第19回目(2/4)  大嶋 利佳 先生 スピーキングエッセイ

気配りは言葉配り、言葉でのおもてなしを考えていきたい

インタビュー写真

「日本語教育での失敗というのはありますか?」

実際外国の方と日本語でお話しすることは、非常に難しいです。何の気なしに言った一言が、大きな誤解を生んでしまうことがあります。

こういう例がありました。若い大学生の女性がある時とても綺麗な服を着ていたので、何の気なしに「あら、かわいいじゃない!」と言ったのです、そうしたら二度と口をきいてくれなくなりました。わかります?「かわいい」「じゃない」の「じゃない」を否定と受け取ったのです。

まだ日本語を勉強して浅い方は「じゃない」ということはNOTなのです。あなたブスねと明るく言われたと思ったのですね、これは怒りますね。相手を見て今どれくらいの言葉が話せるのか、この単語は知っているのか、この構文は知っているのか、と常に考えて話をしなければならない。

「日本語教育で気をつけていらっしゃることはありますか?」

それまで私自身、話し方教育というのを受けたことがありません。

ただ、外国の方に日本語をお教えする際に、いかに誤解をされないかとか、いかにわかりやすくお伝えするかとか、それは日本人と話す時にも非常に有効なのです。

私は日本語がぺらぺらですが、相手の方は本当にたどたどしい。でも一生懸命話されます。

それをいかに汲んであげられて、相手の方が「ああ、自分はこんなに日本語がしゃべれて、大嶋さんとこんなに話せるなんて、日本語が上手になったのかもしれない」って思ってくれるような会話をしてあげたいと考えてきました。

「外国人に対する日本語教育の考え方が日本人との会話でも有効ということですか?」

留学生の友人の結婚式で披露宴がありました。私は恩師として呼ばれて行ったのですが、隣に座った全く知らない年配の男性の方とお話したことがきっかけで、その方がお知り合いを3人も紹介してくださって、それぞれからお仕事をいただき、更にその方ご自身からも出資していただいたということもありました。

披露宴の席で、全くの初対面で年齢も違う男性でちょっと話をしづらい。そんな中で私は一生懸命話しかけていました。

披露宴ですから、他の人のスピーチやケーキ入刀などありますから、ずーっとはしゃべれません。私はその方の会話が中断されたときには必ず会話を戻して話題が中断されたままにしないようにしました。それが大変嬉しかったということです。

そのテーブルにはその方のお知り合いはどなたもいらっしゃらなくて、私が他の方と盛り上がっていると、その方が寂しそうでした。お一人で寂しい思いをさせないようにと思いました。

それからもう一つ、その方は年配で非常に品の良い男性でしたので、感じの好い方だな、仕事でも成功されていて、面白いお話を伺えるんじゃないかなという気持ちもちょっとありました。

「おもてなしの心を伝えていらっしゃるところがポイントのように感じますが?」

そうです、おもてなしと言うと食べ物をお出ししたり旅館で・・・という感じがありますが、そうでなく、相手の気持ちを和ませることだと思います。

これをこういう言い方をしたら相手がどう思うだろうということ、それをお伝えしていきたいなと思っています。気配りですね、気配りって言葉配りですよね。

「企業研修などでも必要なことですね」

特にビジネスの場でもっともっと伝えていきたいです。例えば、若い社員の方が上司から「大嶋さん、これコピーして」と言われて「ああ、いいですよ」若い社員は応えるわけです。それにカチンときている上司がたくさんいます。

ところが若い社員からすると「気持ちよく引き受けているんだから、そこに何の問題があるんですか?」と言ってる意味が分かっていないのです。

「ああ、いいですよ」って、「いいですよじゃなく、かしこまりましただろう」、と上司は思うわけです。いいか悪いかはお前に決めてもらうことじゃないと。そういうところも分からない。

それから、会社で部下がお昼休み遅刻して1時に帰っこない。上司から「何してたんだ、今1時40分じゃないか」「あ、そうですね、1時40分ですね」と、スミマセンじゃないんですね。上司が叱っているという感知もできない。

そういう話をし出すと、本当にいろいろ出てきます。そういうところから、私たちは言葉のもてなしを考えていきたいと考えています。

インタビュー写真


「企業研修などで嫌々参加されたり、斜めに見てくる受講生などがいたりする場合、どのように対応なさっていますか?」

私の場合は育ちがちょっと体育会系なので、斜めに見てくる人には対決姿勢を持つようにしていて、やる気が無い人には怒ります。

何に怒るかというと、一般的に企業研修ですから「あなたのために研修費も人件費もかかっている。それでまわりに悪影響を与えている。そのことを自覚して、たった2時間ですから素直になって聞いてください」といます。年配の方が相手でも、できなければ出て行ってくださいと言います。

一度こういうことがありました。マナー研修で最初に「ご自身にとって一番すてきなお辞儀をやってみせてください」と言いました。そうしたら、先ず先生が手本を見せてくれという受講生がいたのです。

そうではなくて、普段どのようにされているかを見せていただくことが大事なので、やって見せてくださいと。「この研修は私のやったとおりにしていただくものではありません。たった2時間心を素直にして人の話を聞く、そして人に従ってみようと思う。それも心の勉強ですよ」と。

私の言うことに一生従えというわけではありません、たった2時間、ああ言われたとおりにやってみようと思ってください。できないなら出て行ってくださいと。

ご自分の影響力をもっと強く感じてくださいということですね、その態度で私も不愉快だけど周りの方も不愉快ですと。環境問題ですよと。

最初は対決することもありますが後半になるとのってきます。こちらも褒めながらフォローしますし、それでトラブルになったことはありません。

営業マン研修でよく言われます。「こうすれば、もっと売れますよ」と言うと「じゃあ、先生売ってみてよ、うちの会社に入ってトップになれるの?」と。

そういう時には「なれません、あなたたちは営業マンで営業のプロ。私は講師で教えるプロ。今日はジャンルの違うプロが出会っているところが素晴らしいし、ぶつかり合ってそこから何かを学べばいいんです。」と言っています。
駆け出しの頃は動揺しましたけどね(笑)。

