「バランス活性療法や剣持先生の基本的な理念はどんなものですか?」
バランス活性療法は、「施術者が疲れない・痛くない・短時間・着衣のままの施術」というのがセールスポイントでしょう。機械や器具も使いません。
赤ひげ塾については、「研修生はお客様」「自分の受けたい研修を」「仲間を作り、安心して開業を」ということでしょうか。
根本は「自分がやってほしいことをやってあげる」ことです。
冗談でウチの社訓は『親切・丁寧・調子良く』だって言っています。これは丸井の社訓『親切・丁寧・愛想よく』をもじったものなのです。僕は調子良くいくように頑張ればいいのではないかと思っています。
吉野家の「うまい・早い・安い」というキャッチコピーを治療に求めると、今やっているようなことになるわけです。下手な治療を、高いお金を取られて延々とやられたら患者さんが困りますからね。
「これから整体などを勉強したいという人に、学校の選び方のアドバイスがありますか?」
業界や組織によっては、学校経営がお金を得る大きな手段になっていることがあります。
素晴らしいパンフレットに、カウンセリング、足ツボ、アロマと、たくさんの講座名が並んでいて、「ここに行けば全部習える」とすべて受けると数百万もかかったりします。
こうした講座を全部受けて卒業した人が「開業できない」と相談に来たりします。
整体で一番大切なのが診断力ですが、診断法が無いのですね。
相談に来た人には、「ここではどういった方法で診断しますか」「最後まで講習を受けるといくらかかりますか」「卒業後の教育はどういったものがありますか」この3つを聞いて、さらに「体験できますか」と聞いてごらんなさい。どれか一つでも答えられなかったら再考した方がいいと言っています。
「丸井での経験以外に強く影響を受けたことはありますか?」
多くの先生や仕事関係の方にお世話になり、影響も受けていますが、国鉄マンだった父からもたくさんの影響を受けました。
今だに忘れられないことがあります。
ある時、僕が新潟までの400円位の汽車賃を高いと言ったのです。そしたら、父がムッとした顔をして「そうか、では400円をやるから、新潟まで歩いていけ」と。
一度だけ新潟まで歩いていきましたが、二度と歩く気にはなりませんでした。
「なるほど、そういう考えもある。モノの価値ってそういうものだ」と教えられました。
「この世界は、自分が直接治療をしていきたいタイプと、人を教える側のタイプと大きく分かれるように感じますが、それぞれに向き不向きというのはありますか?」
ありますよ。
そもそもバランス活性療法は、カイロプラクティックのように何百万円のベッドを買う必要もないし、往診にも手ぶらで行けますから、スローライフ向きかもしれません。ただし、1人施術していくらという世界ですから、1回の取引で数百万という商いはできません。
ストイックにメンタル面を考える人は治療の方にのめり込むのでしょうね。人助けをしたい、人との対話がしたい、心と対話したい、そういったメンタル面で自分を求めていく人は治療の方にいくのでしょう。
事業欲のある人、お金を儲けたい人は教える方が金銭的には収入が良くなるので、教える側にいくかもしれません。組織の上に行きたい人、人前で話したい人もそうですね。
ただ、事業として考えると大きな責任を負いますから、単純に教えることが好きだからということだけではできないのです。
「剣持先生は落ち込むことはありますか? どのように対処していますか?」
もちろん、ありますよ。元来は臆病者ですから。でも、仕事をゲームととらえて考えるようにしています。
施術に関して言えば、バランス活性療法は自分で治せるかどうか、最初に患者さんの体に聞くのです。治せないのに施術しても詐欺のようなものですから、治せないものは最初から診ません。自分では無理だから病院に行ってくださいと伝えますので、落ち込むことはありません。
あるリハビリ学校の入学式でも言ったのです。
「勉強しなくては試験には合格しない。それなら嫌いな勉強を楽しいゲームに置き換えて考えよう。勝つために作戦を練ろう。」とね。
僕は5年間休みなしで動き回りました。月曜日に家に帰って親の介護をして、木曜日に東京に来て全国を回りました。5年間1度も休まなくても、ゲームだから辛くないんですよ。
施術でも治せなかったら負けです。ゲームは勝ちたいですから、勝つために作戦を練るわけです。神様がレベルアップさせるために難しい患者を送り込んでくる。負けたら悔しいから、がんばるのです。どうやったら勝てるか、研究心があるかないかの差ではないでしょうか。





