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メンタルビジネスへのご招待(インタビュー)

メンタルビジネスの最前線で活躍されている各分野の第一人者の生の声を皆様にお届けします。




第20回目(1/4)  諸富 祥彦 先生 トランスパーソナル学会

2007年 12月 15日

悩みについて考えることで生きて行こう、と決めた



←前回号「資格が有っても、それだけではプロとは言えない」



今回は、現在明治大学教授であり、「日本トランスパーソナル学会」会長、「教師を支える会」代表も務めておられる諸富祥彦先生にお会いしてきました。

大学の教授でありながら、大学・公立中学校でのカウンセリング活動や全国での講演活動、マスコミへの出演、そして手がけた著書は90冊以上にも及びます。豊富な臨床経験としっかりとした理論は生きた心理学となって、多くの人に影響を与えています。

悩むという事と、ずっと向き合ってこられた先生に、スピリチュアルや自己実現、プロのカウンセラーとして大切なこと、自分の悩みとの付き合い方等、興味深いお話を伺ってきました。



インタビュー写真


「どうして心理学の分野に興味を持たれたのですか?」

心理学に興味を持ったきっかけは、子供の頃から悩んでいたからです。私は、さっさと悩みを解決し、勉強をして、東大にでも行こうと思っていたのに、悩みの方は一向に解決しませんでした。なので、いっそのこと悩みが解決しないなら、「悩みで生きて行こう。悩みについて考えることをやって生きて行こう」と思ったのです。

つまり、悩みを解決して別の方向に行こうと思ったけれども、解決にまだ相当時間がかかりそうだった。
だから心理学を勉強しようという感じでしたね。


「先生の著書の中に、<大学院に入っても迷いながら・・>、というお話も書かれていましたね。」

そうです。

仏教用語で、「覚の覚」という言葉があります。意味は目覚めたことに目覚める。言い換えるなら、自分を見つめる「もう一人の自分」の眼差しに気づき、それを意識しながら生きる、ということです。

たとえ自分の中で変化が起きても、人間というのは、「もう一人の自分」をイメージにし、言語にしていかないと、自分の中に定着していかないものです。

だから僕はたくさんの本を書いているのかもしれません。


「その後も筑波大学に残られた理由は?」

それしか生きていく道がなかったからです(笑)。

自分の問題を解決するにはまだまだ時間かかりそうだし、とても仕事なんかできる状態ではありませんでした。

大学院生の頃はひたすら自分を見つめて、過ごしました。自分を見つめることが学びですからね。


インタビュー写真





「先生の専門分野を教えていただけますか?」

トランスパーソナル心理学と、教育カウンセリングです。

トランスパーソナル心理学というのは、スピリチュアリティ、すなわち目に見えない世界も含み込んだ心理学です。

スピリチュアリティ+現代心理学というのが、一番分かりやすい定義でしょう。

これまでの心理学は、測定可能なものに限定して扱ってきたので、いわゆる古今東西の宗教とか、スピリチュアルな伝統が扱ってきたものを除外してきましたよね。

宗教とかスピリチュアルな諸伝統とかが扱ってきたような領域を、あえて対象として大切にする心理学と言えます。


「今、スピリチュアルがブームですが、それと重なるのでしょうか?」

もちろんすごく重なると思います。

ただ、スピリチュアリティというのは、今、江原啓之さんがすごく有名になっていますが、あの方も本当はそこをやりたいという訳ではないとお書きになっているけれど、結果としては守護霊とか、オーラが見えるとか、そういうことが中心になっていますよね。

そうではなくて、本当のスピリチュアリティというのは、人間を超えた目に見えない世界とのつながりが、人間の生きる根元なのだという立場です。仏教だってキリスト教だって、スピリチュアリティです。

今、日本ではスピリチュアルという言葉が矮小化された形でブームになってしまっている感じがします。

霊能というのは、サイキックという意味です。スピリチュアル=霊能という意味ではありませんから。
スピリチュアルの中にある一つのジャンルがサイキックということです。

例えば、ターミナルケアといって仏教やキリスト教を背景に持ちながら、これから亡くなっていく方達に、自分の命について見つめてもらう、そして、安らかな死を迎えてもらうという活動があります。

「スピリチュアル・ケア」という学会も存在していて、高野山大学にはその学科もあります。

それと江原さんの言っているスピリチュアルとは大分違いますよね。彼の活動は嫌いではありませんが、言葉をもう少し違ったもの、つまり、「サイキックリーディング」という、一般に欧米で言われている言葉を使ってほしかったなとは思います。


「先生は普段スピリチュアルというものと、どのように付き合っていらっしゃるのですか?」

自分の命というのが、自分だけではなく、自分を超えた大きな何かとつながっているのだ、という感覚を、いつも大切にして生きています。

トランスパーソナルというのが、個を超える、個人性を超えるという意味なのですが、個人性を超えて、何か大きな命とのつながりを絶えず実感しながら生きていくという立場です。

