第19回目(1/4)  大嶋 利佳 先生 スピーキングエッセイ

「言葉の力」に助けられた会社設立

今回のインタビューは、スピーキングエッセイの大嶋 利佳(おおしま りか)先生です。

大嶋先生は、日本語学校講師を経て、現在は「話し方」や「ビジネスマナー」の研修講師をされています。『なぜあの人の話し方は「強くて美しい」のか? 』をはじめとする著書も多数出版されています。

独立開業から現在に至るまで、さまざまなご縁やチャンスがあり、それに巡り会えたのはご自身の「日本語の力」が大きかったとのこと。

なぜ日本語の力があるとチャンスをつかむことができるのか? これまで実績を積み上げてこられた経緯、そしてこれからの展望について伺ってきました。

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「日本語教育に興味を持たれたきっかけをお話いただけますか?」

大学を出て、海外で少し過ごしました。最初ヨーロッパに行き、その後短い期間ですが東南アジアにも行きました。今で言う「自分探し」です。

当時から日本語教育に関心があったので、ドイツで日本語教師の助手として働きました。今から20年ぐらい前は日本に外国の方が仕事や勉強でたくさん来られていた時期で、日本語学校も大変流行っていまして、その時に日本語教育を始めました。

その経験を積み重ねていって、母国語である日本語に非常に関心を持ったということが、今の仕事に興味を持つきっかけでしたね。

「現在の事業を始めた動機を教えてください」

ヨーロッパで日本語を学ぶ人たちと、東南アジアなどの比較的発展途上国で日本語を学ぶ人たちの間に大きな動機の差があるのです。

例えば、ドイツの高校生で日本語を学ぶ人たちに「何故日本語を学ぶのか?」と質問すると「私はもう、フランス語もイタリア語もラテン語もできる。難しいことをやってみたくなったので日本語を始めた」と。

ところが、発展途上国の方たちですと、日本語ができないとお給料が減らされるとか、働くところがないとか、本当に生まれた国によって切実な事情があることを痛感しました。

反面、私自身の現状は非常に恵まれているわけで、それをどう生かしていくのか、また日本語教育でどのようにお役に立つことができるのかを考えました。

日本人が母国語をもっと大事にして、外国の方にもっと気持ちよく日本語を学んでいただける環境を創りたい。それが現在の展開の動機になりました。

「1988年の第1回日本語教育能力試験に合格されていますが、受験した理由は?」

実はその試験に合格する2年前から現場に出て指導をしておりました。その頃日本には、多くの外国の方が来て、日本語学校もたくさんできていました。

日本人なら誰でも日本語を教えられるでしょう?と思われるかもしれませんが、実際には十分な知識とスキルが求められます。

先生が大量に必要で、業界も文部省もそれに対して危機感を持ち、きちんとした公的な試験を作りましょうという気運が高まってきていました。そして1988年に第一回が開催されたのです。その試験は難しくて、試験の合格率は、2割を切っていました。

ちょうど、私は駆け出しの日本語教師の時で、今までやってきたことですので、すぐに受けて自分の立場をはっきりさせようと受験しました。

国語の教員免許は持っていませんが、大学時代はずっと文学・文芸学系ですので、日本語は得意でしたね。

「その後、独立なさるまではどういう経過だったのですか?」

その日本語教育をつきつめて勉強していき、専門学校の教員になりました。
生徒には留学生もいれば若い日本人の方もいらっしゃいます。

どうも様子を見るにつけ、最近の日本の若い方の日本語は、しっかり勉強をした外国の上級の方に劣るのではないか、日本語がかなり危機的な状況になっているのではないかと痛感しました。

日本人に対する日本語教育も必要だと思うようになり、そういうことから日本人に対する教育、特に「話し方」という方向に進んで行き、その後専門学校の教員を辞めて講師として独立して、会社を立ち上げて本日に至っています。

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「開業当初はどのような状況でしたか?」

1997年に開業した当時は、会社名は「アイワコミュニケーション」でした。
「会って話しましょう」という意味です。会って話しましょう、直接のコミュニケーションを大切にしましょう、という意味を込めました。あとは、「あ」から始まる言葉を付けて、タウンページの最初に出てきたらいいかなと(笑)。