「コミュニケーションが苦手という人が増えていますが、どうお考えですか?」

今世の中を見ていて、もう少ししゃべれば良いのに、その前に相手を傷つけてしまったり、自分を押し殺してしまったりすることがありますよね。

私がいじめっこで「○○のことがムカツクよ」と思ったとして、その時に「ムカツク」という言葉しかないと、いじめをしてしまうのです。

その時に彼を見て何故ムカツクのか3分間で語らせて、その時に3分語れない自分に気付いたら、いじめなのです。なぜなら理由がありませんから。

あるいは3分間ムカツク理由が語れる子だったら「でもいいところもあるよね、いいところを探してみようよ。」と、それができるようになるのですよ。

感情の整理ができないから、うざいとか、ムカツクとかしかボキャブラリーがない人は、短絡的な行動に出てしまいます。断片的な言葉でコミュニケーションをしたつもりになるのではなく、ひとりで3分間を埋めてみたら何が現れてくるのかを、問うてみる。

そのようなお手伝いをしていきたいと思っています。

「子供に対する話し方の教育も今後より必要になってきそうですね」

今後は子供にも、もっと係わりたいですね。お子さんと接する若いお母さんにももっともっと興味を持っていただき、子供に話し方を教える時間を作っていただけると良いですよね。

小さい頃から、敬語がちゃんと使えることは大事です。PTAに呼ばれて「子供とどう接したらいいですか?」と質問されることがあります。

お子さんに将来どうなって欲しいですかと最後に必ず尋ねます。こんな職業とか、年収とかでなく、この子がどんな言葉を話せる大人になってほしいのかというイメージを必ず持ってくださいと。そのイメージで日々語りかけてくださいとお伝えします。

「教育現場などへ日本語教育についての希望はありますか?」

親御さんにがんばって欲しいですね。

学校のある先生のお話で、お子さんがクラスの中できちんと敬語を使って、クラスの中でも目立っていたということで、いじめられたりすることもあるそうです。

またある親御さんが先生に呼ばれて「お宅のお子さんは人間的に裏表がある」と言われて「どうしてですか?」と尋ねると、「敬語を使う」と言われたそうです。

大人に敬語を使うとは、裏表を使い分けていて素直でないと言われたというお母さんがいました。

若い先生と言っても22〜23歳ですからね。たぶん、先生の親も正しい敬語を使っていなかったのでしょうね。みんな平等と言う意識なのでしょうか。教育やメンタルに携わっている方には是非その辺の歯止めをかけていただきたいですね。

ご自身の価値観をもって世の中が変な方向に流れていかないようなビジョンを目指していただきたいなと思います

(次回につづく・・)

大嶋 利佳(おおしま・りか) 株式会社スピーキングエッセイ取締役講師代表

スピーキングエッセイは、コミュニケーションの基本を徹底して学ぶ研修プログラムを、提供しています。
マナー、プレゼンテーション、接客接遇、営業販売、電話応対、クレーム対応スキルなど、様々なビジネスコミュニケーション研修を、企業や団体のご要望に合わせて提供しています。
また、一般向けの話し方講座や、ひとりひとりのニーズに合わせた個人レッスンも行っています。
どんな人にも、人前で堂々と話ができる「人前力」をつけてもらうこと、日本から話し下手をなくすこと、それが私たちスピーキングエッセイの願いです。

<提供内容(研修指導科目)>
・スピーチ・プレゼンテーション・話し方
・ビジネスマナー・接客応対・CS・営業
・研修・スピーキングエッセイ・自己表現
・就職試験対策・外国人向け日本語指導
スピーキングエッセイ ホームページ

http://www.speaking-essay.com/

<大嶋 利佳先生の著書>
cover
なぜあの人の話し方は「強くて美しい」のか?


cover
3分でわかる好感度アップの話し方


cover
たった3分で美人になる話し方

ビジネスパーソンのための「話し方」ワンモアステップ(メールマガジン)
登録フォーム  
メールアドレスを入力してボタンを押すと登録できます。  まぐまぐ

インタビュアー:奥原 菜月

奥原菜月

フリーライター、占い&カウンセラー(奥原朱麗)として活動中。
夫と子供2人、犬1匹で横浜に生息中。

占い・カウンセリング・開運などをメインにしたブログ
『占いカウンセラー朱麗のまったり開運日記』

HP:アストロ・ハーティ「朱麗の占いカウンセリングルーム」

インタビュアー:朝比奈 凛香

朝比奈凛香

セミナー講師。
コーチング・コミュニケーション・プレゼンテーション・ビジネスマナーなどの
セミナーを提供している。ラシャンス代表。

あなたの「素敵」引き出します :
http://ameblo.jp/lachance/

インタビュアー:カク タカユキ

カク タカユキ

若さと癒しの請負人

趣味:水泳・カラオケ(好きな楽曲)哀愁のカサブランカ・夜桜お七

国際シデスコ認定エステティシャン
日本エステティック協会正会員

HP:エステ&セラピー「サン・リバー」

  • 呼吸法の日本マイブレス協会
  • 毎朝1分 天才のヒント

インタビュー集

  • 毎朝1分天才のヒント メールマガジンで30日間の無料レッスン
  • さぱりメント あなたのお悩みをさっぱり解決