実際外国の方と日本語でお話しすることは、非常に難しいです。何の気なしに言った一言が、大きな誤解を生んでしまうことがあります。
こういう例がありました。若い大学生の女性がある時とても綺麗な服を着ていたので、何の気なしに「あら、かわいいじゃない!」と言ったのです、そうしたら二度と口をきいてくれなくなりました。わかります?「かわいい」「じゃない」の「じゃない」を否定と受け取ったのです。
まだ日本語を勉強して浅い方は「じゃない」ということはNOTなのです。あなたブスねと明るく言われたと思ったのですね、これは怒りますね。相手を見て今どれくらいの言葉が話せるのか、この単語は知っているのか、この構文は知っているのか、と常に考えて話をしなければならない。
「日本語教育で気をつけていらっしゃることはありますか?」
それまで私自身、話し方教育というのを受けたことがありません。
ただ、外国の方に日本語をお教えする際に、いかに誤解をされないかとか、いかにわかりやすくお伝えするかとか、それは日本人と話す時にも非常に有効なのです。
私は日本語がぺらぺらですが、相手の方は本当にたどたどしい。でも一生懸命話されます。
それをいかに汲んであげられて、相手の方が「ああ、自分はこんなに日本語がしゃべれて、大嶋さんとこんなに話せるなんて、日本語が上手になったのかもしれない」って思ってくれるような会話をしてあげたいと考えてきました。
「外国人に対する日本語教育の考え方が日本人との会話でも有効ということですか?」
留学生の友人の結婚式で披露宴がありました。私は恩師として呼ばれて行ったのですが、隣に座った全く知らない年配の男性の方とお話したことがきっかけで、その方がお知り合いを3人も紹介してくださって、それぞれからお仕事をいただき、更にその方ご自身からも出資していただいたということもありました。
披露宴の席で、全くの初対面で年齢も違う男性でちょっと話をしづらい。そんな中で私は一生懸命話しかけていました。
披露宴ですから、他の人のスピーチやケーキ入刀などありますから、ずーっとはしゃべれません。私はその方の会話が中断されたときには必ず会話を戻して話題が中断されたままにしないようにしました。それが大変嬉しかったということです。
そのテーブルにはその方のお知り合いはどなたもいらっしゃらなくて、私が他の方と盛り上がっていると、その方が寂しそうでした。お一人で寂しい思いをさせないようにと思いました。
それからもう一つ、その方は年配で非常に品の良い男性でしたので、感じの好い方だな、仕事でも成功されていて、面白いお話を伺えるんじゃないかなという気持ちもちょっとありました。
「おもてなしの心を伝えていらっしゃるところがポイントのように感じますが?」
そうです、おもてなしと言うと食べ物をお出ししたり旅館で・・・という感じがありますが、そうでなく、相手の気持ちを和ませることだと思います。
これをこういう言い方をしたら相手がどう思うだろうということ、それをお伝えしていきたいなと思っています。気配りですね、気配りって言葉配りですよね。
「企業研修などでも必要なことですね」
特にビジネスの場でもっともっと伝えていきたいです。例えば、若い社員の方が上司から「大嶋さん、これコピーして」と言われて「ああ、いいですよ」若い社員は応えるわけです。それにカチンときている上司がたくさんいます。
ところが若い社員からすると「気持ちよく引き受けているんだから、そこに何の問題があるんですか?」と言ってる意味が分かっていないのです。
「ああ、いいですよ」って、「いいですよじゃなく、かしこまりましただろう」、と上司は思うわけです。いいか悪いかはお前に決めてもらうことじゃないと。そういうところも分からない。
それから、会社で部下がお昼休み遅刻して1時に帰っこない。上司から「何してたんだ、今1時40分じゃないか」「あ、そうですね、1時40分ですね」と、スミマセンじゃないんですね。上司が叱っているという感知もできない。
そういう話をし出すと、本当にいろいろ出てきます。そういうところから、私たちは言葉のもてなしを考えていきたいと考えています。