初めての仕事は、たまたま韓国の方たちと交流があり、韓国大使館での日本語教育でした。そのつながりで韓国企業の支店長の日本語教育、個人レッスンなどをご依頼いただきました。

その後、専門学校の教員時代のキャリアをアピールして、ビジネスマナー、秘書検定の受験指導などのお仕事をいくつかの研修会社からいただきました。
おかげさまで日本語教育とマナー研修を並行してやっていけるようになりました。

「2001年に会社名をスピーキングエッセイに変えていらっしゃいますが?」

若気の至りで私が思いついたのです(笑)。いわゆる、スピーチ教育を日本に普及したい。

いわゆる会話ではなくて、3分なら3分というまとまった時間を設定して、その中で自分だけで話したいことを話しきると言うスタイルです。

それによって自分を伝えていこうというコミュニケーション教育をやっていこうと思っています。今は日本語でやっていますが、将来的には外国語でもやりたいと考えています。

例えば、スピーチの勉強って言いますと、スピーチって言う言葉自体ちょっと手垢がついていて、結婚式だから頼まれて仕方なくやるとか、式典だからやるとか、頼まれていやいやながらやるとか。そういうイメージがありますよね。

そうではなくて、例えばエッセイサークルのように皆で集まって「じゃあ今日は一人3分話してみようよ」そして、「おもしろい話でしたね」とか、「表現が上手でしたね」と、みんなで語り合える場でありたいと思って、スピーキングエッセイという名をつけました。

「現在、サークルのような会は定期開催されているのですか?」

定期的にやっているのが1つ、10人ぐらいです。
それと、学習院大学の生涯学習講座のひとつに入っています。
他に不定期ですが公開の講座ですね。

いろんな意味でいい影響があります。参加する前に必ず「次回までに3分間スピーチを作ってきてください」とお願いしています。そうすると日常生活の中で話題を探すようになるのです。それがなければ漠然として過ごす1週間が「今週は何が一番楽しかっただろう」「今週一番人に言いたいことはなんだろう」と考えて過ごすようになります。

また、「今日飲んだこのお茶のことを3分間話すとしたら、どんなことを話そう」と、ふだん何気なく過ごしていることに、何か言葉を紡いでいこう、人に語れるものを探していこうという姿勢でお過ごしになる。生活することがおもしろくなったとおっしゃってくださいます。

「お世話になった方や影響を受けた方はいらっしゃいますか?」

たくさんいらっしゃいます。最初にアイワコミュニケーションを創って駆け出しの頃は、お仕事が少なくて、昔のつてを頼ってお仕事を紹介していただいていました。当時、ある日本語学校の校長先生にお会いし、非常勤のお仕事をいただきました。私が会社を創りたいと言った時に、その方が300万という資本金を出してくださいました。

それと、これが一番印象に残っていることなのですが、以前に日本語学校で教えていた中国人留学生の方の保証人をしていた実業家の方が、借金の保証人になって下さいました。

それも、偶然本屋さんで留学生と保証人の方が一緒にいらっしゃったときに偶然ばったり会って、「はじめましてこんにちは、それではさようなら」と3分も話さなかったのに、後日留学生から「保証人が先生に会いたいと言っています」と連絡をいただいたのです。その後、私の借金の保証人になってくださいました。

「どのような理由で皆さんがそのように支援してくださるのだと思いますか?」

2つ理由があると思います。1つは私にビジネスとして「独立して会社を作りたい!」という思いがありました。当時まだ何も形がないときの「会社を作りたい!」という強い気持ちが伝わっていたのではと思います。

もう1つは私自身言葉の教育をしているので、何か『言葉の力』に助けられたのではないかと感じています。

「具体的にどのようなことでしょうか?」


たとえばこんなことがありました。

日本語学校の校長先生と初めてお目にかかった時に、学期の最初に先生が30人くらい集まって、「皆さんで自己紹介しましょう」と端から名前を言っていくわけです。そのとき私はかなり張り切って「ちょっと、なーにあの人?」と言われる自己紹介をしてしまいました。

例えば他の方が「大嶋です、よろしくお願いします」とあいさつするのを私は、「大嶋 利佳と申します。将来会社を作りたいと思っております」とかやったわけです。自己紹介で下の名前まではっきり言うことに驚かれたのです。

