈍」は未だに守っています。今年42歳になるのですが、自分を下げて、まだ鈍感なふりをする時があります。
それでお互いの関係がうまくいくのであれば、これはとても心地良いかなという風に思います。
ビジネスの世界だけではなくて、普通の人間関係でも当てはまるのではないでしょうか。カウンセラーになってからも結構役立っています。






