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メンタルビジネスへのご招待(インタビュー)

メンタルビジネスの最前線で活躍されている各分野の第一人者の生の声を皆様にお届けします。




第20回目(3/4)  諸富 祥彦 先生 トランスパーソナル学会

2007年 12月 29日

シングルマザーが幸せになれない限り、いい国ではない



←前回号「求めれば求めるほど逃げていく「幸福のパラドックス」 」



インタビュー写真


「今度はスクールカウンセラーの立場から、お話を伺いたいのですが、今の小・中学生はどのような悩みを抱えていますか?」

悩みは様々ですが、女の子は仲間はずれにされる悩みが多いです。

グループを作って、固定化されたグループの中で、いつ仲間はずれにされるかわからないひしめきあいのような中で、追い込まれて、苦しんでいるのではないでしょうか。

不登校の生徒への対処は、人によってそれぞれ異なります。


「スクールカウンセラーを導入して、どのような効果があったのでしょうか?」

思春期というのは、悩んでいるのが当たり前の時期ですから、クラスに友達がいたとしても悩みを抱えていたり、仲間はずれになったり、いろんなことがあります。

そういった子供たちが悩みを聞いてもらえる場所ができたというだけでも、大きなことだと思います。

中学校の相談室には、だいたい保護者の方が相談に来ます。生徒は生徒だけというケースが多いです。
子供たちは自分の保護者が相談に来るのを嫌がりますし、保護者の方も、自分が相談に来ている事を子供に知られたくない場合もあります。

私が今関わっている、公立の中学校では、相談室を昼休みだけはオープンにして、生徒にも開放しています。

遊びに来ている生徒が、たまにポロっと悩みを打ち明けてくれたりすることもあるので、それはそれで意味はあるのではないでしょうか。

小学校では、全国的にスクールカウンセラーを配置している所が増えました。この流れは広がっていくのではないでしょうか。中学・高校生などの相談窓口も、ひと頃に比べたらたくさんできてきました。

ただ地方では大学が少ないこともあり、臨床心理士の資格を持つ人が不足しているのが現状です。


「相談する機関があっても、実際には相談しにくいという声も聞きますが?」

受け皿が少ないというのと、相談に行きにくいというのは、また別の問題ですね。

相談に行きにくいのは何故だろうと考えると、やっぱり日本人の中に、よほど困らないと人様に相談してはいけないんだという考えが、根強いのではないでしょうか。

ましてやお金を払って、相談するといったら、更に敷居が高いのではないでしょうか。

東京都や千葉県だと、まだいいのですが、例えば先日行った、ある地方の大学のカウンセリングセンターでは、本来は料金を3000円払う所を、料金の代わりに、お米を置いていく人もいるそうですから。

人に悩みを聞いてもらって、お金を払うという感覚が日本ではまだ定着していないのでしょう。



インタビュー写真





「お寺のお坊さんに相談するみたいたな感覚でしょうか?」

ある仏教のお寺の団体で、一生懸命カウンセリングをしてくれている所もあります。私としてはなんとか応援したい気持ちがあります。仏教だけではなくキリスト教でも。

お寺の数というのは、実はコンビニの数よりも多いらしいのです。
教会とかも合わせたら、もっとたくさんの数になりますよね。

勧誘とか、宗教に入ってしまったら大変だとか、いうことはありますが、それは別として、誰もが気軽に、しかも安心して相談できる場所、という雰囲気にしていったらどうだろうと思っています。

そうした雰囲気にした方が、自由に相談できる人も増えて、そこから信者さんになる人も結果的には増えてくると思います。

教会もお寺もクリスマスやお正月だったら行きやすいけど、普段はなかなか入りにくい感じがありますよね。

けれど本来の宗教の機能は、救いと癒しなのです。そういう意味で言えば、仏教もキリスト教も、もっと頑張ってほしい。

そういう所にカウンセラーを採用したり、あるいはお坊さんがカウンセリングを勉強したりしてもらえれば、もっと日本中にカウンセリングのよさが定着していくのではないかと思っています。


「日本の場合、夫婦関係は冷め切っているけれども、子供のために関係を維持しているという夫婦も多いと思います。このことについてはどのように考えられますか?」

フランスは日本の逆です。僕は日本がもっとフランスのように、大人が中心になった方がいいのではないか、ということを提唱しています。

フランスでは結婚しなくても子供も産めるし、同棲で普通だし、結婚にこだわる人が減っています。
別居婚もいいし、多重婚もいい。

そのあたりのついては『ケッコン構造改革のススメ!』という本に書きました(笑)。


「大人中心主義が子供に影響する部分がありませんか?」

それは大人が子供に影響すると思っているから、影響するのです。

それが当たり前の状態になれば、否定的なイメージを持たなくなります。

親が「悪いことをした」と思うから、子供は「悪いことをされた」と思ってしまうのです。

「自分は普通の家ではない育てられ方をしてしまった」と思うからそう思うのであって、「それが普通なのだ」となれば、視界が変わり、価値観、そして子供の気持も変わりますよ。

現状の日本の社会では厳しいですが、そろそろ変わってきてもいいと思います。

これだけ世の中が変わってきているのに、結婚を含めて、日本には固いシステムが多すぎるような気がします。

今、結婚したくないけれども、子供は欲しいという人がすごく多いのではないですか。それが日本ではほとんど叶えられないでしょう。

日本のシングルマザーの数は先進諸国の中でも、ものすごく少ないのです。

自分でシングルマザーを選択している人が、世間からは暖かい目で見られていないし、経済的にも苦しい。
シングルマザーだというだけで、不動産屋も部屋を貸そうとしなかったりという、ひどい現状もあります。