下の名前まで、はっきり発音・発声して一言加える。そういった私に校長先生は強い印象を持ってくださったのが幸いして、その時校長先生は定年を前にして自分も会社を作ってみたい。でも年をとったので運営は誰かにやらせてみたいという心の奥の欲求があったそうです。そこにヒットしたわけです。『言葉の力』でしょうね。

「保証人になってくださった方の場合はどういう状況だったのですか?」

私と留学生の彼女は本当に古い付き合いで、本屋で会った時に「わー、元気?きゃー!」と話していたその短い間、同行の方が居られるのには気付かず、その方は無視されたような形になってしまったのですね。

話の後に、同行の方を紹介されて「ああ、申し訳ない、あなたのことを無視したようになってしまって」と。そしてこう申し上げました。「お連れの方に不躾にお声をかけて、本当に失礼いたしました」。

そうしたら翌日電話がかかってきて「あなた、先生を辞めて秘書をやらないか」「先生でなかったら来ていただくんだけど…」と。その方は受験塾を手広くされている教育関係の方で、大学生の時に6畳のアパートで小学生を2人教えるという塾をされて、その後チェーン店に発展させた実業家でした。

その方は「あなたも独立したばかりだと伺いました」と、この後が本当に泣かせるのですが「何時かお金が要るときに、私が保証人になってあげてもいいからその時は来てください」と言われ、驚きました。そして本当に私は一年後に行きました(笑)。

私の気持ちとしてはせっかくそんなに言って下さったし、親戚よりも事業で成功されている方が保証人になっていただいた方がいいですから、お願いに行きました。

しかもその方の経済力のおかげで普通は国民金融公庫から300万円しか借りられないところを、保証人がしっかりしているから400万いいでしょうとなりました。

中国人留学生の保証人の方との出来事は、「本当に言葉遣いで皆さんの人生に良いことがありますよ」ということで、いつも引き合いに出させていただいております。

(次回につづく・・)

大嶋 利佳(おおしま・りか) 株式会社スピーキングエッセイ取締役講師代表

スピーキングエッセイは、コミュニケーションの基本を徹底して学ぶ研修プログラムを、提供しています。
マナー、プレゼンテーション、接客接遇、営業販売、電話応対、クレーム対応スキルなど、様々なビジネスコミュニケーション研修を、企業や団体のご要望に合わせて提供しています。
また、一般向けの話し方講座や、ひとりひとりのニーズに合わせた個人レッスンも行っています。
どんな人にも、人前で堂々と話ができる「人前力」をつけてもらうこと、日本から話し下手をなくすこと、それが私たちスピーキングエッセイの願いです。

<提供内容(研修指導科目)>
・スピーチ・プレゼンテーション・話し方
・ビジネスマナー・接客応対・CS・営業
・研修・スピーキングエッセイ・自己表現
・就職試験対策・外国人向け日本語指導
スピーキングエッセイ ホームページ

http://www.speaking-essay.com/

<大嶋 利佳先生の著書>
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なぜあの人の話し方は「強くて美しい」のか?


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3分でわかる好感度アップの話し方


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たった3分で美人になる話し方

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インタビュアー:奥原 菜月

奥原菜月

フリーライター、占い&カウンセラー(奥原朱麗)として活動中。
夫と子供2人、犬1匹で横浜に生息中。

占い・カウンセリング・開運などをメインにしたブログ
『占いカウンセラー朱麗のまったり開運日記』

HP:アストロ・ハーティ「朱麗の占いカウンセリングルーム」

インタビュアー:朝比奈 凛香

朝比奈凛香

セミナー講師。
コーチング・コミュニケーション・プレゼンテーション・ビジネスマナーなどの
セミナーを提供している。ラシャンス代表。

あなたの「素敵」引き出します :
http://ameblo.jp/lachance/

インタビュアー:カク タカユキ

カク タカユキ

若さと癒しの請負人

趣味:水泳・カラオケ(好きな楽曲)哀愁のカサブランカ・夜桜お七

国際シデスコ認定エステティシャン
日本エステティック協会正会員

HP:エステ&セラピー「サン・リバー」

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