ですから必ずしも霊能とかというものが必要ではありません(笑)。


「現在、日本のトランスパーソナル学会の会長をしておられますね」

まず、トランスパーソナル心理学というのは、個人的な自己実現にとどまらず、多くの心理学の中でもっとも世界全体の平和を考えます。

むしろ、世界全体が平和にならない限り、私の真の幸福は無いという捉え方をします。あの宮沢賢治さんも言っていた立場です。

だから、個を超えた人や物、自然や宇宙との関係の中で、「つながり」ということを大事にしていく心理学で、社会的な問題への関心がすごく強い。

ですからここには様々なジャンルの方達がいますが、「一人一人の深い生き方の変革が、自然発生的かつ同時発生的に拡がっていき、多くの人々の意識変容、そして社会変革にまで至る」という取り組みに共感してくださる方達が集まっています。


「個を超えた人や物とのつながりを大切にするとは、どういう意味でしょうか?」

マズローの発達段階、自己成長の欲求の階層説を思い浮かべれば、分かりやすいのではないでしょうか。
成長欲求に至るまでは、人間というのは、自分の幸せにずっとこだわるのです。
それを抜けると、そういう欲求というのは、スパーっと抜けるのです。

自己実現を本当にしている人の研究をしていったら、共通点が、孤独を好むということがあります。

つまり自分の幸せということに、興味・関心がなくなってくるのです。それはもうすでに幸福だからなのです。幸せな人は幸せに関心がなくなる。

人間の自己成長と言うのは、ある一定の段階を超えてくると、他人の幸せやつながりがイコール自分の幸せという段階になってくる訳です。


「それは自己実現をある程度果たした人が、その先に見いだす境地ということですね?」

トランスパーソナルはそういう心理学です。つまり悟りの心理学だから。

いわゆる治療の心理学ではなくて、自己成長の人間の可能性を究極まで追求していったら、どこに辿りつくかということに関心を持って始められた心理学なのです。

つまり社会的に成功している人、そして自己実現している人が色々といますよね。

そういう人たちの研究から、自己実現の研究が始まって、マズローがトランスパーソナル心理学を始めたのです。

それは、自己実現というのは限界があるけれど、自己超越なら限界がないということ。

つまり、「人間を中心とした心理学から、宇宙を中心にした心理学に、脱皮しなくてはいけない」ということで始まったのがトランスパーソナル心理学なのです。




                 (次回につづく・・)


次回号「求めれば求めるほど逃げていく「幸福のパラドックス」 」→

←前回号「資格が有っても、それだけではプロとは言えない」


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諸富 祥彦(もろとみ・よしひこ) 明治大学教授、日本トランスパーソナル学会会長

日本トランスパーソナル学会は、「トランスパーソナル」(個を超える)という考えに関心を抱く人 々が集い、 研究活動や情報の交換、一般社会への普及活動、海外をも含めた研究成果の発表や紹介などを行います。
この学会は、特定の学問領域に限定された学会ではなく、様々な学問の境界を越えた学際的な学会です。   
また、学者のための閉ざされた学会ではなく、「トランスパーソナル」という考えに共鳴し、オルタナティヴな個人の 生き方や社会の在り方に関心を抱く一般の方々が自由に参加し、お互いの実践や思いを交換し合える場作りも目指していきます。


諸富祥彦のホームページ

http://morotomi.net/


日本トランスパーソナル学会 公式サイト

http://www.ne.jp/asahi/jta/akss/


教師を支える会

http://sasaeru.my.land.to/


<諸富 祥彦先生の著書>

cover
カール・ロジャーズ入門−自分が"自分"になるということ


cover
ロジャーズが語る自己実現の道(ロジャース主要著作集)


cover
「孤独」のちから

cover
ケッコン構造改革のススメ!






インタビュアー:奥原菜月

奥原菜月    フリーライター、占い&カウンセラー(奥原朱麗)として活動中。
夫と子供2人、犬1匹で横浜に生息中。

占い・カウンセリング・開運などをメインにしたブログ
『占いカウンセラー朱麗のまったり開運日記』

HP:アストロ・ハーティ「朱麗の占いカウンセリングルーム」
  
インタビュアー:中澤敬子
 
中澤敬子    仕事に挫折し、離婚の危機、子育ての悩みからカウンセリングに興味を持つ。

様々な手法を学び、現在は千葉県市川市にてカウンセリングルーム
「イマージュ」を開設。
2児の母親。

HP:「イマージュ」


インタビュアー:脇坂奈央子

 
脇坂奈央子
『道開きの心理セラピスト』 ……本来のあなたの道を開く、お手伝いをします。

ブライアン・ワイス博士直伝の、プロフェッショナル・ヒプノセラピスト。
前世療法・年齢退行療法を中心に、ニーズに応じた各種心理セラピーを施療。

心理士(BA)、統合心理セラピスト、NGH認定ヒプノセラピスト、
心理カウンセラー、キャリアコンサルタント、
代替療法セラピスト(レイキティーチャー)
HP:セラピールーム ラポール 
  




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日本ネットカウンセリング連絡会では、第一線で活躍するカウンセラーや
セラピストの取材を定期的に行っています。

   メンタルビジネスへのご招待

   あなたのそばにいる「こころ達人の横顔」


この取材メンバーを募集しています。

当プロジェクトの良いところは、「人とのご縁が広がるところ」です。

一流と呼ばれる方の価値観や考え方に触れたり、その方から、
別の一流の方を紹介していただいたり・・・・

決してお金では得られない、貴重な経験をすることができます。


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