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メンタルビジネスへのご招待(インタビュー)

メンタルビジネスの最前線で活躍されている各分野の第一人者の生の声を皆様にお届けします。




第19回目(3/4)  大嶋 利佳 先生 スピーキングエッセイ

2007年 11月 24日

「たとえ叶わなくてもやる」と決めるところに人間の価値がある



←前回号「気配りは言葉配り、言葉でのおもてなしを考えていきたい」



インタビュー写真


「これまでの活動の中で、失敗談などはありますか?」

私がこの仕事を始めた頃、私ができること、目指すことは誰でもできると思っていました。

何でも自分を基準に考えていまして、周囲の人になにかというと、「この程度できるでしょう?できて当然でしょう?何故できないの?」と『何故できないの攻撃』をしていたのです。

例えば、「話し方の指導なんて簡単、すぐにできること」と、経験の浅い人に講座の指導者をやらせたり、「誰でも字が書けるでしょう。その上、あなた、文系の大学出たんでしょう、だったらこれくらい書けるでしょう」と執筆の仕事を押し付けたりしました。

経験がない人の不安感や戸惑いを、まったく理解していなかったんですね。

そんなことをしているうちに、何人かの周囲の人から「大嶋先生にはついて行けません」と言われまして。

それでやっと、自分には簡単なことでも、他の人にはそうではないんだ、人前で話したり、話し方を教えたり、本を書くのは大変なことなのだと気付きました。


「ご自分にも厳しいけれど、他人にも厳しいということでしょうか?」

他人に厳しくしているつもりは無いのですが・・・。

私は、自分自身のことを立派な経歴もない普通の人間だと思っています。有名大学を出たわけでも、立派な資格があるわけでもありません。ただ、誰でもできることをやって今日まで来た、と思っています。

ですから、「普通の人間ができるのだから、あなただって年齢も変わらないんだし、それなりに社会経験もあるし、できるでしょう?」とつい思い込んでしまっていたのですね。


「では、ご自分の成功ポイント、他人とは違う点はどこだと思いますか?」

いろいろありますが・・・、多少強引でしたが、自分で会社を作ったことだと思います。

当時、本当にお金がなかったので、いろいろな方から100万、200万と借金をして、助けていただいて会社を設立しました。

しかし、いざ会社を作りますと、お客様がいないので自分が営業に行かなくてはなりません。

手書きのチラシを持って飛び込み営業をして、少しでもつてがあれば会いに行き、当然、営業の競争もありました。そうした経験が、今日まで頑張れた大きな自信になっています。


「コンスタントに本を出版されていますが、そのきっかけはどのように掴まれたのでしょうか?」

講師として一本立ちするには、目立った学歴や資格が無いのなら著書が必要と考えました。

そこで、周囲の人に「本を出したいのだけれど」と、つてを求めて回りました。

そうしたらある人から「昔、ある出版社の方から、本を書きませんかと言われたことがあるよ。今でも著者を探しているかもしれないよ。5年前の話だけど、どうする?」と言われ、即座に「紹介してください」とお願いしました。

それで、紹介されるとすぐ、本一冊分の原稿を、面識もない編集者の方にメールで送ったのです。
失礼でしょう(笑)。

その後、編集の方がいらして「うちは持ち込み原稿を見ません。でもちょっと路線を変えた方向で、もう一度書き直してくれれば考えてあげる」と言われました。それで書き直した本が最初の本なのです。


「本を出したいと思っている方にアドバイスはありますか?」

フリーで講師の仕事をしていると、自分の著書が有るか無いかで、社会的な認知度が大きく変わってきます。

研修に行くと「何かご本をお書きになっていますか?」と必ず聞かれますし、経歴書に著書が有るのと無いのとではすごく違いますね。

ですから、研修講師業でお仲間になった人たちに「本を書くといろいろメリットがあるから、あなたも本を書きましょうよ」とずいぶんお勧めしました。

ときには「私と共著にしてあげるから、半分書きましょうよ」と言ってあげたこともあります。ところが、それをチャンスと捉えて、実現された方は残念なことにいらっしゃらないのです。

一般の人にとっては200ページ近くある本を書ききる、ということは大変なことなのですね。

しかし、仮にも人様から「先生」と呼ばれる職業についているのなら、本1冊分になるくらいの知識、経験は当然あるはずです。

それを文字にしてゆくことだって、難しくはないはずです。「本を書くのは偉い人がすること、私なんか」と思い込んだり、「忙しいから、文章が下手だから」などとしり込みせず、まず書くことですね。



インタビュー写真





「その積極的な行動力が生まれる力の源は何ですか?」

この仕事をやるんだ、という意欲ですね。それがあれば、人がやらないことでもできますし、それができない人は、やはり上のステップには行けないのではないかと思います。そこは後進の方たちに声を大にして申し上げたいところです。

他人は道を作ってくれないので「厚かましいと思われてもいい」と覚悟を決めて、自分からやらないと駄目ですね。

一時、カルチャーセンターに講座を持っていましたが、その講座をつくるときも、都内近県のカルチャーセンターに片っ端から電話をして企画書を送り、何十箇所も無視されて、やっとあるカルチャーセンターに入り込んだのです。