イギリスでは、離婚したら家を一軒もらえていた。そこまでやっている国もあるのに、「何て日本は遅れているんだ」と思います。

私はシングルマザーが幸せになれない限り、いい国ではないと思っています。

これは分かりやすい指標だと思います。だから僕は日本中のシングルマザーを応援しています。


「学問としての心理学と、現場というのは合致しているのでしょうか?」

合致していない部分と合致している部分と、すごく極端に分かれているのではないでしょうか。心理臨床は、結構合致していますね。

わかりやすく言えば、お勉強はできるけれども、臨床とか実技とかできない大学の先生は多いです。
そういう先生に習うと、勉強会の雰囲気もそうなるし、あくまでお勉強となります。

人によって、心理学というのは全然違います。生きた心理学なのか、生きた心理学じゃないのかは、それを中心になって教えている人が、心理学を生きているのか、生きていないのか、単にお勉強と考えているのか、で大分違います。

だから、これから学ぼうとしている人は、いい師匠を選びましょう。

どういう人につくかとか、どういう講座をとるかによっても、センスが大分見えてきます。

この人のところで勉強していたら、一生勉強にならないでしょう、という人も結構いらっしゃいますので。

大学の先生というだけでみんな偉いと思ってしまったら、大間違いです。大学の先生というのは、論文を書いたから先生になっているのであって、臨床ができるからなっているというわけではないのです。

逆に大学の先生でなくても、ものすごく臨床のできる人もいます。

本当に臨床ができる人は、学会で発表しています。そういう所で事例発表とかして、もまれながら自分の腕を磨いている人なのか、最初から自分がお山の大将で傷つくことなく、ぬくぬくとだけやって逃げている人なのか、見分けたらいいと思います。

実際に学会でどういう発表をしているのか、聞いてみるのがいいと思います。

学ぼうとしている先生の見る目を養うということは、人生と自分の時間とお金を無駄にしないために必要なことです。

無駄をしたくない人は僕のワークショップに来てください(笑)。




                 (次回につづく・・)


次回号「カウンセリングは、この道でしか生きていけない人の仕事」→

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諸富 祥彦(もろとみ・よしひこ) 明治大学教授、日本トランスパーソナル学会会長

日本トランスパーソナル学会は、「トランスパーソナル」(個を超える)という考えに関心を抱く人 々が集い、 研究活動や情報の交換、一般社会への普及活動、海外をも含めた研究成果の発表や紹介などを行います。
この学会は、特定の学問領域に限定された学会ではなく、様々な学問の境界を越えた学際的な学会です。   
また、学者のための閉ざされた学会ではなく、「トランスパーソナル」という考えに共鳴し、オルタナティヴな個人の 生き方や社会の在り方に関心を抱く一般の方々が自由に参加し、お互いの実践や思いを交換し合える場作りも目指していきます。


諸富祥彦のホームページ

http://morotomi.net/


日本トランスパーソナル学会 公式サイト

http://www.ne.jp/asahi/jta/akss/


教師を支える会

http://sasaeru.my.land.to/


<諸富 祥彦先生の著書>

cover
カール・ロジャーズ入門−自分が"自分"になるということ


cover
ロジャーズが語る自己実現の道(ロジャース主要著作集)


cover
「孤独」のちから

cover
ケッコン構造改革のススメ!






インタビュアー:奥原菜月

奥原菜月    フリーライター、占い&カウンセラー(奥原朱麗)として活動中。
夫と子供2人、犬1匹で横浜に生息中。

占い・カウンセリング・開運などをメインにしたブログ
『占いカウンセラー朱麗のまったり開運日記』

HP:アストロ・ハーティ「朱麗の占いカウンセリングルーム」
  
インタビュアー:中澤敬子
 
中澤敬子    仕事に挫折し、離婚の危機、子育ての悩みからカウンセリングに興味を持つ。

様々な手法を学び、現在は千葉県市川市にてカウンセリングルーム
「イマージュ」を開設。
2児の母親。

HP:「イマージュ」


インタビュアー:脇坂奈央子

 
脇坂奈央子
『道開きの心理セラピスト』 ……本来のあなたの道を開く、お手伝いをします。

ブライアン・ワイス博士直伝の、プロフェッショナル・ヒプノセラピスト。
前世療法・年齢退行療法を中心に、ニーズに応じた各種心理セラピーを施療。

心理士(BA)、統合心理セラピスト、NGH認定ヒプノセラピスト、
心理カウンセラー、キャリアコンサルタント、
代替療法セラピスト(レイキティーチャー)
HP:セラピールーム ラポール 
  




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日本ネットカウンセリング連絡会では、第一線で活躍するカウンセラーや
セラピストの取材を定期的に行っています。

   メンタルビジネスへのご招待

   あなたのそばにいる「こころ達人の横顔」


この取材メンバーを募集しています。

当プロジェクトの良いところは、「人とのご縁が広がるところ」です。

一流と呼ばれる方の価値観や考え方に触れたり、その方から、
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決してお金では得られない、貴重な経験をすることができます。


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