第6回目(4/4)  赤城 恵子 先生   あかぎけいこ・カウンセリングルーム

自分の偏見や差別意識に気づいておくことが大切です

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「今のお仕事で大切にされているものは何でしょうか?」

いま私自身の姿勢として大切にしていることは、「そこにたたずむ」ということです。

クライエントさんが大変つらい気持ちを表現されたとき、励ましもせず、解釈もしないで、私もそこにいる、一緒にいる、ということです。

これは簡単なようで簡単ではないですね。その人の悲痛な気持ちも重たい空気も、静かにたっぷりと受け止められるようになりたいと思います。

それからクライエントさんの自律性を大切にしています。普段の生活の中で、いつもセルフケアができるように支援することもその一つです。

たとえば、リラクセーションの方法を身につけていただいたり、苦痛を和らげるための資料をお渡しして、1人でもストレスに対処できるように配慮しています。

「他に工夫されていたり、配慮されていたりすることはありますか?」

悩みと程よい距離を置いて、うまくつきあっていけるような工夫もしています。

その工夫の一つとして、悩んでいる部分に名前をつけるというのがあります。嘔吐恐怖には「オットーくん」、対人不安には「縮みちゃん」とか「ビクちゃん」といった具合です。

悩みの部分が独立して人格化されると、もうそれだけで笑うゆとりが出てきます。そうすると苦しさに呑み込まれないで、その部分とじょうずにつきあうコツを身につけていかれるんですね。

「この仕事をしていて良かったと思うことと、仕事を続けていくうえで高いモチベーションを維持する秘訣がございましたらお聞かせください。」

良かったと思うのは、やっぱりクライエントさんの変化や大きな力を感じられることです。

長くてつらい道のりがあって、やがて気持ちの琴線にふれて、ご自分を許したり、傷を癒されたり、自己洞察なさる場面に出会うと、人間てすごいな…素晴らしいな…と思います。

それは本当に、こちらも胸が熱くなるような瞬間です。それと同時に、私の経験も豊かになっていると思える、それが嬉しいですね。

これは他の仕事ではなかなか経験できないことです。そんなことがモチベーションの維持につながっていると思います。

モチベーションと言えば、研究会も役立っています。

プロのカウンセラー数人で定期的に開いているのですが、ここでは日頃の苦労も分かち合えますし、みなさんからヒントもパワーもいただいています。

「体力的に大変だなと思われることはございますか?」

カウンセリングの仕事だけなら体力的に問題がないのですが、遠くに出かける講演が続くとけっこう大変です。

その準備にもかなりのエネルギーが必要ですからね。還暦を過ぎたら仕事はカウンセリングに絞り込んで、じっくりとやっていきたいですね。

「今後の目標についてお聞かせください。」

とても地味な目標ですが、どこまでもスキルアップしていくことです。

自分の姿勢を振り返ってみる機会をつくらないと独善的になってしまうので、スーパービジョンや研修に参加しながらやっていきたいと思います。

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「これからカウンセラーを目指している方に一言お願い致します。」

カウンセラーを目指す人は、ジェンドリンが開発した「フォーカシング」をぜひ習得されるといいと思います。

カウンセラーが真っ白なキャンパスになって、クライエントさんが安心してあるがままの自分をそこに描けるように最大の配慮をしていくこと、その大切さがよくよく実感されてくると思います。聴くスキルが一段と磨かれていきますよ。

それからやはり、いつも自分に立ち返って、自分自身を知っておくことが大切ですね。

「自分自身を知るためには何をしたらよいのでしょうか?」

人の援助をすることよりも、自分が援助されることで発見できることがいっぱいあると思います。

グループ・エンカウンターなどに参加されるのもいいですね。自分を深く追求して、大きな傷があるなら癒しておくことも必要です。

それができていないと、クライアントさんの苦しみに巻き込まれて身動きが取れなくなってしまいます。

自分の中に見たくないもの、切り捨ててしまいたいものを抱え込んでいては、無条件に相手を受け止めることはできませんね。

ネガティブとされる自分の感情までしっかりと認めることができて、はじめて人を受け入れることができるのだと思います。

それから自分の価値観を自覚しておくことでしょうか。自覚されていないと、自分の価値観に合うような方向に相手を誘導してしまうかもしれません。

それでは自己決定の支援とは程遠いものになってしまいます。

偏見や差別意識に気づいておくことも大切ですね。その意識を改めておかないと、間違った思い込みをしたり、相手を傷つけてしまうことがあるからです。実際、前のカウンセラーの偏見に傷ついたという声も何度か聞いてきました。

「自分の偏見を知るためのいい方法はございますか?」

偏見をもっていない人は1人もいないと思いますが、偏見はもちろん無意識ですから難しいですね。でも、たとえばその人が同性愛だとしたら、自分はどんな目でその人を見るだろうか、と考えるとどうでしょう。

統合失調症と診断された人と聞いたらどうか。町で車椅子の人を見かけた時、その人のことは何も知らないのに、「かわいそう…」などと決め付けていないだろうか。そんな視点をもつことでしょうね。

相手がどんな人であれ、その人に向けるまなざしが濁っていないだろうか、曲がっていないだろうかと、ちょっと立ち止まって見るとか、世の中の「常識」を疑ってみるのもいいと思います。

いろいろな立場や職業の人と知り合うことで、偏見を取り除いていくこともできると思います。

なかなか難しいことですが、私も自分をチェックしながら、いつも「無知の姿勢」でクライエントさんに向き合えるようになりたいと思います。

<編集後記>

駅前の喧騒とは対照的で、緑豊かな公園と色とりどりの花が咲きほこるお庭を眺めながらゆったりとハーブティーを頂く…寛ぎの中で行なったインタビューはとても有意義なものになりました。

「自分を深く追求・分析して傷を癒していなければ、他人を受け止める(カウンセリング)ことはできません。」とおっしゃる赤城さんの穏やかな口調の向こう側に、心と体の問題を扱うプロとしての姿勢や心構えを垣間見ることができました。

あかぎけいこ・カウンセリングルーム  (千葉県松戸市)

女性カウンセラーによる女性のための心理相談室です。

どのような悩みでも安心して語っていただき、心身の緊張を解き放して
その人本来の力が伸びやかに発揮されていくことをめざしています。

出産・育児を応援する専門家のWEBコミュニティー
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傾聴、フォーカシング、FAP、認知療法、交流分析、リラクセーション、
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〒270-2267 千葉県松戸市牧の原2-167
TEL&FAX 047-384-2465

 

インタビュアー:川鍋友紀

川鍋友紀

1児の母。

現在はカウンセラー・セラピストとして独立すべく勉強中。

インタビュアーとして活動中です。

 
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