「行動できないと、思うようにはいきにくいでしょうか?」

先日後輩の講師から「私もカルチャーセンターでやりたいけれど、どうすれば良いですか?」と聞かれたので、今のようなことを申し上げたのです。

とにかく先方にプロフィールと企画書を送りつけて、興味を持ってくれるようなら「会って下さい」と言えば良いのよって。そうしたら彼女の返事が「えっ、そんなことしても良いのですか?」だったのです。

「良いか悪いかは自分が決めること。興味が無ければ向こうはそのままゴミ箱に捨てるだけだから、何も迷惑になりません。

それくらいのことを、誰かの許可もらわないとできない、と思うようなら、成功は難しいですよ」と、お話しました。姿勢が受け身なのですね。


「先生は昔から行動的だったのですか?」

いえ、実は、ある出来事をきっかけに自分の受け身の姿勢を自覚して、そこから変わったのです。

それは、日本語教師をしているときのことでした。
10年以上前、日本語教育がさかんになりはじめたころ、「日本人なのだから日本語はできて当然、日本語学校の先生なんか、誰でもできる」と思われていました。

しかしそれでは教育の質が下がってしまいますし、学校とは名ばかりの教育機関が増えてしまう、ということで、当時の文部省が「日本語教育能力検定試験」というものを設けたのです。

「日本語を教えるに足る、専門知識を持っている」ということを証明する試験です。それとほぼ同時期に、大学にも「日本語教師養成コース」が設置され、専門家を育成しよう、という機運も高まりました。

すると、同僚、同業者たちはみな、戦々恐々となりました。

それまで「日本人だからいいじゃないか」と教師を続けていた訳ですが、『ふるい』が設定されて、落とされるかもしれない状況になったからです。

私は「これは絶対に受からなければいけない」と、本当に勉強しました。しかし、受けなかった同僚も多く、理由を聞くと、「1回目は試験の傾向が分からないから様子をみる」というのです。

しかし、翌年の2回目もその人たちは受けない。「2回目だとまだ傾向が変わるかもしれない」、そして3回目には「日本の景気が悪くなると、外国の人も減ってくる。将来性のある職業じゃない」と、結局言い訳を作ってそこから逃げて行った同業者が沢山いました。

私は「なんと情けない人たちだろう」と思った反面、実は自分も、以前はこうやっていろいろなことから逃げて来たことに気付きました。でも日本語教育という自分の好きな目標に向かったとき、そのことがわかり、以来「もう言い訳はしない」と決めました。


「好きな目標だとどのように自覚したのですか?」

当時、周りから「これから日本語教師を続けても、外国人が減っていくから仕事はなくなるよ」と言われたとき、私はこう思ったのです。

「もし日本から外国人留学生が減って、最後の一人になったとき、その人に『大嶋先生に是非習いたい』と言わせて見せる」。将来性があるからやる、儲かるからやる、そういうことではない理由が持てることこそ、本当に好きなことだと思います。

ですから、「やりたいことが見つからない」などと言っている人がいると、悲しいなぁと思います。


「先生は沢山本を出版していらっしゃいますが、ご自身が感銘を受けた本はありますか?」

井上靖氏の「孔子」ですね。一時本当に愛読しました。

この本は、人間が生きていくことを、ある意味突き放して書いています。

例えば、良いことをしたから成功するとか、悪いことをしたから滅びるとか、努力した人は報われるとか、そういうメッセージは全くありません。

孔子は本当に徳が高い方なのですが、他人に裏切られ政治には巻き込まれ、王様からは誤解され迫害される。

それでも淡々と真理を見つめて諸国を流れていく。人間は儚い。でも自分の思ったことをやり抜くことに、人間の価値があると気付かされました。


「その本からどのようなことをメッセージとして受け取られたのですか?」

「信じれば報われる」的な発想、「努力すれば必ず叶う」というメッセージが今、沢山あります。励ましの言葉としては有効ですが、只、それを真正直に信じてしまうことは少し幼い気がします。

私は「努力しても叶わないかもしれない。でもやるのだ」と決めるところに人間の価値があると、その本を読んで受け取りました。

現在、私は『言葉の教育』で世の中を少しでも良くしたいと思っています。

では「頑張ったから本当に良くなるのか?」「良い事だから成功するのか?」というと、成功しないかもしれません。

でも成功しなかったとしても、私のやったことが無駄だった、間違っていたということではなくて、それは天命であると思うのです。ですから、周りに左右されずに自分の意志を貫いていきたいと思っています。




                 (次回につづく・・)


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大嶋 利佳(おおしま・りか) 株式会社スピーキングエッセイ取締役講師代表 

スピーキングエッセイは、コミュニケーションの基本を徹底して学ぶ研修プログラムを、提供しています。

マナー、プレゼンテーション、接客接遇、営業販売、電話応対、クレーム対応スキルなど、様々なビジネスコミュニケーション研修を、企業や団体のご要望に合わせて提供しています。
また、一般向けの話し方講座や、ひとりひとりのニーズに合わせた個人レッスンも行っています。

どんな人にも、人前で堂々と話ができる「人前力」をつけてもらうこと、日本から話し下手をなくすこと、それが私たちスピーキングエッセイの願いです。

<提供内容(研修指導科目)>
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・研修・スピーキングエッセイ・自己表現
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奥原菜月    フリーライター、占い&カウンセラー(奥原朱麗)として活動中。
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カク タカユキ 若さと癒しの請負人

趣味:水泳・カラオケ(好きな楽曲)哀愁のカサブランカ・夜桜お七

国際シデスコ認定エステティシャン
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