いま私自身の姿勢として大切にしていることは、「そこにたたずむ」ということです。
クライエントさんが大変つらい気持ちを表現されたとき、励ましもせず、解釈もしないで、私もそこにいる、一緒にいる、ということです。
これは簡単なようで簡単ではないですね。その人の悲痛な気持ちも重たい空気も、静かにたっぷりと受け止められるようになりたいと思います。
それからクライエントさんの自律性を大切にしています。普段の生活の中で、いつもセルフケアができるように支援することもその一つです。
たとえば、リラクセーションの方法を身につけていただいたり、苦痛を和らげるための資料をお渡しして、1人でもストレスに対処できるように配慮しています。
「他に工夫されていたり、配慮されていたりすることはありますか?」
悩みと程よい距離を置いて、うまくつきあっていけるような工夫もしています。
その工夫の一つとして、悩んでいる部分に名前をつけるというのがあります。嘔吐恐怖には「オットーくん」、対人不安には「縮みちゃん」とか「ビクちゃん」といった具合です。
悩みの部分が独立して人格化されると、もうそれだけで笑うゆとりが出てきます。そうすると苦しさに呑み込まれないで、その部分とじょうずにつきあうコツを身につけていかれるんですね。
「この仕事をしていて良かったと思うことと、仕事を続けていくうえで高いモチベーションを維持する秘訣がございましたらお聞かせください。」
良かったと思うのは、やっぱりクライエントさんの変化や大きな力を感じられることです。
長くてつらい道のりがあって、やがて気持ちの琴線にふれて、ご自分を許したり、傷を癒されたり、自己洞察なさる場面に出会うと、人間てすごいな…素晴らしいな…と思います。
それは本当に、こちらも胸が熱くなるような瞬間です。それと同時に、私の経験も豊かになっていると思える、それが嬉しいですね。
これは他の仕事ではなかなか経験できないことです。そんなことがモチベーションの維持につながっていると思います。
モチベーションと言えば、研究会も役立っています。
プロのカウンセラー数人で定期的に開いているのですが、ここでは日頃の苦労も分かち合えますし、みなさんからヒントもパワーもいただいています。
「体力的に大変だなと思われることはございますか?」
カウンセリングの仕事だけなら体力的に問題がないのですが、遠くに出かける講演が続くとけっこう大変です。
その準備にもかなりのエネルギーが必要ですからね。還暦を過ぎたら仕事はカウンセリングに絞り込んで、じっくりとやっていきたいですね。
「今後の目標についてお聞かせください。」
とても地味な目標ですが、どこまでもスキルアップしていくことです。
自分の姿勢を振り返ってみる機会をつくらないと独善的になってしまうので、スーパービジョンや研修に参加しながらやっていきたいと思います。




